伝統馬車で祝賀パレード 戴冠式控えロンドン厳戒

伝統馬車で祝賀パレード 戴冠式控えロンドン厳戒
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR053DY0V00C23A5000000/

『【ロンドン=江渕智弘】英国のチャールズ国王の戴冠式が6日午前11時(日本時間午後7時)からロンドンのウエストミンスター寺院で行われる。式典後に伝統の馬車でロンドン中心部をパレードする。1万人を超える警察官を動員する厳戒態勢となる。

国王はエリザベス女王の死去に伴い2022年9月に即位した。君主の頭に王冠を授ける戴冠式は国内外に即位を印象づける意味がある。1000年以上ほぼ同じ形で続く。

国王とカミラ王妃はバッキンガム宮殿を出発し、寺院まで「ダイヤモンド・ジュビリー・ステート・コーチ」に乗って移動する。12年のエリザベス女王の即位60年を記念してつくられた馬車で、女王や各国の首脳らが使ってきた。
戴冠式当日は伝統馬車「ゴールド・ステート・コーチ」が用いられる(3日、ロンドン)=ロイター

国王は戴冠式で英国国教会の最高位聖職者カンタベリー大主教から聖油を塗られ、王冠を受ける。女性聖職者や、シーク教や仏教などキリスト教以外の宗教代表が初めて式の進行にたずさわる。多様性を重んじる時代を映す。

2時間の式のあと、バッキンガム宮殿に戻る際は1760年代に製造された馬車「ゴールド・ステート・コーチ」に乗る。全長7メートル、4トンの重さがあり、8頭が引く。
バッキンガム宮殿前は戴冠式前日から泊まり込みで並ぶ人であふれた(5日、ロンドン)

宮殿から寺院までの沿道には5日から椅子やテントでパレードを待つ人が大勢いた。5日の昼から宮殿の目の前に陣取っているというオスロから訪れた女性は「とても興奮している。待ち遠しい」と話した。エリザベス女王の国葬やウィリアム王子とヘンリー王子の結婚式の際も英国を訪れたという。

祝賀ムードが高まる一方、テロや混乱を防ぐため、警察当局は「黄金の宝珠」と名付けた警備計画で厳戒態勢を敷く。戴冠式当日は、1日としては過去数十年で最高の約1万1500人、前後も合わせると計2万9000人を超える警察官が警戒にあたるという。行進ルートの周辺では王室廃止を訴えるデモが予定される。

国王は5日夕、バッキンガム宮殿で各国の賓客を招いたレセプションを催した。』