〔四臣(ししん) 千里を照らさんとす…。〕

中国通史で辿る名言・故事探訪(四臣 千里を照らさんとす)
 「四臣(ししん) 千里を照らさんとす」

                     ◇ 戦国時代 ◇
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 ※ 「宝物(ほうもつ)」自慢の話しを聞くと、いつもこれを思い出す…。

  『四人の優れた将軍が、それぞれの所定の国境地帯で守備に就き、

 よく外敵を防いで国家の平安に寄与するとともに、また敵国に対しても

 その余影を与える事が出来たという故事。

  ※ 千里とは距離の実数ではなく、方千里の国という「国の異称」で

    ある。

 《 斉の威王と魏の惠王の国宝問答 》

   斉王と魏王が城外で相互親善の狩猟をした時のこと、魏王が斉王に

  問うた。

   「斉にはどんな宝がありますか」と。

   問いを受けて斉王は、

   「あると言えるほどの宝はありません」と。

   魏王は其の言葉を聞いて、自慢げに言った。

   「私の国は小さいとはいえ、直径が一寸ほどの宝玉があり、

  その輝きたるや車の前後 十二乗の距離を輝き照らす事が出来ます」

  と。

   だが斉王は悠然として言った。

   「私の宝は、王のものとは異なります。  

   我が臣に壇子と言う者がいますが、南の城を守らしてからというもの、

  楚は敢えて領土の泗上を侵攻しなくなり、十二諸侯まで来朝するよう

  になりました。

   肦子(はんし)と言う者に高唐を守らせたところ、

  趙の人たちは敢えて東の河を侵略しなくなりました。

   黔夫(けんぷ)と言う者に徐州を守らせたところ、

  燕は吾が北門に、趙は吾が西門に来て攻められないように祈り、

 祭礼をするようになりました。

   種首(しょうしゅ)という者を盗賊に備えさせれば、

  当に道 遺ちたるを拾わず、と言う治安状態となりました。

   この四臣、将に千里を照らさんとす、

   豈に特(ただ) 十二乗のみならんや」と。

   これを聞いた魏王は、恥じ入った態であった。

                 「十八史略 戦国・斉」』

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(※ Z会の教材の一つらしい…。)

 ※ 「原文」を読みたくて検索したが、なかなかヒットしなかった…。

 ※ かろうじて、これくらいのものだ…。