政治が経済に口を出し過ぎると、必ずしっぺ返しがある。
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/31447477.html
『アメリカ地銀の株価下落が止まりません。パックウェスト銀行、ウェスタン・アライアンス銀行、ファースト・ホライズン銀行が、数十パーセントの下落を見せて、昨日と一昨日のニューヨーク・ダウは、爆下がりでした。400ドルの下落というのは、最近の荒い動きの中では、目立ちませんが、地味に大きな下落です。
こうなると、銀行というブランドが信用不安に陥っていますね。実際、これら地銀の全部が全部、財務状態が悪いかと言えば、楽では無いでしょうが、そんな事は無いと思います。しかし、預金をしている人が、銀行を信じなくなって、引き出しに走るものだから、急激に財務が悪化して、破綻せざるを得ないという流れになっていますね。つまり、信用不安が、実際の銀行破綻を作り出している状況です。まぁ、そういう状況を作り出した銀行の経営が甘いと言えば、済んでしまう話ですが、何度か言っているように、根本原因は政策金利の急激な引き上げなので、これを全て銀行の経営者の責任と言うには、ちょっと無理があります。政策金利がゼロ金利だった時には、逆に債権で運用して利益を出さないと、預金者に利子も払えなかった状況なので、「なんで、そんなに債権を買ったんだ」というのは、今だから言える事なんですよね。低金利の時には、債権購入で、利益を出さざるを得なかったのです。
そして、政策金利はインフレ抑制の為に、骨を切らせて肉を断つ覚悟でやっているので、根本原因はインフレで、そのインフレを引き起こしたのは、3回もやった武漢肺炎対策での支援金のばら撒きです。最初の素早い支援金の配布は、「さすが、アメリカは対応が早い」と思ったのですが、その後に追加で2回もやり、各州でもバラバラにやったのですよね。これは、バラ撒き過ぎです。失業者が貯金できるくらい金をバラ撒いたので、今のアメリカのインフレが引き起こされています。これって、明らかに選挙狙いですよね。
表現を選ばなければ、政治家というのは、金をバラ撒く理由があれば、盛大にバラ撒いて、選挙権を持つ人々の歓心を得たいと思っています。なので、機会があれば、法律を制定して、ガンガンと補助金や支援金をバラ撒きます。その後始末を、やらされるのが、各国の中央銀行です。FRBがインフレを見誤ったというのは、事実で、対応も遅れたのですが、そもそも、その原因を作り出したのは、アメリカの歴史でも教科書に載るくらいの大量のバラ撒きです。それで、通常の3倍のペースで政策金利の利上げをして、インフレ対策に乗り出した結果が、今の銀行の破綻劇につながっています。結構、バカな事をしているのです。全部、銀行が悪いで済ませられない話なんですよね。
これだけ、アメリカが自分の都合で、基軸通貨のドルを弄り倒すので、他の国も自己防衛の為に、ドル支配から離れようとしています。中東で新しい経済圏を作る構想も、その一貫で、サウジアラビアとイランが、久しぶりに仲直りしたのも、その下準備です。実際、アメリカの経済失政は、他国にも、物凄い迷惑をかけています。大体、国家に対する貸付は、ドル建てで行うので、そのドルの価値が、フラフラし始めると、発展途上国の経済にまで波及します。特に、今は政策金利をガンガン上げているので、黙っていても借金の返済額が金利分増える事になります。また、ドルとペッグしている通貨は、引っ張られて、自国の経済状況と関係無く、金利を上げないと追随できなくなります。中東がロシアや中国に色目を使い始めたのも、アメリカが好き放題に市場を荒らした結果とも言えます。
強大な軍事力で威嚇していれば、ドルの覇権は崩れないだろうとアメリカは考えていると思いますし、それは、その通りなんですけど、結構、額から湯気が出る程度には、他国は怒ってますよ。口に出さないだけで。まだ、半世紀くらいはアメリカの覇権は続くとは思います。未だに、新しいイノベーションは、アメリカが起きてますし、軍事力は強大ですし、産業の構造が崩れ始めて生産より金融中心になっているのは、不安材料ですが、まだまだ経済も強いですからね。しかし、その先の保証は無いとも思っています。まぁ、無責任なようですが、その時には私はクタバッている予定なので、既に「大変ですねぇ~」という他人事モードです。いや、煽りとか無しで、本当に、そこまで寿命が無くて良かったと思っています。色々と不満はあるでしょうが、今が天国に見えるくらいには、世の中が荒むはずです。恐らく、力で他人のモノを盗むのが、さほど悪い事とは認識されないでしょう。国家単位で。無ければ、奪うが、当たり前の時代になると思います。
実は、自衛しようとしていてるだけ、中東の指導者は、素晴らしいと最近思っています。もちろん、資源を持っているからできるという部分はありますが、それを言い出したら、条件なんて住んでいる地域で違うのですから、言っても仕方ありません。原油が尽きた後、何も生み出さない砂漠という土地で、自国が生き延びる為に、今から手を打とうと、頑張っています。彼らの生きている社会は嫌いですが、変な思想に毒されずに現実的に政治を進めようとしている姿勢には、見るべきものがあります。ただ、私の見通しでは、最終的に頓挫すると見ています。あの、余りにも綺羅びやかな未来都市構想のLINEとか、恐らく完成する前に力尽きるだろうなぁと思います。ドバイも最近、鼻息が荒いですが、10年後には、今構想している多くの計画が、宙に浮いている気がします。
日本の選挙も金権体質が問題になりますが、アメリカでも、「凄く立派な掛け声の下で」、日本なんかとは比べ物にならないバラ撒きをするのですよ。人権とか思想的なオブラードで包まれているので、錯覚しそうになりますが、やっているのは選挙票目当てのバラ撒きで、結局は、巡り巡って国民がツケを払わされるのです。銀行がバタバタと破綻して、地方の産業を資金的に支える機関が、疲弊しているのは、そういう事ですからねぇ。しかも、そろそろ、武漢肺炎でバラ撒いた資金が、国民に消費されて無くなると言われています。アメリカの経済が支えられている理由が、結果から見れば、安倍政権で批判されたヘリコプター・マネー効果なんですよね。それに、武漢肺炎という理由が立っているだけで。理由が立派なら、政策の結果が批判されないなら、いくらでも立派な理由をこしらえて、バラ撒きができる事になります。「政治は結果が全て」では、ありませんでしたっけ?
まぁ、ここでボソボソ呟いても、やってしまった事は、取り消せないので、行くところまで行くしかないですね。なるべく世界経済が持つ事を願って、破綻する前に安らかに死にたいなと思います。』