【速報中】石川県能登地方で震度6強の地震 津波被害心配なし

【速報中】石川県能登地方で震度6強の地震 津波被害心配なし
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230505/k10014058181000.html

 ※ 今日は、こんな所で…。

『 2023年5月5日 16時45分

午後2時42分ごろ、石川県で震度6強の揺れを観測する地震がありました。この地震により、日本の沿岸では若干の海面変動があるかもしれませんが、被害の心配はありません。
各地の震度は

▽震度6強が石川県珠洲市でした。

また、▽震度5強の揺れを能登町で、▽震度5弱を輪島市で観測しました。

このほか▽震度4を新潟県長岡市や富山県高岡市、金沢市、福井県坂井市などで観測したほか、東北から中国地方にかけての広い範囲で震度3から1の揺れを観測しました。

気象庁の観測によりますと震源地は石川県能登地方で震源の深さは10キロ、地震の規模を示すマグニチュードは6.3と推定されています。

住宅3棟倒壊 2人巻き込まれの情報も

震度6強を観測した石川県珠洲市を管轄する奥能登広域圏事務組合消防本部によりますと今回の地震で珠洲市内では住宅3棟が倒壊したという通報が入っているということです。

このうち2か所で1人ずつが倒壊に巻き込まれたという情報があり、救助活動を進めているということです。

男性1人が心肺停止 はしごから転落

また、珠洲市正院町では男性1人がはしごから転落し、救急搬送され心肺停止の状態だということです。

【原発影響】

柏崎刈羽原発 影響なし

東京電力によりますとこの地震で震度4を観測した新潟県刈羽村と震度3を観測した柏崎市にある柏崎刈羽原子力発電所は運転停止中で、周辺の放射線量を測定するモニタリングポストの値は通常の変動範囲だということです。

また現時点で外部への放射能の影響はないということです。

志賀原発 異常は確認されず

原子力規制庁によりますと、石川県志賀町にある北陸電力の志賀原子力発電所では、この地震による異常は確認されていないという連絡があったということです。

また、周辺の放射線量を測定するモニタリングポストの値にも変化はないということです。

先ほどの地震で志賀町では震度4の揺れを観測しました。

【政府の対応】

岸田首相 災害応急対策と情報提供を指示

今回の地震を受けて、岸田総理大臣は、午後2時43分に、早急に被害状況を把握すること、地方自治体とも緊密に連携し、人命第一の方針のもと、政府一体となって被災者の救命・救助などの災害応急対策に全力で取り組むこと、国民に対し、避難や被害などに関する情報提供を適時・的確に行うことを指示しました。

松野官房長官「自治体と緊密連携 引き続き被害状況の把握」

松野官房長官は、緊急の記者会見で「政府としては地震発生後、直ちに総理大臣官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置するとともに、関係省庁の局長級による緊急参集チームを招集し、岸田総理大臣の指示を踏まえ、人命第一の方針のもと被害状況把握と救命・救助などの災害応急対策に総力を挙げて取り組んでいるところだ」と述べました。

その上で「引き続き被害状況の把握を進め、自治体と緊密に連携を図りながら、警察、消防、自衛隊、海上保安庁を中心に救命・救助活動を最優先に災害応急対策に全力で取り組んでいく」と述べました。

そして住民に対し「引き続き、震度6強程度の地震の発生に注意するとともに、揺れの強かった地域に住んでいる人は自治体の避難情報のほか、テレビ、ラジオ、インターネットなどの情報にも注意しつつ行動してほしい」と呼びかけました。

政府 官邸対策室を設置

今回の地震を受けて政府は、午後2時43分、総理大臣官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置しました。

政府 緊急参集チームを招集

今回の地震を受けて、政府は、関係省庁の担当者をメンバーとする緊急参集チームを招集し、情報の収集と被害の確認などにあたっています。

【専門家】

「今後1週間程度 同程度の地震に注意」

石川県で震度6強の揺れを観測した地震について、東京大学地震研究所の佐竹健治教授は「能登地方ではここ数年、地震活動が活発になっていて、去年もマグニチュード5.4の地震が発生している。去年の地震と比べるとマグニチュードは1桁大きく今後も同程度の地震が起きる可能性がある」と話していました。

また、石川県で地震が相次いで発生していることについて、「これまでに起きた地震と同じ程度の地震が短いあいだで発生する可能性が高く、地震が続くと建物などで大きな被害が発生することも予想される。また、これまでの地震で被害が出たような場所では相次ぐ地震でさらに大きな被害が発生することもあるので近づかないようにしてほしい。今後1週間程度は、同程度の地震に注意が必要だ」と話していました。

【震度6強観測の石川県珠洲市は】

市役所「何度も揺れ恐怖 被害確認進める」

震度6強を観測した珠洲市役所の職員の女性は「大きな、長い揺れが2分ぐらい続きました。収まったあとも何度も揺れて恐怖を感じました。被害の状況について確認を進めています」と話していました。

当時、市役所には職員2人がいて、まだ被害の状況は分かっていないということです。

【震度6強の揺れ 注意点は】

気象庁によりますと震度6強の揺れははわないと動くことができず、固定されていない家具のほとんどが移動して倒れることが多くなります。

耐震性の低い木造の建物は傾くものや倒れるものが多くなるほか、大きな地割れが生じたり、大規模な地すべりや山体崩壊が起きることがあるため崖の近くなど危険な場所には近づかないようにしてください。

主な注意点です。

落石や崖崩れなど注意

揺れの強かった地域では、落石や崖崩れなどの危険性が高まっているため、危険な場所には近づかないようにするとともに、今後の地震活動に十分注意するようにしてください。
片付けなども注意

室内に割れた食器やガラスなどがあると、片付けをする場合などに思わぬけがをするおそれがあります。

決して無理をしないようにして、室内を歩くときはスリッパや靴をはくようにしてください。

建物の中にいるのが不安な場合などは安全な場所に避難して下さい。

【能登地方の地震活動は】

石川県で震度6強は2007年「能登半島地震」以来

気象庁によりますと、石川県で震度6強の揺れを観測したのは2007年3月25日に能登半島沖を震源とするマグニチュード6.9の「能登半島地震」以来です。

このときは石川県の七尾市や輪島市などで震度6強の揺れを観測しました。

能登地方は地震活動が活発

石川県能登地方は、珠洲市で震度6弱の揺れを観測する地震が起きるなど、ここ数年、地震活動が活発な地域です。

気象庁によりますと、2018年ごろから小規模な地震の活動が確認され、2020年12月以降、活発化する傾向がみられていたということです。

特に2021年の春以降、震源が少しずつ変わりながら活動が活発になっており、9月にはマグニチュード5.1の地震が起き、珠洲市で震度5弱の揺れを観測したほか去年6月にはマグニチュード5.4の地震が起き珠洲市で震度6弱の揺れを観測しています。

過去にも地震被害

また、能登地方全体でみてもたびたび地震の被害を受けていて2007年3月にはマグニチュード6.9の「能登半島地震」が発生し、1人が亡くなったほか、3万棟以上の建物が被害を受けました。

このほか、1993年には能登半島の北の沖合でマグニチュード6.6の地震が発生しています。』

北朝鮮核実験場 西側坑道付近に道路完成 新たに2つの建物建設

北朝鮮核実験場 西側坑道付近に道路完成 新たに2つの建物建設
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230505/k10014058121000.html

『アメリカの研究グループは、北朝鮮北東部の核実験場の衛星写真を分析した結果、西側の坑道付近に道路が完成し新たに2つの建物が建設されているのを確認したと発表しました。研究グループは核実験の能力の増強に向けた動きの可能性があると指摘しています。
アメリカのシンクタンク、CSIS=戦略国際問題研究所は4日、北朝鮮北東部プンゲリ(豊渓里)の核実験場を先月21日に撮影した衛星写真の分析結果を公表しました。

それによりますと、7回目の核実験に向け準備が整っているとされる南側の坑道付近では、核実験が差し迫っていることを示す兆候は見られなかったということです。

一方で、これとは別に、5年前に閉鎖された西側の坑道付近では、坑道に通じる道路が完成していたほか、新たに2つの建物が建設されているのが確認されたということです。

研究グループは「新たな建物は閉鎖した坑道を復旧させるための作業が再開される可能性があることを示している」として、核実験の能力の増強に向けた動きである可能性を指摘しました。』

フィリピン大統領 米軍使用の基地 中国攻撃想定せず

フィリピン大統領 米軍使用の基地 中国攻撃想定せず
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230505/k10014058081000.html

『アメリカを訪れているフィリピンのマルコス大統領は、アメリカ軍がフィリピン国内で使用できる基地を増やすことで両国が合意したことについて「ほかの国に攻撃的な行動をとるためではない」と述べ、台湾有事の際に中国を攻撃するために使用することは想定していないと強調しました。米中の対立に巻き込まれたくないというフィリピンの本音がうかがえます。

アメリカの首都ワシントンを訪問しているフィリピンのマルコス大統領は4日、シンクタンクのイベントに出席し、アメリカ軍がフィリピン国内で使用できる基地を新たに4か所増やすことで、アメリカと2月に合意したことについて「気候変動によって災害の件数が増えているためだ」と述べ、災害時の連携強化が念頭にあると説明しました。

さらにマルコス大統領は「協定の対象となった基地は中国、そしていかなる国に対する攻撃も意図していない」と述べるとともに「攻撃的な行動のために基地を使用するとすれば、それは議論の範囲を超えている」として、台湾有事の際に中国を攻撃するために使用することは想定していないと強調しました。

マルコス大統領は、前のドゥテルテ政権の方針を転換し、同盟国アメリカとの関係改善を進めていますが、中国は秦剛外相が先月、フィリピンを訪問し、これをけん制しています。

今回の発言からは、米中の対立に巻き込まれたくないというフィリピンの本音がうかがえます。』

【インド】ダーウィンの進化論を教科書から削除、科学界が激怒

【インド】ダーウィンの進化論を教科書から削除、科学界が激怒
https://www.newshonyaku.com/24155/

『インドのモディ政権は、インドの教育をヒンディー教ナショナリストの政治的な目的から、ダーウィンの進化論を教科書から削除、インドのより古い政治史にも照準をあわせ、イスラム教徒の業績や貢献を否定または無視するよう求めたり、ムガール帝国の箇所を削除するなどヒンズー教徒に都合の悪いことを削除するよう検閲を推進しているという記事です。

モディ政権のこの馬鹿げた動きは、極めて政治的なもので、同国の科学者たちが一斉に抗議を行っているそうです。

こちらは、AncientOrininsの記事からシェアいたします。』

『《引用記事 Ancient Origins https://www.ancient-origins.net/news-evolution-human-origins/darwinian-evolution-india-0018374 》

ヒンドゥー教ナショナリストであるインドのナレンドラ・モディ首相が、公立学校の9年生と10年生の理科の授業で使用される一部の教科書から、チャールズ・ダーウィンと彼の進化論に関する部分を排除した。これは、常に論争を引き起こすことを避けられないヒンドゥー・ナショナリスト政府の決定である。

この驚くべき決定は、インドの2億5600万人の学生に教科書やカリキュラムを選定する政府機関である国立教育研究訓練評議会 National Council of Educational Research and Training (NCERT)によって最近発表された。

2021-22年度には、9年生と10年生の試験から進化論に関する問題が削除されたが、このトピックはまだ教えられていた。しかし今回、これらの学年の生徒が読む科学の教科書から進化論が正式に削除され、禁止トピックのリストに載せられている。

インドの教科書からダーウィン進化論が削除されたことに対する科学者たちの反応

インドの科学者たちは、モディ政権による科学の政治化と考え、すぐに抗議の声を上げた。モディ政権は、主に宗教的な理由から進化論を否定するヒンズー教の民族主義運動と連携している。

「生物学の進化論が削除されたことに、国の科学コミュニティは深く失望しています」と、インドの非営利団体Breakthrough Science Societyは、Science Insiderに引用された声明で述べている。

「この科学の基本的な発見に触れる機会を奪われた場合、学生たちは思考プロセスで大きな障害を抱えることになります。」

Breakthrough Science Societyは、初等中等教育の科目リストに進化論を戻すようNCERTに懇願する公開書簡に、4,000人以上の科学者や研究者から署名を集めた。

一方、進化生物学者のアミタブ・ジョーシ博士は、ジャワハルラル・ネルー先端科学研究センターの代表として、「科学教育に必要不可欠なものを排除することは、幅広い中等教育の概念を侵害するものである」と述べ、科学の教科書から進化論を削除することを非難した。

現時点では、11、12年生で選択科目として生物学を選ぶ学生たちは、進化論について説明された教科書を使用することが可能。しかし、これは科学とは関係のない理由でモディ政権が科学教育に介入したことに対する批判の嵐は収まっていない。

「進化論はおそらく、教養ある国民全員が知っておくべき生物学の最も重要な部分である」とジョーシ博士は述べ、生物学の選択科目を選ばない学生たちがこのトピックについて教わらないことを非難した。「それは直接、私たちが人間としてどのような存在であり、生きている世界の中でどのような位置にいるかを表しています。」

教科書からダーウィンの進化論を削除する決定に対して批判的な別の学者は、ナレンドラ・モディ首相(ナショナリスト政党・バーラティヤ・ジャンタ・パーティーBJP)が2014年に政権を握る前のNCERTのトップであったクリシュナ・クマル博士である。

同博士はAl Jazeeraに「教科書から削除された内容の全体像を誰も知りません」と語っている。「ダーウィンが誰であるかを知らずに10年生を合格する学生を想像できますか?」
ダーウィンの進化論を否定する一方で、民族主義的なヒンドゥー教グループは、動物や人間のさまざまな形態をヒンドゥー教の創造神ヴィシュヌの化身(生きた具現化)と見なす代替進化論を推進している。

この理論では、地球全体に合わせて10のヴィシュヌの化身が存在し、異なる生命形態のグループを表し、それらを総称して、ヒンドゥーの聖書で「ダシャヴァターラ」と呼ばれている。化身は異なる段階で地球に現れ、彼らが創造した生命形態の次のセットは、以前に現れたものよりも複雑であり、伝統的な進化論のステップを再現している。

学校カリキュラムをヒンドゥー原理主義とインド民族主義の論調とより合わせたものにしようとする試みは、科学の教科書の変更にとどまらなかった。NCERTは、さまざまな学年で使用される政治科学や歴史書から、ヒンドゥー原理主義者に不快にさせる箇所を削除するなど、他のタイプの文章にも変更を加えている。

たとえば、2020年にNCERTは、11年生と12年生の政治科学の教科書から、偉大なインドの指導者マハトマ・ガンジーの信念や業績について論じている2つの文を削除した。削除された1つの文章は、「ガンジーが『インドをヒンドゥー教徒だけの国にしようとする試みは、インドを破壊する』と確信していたことを指摘した」というもの、2つ目の削除された文章は、「ヒンドゥー-ムスリムの団結を堅く追求することがヒンドゥー過激派を激怒させ、ガンジーを暗殺しようとする試みが何度か行われた」というもの。

NCERTを運営するヒンドゥー原理主義の教育改革者たちは、インドのより古い政治史にも照準を合わせ、イスラム教徒の業績や貢献を否定または無視するよう求めている。彼らは、インド亜大陸を支配したイスラム教徒の一派であるムガール帝国に捧げられたセクション全体をインドの歴史教科書から削除するよう命じた。

ムガール帝国はその全盛期には、現代のバングラデシュやアフガニスタンを含めてインド南部にまで勢力を拡大した。しかし、現在、学校の子供たちは、この帝国の業績やインドの重要な時期について学ぶ権利を否定されているのだ。

これらの検閲行為は、学者たちから強く非難されてきた。しかし、インド政府が方針を転換することを期待する人は殆どいない。
「(抗議が)何か変化をもたらすでしょうか?」と、全インド人民科学ネットワークの前会長である生物学者のサティアジット・ラス博士は問いかける。
「インド政府のこのような決定の最近の軌跡を考えると、少なくとも短期的にはおそらくそうではないでしょう。長期的な結果に影響を与えるためには、持続的な進歩的努力が必要です。」

同時に、NCERTが教科書の内容をいじくり回している間に、ヒンドゥー教徒のナショナリストたちは、インドのムスリム少数派によって歴史的に抑圧されてきたという架空の物語を含めたカリキュラムの変更を求め始めている(現在、ムスリムはインド人口の14%を占めている)。

また、古代のヒンドゥー科学者たちが、現代の科学がそれらの存在を構想する前に、幹細胞研究を行ったり、宇宙に飛び立てる機械を発明したりしたという話を含めて、科学史を書き直すことも考えている。

科学に対する挑戦が悪い方向に向かう時

ダーウィン進化論、あるいはその他の現在の主流の理論に対する科学的根拠に基づく挑戦は、すべての学術的環境で歓迎されるべきである。宗教的または精神的な要素を含む批判であっても、証拠と科学的推論に基づいている限り、議論に含めるべきである。

しかし、インドの学校で起こっていることは、科学的多様性への尊重に基づくものではないようである。それは、インドのナショナリスト政治の人気のある流行や反応的な宗教的熱狂によって動機づけられている。

「学校のカリキュラムはひどく残酷です。」とクリシュナ・クマール博士は述べ、モディ政権の国立教育研究訓練協議会の最近の行動に対する感想を要約した。
「学生全体が、科学と歴史の重要な概念について、完全に無知であることが判明するのは、非常に残念なことです。」

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子 文・翻訳)』

政治が経済に口を出し過ぎると、必ずしっぺ返しがある。

政治が経済に口を出し過ぎると、必ずしっぺ返しがある。
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/31447477.html

『アメリカ地銀の株価下落が止まりません。パックウェスト銀行、ウェスタン・アライアンス銀行、ファースト・ホライズン銀行が、数十パーセントの下落を見せて、昨日と一昨日のニューヨーク・ダウは、爆下がりでした。400ドルの下落というのは、最近の荒い動きの中では、目立ちませんが、地味に大きな下落です。

こうなると、銀行というブランドが信用不安に陥っていますね。実際、これら地銀の全部が全部、財務状態が悪いかと言えば、楽では無いでしょうが、そんな事は無いと思います。しかし、預金をしている人が、銀行を信じなくなって、引き出しに走るものだから、急激に財務が悪化して、破綻せざるを得ないという流れになっていますね。つまり、信用不安が、実際の銀行破綻を作り出している状況です。まぁ、そういう状況を作り出した銀行の経営が甘いと言えば、済んでしまう話ですが、何度か言っているように、根本原因は政策金利の急激な引き上げなので、これを全て銀行の経営者の責任と言うには、ちょっと無理があります。政策金利がゼロ金利だった時には、逆に債権で運用して利益を出さないと、預金者に利子も払えなかった状況なので、「なんで、そんなに債権を買ったんだ」というのは、今だから言える事なんですよね。低金利の時には、債権購入で、利益を出さざるを得なかったのです。

そして、政策金利はインフレ抑制の為に、骨を切らせて肉を断つ覚悟でやっているので、根本原因はインフレで、そのインフレを引き起こしたのは、3回もやった武漢肺炎対策での支援金のばら撒きです。最初の素早い支援金の配布は、「さすが、アメリカは対応が早い」と思ったのですが、その後に追加で2回もやり、各州でもバラバラにやったのですよね。これは、バラ撒き過ぎです。失業者が貯金できるくらい金をバラ撒いたので、今のアメリカのインフレが引き起こされています。これって、明らかに選挙狙いですよね。

表現を選ばなければ、政治家というのは、金をバラ撒く理由があれば、盛大にバラ撒いて、選挙権を持つ人々の歓心を得たいと思っています。なので、機会があれば、法律を制定して、ガンガンと補助金や支援金をバラ撒きます。その後始末を、やらされるのが、各国の中央銀行です。FRBがインフレを見誤ったというのは、事実で、対応も遅れたのですが、そもそも、その原因を作り出したのは、アメリカの歴史でも教科書に載るくらいの大量のバラ撒きです。それで、通常の3倍のペースで政策金利の利上げをして、インフレ対策に乗り出した結果が、今の銀行の破綻劇につながっています。結構、バカな事をしているのです。全部、銀行が悪いで済ませられない話なんですよね。

これだけ、アメリカが自分の都合で、基軸通貨のドルを弄り倒すので、他の国も自己防衛の為に、ドル支配から離れようとしています。中東で新しい経済圏を作る構想も、その一貫で、サウジアラビアとイランが、久しぶりに仲直りしたのも、その下準備です。実際、アメリカの経済失政は、他国にも、物凄い迷惑をかけています。大体、国家に対する貸付は、ドル建てで行うので、そのドルの価値が、フラフラし始めると、発展途上国の経済にまで波及します。特に、今は政策金利をガンガン上げているので、黙っていても借金の返済額が金利分増える事になります。また、ドルとペッグしている通貨は、引っ張られて、自国の経済状況と関係無く、金利を上げないと追随できなくなります。中東がロシアや中国に色目を使い始めたのも、アメリカが好き放題に市場を荒らした結果とも言えます。

強大な軍事力で威嚇していれば、ドルの覇権は崩れないだろうとアメリカは考えていると思いますし、それは、その通りなんですけど、結構、額から湯気が出る程度には、他国は怒ってますよ。口に出さないだけで。まだ、半世紀くらいはアメリカの覇権は続くとは思います。未だに、新しいイノベーションは、アメリカが起きてますし、軍事力は強大ですし、産業の構造が崩れ始めて生産より金融中心になっているのは、不安材料ですが、まだまだ経済も強いですからね。しかし、その先の保証は無いとも思っています。まぁ、無責任なようですが、その時には私はクタバッている予定なので、既に「大変ですねぇ~」という他人事モードです。いや、煽りとか無しで、本当に、そこまで寿命が無くて良かったと思っています。色々と不満はあるでしょうが、今が天国に見えるくらいには、世の中が荒むはずです。恐らく、力で他人のモノを盗むのが、さほど悪い事とは認識されないでしょう。国家単位で。無ければ、奪うが、当たり前の時代になると思います。

実は、自衛しようとしていてるだけ、中東の指導者は、素晴らしいと最近思っています。もちろん、資源を持っているからできるという部分はありますが、それを言い出したら、条件なんて住んでいる地域で違うのですから、言っても仕方ありません。原油が尽きた後、何も生み出さない砂漠という土地で、自国が生き延びる為に、今から手を打とうと、頑張っています。彼らの生きている社会は嫌いですが、変な思想に毒されずに現実的に政治を進めようとしている姿勢には、見るべきものがあります。ただ、私の見通しでは、最終的に頓挫すると見ています。あの、余りにも綺羅びやかな未来都市構想のLINEとか、恐らく完成する前に力尽きるだろうなぁと思います。ドバイも最近、鼻息が荒いですが、10年後には、今構想している多くの計画が、宙に浮いている気がします。

日本の選挙も金権体質が問題になりますが、アメリカでも、「凄く立派な掛け声の下で」、日本なんかとは比べ物にならないバラ撒きをするのですよ。人権とか思想的なオブラードで包まれているので、錯覚しそうになりますが、やっているのは選挙票目当てのバラ撒きで、結局は、巡り巡って国民がツケを払わされるのです。銀行がバタバタと破綻して、地方の産業を資金的に支える機関が、疲弊しているのは、そういう事ですからねぇ。しかも、そろそろ、武漢肺炎でバラ撒いた資金が、国民に消費されて無くなると言われています。アメリカの経済が支えられている理由が、結果から見れば、安倍政権で批判されたヘリコプター・マネー効果なんですよね。それに、武漢肺炎という理由が立っているだけで。理由が立派なら、政策の結果が批判されないなら、いくらでも立派な理由をこしらえて、バラ撒きができる事になります。「政治は結果が全て」では、ありませんでしたっけ?

まぁ、ここでボソボソ呟いても、やってしまった事は、取り消せないので、行くところまで行くしかないですね。なるべく世界経済が持つ事を願って、破綻する前に安らかに死にたいなと思います。』

戦争経験により実現した戦後復興と高度経済成長

戦争経験により実現した戦後復興と高度経済成長
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/30077

『日本が戦争へ突き進んでいった道筋は、政治や軍事だけでは語れない。世界恐慌に伴う不況、ブロック経済、都市と地方の格差、高まる社会不安と繰り返されるテロ……当時の経済の動きを振り返れば、なぜ日本人が戦争を望んだのかが見えてくる。

 第4回で見たように日本は太平洋戦争の結果多くの国富と人命、そして領土を失った。しかし戦後日本はそれをプラスに転じることで、復興、そして高度成長を遂げることになる。

 大正時代に植民地を不要とするいわゆる「小日本主義」に基づく主張をし(第2回連載『格差への不満を原動力に日本が突き進んだ「大日本主義」』参照)、その後ブロック経済も批判した石橋湛山は太平洋戦争末期、敗戦後を考えることを大蔵大臣に提案した。その結果、大蔵省内に「戦時経済特別調査室」が設置され、石橋のほか経済学者や金融関係者が委員となり「戦後」の日本や国際秩序の研究を行った(その資料は近年、名古屋大学で発見されている)。

 委員間での議論の中で石橋は、領土を失うことはその領土を維持する負担から解放されることでもあり、戦後の日本は朝鮮や台湾を失い本土のみになったとしても、国内開発に力を入れ、また国際秩序において世界に自由な貿易が復活すればそれを利用して十分発展できると主張した。委員だった経済学者の中山伊知郎(のち一橋大学学長)は戦後、石橋の先見の明に脱帽している。

 石橋は終戦直後の『東洋経済新報』社論においても、領土が削減されても日本の発展には障害とはならず、科学精神に徹すれば「いかなる悪条件の下にも、更生日本の前途は洋々たるものあること必然だ」と断言し、その後も引き続き国民を鼓舞した。

 一方、大東亜省調査課で電力および工業全般を担当していた大来佐武郎(のち日本経済研究センター理事長、外務大臣)は、1943年頃から日本の敗戦を予期して戦後の日本経済再建の問題を考えるようになる。大来は東大電気工学科の後輩の後藤誉之助(のち経済企画庁調査課長として経済白書の執筆に関与)に協力を求め、当時東北に疎開していた石橋湛山や元関東軍参謀の石原莞爾にも相談したうえで終戦後を考える研究会を組織する。

 終戦により大東亜省が解体されると大来らは外務省に移り、研究会は外務省特別調査委員会として活動を行った。これは外務省の非公式な委員会であったが、官僚や財界人のほか、前述の中山伊知郎や、有沢広巳や大内兵衛(両者とものち法政大学総長)、脇村義太郎(のち日本学士院院長)、山田盛太郎(のち東京大学経済学部長)、宇野弘蔵(のち東京大学社会科学研究所教授)、東畑精一(のちアジア経済研究所所長)、都留重人(のち一橋大学学長)といった経済学者が立場を超えて参加して熱心に議論し、大来と後藤が会の実際の運営を行った。

 外務省特別調査委員会は1946年3月にその研究結果を冊子『日本経済再建の基本問題』(以下『基本問題』)にまとめる。『基本問題』では敗戦により多大な被害が生じ、さらに戦後は現物による賠償負担(冷戦の進行によりかなり軽減されたが)に加えて食糧不安、多くの失業人口の発生、インフレの昂進などの困難が生じていることが挙げられ、日本の直面する課題が極めて深刻であることが詳しく説明されている。』

『ただ、こうした困難の中でも戦争は「幾多の貴重な教訓と日本民族の将来に対する贈物をも残した」とされている。日本は戦時経済によって機械類を自給する能力を達成し、大量の技術者、徴用工、その他重工業労働者が養成された。また計画経済の経験と訓練を積んだこと、軍事費や植民地経営の諸費用の負担がなくなったことも有利となる条件であり、そして戦後の民主主義は責任を自覚する持つ国民の増大によって生産力を向上させるだろうと期待されている。

 こうした分析から『基本問題』の後半では農村向け工業生産を振興し、労働力が豊富で資源不足の日本では労働集約的な工業を世界分業の観点からも発展させていくこと、国際的分業をしつつ同時に国内資源の開発利用を目指す必要があるとされる。

 「結語」では人口過剰を解決するために外国への移民が必要であるにしても、まず民主的な政治の再建と国土の徹底的開発に努力を払い、それによって日本の信用を回復することが必要であり、その後に「公正なる主張を為し得る資格」が与えられるとされている。
復興の鍵となった「傾斜生産方式」

 こうした分析と提言を行った『基本問題』は直接政府の政策にそれを反映させるために作成されたものではないが、日本に対する賠償軽減・重工業の必要性を訴える資料としてGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)に提出され一定の影響を与えたともいわれる。また戦争の被害の大きさを認めつつ戦争によってもたらされた肯定的な面にも目を向けた『基本問題』は、経済政策に関わる担当者を勇気づけるものでもあった。

 他方、現実の日本経済は戦争で多くの国富が失われた上に輸入もGHQにより制限され、国内資源と過去のストックだけに依存する極めて厳しい状態が続いていた。1946年5月の第一次吉田茂内閣成立後、同年夏から秋にかけて吉田を囲む私的ブレーン集団「昼飯会」ができる。昼飯会は有沢広巳、中山伊知郎、東畑精一、大来佐武郎、茅誠司(物理学者、のち東大総長)、農相の和田博雄、そして吉田の側近の白洲次郎などから構成され、時事問題を議論した。

 有沢や大来らの間では産業の基盤となる石炭に優先的に(傾斜させて)資源を割りあて、石炭の増産と鉄鋼の増産を交互に繰り返すことで経済全体の拡大再生産を進める構想が考えられた。これは後に「傾斜生産方式」と呼ばれる。有沢によれば、傾斜生産の発想は、戦時中に各国の経済抗戦力を分析した秋丸機関(陸軍省戦争経済研究班)で抗戦力測定を行った経験から来たものであった。

 1946年7月末に吉田首相はマッカーサー司令官に日本経済の危機を訴え、マッカーサーは日本経済復興のための資材緊急輸入を許可すると回答し、これにより具体的な緊急輸入品目に関する交渉が続けられた。有沢・大来らは、重油を緊急輸入すればそれを鉄鋼生産に回し、それを基に傾斜生産すれば石炭増産が可能とする自分たちの構想を昼飯会で吉田に理解させた。

 石炭増産のため1946年11月に吉田の私的諮問機関である石炭小委員会(委員長は有沢)が発足する。石炭小委員会は炭鉱への資材の優先配分、3000万トンの石炭生産の前提条件である労働意欲向上のための諸政策、国民の協力を得るための諸施策などを盛り込んだ「石炭対策中間報告」をまとめ、これに基本的に沿った内容が閣議決定され1947年初頭から傾斜生産方式が実施された。

 近年の経済史研究では傾斜生産方式の効果には否定的だが、実は傾斜生産方式は「日本人が日本国内の資源を用いて自助努力により経済再建する」という形でGHQの信用を得て、本当に必要な重油の輸入を求めるためのレトリックであり、またそれを大々的に宣伝することで国民の労働意欲を引き出し、その意味で効果的であった。』

『重油の緊急輸入と米国のEROA(占領地域経済復興資金)によって原材料輸入に対する援助が始まったことにより1948年から生産は回復していくが、同時にインフレも進む。一方で冷戦の進行により米国にとってアジアにおける資本主義の拠点としての日本の重要性は増していた。また放漫財政とみなされた日本に米国が経済援助を行うことには米国国民の不満もあり、日本経済を自立させながらソ連に対抗する拠点にすることが急務となっていた。

 1949年2月には財政金融引き締め政策である「ドッジ・ライン」が実施され、国内補助金と米国からの援助を打ち切ることで日本経済の自立が目指される。日本はインフレが収まる一方で不況になるが、1950年に朝鮮戦争が勃発すると米軍など国連軍向けの特殊需要(朝鮮特需)が急増し、経済は本格的に復興に向かった。

 1952年にサンフランシスコ講和条約が発効して日本は独立を回復し、1950年代前半の日本は国内の消費の増加により概ね景気は好調な状態が続く。ただ、景気上昇による輸入増加で国際収支が赤字へと転じ、そのために金融引き締めと緊縮財政が実施されることが繰り返され(国際収支の天井)、経済成長の制約ともなった。
敗戦により解消された日本の二つの「貧乏」

 一方、ブロック経済の進展が第二次世界大戦を引き起こしたという反省の上に作られた戦後のブレトン・ウッズ体制(国際通貨基金<IMF>や関税貿易一般協定<GATT>を基軸とした自由貿易体制)への復帰は日本にとって大きなメリットをもたらした。国内を見ると、『基本問題』でも取り上げられていた戦争・敗戦のプラスの面は確かに経済に好影響を与えた。財閥解体により各産業分野での独占・寡占がなくなり、各企業は戦時期の遅れを取り戻すために盛んに新技術の開発や海外からの技術導入をして競争し生産性が向上した。

 そして農地改革や財閥解体・戦後のインフレにより所得格差が小さくなり、多くの中間層が生まれた。さらに戦後はベビーブームによって若年人口が急増し、彼・彼女らが1960年ころに労働力人口と同時に消費主体となり消費も増加していった。日本経済が成長する準備は1950年代後半には整い、それが高度経済成長の原動力となっていく。

 第1回で紹介したように、河上肇は「日本の貧乏」と「貧乏な日本」の解消の鍵を総力戦体制に見出したが、実際にはそうした問題を戦争によって直接解決することはできなかった。ただ、今回紹介したように、戦争の体験と戦争による内外の変化をプラスに転じることにより、「日本の貧乏」と「貧乏な日本」は解消に向かっていった。

 戦後80年近くが過ぎ、現在の日本では再び貧富の格差が拡大し、また他の先進国や新興国と比べて日本の国際的地位は低下しつつあり、「日本の貧乏」と「貧乏な日本」が改めて問題となっている。さらに現在は世界的にも社会の分断が進んで国際秩序も危機に瀕しており、「新たな戦前」とも言われる状況となっている。

 国内および国際的な格差とそれへの関心の高まりが社会を不安定化させ戦争を引き起こしていった歴史を繰り返さないためにも、そして国内外の変化を前向きにとらえそれをプラスに転じていくためにも、歴史を振り返りそこから学ぶことが必要である。今回の連載がその役に立てば幸いである。

参考文献

筒井清忠編『昭和史講義【戦後文化篇】上』ちくま新書
名古屋大学大学院経済学研究科附属国際経済政策研究センター情報資料室『荒木光太郎文書解説目録 増補改訂版』
牧野邦昭「石橋湛山に学ぶ国際協調の意義 理念支える制度の設計肝要(経済教室)」日本経済新聞2022年8月15日朝刊

『Wedge』では、第一次世界大戦と第二次世界大戦の狭間である「戦間期」を振り返る企画「歴史は繰り返す」を連載しております。『Wedge』2022年6月号の同連載では、本稿筆者の牧野邦昭氏による寄稿『テロと戦争への道を拓いた大正日本経済のグローバル化』を掲載しております。

 『Wedge』2021年9月号で「真珠湾攻撃から80年 明日を拓く昭和史論」を特集しております。

 80年前の1941年、日本は太平洋戦争へと突入した。当時の軍部の意思決定、情報や兵站を軽視する姿勢、メディアが果たした役割を紐解くと、令和の日本と二重写しになる。国家の〝漂流〟が続く今だからこそ昭和史から学び、日本の明日を拓くときだ。
 特集はWedge Online Premiumにてご購入することができます。』

ドイツ脱原子力達成と市民の懸念

北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:ドイツ脱原子力達成と市民の懸念
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5431379.html

『2023年4月15日深夜、RWEなどドイツの大手電力会社3社は、ニーダーザクセン州のエムスランド原子炉など、最後の原子炉3基のスイッチを切った。ドイツは2011年に日本の福島第一原発で起きた西側最悪の原子炉事故をきっかけに、脱原子力政策を加速し、約62年間続いた原子炉の商業運転の幕を閉じた。今後は停止した30基超の後処理が続く。廃炉には10~15年かかる見通しで、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の立地は決まっていない。専門家は全て終わるまでに「100年かかる可能性がある」と指摘している。

1193ベルリンやミュンヘンでは、環境保護団体などが脱原子力の完遂を祝った。ロベルト・ハーベック経済・気候保護大臣(緑の党)は、「原子炉が廃止されても、ドイツのエネルギー安定供給は確保される。わが国はロシアの天然ガス供給停止にもかかわらず、冬を乗り切った。脱原子力が後戻りすることはない」と語り、社会民主党(SPD)のサスキア・エスケン党首も「脱原子力を果たしたことを、うれしく思う」と述べた。

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だが市民の間では、脱原子力について批判的な意見が強まり、例えばドイツ公共放送連盟(ARD)のニュース番組が4月14日に公表した世論調査結果で、「脱原子力政策は間違っている」と答えた市民の比率は59%で、「正しい」(34%)を25ポイント上回った。ARDによると、18~34歳の市民の50%が脱原子力に賛成したのに対し、35歳以上の60%以上が脱原子力に反対した。

また脱原子力についての意見は、支持政党によっても異なる。緑の党支持者の82%、SPD支持者の56%が脱原子力に賛成した。一方、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)支持者の83%、ドイツのための選択肢(AfD)支持者の81%、自由民主党(FDP)支持者の65%が脱原子力への反対を表明した。

2011年の福島原発事故から3カ月後に行われた世論調査では、54%が脱原子力に賛成し、反対する市民の比率(43%)を上回っていた。これらの数字は、ドイツ市民の間で福島原発事故の記憶が薄れ、原子力を容認する市民が増えていることを示している。

さらに世論の変化を加速したのは、ロシアのウクライナ侵攻後の電力・ガス価格の高騰だ。ARDの世論調査では、回答者の66%が「エネルギー価格の高騰が心配だ」と答え、「心配していない」と答えた人の比率(32%)を大きく上回った。ウクライナ戦争勃発後、ガスと電力の卸売価格が高騰したために、エネルギー供給会社も、一時大幅な値上げを発表。昨年10~11月には、ミュンヘンの地域エネルギー会社SWMが電力・ガス料金の約2倍の引き上げを顧客に通告するなど、「異次元の料金改定」が市民や企業経営者に衝撃を与えた。

もちろん、実際に料金が2倍になったわけではない。独政府が1月1日以降、電力、ガス、地域暖房の価格に部分的な上限を設定する激変緩和措置を実施したため、エネルギー価格の上昇率は抑えられた。さらに2022年8月下旬以降はガスの卸売価格が下落し、これに連動して電力の卸売価格も下がったために、電力・ガス料金が倍増する事態は避けられた。SWMも2023年4月1日以降は電力価格を引き下げると発表している。

だが市民の心の中には、2022年のエネルギー価格値上げ通告の際のショックが刻み込まれ、ARDの世論調査結果は、「エネルギー情勢が不安定になっている時期に、使える電源を廃止するのは正しいのか」という市民の不安感を表している。

3基の原子炉の廃止後も、原子力エネルギーをめぐる議論は続き、ドイツ商工会議所(DIHK)のアドリアン会頭は「私は、脱原子力後に電力の安定供給が確保されるかどうかについて、疑問を持っている。本来は、エネルギー不足や価格高騰を防ぐために、使用可能な全ての電源を使うべきだ」と述べた。

連立与党内の意見も分かれ、緑の党とSPDは脱原子力に賛成しているが、財界寄りのFDPは、原子力エネルギーという選択肢を放棄するべきではないと主張してきた。FDPのヴォルフガング・クビツキWolfgang Kubicki副党首は「脱原子力は、大きな誤りだ。外国ではドイツのエネルギー政策は世界で最も愚かだと批判されており、われわれはこの汚名を返上しなくてはならない」と語った。参照記事、参照記事、、、日本では、まずは社会の無駄な消費を抑え、持続可能なエネルギーの製造と製造効率を高め、廃棄物、ゴミ資源の再利用を国が率先して行うべきと思っている。長く、開発優先で来た土木行政は、自然再生の方向へ舵を切り直し、自然環境は分散、点在する開発で分断されることなく連なっているべきだ。』

日本発の「外来種」に世界が困る?

北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:日本発の「外来種」に世界が困る?
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5431392.html

 ※ ブラックバス、ザリガニ、セイタカアワダチソウ、タンポポなんかを、「日本の古来種」を駆逐する「外来種」として、「メーワクな、話しだな…。」と思っていた…。

 ※ しかし、葛やワカメで、こっちも「メーワク」かけていたとは…。

 ※ 「世界」は、「つながって」いる…。

 ※ 何が「メーワク」なのかは、知れたものじゃ無いな…。

『近年、ブラックバスやマングースなど日本の生態系を脅かす外来生物が大きな問題となっている。しかし日本原産の生物の中にも、海外で環境を破壊しているものがある。例えば国際自然保護連合(IUCN)が選ぶ「世界の侵略的外来種ワースト100」にはクズとワカメが入っている。o0800045012145541218magSR230502_wakame_kuzu-thumb-720xauto-690484

日本で古くからくず(葛󠄀)粉や葛根湯(カッコントウ:かぜのひきはじめ、肩こり、鼻かぜ、頭痛、筋肉痛、手や肩の痛みに効果)に利用されているクズ(葛:英語表記はkudzu、アロールートArrowroot)は繁茂力が非常に高い多年草353839-02で、絡み付く相手を探しながらつるを長く伸ばし、茎の節から根を出して地面に太い根を張り巡らす。切っても切っても生えてきて他の植物や建造物を覆い尽くすので、駆除が難しい。

アメリカには1876年のフィラデルフィア万国博覧会の際に日本から持ち込まれ、かつては飼料用や観賞用としてもてはやされた。しかし現在では米南東部の土地300万ヘクタールを覆い、林業の生産性も落とす有害な雑草とされている。1ヘクタール当たり500ドルの駆除費用がかかるため「グリーンモンスター」と呼ばれる。200227-4Kpixta_23349641_S

ワカメ(英語では、wakame seaweedと言うか、「茶色の海藻」というニュアンスでbrown seaweed 特徴と豊富な健康効果)は東アジアに自然分布するが、1980年代以降、「ワカメの子供(遊走子や配偶体)」が種カキや船体に付着したり、船のバラスト水(重り)に混入したりして世界各地に拡散した。日本と朝鮮半島では食用にするが他の地域ではほとんど食べないため大繁殖し、自生種や養殖漁業に悪影響を与える害藻として扱われている。参照記事 』

イランが2023年に製造した122ミリ野砲弾を、ウクライナ兵が証拠として押さえた。

イランが2023年に製造した122ミリ野砲弾を、ウクライナ兵が証拠として押さえた。
https://st2019.site/?p=21113

『Defense Express の2023-5-4記事「Iran Keeps “Supplying” Ukraine With Weaponry, Now These Are Shells Manufactured In 2023」。

    イランが2023年に製造した122ミリ野砲弾を、ウクライナ兵が証拠として押さえた。
 しかも「ファースト・バッチ」である。』

5-3のクレムリン空襲は、ウクライナの工作隊の仕事だろう。

5-3のクレムリン空襲は、ウクライナの工作隊の仕事だろう。
https://st2019.site/?p=21113

『Robert Farley 記者による2023-5-4記事「Did Ukraine Really Try to Kill Putin with a Drone Strike?」。

   5-3のクレムリン空襲は、ウクライナの工作隊の仕事だろう。その目的は、露軍の高射砲兵のアセットを、ウクライナ前線から、より、モスクワへシフトさせることだろう。象徴的な爆発が、象徴的な建物の真上で起きてくれたら、その目的は実現に近づく。

 ※未解明の問題は、特濃のスプーフィング空間であるモスクワ中心市街域で、どうやってUAVをコントロールし得たかということ。

「レイヴン」の後期型に使われているような、デジタルのリモコン信号で、しかも、機体を地上から直視できるほどの位置関係での操縦ならば、妨害は受けにくいだろうと想像できる。

機体を「手投げ」で発進させた場所は、郊外の廃工場のようなところだろう。

まずそこから機載のINSだけを頼りにして市心まで飛ばす。

2人の工作員がクレムリン近くの高層ホテルにあらかじめ待機していて、1人が窓から市販品の高性能カメラの望遠ズームで、機体の接近を確認する。

そこから、もう1人がリモコン操縦を開始すれば、なんとかなかっただろう。

「上院」建物のドームがライトアップされているのが、夜間リモコンを容易にしたかと想像される。

狙いは最初から、国旗の爆破だっただろう。』

クリル群島(千島列島)のパラムシル島(幌筵島)のロシア海軍太平洋艦隊の超音速地対艦ミサイル「バスチオン」部隊は模擬発射訓練を実施した

クリル群島(千島列島)のパラムシル島(幌筵島)のロシア海軍太平洋艦隊の超音速地対艦ミサイル「バスチオン」部隊は模擬発射訓練を実施した | ロシア海軍情報供給部
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-8122.html

『クリル群島(千島列島)のパラムシル島(幌筵島)のロシア海軍太平洋艦隊の超音速地対艦ミサイル「バスチオン」部隊は模擬発射訓練を実施した

2023/05/04 14:03.32 カテゴリ:ロシア海軍沿岸部隊(海軍歩兵) 

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『タス通信』より
2023年5月4日13時25分配信
【パラムシル島の太平洋艦隊の沿岸ミサイル複合体「バスチオン」の要員は「敵」艦の破壊へ取り組んだ】
タス通信、5月4日

太平洋艦隊の沿岸ミサイル複合体「バスチオン」の要員は、クリル群島のパラムシル島での訓練の枠組みにおいて仮想敵揚陸艦を破壊した。

木曜日に艦隊広報サービスは発表した。

「訓練は、太平洋艦隊の戦闘訓練計画に沿って実施されました。
活動計画の下で仮想敵艦は、クリル諸島の1つへの海上揚陸部隊の上陸を目的とし、ロシア連邦領海へ接近しました。
沿岸ミサイル複合体バスチオンの要員は、即時に海上目標を探知し、水上状況の監視へ着手しました」
広報サービスは伝えた。

仮想敵揚陸艦側の侵攻の意図を確信した沿岸ミサイル複合体「バスチオン」の要員は、ミサイル射撃実施の完全な行動手順へ取り組み、水上目標を仮想破壊した。
訓練中の「敵」艦は、電子方式でシミュレートされた。
実際のミサイル発射は行なわれなかった事を広報サービスは明らかにした。

沿岸ミサイル複合体「バスチオン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」(ヤーホント)の地上発射ヴァージョンです。

ロシア海軍では、2009年から黒海艦隊の第11独立沿岸ロケット-砲旅団への配備が始まり、現在は北方艦隊、太平洋艦隊、バルト艦隊にも配備されています。

[北方艦隊]
第536独立沿岸ロケット-砲旅団(スネシュノゴルスク、コテリヌイ島)

[太平洋艦隊]
第72独立沿岸ロケット旅団(沿海地方スモリャノヴォ)
第520独立沿岸ロケット-砲旅団(ペトロパヴロフスク・カムチャツキー、イトゥルプ島、マトゥア島、パラムシル島)

[黒海艦隊]
第15独立沿岸ロケット旅団(セヴァストーポリ)
第11独立沿岸ロケット-砲旅団(クラスノダール地方ウタシュ)

[バルト艦隊]
第25独立沿岸ロケット旅団(カリーニングラード州ドンスコエ)
第55独立沿岸ロケット大隊(クロンシュタット)

黒海艦隊の「バスチオン」部隊はシリアにも派遣されており、2016年11月15日にはシリア領内のテロリスト施設を攻撃しました。

[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]

2022年2月下旬に始まったロシア連邦軍の『ウクライナ特殊軍事作戦』でも、何度か「バスチオン」がウクライナの地上目標へ使用されています。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において超音速沿岸ミサイル「バスチオン」をオデッサ州へ発射した]
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてムイコラーイウへ超音速ミサイル「オーニクス」を発射した]

太平洋艦隊への「バスチオン」配備は2016年から始まり、同年3月初頭、沿海地方のスモリャニノヴォに駐留する第72沿岸ロケット旅団へ配備されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊へ超音速地対艦ミサイル”バスチオン”が配備された]
[ロシア海軍太平洋艦隊沿岸部隊は超音速地対艦ミサイル”バスチオン”を初めて発射した]

2016年11月下旬には、クリル諸島南部のイトゥルプ島(択捉島)へ「バスチオン」が配備されました。
配備された部隊は、第520独立沿岸ロケット-砲旅団所属の第574独立沿岸ロケット砲大隊です。
[ロシア海軍太平洋艦隊は南クリル(千島)に新型地対艦ミサイルを配備した]

2017年2月、ロシア太平洋艦隊の原潜基地と、更には第520独立沿岸ロケット-砲旅団司令部が在るカムチャツカ半島にも「バスチオン」の配備が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はカムチャツカ半島へ超音速対艦ミサイル”バスチオン”を配備した]

2019年3月、新たな「バスチオン」がカムチャツカ半島へ到着しました。
[カムチャツカ半島へロシア海軍太平洋艦隊沿岸部隊の新たな超音速対艦ミサイル”バスチオン”が到着した]
[ロシア海軍太平洋艦隊は2019年初頭にカムチャツカ半島へ新型地対艦ミサイルを配備した]

2021年12月初頭、クリル諸島のマトゥア島にも「バスチオン」が配備されました。

[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)へ超音速地対艦ミサイル”バスチオン”を配備した]

マトゥア島の「バスチオン」は、2022年9月初頭に実施されたロシア連邦軍東方軍管区の戦略指揮参謀演習『ヴォストーク-2022』の最中の9月6日に初めて超音速対艦ミサイルを発射しました。

[クリル諸島(千島列島)のマトゥア島(松輪島)に駐留するロシア海軍太平洋艦隊の地対艦ミサイル「バスチオン」部隊は戦略演習『ヴォストーク-2022』で超音速対艦ミサイルを発射した]

2022年12月初頭にはクリル諸島北部のパラムシル島(幌筵島)へ「バスチオン」が配備されました。

[クリル群島(千島列島)のパラムシル島(幌筵島)へロシア海軍太平洋艦隊の超音速地対艦ミサイル「バスチオン」が配備された]
「バスチオン」部隊の機材一式及び要員は、太平洋艦隊の大型揚陸艦でパラムシル島へ運ばれました。
つまり、10月~11月くらいに太平洋艦隊の大型揚陸艦が宗谷海峡を通過している筈ですが、日本国防衛省統合幕僚監部の報道発表資料には該当するものが有りません。

これでロシア太平洋艦隊沿岸部隊の「バスチオン」配備地は、スモリャニノヴォ、イトゥルプ島、マトゥア島、パラムシル島、ペトロパヴロフスク・カムチャツキーの計5ヶ所になりました。
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「バスチオン」(超音速対艦ミサイル「オーニクス」)の射程は300km以上であり、この配置でクリル群島は殆ど全て「バスチオン」の射程内に入りました。
22-1205e.jpg

なお、日本では、2023年3月下旬の日本国総理大臣のウクライナ訪問後にロシア軍が新たにパラムシル島へ「バスチオン」を配備したなどと報じられていますが、完全なデマです。

(※ 配備されたのは、『2022年12月初頭にはクリル諸島北部のパラムシル島(幌筵島)へ「バスチオン」が配備されました。』、という話し…。)

『ズヴェズダーテレビ』より
2023年3月22日時14分配信

【ショイグ:パラムシルの「バスチオン」大隊によりクリル周辺の継続監視ゾーンが作られた】

セルゲイ・ショイグ国防相は「『昨年12月』にパラムシルへ配備されたバスチオンは、クリル諸島の水上状況の継続監視ゾーンを形成した」としか発言しておらず、2023年3月下旬に新たに配備したという話では有りません。
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今度はイリスキーの石油精製施設が炎上、ウクライナ軍のドローン攻撃か

今度はイリスキーの石油精製施設が炎上、ウクライナ軍のドローン攻撃か
https://grandfleet.info/russia-related/ukrainian-military-drone-attack-suspects-oil-refinery-in-irisky-on-fire/#comment_headline

『セヴァストポリ、ヴォルナに続きクラスノダール地方イリスキーにある石油精製施設が炎上、ロシア側は「ウクライナ軍のドローン攻撃によって火災が引き起こされた」と主張している。

参考:На Кубани из-за попадания беспилотника загорелся нефтезавод – росСМИ

従来型の防空システムで「低空を低速で飛行する小型ドローン」に対処する難しさを浮き彫りにした恰好だ

4月29日にセヴァストポリのコザチャ湾にある燃料タンクが炎上、5月3日にクリミア大橋に近いクラスノダール地方ヴォルナの燃料タンクが炎上したが、今度はウクライナ支配地域から350km以上も離れたクラスノダール地方イリスキーにある石油精製施設が炎上、ロシア側は「ウクライナ軍のドローン攻撃によって火災が引き起こされた」と主張している。

#Eilmeldung — Ups 😬

Raffinerie in Kuban 🇷🇺 🔥🔥🔥
In der Nähe des Ortes wo die Ukraine 🇺🇦 gestern Nacht das Treibstoff Lager gegenüber der #Krim mit einer Drohne getroffen hat

pic.twitter.com/qfJNYnvAO7

— @BrennpunktUA 🇩🇪🇺🇦 (@BrennpunktUA) May 4, 2023

Another reported Ukrainian drone strike overnight, appears to have hit the Russian Il’skiy oil refinery in Krasnodar Krai. pic.twitter.com/H7XowkfhF1

— OSINTtechnical (@Osinttechnical) May 4, 2023

ウクライナのウクロボロンプロムは「最大1,000kmの作動範囲と75kgの弾頭重量をもつ無人航空機のテストを2022年末までに終え、2023年初頭に実戦投入が可能になる」と明かしていたので、一連の攻撃は国産無人機を使用したものだろう。

因みに米軍のマコンヴィル大将はウクライナでの結果を受けて「安価でシンプルな技術が戦場でインパクトを残せることを証明した。高度な防空システムを隙間のない壁のようにイメージして『脅威はこれをすり抜けることが出来ない』と考えるかもしれないが、実際にはこれを回避する方法もあるし突破する戦術もある」と述べており、従来型の防空システムで「低空を低速で飛行する小型ドローン」に対処する難しさを浮き彫りにした恰好だ。

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投稿者: 航空万能論GF管理人 ロシア関連 コメント: 22 』

〔多数決の限界〕

 ※ 「価値」の決定は、多数決では決められない。

 ※ 「一神教」における「神様」のどれが「真の神」なのかを、「多数決で決める」ことは、できない。

 ※ 「数」の大小は、万能ではない。

 ※ 「多数決」で決めてもよいのは、「本来」は、「方法(方策)の決定」だけだ…。


 ※ 共通の達成すべき目標がある場合に、その目標の達成の方法(方策)が複数ある(A案、B案、C案)時に、それのどれを採用するのかは、「多数決」で決定してよい…。


 ※ しかし、そういう「方法(方策)」の前提となっている、「価値」については、本来は、「多数決」では決めることは、できない…。

 ※ 多数決という「決定方法」における、「妥当する範囲・限界」を超えてしまうからだ…。

 ※ もの事には、何事も「限界」「妥当する範囲」というものがある…。

 ※ 特に、構成員が多数で、それぞれに「価値観」が異なるような場合には…。

わかる!国際情勢 EU(欧州連合)~多様性における統合

わかる!国際情勢 EU(欧州連合)~多様性における統合
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol53/index.html

『2010年2月3日
EU(欧州連合)~多様性における統合

“Unity brings strength.″(統合は力をもたらす)――ヘルマン・ファン=ロンパイ欧州理事会議長

2009年12月1日、EU(欧州連合)はリスボン条約の発効により、地域統合の新たな局面へと前進しました。EC(欧州共同体)を前身とするEUが、ヨーロッパでどのような発展を遂げてきたのか、そして、リスボン条約によってEUはどう変わるのか、半世紀余りの歩みを振り返りながら考えます。

■EUの”新しい顔″が誕生

リスボン条約のポイント リスボン条約は、2007年に調印され、2009年12月に発効したEUの新しい基本条約です。

この条約の大きな特徴としてまず挙げられるのが、EUの”新しい顔″の誕生です。

EU加盟国の”首脳会議″とも言える欧州理事会の「常任議長」、そして、一国の”外務大臣”にあたる位置付けの「外務・安全保障政策上級代表」の2ポストが新設されました。

欧州理事会にはこれまでも議長がいましたが、常任ではなく、EU加盟国の首脳が半年交替で就任していたため、EUの重点課題が半年ごとに揺れ動いたり、本国の国政とのバランスをとるのが難しかったりするなどの課題が指摘されていました。

外務・安全保障政策上級代表は、複雑な国際情勢の下でEUの外交政策を強力に推進するために新しく設置する「対外活動庁」(EU版の外務省)のトップに立ちます。こうした機構改革により、民族も言語も多様なEUは、より民主的で力強い政策が展開できるとしています。

ほかにも、気候変動、テロ対策、警察・司法分野の段階的な統合、移民・難民政策の共通化、EU拡大など、新たな課題への対応能力も一層強化していくことになりました。

EU加盟国と加盟年

■ヨーロッパで地域統合が進んだ理由

EUは地域統合の先進例として注目されていますが、そもそもなぜヨーロッパでは地域の統合が進んだのでしょうか。

その答えは、ヨーロッパ大陸で互いに国境を接する国々が、絶えず戦争を繰り返してきたという歴史にありました。

特に、第1次世界大戦(1914~1918年)では、ヨーロッパが主戦場となったことから、各国の被害はそう簡単に立ち直れないほど甚大なものでした。

その中で、不戦と平和に向けた取組の模索が始まり、そのひとつの形態として、欧州統合の兆しが見え始めました。

オーストリアの貴族クーデンホーフ・カレルギーは1923年、地域統合によるヨーロッパ再生を構想し、この頃から民族の対立を超えた社会を目指す理想が次々に提唱されはじめます。

後に「欧州統合の父」と呼ばれるフランスの政治家ジャン・モネは、ドイツとフランスの国境地帯で採掘される石炭と鉄鉱石の共同管理を提唱しました。

しかし、世界大恐慌の発生(1929年)に続き、ヒトラーの台頭がヨーロッパにナショナリズムを巻き起こし、世界は第2次世界大戦(1939~1945年)へと突入していきました。

■EUの源流となった3つの共同体

EU地域統合の歩み 欧州統合の理想が具体的に動き出したのは、1950年、ロベール・シューマン仏外相が、ジャン・モネの構想を具体的にシューマン宣言で、独・仏の石炭・鉄鋼の共同管理として提案したことがきかっけでした。

石炭、鉄鋼と言えば、それまで独仏対立の火種となっていた資源ですが、その生産を共同管理機関の下に置くことで、両国の和解と平和を進めようとしました。

つまり、それまで戦争の資源と考えられていた石炭と鉄鋼で、平和の基礎を築くという発想で、言い換えれば、経済の安定を図ることによって、政治的な不安定要素を取り除くというものでした。

1952年、ヨーロッパはECSCの創設をもって統合への歩みを踏み出し、1958年には経済統合を進める「欧州経済共同体」(EEC)、原子力エネルギー分野での共同管理を進める「欧州原子力共同体」(EURATOM)を発足させました。

そして、これら3つの共同体は1967年、運営機関が統合され、「欧州共同体」(ECs)として再スタートします。これが今日のEUにつながる欧州統合の源流となりました。

■国際情勢の変化とEUの拡大

欧州の統合は、経済分野での協力が大きな柱となって進められてきましたが、その背景には激動する国際情勢が大きく関係していました。

20世紀後半、ヨーロッパ諸国の海外植民地が次々に独立を達成し、旧宗主国だった欧州の経済基盤は少なからず影響を受けました。

さらに1987年には、「ブラックマンデー」と呼ばれる世界的な金融恐慌が発生し、ヨーロッパ株式市場にも余波が及びました。

また、1989年には、ベルリンの壁崩壊とともに冷戦が終わり、東西ドイツが統一されると、今度はヨーロッパにおける安全保障環境も大きく変わってきました。

こうした大きな世界の流れを受け、ECはよりヨーロッパ内での結束を固めていく道を進んでいきます。

ECは1991年、欧州連合条約(マーストリヒト条約)の合意(発効1993年)により、新しい統合体である「欧州連合」(EU)を誕生させ、その後は旧共産主義圏の中東欧諸国をもメンバーに取り込みながら、さらに拡大と深化を続けました。

■単一通貨「ユーロ」の導入

現在のEUは27加盟国で構成され、総人口は約5億人、GDPは約16兆8,000億ドル規模(日本の3.8倍、米国の1.2倍)にも上ります(2008年世界銀行)。

EUの経済統合は、関税同盟や単一市場に加えて、単一通貨「ユーロ」の導入が大きな特色ですが、構想段階から実際に流通が始まるまで、実に30年近くもの月日がかかりました。
ECで通貨統合を視野に入れた通貨安定の取組が始まったのは1971年、為替相場が固定相場制から変動相場制に移行したころからでした。

その後、紆余曲折を経て、1989年に経済通貨同盟結成に向けた計画を採択。

1990年から域内での市場統合が促進され、欧州通貨機構の設立などを経て、1999年、単一通貨「ユーロ」(?)が導入されました。

導入当初は現金を伴わない決済通貨でしたが、2002年にユーロの紙幣と硬貨の流通が始まりました。

ユーロは、世界市場において単独で競うには小さすぎる国(通貨)でも、EUとして結束することで競争力を高められるということを世界に証明しています。

ユーロに込められたEUの思い

今や国際的な基軸通貨となった「ユーロ」のデザインには、欧州統合に向けたEUの思いが込められています。

ユーロ硬貨の場合、金額が記された表面は、欧州の地図をあしらった共通のデザインになっていますが、裏面は、オーストリアは「モーツァルト」、イタリアは「レオナルド・ダ・ヴィンチの人体デッサン」など、各国の独自性を表すデザインになっています。

一方で、ユーロ紙幣はデザインが統一されており、表面には「窓」や「門」、裏面には「橋」が描かれています。

これは、窓や門が「開かれたEU」という理念を表し、橋が「人と人のつながり」を象徴しています。

紙幣に描かれた建築物は、どこの国かを限定しないよう、ヨーロッパの特徴をよく表した架空の建築物が描かれています。

ユーロに込められたEUの思い

■EU独自のガバナンス

リスボン条約の署名風景 このように一歩ずつ地域統合を進めてきたEUは今、どのようなガバナンス(統治)の体制を築いているのでしょうか。

EUは今回発効したリスボン条約に基づき、「欧州理事会」「EU理事会」「欧州議会」「欧州委員会」、そして新設の「欧州対外活動庁」による国家の枠を超えた独自の仕組みを築いています。

欧州理事会は、加盟国の首脳で構成され、EUの方向性を決める”サミット”のような会合です。

EU理事会は各国の閣僚レベルで構成され、EU市民を代表する欧州議会とともに、法案の議決などを行っています。

その法案を提案するのが、執行機関にあたる欧州委員会です。

EUが扱うさまざまな政策課題のなかでも、外交については、対外政策を一元化してさらに国際社会でリーダーシップを発揮しようというのが、これから本格的に始動する欧州対外活動庁です。

また、EU理事会の議決はこれまでコンセンサス方式(全会一致)で行われていましたが、2014年からは新たな加盟国の承認などの重要事項を除いて、特定多数決方式(加盟国数と人口に比例して投票する方法)になります。

これによって、将来的にEUの加盟国がさらに拡大したとしても、議論が停滞することなく、政策決定のスピードアップが図られることになります。

EU独自のガバナンス

欧州憲法条約からリスボン条約へ

EUは、民族も歴史も異なる27の加盟国が、「欧州」という1つの共通したアイデンティティを帯ひもに結束した大きな組織ですが、すでに存在している国々の上位に立つ組織というよりは、それらを代表する立場を担う組織という発想に基づいています。

実は、リスボン条約には、「欧州憲法条約」という前身があります。

欧州憲法条約は2004年に署名されましたが、フランスとオランダで行われた国民投票でこの条約の批准が相次いで否決され、状況は一変。

憲法条約はそもそも、度重なる改定でわかりにくくなっていた基本条約を、実質的に整理する目的で作られたものでしたが、「憲法」という名称やEU旗、EU歌の規定などが盛り込まれていたため、あたかも各国憲法の上位に置かれ、国家主権や国民のアイデンティティを脅かすのではないかという懸念を生んだからでした。

このため、EUはそのような懸念を招きかねない条項を削除するなどして、改めて別の条約を作成。それが、リスボン条約です。

このように、EUは試行錯誤を繰り返しながら、各国のアイデンティティを尊重する理想の統合体に向けて徐々に歩みを進めているのです。

■23年間続くトルコのEU加盟交渉

EUには更なる拡大を続ける上での課題もあります。地理的にヨーロッパとアジアの接点にあるトルコは、1987年に加盟申請を行っていますが、実際に加盟交渉が開始されたのは2005年でした。

トルコは北大西洋条約機構(NATO)加盟国であり、長年にわたってEUとの間に連合協定を結んできた国ですが、オスマン帝国時代にさかのぼる欧州との紛争の歴史や、EU市民の多くがキリスト教徒であるといった要因に加え、EU加盟国であるキプロスとの間に領土問題などもあり、今後の交渉の見通しは予断できません。

一方で、かつてユーゴスラビア連邦を構成していたクロアチアは、近い将来に加盟することが有力視され、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、アルバニアなどバルカン半島諸国も、潜在的な加盟候補と見られています。

■幅広い政治・経済統合体を目指して

EU旗と加盟国の国旗 EUは経済的な統合を足がかりに、この半世紀余りで、国家の多様性を尊重しながら、他に例がない政治・経済統合体へと発展を遂げました。

欧州理事会のヘルマン・ファン=ロンパイ議長は、リスボン条約の発効にあたり、「27の加盟国は、文学、芸術、言語のいずれも異なる。そして、それぞれの国に多様性がある。多様性は、私たちの財産、発展、力の源である。EUは寛容と尊厳の模範であり、また、そうでなければならない」(全文はこちら)と述べました。

新興国の台頭や経済危機の発生でめまぐるしく変わる国際経済情勢や、気候変動など緊急性が増す地球規模の課題を前に、EUは国家の枠を超えた地域における国家間協力のあり方について、国際社会に大きな視座を与えてくれています。

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今さら聞けないEUのしくみ ーEUの機関と「民主主義の赤字」ー

今さら聞けないEUのしくみ ーEUの機関と「民主主義の赤字」ー
https://news.yahoo.co.jp/byline/tagamiyoshikazu/20160628-00059381

『2016/6/28(火) 13:04

EUって何?

6月23日にイギリスで行われたEU離脱に関する国民投票の結果には大変驚きました。私もあちこちで「いろいろ議論はなされているけど、なんだかんだいっても残留になると思うよ」と言っていただけに、離脱派の勝利という結果となるとは正直まったく思っておらず、結果を知ったときは椅子から転げ落ちそうになりました。

報道によれば、24日の投票後、英国においてグーグルで検索された中で最も多かったのは「EUを離脱するとはどういうことか」というキーワードであり、さらに「EUとは何か」「EUの加盟国はどこか」「EUからの離脱でこれから何が起きるか」と続いたとされています。このニュースは、いかに英国の人たちが、EUやEUからの離脱が何をもたらすのかについて把握していないまま投票に臨んだことを表しており、特に離脱派の多くが理性よりも感情に走って投票をしたのではないかという論調で揶揄されていました。

しかし、笑ってばかりもいられません。日本に住む私たちも同じようなものじゃないかなと思うわけです。私たちだって常に安全保障関連法案やTPPの詳細な中身について把握しているわけではなく、テレビやインターネットで大きく取り上げられている論点のみを知っているにすぎないのではないでしょうか。

「EUって何?」という質問を受けた場合、私たちは即座に答えられるでしょうか。「EU大統領って誰?」「欧州理事会と欧州委員会の役割はどう違うの?」と聞かれたとき、答えられる人がどのくらいいるでしょうか。

そこで今回は、EUってなんだろうという疑問について、主にどんな機関によって構成されているのかという点に注目したいと思います。

「EU五権」? かなり複雑なEUの主要機関

EU(欧州連合)とは、欧州連合条約より設立されたヨーロッパの地域統合体で、その起源は、第二次戦後に発足した欧州石炭鉄鋼共同体に端を発しており、ヒト・モノ・カネ・サービスの自由な移動を目標とした欧州共同市場を創設し、現在は28カ国によって構成されています。

ところで私たちは、学校で政治について学ぶ際に、国家権力が、立法・行政・司法の三権に分けられると教わります。それではEUにもこの三権によって統治が行われているかといえば、少し事情は複雑なのです。

EUには大きく分けて5つの機関が存在します。三権ならぬ「EU五権」というわけです。これらは必ずしも立法・行政・司法という明確な役割分担があるわけではなく、相互に入り組んで役割・権限が割り振られています。EUは統一国家でもなければ連邦国家でもなく、各国政府との調整が必要なためこのように複雑な統治機構となっているのです。なおこうした機関の存在と役割は、欧州連合条約(マーストリヒト条約)とリスボン条約によって改正された欧州連合機能条約によって定められています。

※筆者作成

まず、EUの機関の中に欧州議会があります。この議会の議席数は現在全部で751議席ありますが、議員はすべて5年に一度の総選挙によってEU市民が直接選挙で選出します。加盟国の議席配分数は人口によって割り振られるので、ドイツが一番議席数を多く有しており、フランス、イギリスと続きます。

通常私たちの感覚で言えば、この欧州議会は国会が最も近いように思うのですが、この欧州議会は立法権を単独では有していません。EU法については、あくまで欧州委員会や閣僚理事会と呼ばれる機関が担っており、欧州議会は法案の修正や否決をすることができるものの、法令を制定する際にはまず欧州委員会が法案を起草する必要があります。また、日本やイギリスと違って、欧州議会における多数政党がEU政府を構成するわけでもありません。

これに対して、立法権を有するのは閣僚理事会です。こちらは、欧州石炭鉄鉱共同体(ECSC)時代から続く組織で、こちらも各加盟国から1名ずつ代表が選出され、各国が持ち回りで議長国を務めます。閣僚理事会はその役割として立法権を有しています。EU法を作るには、各国の法制度とすり合わせを行わなければならないので、各分野の担当者が閣僚理事会に出席して、財政、外交、雇用、農業、エネルギー、通信、教育、環境といったようなあらゆる分野での調整を行いながら、立法作業を行うのです。

続いて行政機関である欧州委員会は、各加盟国から1名ずつ選出された委員によって構成されます。欧州委員会は2万人にも上る官僚機構を有する、いわば「EUの政府」です。EUは、「ブリュッセルの官僚たちによる専制」とよく批判されていますが、この場合は欧州委員会を指すことが多いと思われます。ルクセンブルクの元首相であったジャン=クロード・ユンケルが現在の欧州委員会の委員長を務めています。

さらにこれらの各機関の上位に、欧州理事会(EU首脳会議)があります(欧州委員会、閣僚理事会、欧州理事会と、間違い探しかというくらい名前がよく似ていて本当に混乱してしまいます)。欧州理事会は、各国の首脳と欧州委員会委員長、そして「EU大統領」と呼ばれる欧州理事会の常任議長によって構成されており、現在の常任議長はポーランド出身のドナルド=トゥスクです。この欧州理事会は、各国首脳によって構成されているということから、EU政府と各国政府との間で議論になって揉めたときの調整役を務めたり、EU外諸国との対外的な交渉をしたり、重要文書の正式批准をしたりといった役割を負っており、欧州連合各機関の最上位に位置しています。

これらの機関に欧州司法裁判所を加えた5つの機関がEUを主に構成しています。とても複雑ですね。

EUにおける「民主主義の赤字」とは

さて、この中で選挙を経て選出されるのは、どの機関の構成員でしょうか。

そうです。欧州議会の議員だけなのです。にもかかわらず、前述のように欧州議会はEU法の単独立法機関ではありません。それでいて、EU法は直接的・間接的に各加盟国に適用され、EU市民は、各国の国内法に加え、そして時には国内法に優先するかたちで、EU政府による規制を受けるわけです。

このことは、EU加盟国の国民たちにとっては、自分たちの民主的統制の及ばないEU政府の官僚組織による統制を受けていることを意味します。この状態はしばらく「民主主義の赤字」と称され問題となってきました。少しずつ欧州議会の権限は強化され、立法過程への関与の度合いを高めていますが、そうはいっても依然として欧州委員会・閣僚理事会のサポート的立場に過ぎませんし、政策の決定過程が不透明であるという批判が止むことはありません。5億人を超えるEU市民たちは自分たちの声が政策に反映されているという実感をなかなか持てないのが実情なのです。

元を正せば、EUの発端は、2度の大戦によって疲弊したフランスとドイツが、「今後ヨーロッパで戦争が起きないように戦争を遂行するにあたってとても重要な石炭と鉄鋼を共同で管理しよう」とイタリアとベネルクス三国を巻き込んで始めたものでした。それだけであればよかったのですが、経済統合は進み、通貨もユーロに統合され(イギリスなど一部は除く)、ヒト・カネ・モノ・サービスが自由に移動できる単一の市場をつくりあげようという流れになりました。この理想自体は非常に優れたもので、国家を超えた新しい枠組みとして期待されていましたが、発端が政治的・経済的エリートによる計画主義的な要素をはらんでいたため、どうしても理想優先型の壮大な実験といった向きがあったのも事実です。

これまで長年別々にやってきたそれぞれの国のルールを共通にしようというのですから、その作業は果てしないもので、膨大な人数の官僚と膨大な量の規制が作られました。よく笑い話として「EU政府はバナナの曲がり具合まで細かく規制している」といった話が取り上げられます。上記のような複雑に入り組んだ機関構造では、立法過程に気が遠くなるほどの時間がかかり、政策が実現される頃にはすでに時代に合わないものとなっている例もみられます。とある環境関係の規制では、成立までに15年を要したものもあるそうです。
また、特に事前規制の色合いが強い大陸法(フランスやドイツなどの法体系)的な競争法は、産業における自由な競争を阻害しているとして強く批判されていますし、EU総予算の44%を占める共通農業政策(CAP)によって、農業に対する補助金や農産品の価格調整が行われ、「イギリスなどでは農産品を割高で買わされている」といった論調がメディアなどでよく見られます。

さらに、微に入り細を穿つような労務関連の規制は、特に中小企業にとっては負担が重く、イギリスが近年力を入れているベンチャー企業の育成への足かせとなっているとも言われています。

今回のキャンペーンで、離脱派は、「EUの規制を網羅した書類(「アキ・コミュノテール」と呼びます)を重ねると、その高さは50メートルにも及び、ロンドンのトラファルガー広場にそびえるネルソン提督像を超す」と喧伝しました。これはあくまでキャッチコピーではありますが、問題点をわかりやすく突いていることは確かです。

イギリスのEU離脱と欧州懐疑主義

今回、イギリスにおける国民投票で、離脱派が勝利をおさめた主な原因として、移民問題が上がっていましたが、それに加えて、こうしたブリュッセルのEU政府による規制主義、官僚主義、そして反民主的要素も指摘されています。

「自分たちの主権をブリュッセルからウエストミンスター(英国議会のこと)に取り戻そう」といったようなスローガンが俗耳に入りやすかったのは、こうした背景があったからなのです。

こうしたEUの制度的欠陥に対しては、イギリスだけではなく、フランスでもドイツでもイタリアでも北欧でも批判がなされていました。こうした欧州懐疑主義(Euroscepticism)の声は、アイルランドやギリシャ発のユーロ危機が生じ、移民の数が増えてくるに連れて高まりつつあります。これに対してデマゴーグに煽動された排外主義と簡単に片付けることで理性派ぶった批評を下すことは簡単です。

しかし、それでは問題の解決にはつながりません。これまでのEUの歩みを今後も続けていくためには、移民や財政といった当面の課題にも対処しつつ、その上でEUの掲げる理念と統治機構そのものの変革が求められていると思います。その中で機能と役割が複雑化したEUの各機関も再整理が必要なのかもしれません。今回のイギリスにおける国民投票の結果は衝撃的なものでしたが、これが契機となってこうした議論が深まることを願っています。
記事に関する報告

田上嘉一
弁護士/陸上自衛隊三等陸佐(予備)

弁護士。早稲田大学法学部卒、ロンドン大学クィーン・メアリー校修士課程修了。陸上自衛隊三等陸佐(予備自衛官)。日本安全保障戦略研究所研究員。防衛法学会、戦略法研究会所属。TOKYO MX「モーニングCROSS」、JFN 「Day by Day」などメディア出演多数。近著に『国民を守れない日本の法律』(扶桑社新書)。』

EU、外交・安保「全会一致」見直し論 独仏など提起

EU、外交・安保「全会一致」見直し論 独仏など提起
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR050360V00C23A5000000/

『【ブリュッセル=辻隆史、ウィーン=田中孝幸】欧州連合(EU)の外交・安全保障政策の決定方法をめぐり、見直し論が浮上した。フランスやドイツなど9カ国が4日、現在の全会一致のルールを改め、「特定多数決」と呼ばれる仕組みを導入する案を提起した。迅速な意思決定をめざすが、小国の意見の軽視につながるおそれもある。議論は難航しそうだ。
9カ国は同日、全会一致ルールの見直しを求めて連携する有志国グループを結成…

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『9カ国は同日、全会一致ルールの見直しを求めて連携する有志国グループを結成したとの声明を公表した。仏独に加えてイタリア、スペイン、ベルギー、オランダ、フィンランド、ルクセンブルク、スロベニアが名を連ねた。

「目的は、EUの外交政策の意思決定の有効性と迅速性を高めることだ」。声明ではロシアのウクライナ侵攻を引き合いに出し、こう強調した。

EUの意思決定の仕組みは複雑だ。加盟国政府がメンバーとなって法律などを協議するEU理事会の決定方式には全会一致のほか、人口が多い国が多い票数を持つ特定多数決(QMV)などがある。

QMVはEU加盟27カ国の55%以上、かつその人口がEU人口の65%以上であることを満たす二重多数決の仕組みをとる。QMVを採用する政策分野もあるが、EUは外交・安保政策に関しては全会一致ルールを採用してきた。

全会一致の見直し機運が出てきたのは、一部の小国の反対を受けて全体のコンセンサス(同意)づくりに時間がかかるケースが増えているためだ。ハンガリーが念頭にある。

EUとハンガリーは、同国での司法の独立性の侵害など「法の支配」をめぐる問題で対立する。「ポピュリスト」と称される同国のオルバン首相は、加盟国なのにもかかわらずEUを積極的に批判する。EUの対ロ制裁や財政支援に反対姿勢を示し、そのたびに他の加盟国は妥協などの調整を迫られた。

ロシアや中国とどう接するかが外交・安保の焦点となるなか、有志国は全会一致でいちいち方針の擦り合わせをしていては米国などに出遅れるといった危機感を持つ。

ただ現行の仕組みはEU条約をもとにつくられたもので、改革には高いハードルがある。声明では「条約に規定されている条項を基礎に、実用的な方法で意思決定方法を改善する」と主張するにとどめた。賛同する他の国の参加を歓迎したほか、議論の内容は加盟国と共有するとした。

ハンガリーなどが反発するのは必至だ。EUは自由や民主主義といった価値観を共有する国々が、大国・小国を問わず集い共通の政策の実現をめざすのが理念だ。意見が衝突しても、合意に向けて首脳や閣僚など様々なレベルで緊密に議論する。

特に見解が割れやすい外交・安保で大国の主張ばかりが通ることになれば、EUの求心力の低下に拍車をかける可能性もある。

「(EUの)理事会で午前3時半までする議論は時には少し疲れることもあるが、やる価値はある。それは民主主義と多様性の付加価値だ」。オーストリアのネハンマー首相はすぐさま反応し、コンセンサスの重要性を訴えた。』