【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻(4日の動き)

【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻(4日の動き)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230504/k10014044001000.html

 ※ 今日は、こんな所で…。

『2023年5月4日 13時45分

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる4日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
南部ヘルソン州 鉄道の駅や住宅など攻撃で少なくとも21人死亡
ウクライナでは、中部のウマニで先週、集合住宅にロシア軍のミサイルが直撃して子ども6人を含む市民23人が死亡したのに続き、3日には南部ヘルソン州で鉄道の駅や住宅などが攻撃され、ゼレンスキー大統領はSNSで、少なくとも21人が死亡したと明らかにしました。

このうちウマニでは3日、集合住宅に住んでいた家族5人の葬儀が営まれました。

5人は母親と10歳の娘、それに15歳の息子などで、ひつぎが墓地に運ばれると、声を震わせてひつぎに話しかける人や泣き崩れる人の姿がありました。

遺族の1人は「ことばに出来ない喪失感です。ロシアのすべての母親に、政府に対して声をあげてほしい」と述べ、軍事侵攻を止めるためにロシア人に声をあげるよう訴えていました。
クレムリンに無人攻撃か 被害なし ロシア大統領府
ロシア大統領府は、プーチン大統領を狙って首都モスクワのクレムリンをウクライナの無人機が攻撃しようとしたと主張し、報復措置をとると発表しました。

ロシア大統領府は3日「2機の無人機が夜、首都モスクワのクレムリンにある大統領府を攻撃しようとした。無人機は軍や特殊部隊によってレーダーで無力化され、クレムリンの敷地内に破片が落下した。被害は出ていない」などと発表しました。

また「大統領にけがはなく、大統領のスケジュールに変更はない」としています。ロシアでは今月9日、第2次世界大戦の戦勝記念日を迎え、クレムリン近くの赤の広場ではプーチン大統領の演説や軍事パレードが予定されています。

ロシア大統領府「ゼレンスキー政権によるテロ行為だ」

大統領府は無人機による攻撃の試みはウクライナのゼレンスキー政権によるものだとしていて「戦勝記念日の前に行われたものだ。ロシアの大統領を狙ったテロ行為だ」と主張しています。そのうえで「ロシアは適切な時期と場所で報復する権利がある」として報復措置をとるとしています。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は、プーチン大統領は当時、モスクワ郊外の公邸にいてクレムリンにはいなかったとしたうえで、「軍事パレードは行われる。計画は変わらない」として9日の戦勝記念日のパレードは予定どおり実施されるとしています。

ロシア大統領府は3日、プーチン大統領がモスクワ郊外の公邸でロシア西部の州知事から報告を受けるなど通常の公務を行う様子を公開しました。

またモスクワのソビャーニン市長は、事態を受けてモスクワ上空では当局が許可したものを除きすべての無人機の飛行を禁止したと発表しました。

ウクライナ大統領「プーチン大統領を攻撃することはない」

ロシア大統領府が、首都モスクワのクレムリンを狙ってウクライナによる無人機の攻撃があったと主張していることについてウクライナのゼレンスキー大統領は訪問先のフィンランドで行われた会見で「われわれがプーチン大統領やモスクワを攻撃することはない。自国の領土のために戦うだけだ」と述べて関与を否定しました。

そしてロシアがウクライナによる攻撃だと主張する意図について、「ロシアは何も勝ち得ていない。プーチン大統領は国民を前進させるために何らかの動機づけが必要なのではないか」と述べました。

米国務長官「到底うのみにはできない」

アメリカのブリンケン国務長官は「この件で確認できることはない。ロシア政府が言うことは到底うのみにはできず、何が事実かを見極めていく」と述べ、事実関係を調査中だとの立場を示しました。

またブリンケン長官はもしウクライナがロシアの領土を攻撃すると決めた場合アメリカは批判するかと聞かれたのに対し、「ウクライナがどのように自国を防衛し領土を取り戻すかは、ウクライナが決めることだ」と述べました。

一方、ホワイトハウスのジャンピエール報道官は会見で「アメリカは戦争が始まった当初からウクライナ軍が国外で爆撃を行うことを推奨しておらず、それを可能にするような支援もしていない」と強調しました。

ウクライナ ゼレンスキー大統領 “欧米各国に兵器供与 求める”

ウクライナのゼレンスキー大統領は3日、NATO=北大西洋条約機構に先月、加盟したフィンランドをロシアによる軍事侵攻後初めて訪問し、ニーニスト大統領と会談しました。

会談後の共同記者会見でゼレンスキー大統領は「われわれはまもなく反転攻勢に出る。そして戦闘機が供与されると確信している」と述べ、領土の奪還に向けた大規模な反転攻勢に近く乗り出すと強調し、欧米各国に対して戦闘機を含めた兵器の供与を求めました。

また「われわれの目標はNATOに加盟することだ。それが訪問した理由の一つだ」と述べ、フィンランドに対して加盟に向けた協力を呼びかけました。

一方、ニーニスト大統領は「われわれはウクライナを支援し続けることを伝えた」と述べました。そして戦闘機の供与については、ロシアとおよそ1300キロにわたって国境を接しているため防衛力を維持する必要があるとして「戦闘機を手放すわけにはいかない」と述べ、直ちに供与することは現実的ではないという考えを示しました。

米国防総省 空中発射ロケット弾など供与へ

アメリカ国防総省は3日、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナに対し、最大3億ドル、日本円にして、およそ405億円相当の新たな軍事支援を行うと発表しました。今回の支援では、戦闘機などに搭載し空中で発射するロケット弾を初めて供与するほか、りゅう弾砲や高機動ロケット砲システム=ハイマースに使われるロケット弾などを追加で供与するとしています。国防総省によりますと、去年2月にロシアによる軍事侵攻が始まって以降、アメリカの軍事支援は総額で357億ドル、日本円にして4兆8000億円余りにのぼるということです。

国防総省は声明で「アメリカは同盟国などと協力してウクライナが戦場で緊急に必要としている兵器などを供与し続ける」と強調しています。

EU 砲弾など増産へ防衛産業支援の方針

ウクライナに対して軍事支援を続けるEU=ヨーロッパ連合は、ウクライナが供与を求める砲弾やミサイルを域内で増産するため、防衛産業に対して5億ユーロ、日本円で740億円余りの支援を行う方針を明らかにしました。

EUはウクライナへの軍事支援として1年で100万発の砲弾などを供与することを目指していますが、冷戦終結以降、各国は防衛産業への投資を縮小してきたため短期間で生産体制を強化できるかが課題になっています。

支援は▽生産設備の増設や更新▽重要な部品や原材料の確保と備蓄▽人材育成などの取り組みへの補助金にあてられるということです。

ヘルソン州 ロシア軍攻撃で21人が死亡 ゼレンスキー大統領SNS

ウクライナ南部ヘルソン州では3日、州内の複数の場所がロシア軍による攻撃を受け、ウクライナのゼレンスキー大統領はSNSで少なくとも21人が死亡し、48人がけがをしたと明らかにしました。

ゼレンスキー大統領は州内の鉄道の駅や住宅、スーパーマーケットなどが攻撃されたとしたうえで「決して犯人を許さない。邪悪な国家を打ち負かし、責任を負わせる」と強く非難しました。

これに先立ちウクライナ当局はウクライナ側が奪還した州都ヘルソンでは、ロシア軍の砲撃によって12人が死亡し22人がけがをしたとしています。ロシア軍の攻撃が続く中、州都ヘルソンの当局は、今月5日の午後8時から8日の午前6時までの58時間にわたり、外出禁止令を出すと発表し、警戒を強めています。

ホワイトハウス ロシアの死傷者について訂正

アメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は今月1日、ウクライナ東部の激戦地バフムトとその周辺での去年12月以降のロシア側の死傷者はおよそ10万人にのぼるという見方を示していましたが、ホワイトハウスの当局者は3日、NHKの取材に対し、ウクライナ東部における死傷者の数だったと訂正しました。

10万人のうち死者は2万人以上で、その半数はロシアの民間軍事会社ワグネルの戦闘員だとしています。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は2日記者団に対し、「アメリカは正しい死傷者の数についてわかるはずがない。完全にでたらめだ」と反論しています。』