パラグアイ大統領選、与党ペニャ氏当選 台湾と関係維持
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN010A00R00C23A5000000/
『【アスンシオン=宮本英威】南米パラグアイで30日に投開票された大統領選挙で、与党コロラド党のサンティアゴ・ペニャ元財務相(44)が勝利した。南米で唯一の台湾との外交関係は維持される見通しとなった。主要な野党候補は中国との関係構築を示唆して経済浮揚を訴えていたが、及ばなかった。
選挙管理当局の発表(開票率99.94%)によると、得票率はペニャ氏が42.74%、アレグレ氏は27.48%。ペニャ氏は3…
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『ペニャ氏は30日夜、「パラグアイ国民のために国を運営していく」と支持者を前に勝利宣言した。
パラグアイは1957年に台湾と外交関係を結んだ。中道右派の与党コロラド党はほぼ一貫して政権を担っており、台湾との関係は良好だった。ペニャ氏は「台湾との歴史的な関係は常に優先される」などと繰り返し表明してきた。
公務員のフェリペ・ヒメネスさん(40)は「ペニャ氏は若いが経験は豊富だ。台湾はパラグアイを長年助けてくれている。関係を維持すべきだ」と、与党を支持した理由を話した。
一方、野党のアレグレ氏は中国との外交関係の構築を示唆していた。中国向けの牛肉輸出や同国企業からの投資受け入れの促進によって、経済を浮揚させたい考えを訴えたが、支持が十分には広がらなかった。
アレグレ氏は30日夜、「我々に投票してくれた方々、そして他の候補に投票したすべての人に感謝したい。それが民主主義国家だ」と敗北を認めた。「これからも諦めずに、今後も戦いを続ける」とも話した。
選挙は現職のアブド・ベニテス大統領の任期満了に伴い行われた。次期大統領は8月15日に就任し、任期は5年。
中国の国際社会での影響力拡大で、台湾と外交関係を持つ国は13カ国まで減っている。中南米では3月にホンジュラスが台湾と断交して、中国と国交を結んでいた。
サンティアゴ・ペニャ氏 Santiago Pena 米コロンビア大で修士号取得。パラグアイ中央銀行、国際通貨基金(IMF)への勤務を経て、カルテス前政権下の2015〜17年に財務相を務めた。首都アスンシオン出身。44歳。
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