ゼレンスキー大統領「重要な戦闘がまもなく始まる」

ゼレンスキー大統領「重要な戦闘がまもなく始まる」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB010PU0R00C23A5000000/

『ウクライナのゼレンスキー大統領は30日の演説で、「重要な戦闘がまもなく始まる」と語った。複数の欧米メディアが報じた。軍事侵攻を続けるロシア軍からの領土奪還に向け、反転攻勢の時期が近いことを示唆した。

演説場所は明らかにされていない。ゼレンスキー氏は国境警備隊をたたえ、「私たちの土地や国民をロシアの支配から解放しなければならない。陸と海で国境を完全に取り戻さなければならない」とも述べた。
ロシアが実効支配するクリミア半島セバストポリで大規模な火災が発生した(29日)=ロイター

ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島の軍港セバストポリでは、29日に石油備蓄施設で大規模な火災が発生していた。無人機による攻撃を受けたとみられる。

ロシアメディアがウクライナメディアを引用して報じたところによると、ウクライナ軍が計画する大規模な反転攻勢の「準備の一環」だという。

ロシア軍は27~28日に首都キーウ(キエフ)を含むウクライナ各地をミサイル攻撃した。首都へのミサイル攻撃はおよそ50日ぶりだった。中部の都市ウマニでは集合住宅が被弾。23人が犠牲となり、うち6人は子どもだった。

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

ウクライナ軍が攻勢に転じるタイミングが、いよいよ近付いているようである。当初は泥濘化した地面が固まり戦車・装甲車部隊の進軍が容易になる4月にも攻勢開始かとされていたが、強力な戦車部隊の編成・配備を終えてからになるのだろう。ウクライナ軍のベテラン将兵の損耗が激しいとの報道も気になるところである。攻勢開始による前線の状況変化が断続的に伝わってきた後に、ウクライナの要人が攻勢開始の事実を認めるという順番になるだろう。ウクライナ軍がある程度まで領土を奪い返し、状況次第ではクリミア半島のロシア軍を孤立化させることには成功するだろう。だが、ロシア軍のウクライナ領外への潰走までは見込み難いように思う。
2023年5月1日 11:21 』