ウクライナ国防相、ほぼ準備が整った反攻作戦は天候と指揮官の決断次第
https://grandfleet.info/european-region/ukrainian-defense-minister-says-counteroffensive-almost-ready-depends-on-weather-and-commanders-decision/#comment_headline
『ウクライナのレズニコフ国防相は28日「ほぼ反攻作戦の準備は整っているため、神の意志、天候、指揮官の決断があれば直ぐ実行に移す」と明かし、周到に準備を進めてきた「ロシア軍との決戦」が近いことを示唆した。
参考:“Глобально мы готовы”. Резников сказал, когда начнется контрнаступление
参考:Подготовка к контрнаступлению находится на завершающей стадии – Резников
もう反攻作戦の準備は仕上げの段階で「天候が安定する」という確信が得られれば発動可能か
オースティン米国防長官は21日のラムシュタイン会議後「230輌以上の戦車や1,550輌以上の装甲車両をウクライナに届け、新しい9個旅団の編成が可能になった」と言及、NATOのストルテンベルグ事務総長も27日「約束した戦闘車輌の98%以上が提供済みだ」と明かしていたが、ウクライナのレズニコフ国防相も28日「ほぼ反攻作戦の準備は整っているため、神の意志、天候、指揮官の決断があれば直ぐ実行に移す」と明かし、周到に準備を進めてきた「ロシア軍との決戦」が近いことを示唆した。
出典:Денис Шмигаль Прем‘єр-міністр України
レズニコフ国防相は「反攻作戦に必要な武器や装備は整いつつあるものの習得すべきものが残っており、まだブラッドレー、マルダー、ストライカー、CV90の訓練は完了していない。しかし広義的な意味で言えばほぼ準備が整っているため神の意志、天候、指揮官の決断があれば直ぐ実行に移す」と述べ、米国が約束したM1エイブラムスについても「我々の兵士は既に訓練を受けるため出発したが、今回の反攻作戦には参加できないだろう」と付け加えている。
国防省情報総局を率いるキリロ・ブダノフ少将も最近「ウクライナとロシアの決戦は近い」と述べていたため、もう反攻作戦の準備は仕上げの段階で「天候が安定する」という確信が得られれば、いつでも発動可能なのかもしれない。
One of the Leopard 1A5 tanks refurbished in Denmark, intended for Ukraine. Acting Defense Minister Troels Lund Poulsen confirmed that Denmark intends to deliver 100 refurbished Leopard 1 tanks to Ukraine, with deliveries to begin “before the summer”.pic.twitter.com/d45bj2M9mS
— Challenger Tank In Ukraine (@ChallengerInUA) April 22, 2023
因みにイタリアのポルデノーネではウクライナに移送される新たなM109L(伊メディアは計60輌のM109Lをウクライナに提供すると報じている)が目撃され、ドイツのピストリウス国防相もスペインメディアの取材に「ウクライナ人に対するレオパルト1A5を使用した訓練が始まった。年内に80輌を引き渡す予定だ」と明かし、当初25輌だったレオパルト1A5の年内引き渡し量を「3倍以上」に引き上げている。
関連記事:伊メディア、イタリアは60輌のM109Lをウクライナに提供済みか提供予定
関連記事:4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
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投稿者: 航空万能論GF管理人 欧州関連 コメント: 26 』
『
トブルク
2023年 4月 28日
返信 引用
正直なところ、9個旅団では戦局を一変するほどの大戦果は難しい。
装備の補充や弾薬の供給に制限があるウクライナ軍としては、反攻作戦は短時間で消耗を避けつつ、今後に期待がつながる現実的な勝利を達成したいだろう。
ただ、初戦は精密誘導兵器の集中投入によるピンポイント攻撃でロシア軍の第一線陣地を制圧して、それなりの結果を出すと思うが、航空支援がないので第二線以降の突破に手こずり、ロシア軍の戦略予備が到着して消耗戦に巻き込まれないか心配。
もしウクライナ軍の反攻作戦が失敗するようなら、この戦争はWW1レベルの塹壕戦に逆戻りすることになる。
そういう意味で反攻作戦の一番の見所は、ウクライナ軍の攻勢ドクトリンが機能するかどうかな気がする。
22
鳥刺
2023年 4月 29日
返信 引用
9個旅団主力程度で兵站にネックがある条件では大戦果は難しく、短期で、これ以降の作戦に繋がる地歩の確保と、攻勢正面の敵軍の撃退ぐらいが見込める成果ではないか、という貴方の判定は、常識的で、そうなりそうな確率も高いと思います。
で、見込む成果がそれでしたら、決定的な決戦会戦にならない以上、攻勢の一区切りの後には、進出地点でロシア軍とのあまり戦線が動かない交戦が続くことになるのも必然ですね。心配というより、そうなるのでそこからどうするかという問題です。
基本、この一撃で敵軍を殲滅して終戦になったりはしない、長丁場の間の区切りの一つですからね。
ウクライナが戦場で勝利すれば、ロシアがウクライナを軍事的に打ち倒す事は不可能だとはっきり示され、クレムリンの継戦意思を破砕できるかもしれません。
個人的には、投入兵力は国内での養成分・現有戦力からの転属による増強、攻勢正面の現地部隊も参加するので、言われている9~12個旅団よりもかなり大きくなり、兵站の制約で作戦期間は短期、という感触です。
11 』
『
sd
2023年 4月 29日
返信 引用
それより米の機密情報流出事件でウクライナの防空網が5月中に破綻する可能性が高いとのことらしいのですが大丈夫なのでしょうかね
3
鳥刺
2023年 4月 29日
返信 引用
防空問題は、攻勢の成否にも、6月以降の戦勢にも、戦争の勝算に直結する問題なので、今大車輪で手当てしている最中、という所でしょうね。
4
ミリオタの猫
2023年 4月 29日
返信 引用
その米機密資料に書かれたウクライナの防空体制の問題に関する件ですが、その資料を精読した方が別の板に書いたところによると「データは2月末時点」と前置きした上でこう書いています
1.今年1~2月の大規模な自爆ドローン、巡航ミサイルによる都市部攻撃が3月以降も同じ規模で続く
2.米国やNATOからの追加の防空ミサイル供与が間に合わない
という前提の場合「5月末時点で高度6000mまで対処できるSAM弾が尽きる」と言う内容だったそうです
そして資料では対応策として「東欧諸国等からSAM弾を追加調達」「パトリオット、NASAM、IRIS-TSL、ホークの戦力化を行う」を行うとされており、既にパトリオット等は配備が始まっています
【出典:この板の「ウクライナ情勢スレ」218/No.145371の書き込みを参照の事。5/11頃消える見通し】
リンク
5
名無しさん
2023年 4月 29日
返信 引用
>1.今年1~2月の大規模な自爆ドローン、巡航ミサイルによる都市部攻撃が3月以降も同じ規模で続く
4/28に50日ぶりに行われたキーウへの攻撃が10発程度(うち8発迎撃)ですから、想定したペースを大幅に下回っていますね。』
『
名無し
2023年 4月 29日
返信 引用
パトリオットの供与数があれでは全く足りないし、バムフートでのロシア軍機の活発化を見てもウクライナのS-300が機能不全に陥ってるのは明らかなのでSAM関係は根本的に足りてない。
12
774rr
2023年 4月 29日
返信 引用
各国が今よりも更に自軍の装備を切り崩してウクライナにSAMを渡すしかないよね
制空権を取られては地上は蹂躙されるのみなので。。。
日本を含めた各国が今送れる物を渡すしかない
それで凌いでる間になんとかして生産設備を増強するなり
武器の供与に踏み切っていない国(イスラエルとか)を説得して供与させるなりせんとね
5 』
『 REM
2023年 4月 29日
返信 引用
西側諸国がはっきり反ロシアにシフトした。
という外交的な成果が重要と思う。ロシアの天然資源欲しさに曖昧な態度をとらなくなったドイツと追従するイタリア。
これだけで戦前のロシアが失ったものは大きいでしょう。直接西欧と商売できない。
中国もロシアが増産する石油の買取りを拒否しましたよ。
今の段階なら送られた武器の有効活用が重要で、視覚的な領土回復に拘る必要は無いと思う。
戦争も外交の一部で、ロシアがその外交で負けてる事に変わりないです。傀儡のアブアジアにまで無視されるのですから。
11 』
『 折口
2023年 4月 29日
返信 引用
ロシア軍は未だ12万人からの予備部隊を戦線後方に保持しているという話もあるんですよね。予備を全部ウクライナ側の攻勢軸にジャストインタイムで投入できる訳では無いにしても、機動防御的に攻勢の衝撃力を相殺してしまうには充分な数だと思います。戦力的、戦略的に勝利が確約できる状況でないなか、ウクライナに再び作戦・戦術レベルの妙が求められているのかもしれないですね。
6 』
『 58式素人
2023年 4月 29日
返信 引用
砲弾の在庫を考えると、攻勢はまだと思うのですが。
気候の面でも、地面が完全に乾くのは6月でしょうし。
何回も書きましたが、大規模作戦ができるのは、6月下旬〜10月下旬と思います。
ただ、反攻が間近いと言い立てるのは、ロシア側を牽制し、陣地に籠らせ、
その配備を明確化させるのには良い手段とおもいます。』