世界スマホ出荷、1〜3月14.6%減 23年後半から回復予測

世界スマホ出荷、1〜3月14.6%減 23年後半から回復予測
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN260Y50W3A420C2000000/

『【シリコンバレー=中藤玲】米調査会社IDCは27日、2023年1〜3月のスマートフォンの世界出荷台数が前年同期比14.6%減の2億6860万台だったと発表した。景気減速懸念で購買意欲が低迷して7四半期連続で前年割れとなったが、在庫が改善傾向にあるため「市場全体では23年後半から24年にかけては成長が回復する」(IDC)とみている。

減少幅はIDCの事前予測(12.7%減)を上回ったが、四半期ベー…

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『四半期ベースで過去最大の落ち込みだった22年10〜12月(18.3%減)よりは回復した。経済の先行き不透明感が続き、購買意欲が戻らない。そのため在庫は各地域で高止まりしているものの、出荷台数を抑えて販促活動を増やしているため改善傾向にあるという。IDCは「不測の事態が起きない限り7〜9月はプラスとなり、年末にかけて2桁成長するだろう」と予測する。

メーカー別では、中韓勢の下落率の大きさが目立った。首位の韓国サムスン電子が前年同期比18.9%減の6050万台で、シェアは1.2ポイント落として22.5%だった。3位の小米(シャオミ)は23.5%減の3050万台。中位から下位ブランドは競争が激しくマージン(利益率)が低いため、供給を減らしているとみられる。

2位の米アップルは2.3%減の5520万台で、中国の主要工場での供給不足が解消したことで「iPhone」の販売減少が改善しつつある。同社は米国時間5月4日に23年1〜3月期の決算発表を予定している。

地域別ではほとんどの地域で2桁減となった。新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込む「ゼロコロナ」政策が事実上終了して市場回復が期待される中国でも、12%近く落ち込んだ。消費者はスマホの購入よりも旅行や娯楽を優先させているようだ。中東欧地域やアフリカなどの新興市場も17〜20%減少だった。米国は11.5%減にとどまった。』