習近平氏、ゼレンスキー氏と電話協議 「解決へ代表派遣」

習近平氏、ゼレンスキー氏と電話協議 「解決へ代表派遣」
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『【北京=田島如生】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は26日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話で協議した。ロシアによるウクライナ侵攻の解決策を議論するため、ウクライナに特別代表を派遣すると表明した。

中国国営中央テレビ(CCTV)やロイター通信が伝えた。両者が電話協議するのは、2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻以降、初めて。

習氏は「中国政府のユーラシア問題特別代表をウクライ…

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『習氏は「中国政府のユーラシア問題特別代表をウクライナなどに派遣し、ウクライナ危機の政治解決に向けて関係者と緊密に話し合う」と述べた。「速やかに戦火を止め、平和を回復するため独自の努力をする」と表明した。

習氏は「対話と交渉が唯一の解決策であり、核戦争に勝者はいない」と強調。名指しを避けながらもロシアに核兵器を使用しないよう呼びかけた。「核問題のすべての関係者が冷静かつ抑制的に対応すべきだ」とも訴えた。

CCTVによると、ゼレンスキー氏は外交手段によるウクライナ危機の解決に向け、中国が重要な役割を果たすことを歓迎した。「中国と包括的な協力を発展させ、世界の平和と安定の維持へ共に力を尽くすことを望む」と話したという。

ゼレンスキー氏は電話協議後、ツイッターに「習氏と長時間にわたり、意義深い話をした。この電話は2国間関係を大きく発展させる」と投稿した。

習氏とゼレンスキー氏の電話協議を受け、ロシア外務省のザハロワ情報局長は26日、「中国側が交渉プロセス確立のために努力する用意があることに注目している」とコメントした。

中国は今年2月、ウクライナ危機の政治解決に向けた12項目の文書を公表した。習氏は3月にロシアを訪問してプーチン大統領と会談し、ウクライナとの対話を促した。

ゼレンスキー氏は3月、習氏にウクライナへの訪問を要請したとAP通信のインタビューで明らかにした。

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岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
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ひとこと解説 世界中でロシアに対して政治的圧力を行使できる立場にいる人がいるとすれば、習近平主席でしょう。戦争開始以来、ロシアは経済的に中国依存を強めており、中国なしにはウクライナ戦争を長く継続することもできないでしょう。ゼレンスキー大統領の狙いもそこにあり、少なくとも中国がロシアへの支援を強化することは避けたいと思っているはずです。ただ、習主席はプーチン大統領が次の大統領選挙で勝利することを望んでいると公言しており、プーチン体制が揺らぐような結末は望んでいないことは明らかです。プーチン体制は倒れないが、ウクライナ国民も納得するような妥協点を見出すことは、中国をもってしても、まだまだ時間がかかりそうです。
2023年4月27日 1:00いいね
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伊藤さゆり
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 研究理事
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別の視点 欧州外交評議会(ECFR)のマーク・レナード氏らによる欧州10か国の世論調査の分析では、ウクライナが領土を失うことになっても速やかに停戦すべきという考え方を「平和陣営」、さらに犠牲を払うことになっても全領土を取り戻すべきという考え方を「正義陣営」と分類し、昨年5月時点の調査よりも、今年1月の調査の方が全体に「正義陣営」の支持が高まっていることを示し、その理由の1つがウクライナの健闘にあるとしている。
ゼレンスキー大統領は当然「正義陣営」だが、習近平主席の立場は「平和陣営」。両者の溝は深い。しかし、対話によって中国がロシアの積極的支援に動くことを防げるのであれば、その意義は大きい。
2023年4月26日 23:31 』