バイデン氏、再選へ見切り発車 対フロリダ知事なら苦戦

バイデン氏、再選へ見切り発車 対フロリダ知事なら苦戦
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2607W0W3A420C2000000/

 ※ バイデン氏の予備選での勝利は、共和党の候補がトランプ氏になるかどうかに、大きく左右されるという話しだな…。

 ※ デサンティス氏が対立候補ともなれば、「途中辞退」もあり得る話しだろう…。

 ※ それにしても、米民主党の「タマ不足」は、深刻だな…。

 ※ まあ、共和党も「トランプが、最有力」という状況で、似たようなものだが…。

『【ワシントン=坂口幸裕】バイデン米大統領は25日、2024年大統領選で再選をめざし民主党候補として戦う意向を表明した。野党・共和党の最右翼であるトランプ前大統領と再び戦えば勝算があるとの前提で組み立てた選挙戦略は、対抗馬と目される南部フロリダ州知事が候補となれば苦戦を強いられる公算が大きい。民主にとって見切り発車の賭けになる。

バイデン氏は25日、出馬表明後初めて公の場に姿を見せた。首都ワシント…

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『首都ワシントンでの労働組合の会合で「我々の経済政策はうまくいっている。やらなければならない仕事はまだある」と話した。

同氏は25日午前6時、ツイッターに動画を投稿して出馬を表明した。冒頭、前大統領の支持者が21年1月に連邦議会議事堂を襲撃した場面を流し、前大統領の支持議員を映すのに合わせ「MAGA(マガ)過激派が自由の根幹を奪おうとしている」と語った。

「MAGA」は前大統領のスローガン「Make America Great Again(米国を再び偉大に)」の頭文字から取った言葉で、前大統領の信奉者が米国の脅威になっていると訴える定番のフレーズだ。前大統領と共和の候補者指名を争うと目されるフロリダ州のロン・デサンティス知事が握手する映像も交え、2人の近さを演出した。

一方、前大統領はバイデン氏との対決姿勢を鮮明にし、現職として挑んだ20年大統領選で敗れた雪辱を果たそうともくろむ。バイデン氏が出馬表明するとの観測が広がった24日の声明で「ジョー・バイデンを打ち負かす」と表明。「我々は経済を救う。ともに米国を再び偉大にしよう」と訴えた。

民主には有権者の賛否が割れる前大統領がバイデン政権を批判するほど支持層の結束が強まるとの期待がある。22年11月の連邦議会上院選で前大統領が推薦した共和候補が激戦州で相次ぎ敗れ、民主に多数派維持を許した。無党派層の間で前大統領の求心力が陰る米世論の現状が浮き彫りになった。

バイデン氏はそこに勝機を見いだす。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが11〜17日に実施した世論調査によると、24年大統領選で2人が争った場合、バイデン氏の支持は48%、前大統領は45%だった。

デサンティス氏との対決になればバイデン氏の苦戦が予想される。デサンティス氏は48%で、バイデン氏の45%を上回る。民主内で前大統領が共和候補になってほしいとの声が根強いゆえんだ。

現在80歳でバイデン氏の弱点でもある高齢不安に焦点が当たりにくくなる事情もある。前大統領は現在76歳で、44歳のデサンティス氏、出馬表明した51歳のヘイリー元国連大使らと争うのに比べると、若さや認知力を問われる場面が減る可能性がある。

デサンティス氏は25日、日本経済新聞のインタビューで大統領選への対応について「現在の州議会の会期が終わるまで表明はしない」と述べた。議会閉会後の表明を否定しない発言で、州議会が一区切りする5月にも出馬表明するとの観測が出ている。

共和支持層を対象にした調査ではデサンティス氏の支持が38%だったのに対し、前大統領が51%と優位に立つ。その他の候補は1桁台にとどまる。前大統領は東部ニューヨーク州の大陪審による起訴に批判的な共和支持層からの支持率を持ち直したとはいえ、裁判の行方次第では優勢を維持できるかどうかは見通せない。

バイデン氏が非難する前大統領の出馬が再選の近道になる皮肉な構図は、他に有力な候補が見当たらない民主の人材不足という側面も映し出す。』