ウクライナ国防省、ロシア軍は兵力36.9万人と重火器5,900門を戦いに投入
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-defense-ministry-says-russian-forces-put-369000-men-and-5900-heavy-weapons-into-battle/#comment_headline



『ウクライナ国防省は26日「クレムリンの長期的な特別軍事作戦の戦略に何も変化はなく、ロシア軍は最大48個旅団と122個連隊を特別軍事作戦に投入し、約36万9,000人の兵力と約5,900門の重火器を使用している」と発表した。
参考:В боях против Украины РФ использует около 370 тысяч военных – МОУ
ロシア軍の主力を拘束した状態で反攻作戦を開始するのが理想的なので、バフムートのウクライナ軍はもう少し粘る必要がある
ウクライナ国防省傘下のメディアセンターは26日「クレムリンの長期的な特別軍事作戦の戦略に何も変化はなく、ドネツク州からウクライナ軍を追い出すため攻撃を続けるだろう。敵の第一目標は依然としてバフムートの完全占領に設定されており、アウディーイウカやマリンカといった都市の攻略も引き続き試みるはずだ」と発表、さらに「ロシア軍は最大48個旅団と122個連隊を特別軍事作戦に投入し、約36万9,000人の兵力と約5,900門の重火器を使用している」と指摘した。
出典:GoogleMap バフムート市内の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)
ロシア軍が完全制圧を掲げているバフムートの状況は非常に厳しく、市内で戦うウクライナ軍部隊の後方を確保するためクロモヴェ方面に迫る敵に反撃を加えているものの、肝心の市内ではロシア軍がウクライナ軍は街の西端に追いやって「第56機械化旅団の駐屯地」に迫っており、ロシア軍が前進する速度=ウクライナ軍が陣地を放棄して後退する速度が徐々に早まっている。
00506経由でクロモヴェからバフムート市内に入るルートは「仮設の橋」が破壊されたため、再びバフムート市内に入れるルートはT0504経由のみになっており、ここまで来ると街の完全占領は時間の問題だろう。
出典:GoogleMap アウディーイウカ周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)
アウディーイウ方面のロシア軍はノボバフムティフカを除く全ての方面で前進が成功していないが、ウクライナ軍と何ヶ月も争ってきたノボバフムティフカの制圧に成功しており、H20沿いに北上もしくはノボカリーノベ方向に前進を見せている。
現段階でアウディーイウを包囲するような動きは確認されていないものの、バフムート方面に展開する敵戦力の拘束が解ければアウディーイウの状況も一変するかもしれない。
出典:GoogleMap ドネツク周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)
マリンカ方面のロシア軍はメートル単位の前進を見せているが、マリンカとペルヴォメイスキーの背後に回り込むためネーベルズキーを抜く試みは上手く行っておらず、ヴーレダーも相変わらずの状況だが、決して戦いが落ち着いている訳では無い。
結局のところバフムートを攻めるロシア軍が目的を達成した後、そのままスラビャンスクやコンスタンチノフカに向うのか、ウクライナ国防省が指摘するようにアウディーイウカやマリンカの突破にかかるのか、部隊の再編とウクライナ軍の攻勢に備えてポジションを攻撃から防衛に変更するのかは不明だが、ロシア軍の主力を拘束した状態で反攻作戦を開始するのが理想的なので、バフムートのウクライナ軍はもう少し粘る必要がある。
因みにウクライナ空軍のオレシチュク司令官は26日、国内で運用が始まったパトリオットシステムの様子を公開した。
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※アイキャッチ画像の出典:93-тя ОМБр Холодний Яр
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投稿者: 航空万能論GF管理人 ウクライナ戦況 コメント: 12 』
『 せい
2023年 4月 27日
返信 引用
ロシアからしたら、バフムートを一つの引き際と捉えてる、何てことは無いかな?
まあロシアが本気でウクライナ全領土の掌握を狙ってるならどうしようもないけど、どこかで現実的な幕引きは必要だろう。
ウクライナは許せないだろうけど、西側諸国が前のめりに継戦を支持するとも思えんしなぁ。
2
鳥刺
2023年 4月 27日
返信 引用
まぁ、ロシアが引き際にしたいのなら、一区切りついた所で、何かロシア側から提案があってそれからの話でしょうね。現状、ウクライナが乗れる提案が出てくる可能性はほぼ皆無なんで意味のある事柄にはなりませんが。
プリゴジンの「現戦線で一時防勢転移」にしても、ロシア軍の現在の状況と可能な選択肢って所から出た自己都合な話に過ぎませんし。』
『show the flag
2023年 4月 27日
返信 引用
火砲の勝敗は、漏洩文書(宇10%:露75%)、oryx(宇48門:露723門)ともに一方的で、露2S19の例ではコンスタントにやられ続けてます。
2022Q1 2022Q2 2022Q3 2022Q4 2023Q1
27 24 29 21 16
砲の性能を別にすれば、数の劣勢側が勝っている理由は観測能力にある訳で、その差は容易には埋められるものではないでしょう。そのあたり、漏洩文書でも戦力配置は丸見えで、リスクを冒してまで偵察機を追い払ったのも答え合わせなんだと思います。
脅威度の高い火砲を潰せるなら、他の数字もお察しで、漏洩文書ではロシアは戦死で2.3倍、死傷で1.6倍と人的損害の開きとも整合します。
戦死者 死傷者 致死率
露 35,500-43,500 189,500-223,500 18.7%-19.5%
宇 15,500-17,500 124,500-131,000 12.4%-13.3%
反撃を焦らすのはウクライナの常ですが、膠着の息切れから敗走というパターンにロシアが嵌っているような気がします。
2
暇
2023年 4月 27日
返信 引用
とはいえ、いくら損害を出しても最終的に勝ってきたのがソ連/ロシアだし。今のロシアにそれが受け継がれ、受け入れられるのでしたら、厄介です。
2
2023年 4月 27日
返信 引用
観測能力はここでも何度も話に出てるけど観測ドローン数十万機運用してるとされるロシアの方が上だろ
3 』
『 鳥刺
2023年 4月 27日
返信 引用
>バフムートを攻めるロシア軍が目的を達成した後、そのままスラビャンスク
チャシブ・ヤール東方の用水路の線まで戦線を押さないと、スラビャンスクに進む場合の側面が危ないでしょうね。バフムート北翼の戦闘の成り行きで、一見、M03沿いにスラビャンスクに向かえそうな戦線図にはなっているんですが、北方に攻撃正面を切替える為には、その前提としてバフムートのウクライナ軍を遠く駆逐しなければならないという関係になってしまっています。
>コンスタンチノフカ
東方へ広い正面で平押し…締切(ウクライナの反攻)も近そうですが…
>アウディーイウカやマリンカの突破
成功できそうなポイントに転進しては小さな戦果を積み上げ続けてていこうというパターン…いやクレムリンは何年戦争続けるんだって話ですが、実際問題として、ロシア軍は37万弱としても相対的な戦力比と能力が不十分で、作戦的大突破だの深い縦深の突進だのは不可能なので、クレムリンのオーダーとの妥協点ではありますか。
>部隊の再編とウクライナ軍の攻勢に備えてポジションを攻撃から防衛に変更
どこかに転進するにしても、リシチャンシク後の休止程度の停滞は必ず入るでしょうね。その期間が明ける頃と言うと、もう5月中旬見当になるわけです。
2 』