タッカー・カールソンがFOXを解雇される

タッカー・カールソンがFOXを解雇される
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/31380200.html

『私は、殆どFOXニュースもCBSも見ないので、影響力が、どの程度が知らないのですが、FOXニュースの人気キャスターで、CBS一強から視聴率を奪取したと言われているタッカー・カールソンが、突然解雇されたようです。FOXニュースと言えば、メディア王のルパード・マードックが社主を務める、マスメディア・コングロマリットの一翼です。この爺さんの食えないところは、メディアによる支配で世論形成する事を、何とも思っていない事で、イギリスなんか大衆紙のサンも、高級紙のタイムズも買収して、ほぼマスメディアを支配しています。

実際、彼による世論操作は、非常にあからさまで、躊躇がなく、「ブッシュのプードル」とか言われて、湾岸戦争がらみで揶揄されていたブレア前イギリス首相が、選挙の時にマードックに頭を下げて、選挙応援を頼みに行った事は有名です。それから、全紙を上げて、対立候補叩きを始めて、実際にブレア首相が誕生しているので、民主主義というものの危うさを示すとともに、なんでマスコミが第4の権力と言われているか、如実に判る事例です。007シリーズでも、世界征服を企むメディア王としてキャラクターを借用されるなど、本当の意味で完全無欠の悪役キャラです。

FOXニュースも、彼が買収した時には、人気の無いポンコツ・メディアだったのですが、丁度、湾岸戦争が起きたので、ナショナリズムを煽りまくって、一躍CBSを押しのけるまで成長。その後、湾岸戦争がブッシュ前大統領が仕掛けた茶番で、大量殺戮兵器が無かった事が判ると、相当没落しましたが、オバマ前大統領とトランプ前大統領の選挙戦を睨んだ対立が始まると、オバマ叩きとトランプよいしょで再び浮上。トランプ大統領が誕生すると、一貫してトランプ支持の色を明確にしてきました。その頃から、夜のニュースの顔として人気が出てきたのが、タッカー・カールソン氏です。

その影響力は、彼がキャスターを解雇されたというニュースが流れたとたんに、FOXの株価が下がった事でも判ります。それぐらい、視聴率男だったわけです。私は、人格的に問題があるにせよ、指導者としては、トランプ前大統領を、それなりに評価しています。間接的に、ロシアが増長してウクライナ侵攻を決意したのも、バイデン大統領だったという要因が大きいし、中東地域でアメリカの影響力が減退した間接的な原因もバイデン氏にあると思っています。すごく、頭の悪い言い方をすると、「バイデンだったら、やんちゃをしても、何もできないだろう。じゃ、今がチャンスだから、やっちゃえ」みたいな紛争を誘発する態度が表に出ているんですよね。

で、トランプ大統領を支持しているFOXがなんで、トランプ支持の人気キャスターを解雇したかと言うと、どうも大統領選挙が近い事で、民主党陣営から圧力があったっぽいんですよね。実際、かなり高齢になって影響力が落ちているマードック氏は、余り積極的に支持していないようです。前にアメリカ下院の議長を努めて、共和党議員だったポール・ライアン氏の意向が反映されたとされています。彼は、今FOXニュースの役員を努めています。で、この人物は共和党なんですが、大のトランプ嫌いで知られていて、自分でも公言しています。当然、今、支持しているのは、共和党の大統領候補に押されている、デサンティス州知事です。

もう、昔の事になってしまいましたが、前回の大統領選挙で、ドミニオン社という選挙票の自動集計システムを開発している会社が、不正をして民主党に有利になるように票操作をしたという話が流布したのを覚えているかと思います。これ、名誉毀損訴訟になっていて、訴えられている中にFOXニュースも入っています。で、最近、判決が出て負けたんですよね。16億ドル請求されていたのですが、約8億ドルの賠償で和解しています。で、当事者は否定していますが、この和解金減額の条件として、タッカー・カールソンの解雇の密約が入っていたんじゃないかという話が出ています。ドミニオン社の疑惑とか、最近だと流出で話題になったバイデン氏の息子のハンター・バイデン氏のノートパソコン関連の疑惑を、ガンガン追求していたのが、タッカー・カールソンなので、彼をマスコミから追い出す事がドミニオン社にとって、引いては、迫ってきた大統領選挙にとって重要な課題になってきたのではないかという話です。

どうも、今のアメリカを見ていると、どういう政治を目指すかよりも、謀略で相手を蹴落として、当選しようとする動きが目立ち過ぎて、選挙の意味があるのかと思ってしまいます。これ、かなり自分にも精神的に来ていて、前回のアメリカ選挙の時に、ちょっと精神的にダウナーになって、ブログの更新が止まりました。トランプ氏が勝った負けたというより、選挙の結果を決めたのが政策じゃなくて、それ以外の、余りにも政治とは無関係な事で決まるので、柄にも無く絶望しました。いやね、調べていくと、見たくもないものも見ちゃうのですよ。それが、真実が中傷かはおいておいて、政治的にマウントを取る為に、そんな事まで持ち出すかみたいな事が、余りにも多すぎます。日本の選挙も、そうなりつつありますけどね。

「この国を、こうしたい」より、「あいつは、こんな事をした卑劣漢だ」みたいな事で、選挙が決まるというのは、やはり国民にとって不幸ですよね。それが、選挙で決定的な力を持つようになると、マスメディアが、どっちに味方をしてキャンペーンを張るかで、本当に指導者が決まってしまうのです。イギリスで、実際に実証されてますし。この国でも、未だに安倍元首相の過去を引っ張り出して、選挙の時の攻撃ネタにしていますよね。我々は、独裁者の居座る国を、非難していますけど、向こうから見ると、さぞマヌケに見えているんだろうなぁと思います。ちょっとエージェントを送り込んで、スキャンダルを巻き起こせば、面白いように相手国の世論を動かして、都合の悪い人間を自国民に排除させる事ができるのですから、バカに見えて仕方ないでしょうねぇ。

あー、なんかまとまりが無くなりましたが、どうも選挙がらみで、稼ぎ頭の人気キャスターが、取引の道具に使われて、解雇されたらしいですよーというのが、この記事の主旨です。 』