ウクライナ軍、ヘルソン州で渡河成功か 陣地確保の情報 露側は「虚偽」と否定

ウクライナ軍、ヘルソン州で渡河成功か 陣地確保の情報 露側は「虚偽」と否定
https://news.yahoo.co.jp/articles/a9c4ab3e52f529f00879a7c3cfc973ab6482457a

『4/24(月) 9:01配信

ロシアによるウクライナ侵略で、米シンクタンク「戦争研究所」は24日までに、露軍の支配下にある南部ヘルソン州のドニエプル川東岸地域にウクライナ軍が進出し、陣地を確保したもようだとする分析を公表した。これに関し、ウクライナ軍南部方面部隊のグメニュク広報官は否定も肯定もしなかった。一方、同州の親露派勢力トップのサリド「知事代行」は、ドニエプル川東岸へのウクライナ軍の進出情報は「虚偽」だと主張した。

【写真】ウクライナ軍の攻撃で破壊されたとするロシア軍陣地

戦争研究所は22日、複数の露軍事ブロガーの報告を基に、ウクライナ軍がドニエプル川の渡河に成功したもようだと指摘。東岸地域の小都市アリョシュキの北方に陣地を構築したが、規模や意図は不明だとした。

グメニュク氏は同日、「ドニエプル川の渡河が必要な現在の状況下で、困難な作戦が続いていることを理解してほしい。わが軍の安全が確保されていない現状では、機密は保持されるべきだ」などと述べ、具体的なコメントは避けた。地元テレビでの発言をウクライナメディアが伝えた。

ヘルソン州を巡っては、ロシアが昨年9月、一方的に併合を宣言。しかし11月、ウクライナ軍が反攻を行い、州都ヘルソンを含むドニエプル川西岸地域を奪還した。以降、露軍はウクライナ軍の渡河を防ぐため東岸地域を要塞化し、西岸地域に砲撃を続けていた。

ヘルソン州は、ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島の付け根に位置するほか、侵略開始後にロシアが確保した露本土とクリミアを陸路で結ぶ「回廊」の一部を成す重要地域。ドニエプル川東岸地域へのウクライナ軍の進出が事実であれば、露軍はクリミアや回廊の「防衛」に戦力を割く必要に迫られ、全域の制圧を狙う東部ドネツク州での戦闘がさらに停滞する可能性がある。』