タッカー・カールソンは、ロバート・ケネディ・ジュニアに、こう言わせた。

タッカー・カールソンは、ロバート・ケネディ・ジュニアに、こう言わせた。
https://st2019.site/?p=21084

『Philip Bump 記者による2023-4-20記事「The how and why of Tucker Carlson’s misleading Ukraine war math」。
    タッカー・カールソンは、ロバート・ケネディ・ジュニアに、こう言わせた。――誰も話さない。ウクライナの民間人が1万4000人死んでいるが、その陰で、ウクライナ兵は30万人死んでいるのだ。ロシア軍は、ウクライナ兵を、七対一から八対一のキル・レシオで殺しているのだ。ウクライナ軍はこの戦争を継続できない。いままで報道されている話はぜんぶ嘘だ。

 いったいそのキルレシオのソースはどこなのだ?
 ロシア機関が改変したリーク文書を人々に鵜呑みにさせようとするタッカー・カールソンの脳内なのである。

 先週の4-13に、カールソン自身が番組でこう断言している。

 ――これらのスライドから分かったように、ウクライナは負けている。ウクライナ兵の戦死7名に対してロシア兵は1人という割合だ。バイデン政権はこのためにパニックに陥っている。

 しかしリーク文書を解析しているベリングキャットのアリック・トーラーの4-7ツイッターは、カールソンが依拠しているのはオリジナルのリーク文書ではなく、ロシアが細工したバージョンだと示した。

 州兵空軍一等兵がゲームサイトのチャットルームで最初に開示したオリジナル機密文書には、露軍の戦死者は4万3500人であるのに対して、宇軍の戦死者は1万7500人だと報告してある。このチャットルームに出入りしていたロシア人がFSBか誰かにこの漏洩文書の存在を注進し、FSBはこの数字はまずいと思って数字部分を書き変えた文書写真を、怪しいアメリカ人女が主宰する「テレグラム」のチャンネルに掲載させることで拡散させた。その改変数字は、《ロシア兵1万7500人戦死、vs. ウクライナ兵7万1500人戦死》。このテレグラム・チャンネルは、ロシア支持である。それが明白であるにもかかわらず、カールソンはそっちを採択した。

 ※71500を17500で割れば「4倍」にしかならない。それを「7倍」とテレビで伝えたカールソンには、ロシア支持の深い魂胆があると疑われてもしかたがない。

 ケネディがそれをさらに「8倍」と強調した根拠は不明である。ケネディが挙げた「30万人戦死」のねた元は、スコット・リッターという、波乱に満ちた経歴を有する元政府職員がポッドキャストで主張した数字だ。それをTass通信が拾い、拡散しているのである。

 カールソンやケネディらの狙いは、ホワイトハウスの現政府は信用できないんだと大衆に思わせることにある。新コロ・ワクチンについて米大衆をして懐疑させる情報発信も、この目的に適う。』