RSFとは何者か 独裁者が保護した第2の軍隊―強力な資金源、頼みは「外部」・スーダン
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023042100786&g=int
※ なんと、「ジャンジャウイード」の後身か…。知らんかった…。




『スーダンで軍と戦闘を繰り広げている準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は、イランの革命防衛隊と同様、軍がクーデターを起こしても、それを迎え撃てるよう想定された「第2の軍隊」だ。軍と互角に戦える装備や訓練を施されている。
スーダン停戦、また実現せず 軍は「RSF一掃の段階」主張
◇総兵力10万
RSFの最近の総兵力は10万人と報じられてきた。スーダン軍は陸軍の10万人が圧倒的で、空軍は3000人、海軍は1000人。兵力数を見れば両者は互角のはずだった。
2019年まで30年に及んだバシル独裁政権が構築した「カウンター・クーデターのための暴力装置」だったが、最後は軍と手を組み権力を奪った。この協力をきっかけに、RSFは軍から大量の「出向者」を受け入れ、スーダン全土へ急速に膨張する組織を整えた。双方の総兵力数には重複があったとみられ、15日の戦闘勃発の翌日、軍はこうした出向者に「原隊復帰」を命じた。現在の正確な勢力比は分かっていない。
13年に発足したRSFの源流は、西部ダルフール地方で住民弾圧を担った民兵組織「ジャンジャウィード」だ。03年から激化したダルフール紛争で「スーダン解放軍(SLA)」や「正義と平等運動(JEM)」など反政府勢力に対し、軍の先兵となって戦った。軍による空爆の援護を受けつつ、ジャンジャウィードはダルフールの町や村を略奪し蓄財した。バシル大統領の個人的な保護を受け、RSFを率いるダガロ司令官の一族は今やダルフールの金鉱の利権を握り、幾つも企業を経営する富豪となっている。
◇他国の内戦で稼ぐ
さらに、RSFは過去10年、海外との関係を強化した。サウジアラビアのムハンマド皇太子が介入し15年から激化したイエメン内戦に数万人のスーダン人傭兵(ようへい)を送り込み、サウジを支えた。
リビア内戦では、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」と関係を深め、リビア東部のハフタル派のため傭兵を送り込んだという。イエメンやリビアの最近の内戦沈静化はこうした「RSFの資金源」に影響を与え、ダガロ氏に焦りが生まれていた可能性もある。
ロイター通信は19日、軍の空爆を受けたRSFは市内の拠点を放棄し「住宅街に紛れ込んでいる」と伝えた。ダルフール紛争以来磨いてきたゲリラ戦で軍に対抗する構えだ。
しかし、兵力も資金も「第2軍隊」であるRSFは、国庫を握る軍に対し、時間の経過とともに不利になる。サウジやリビア、ロシアなどこれまで培ってきた「外部勢力の支援」が頼みの綱だ。 』