チリ大統領、リチウム国有化を表明 世界2位の生産国
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN21E5C0R20C23A4000000/
『【メキシコシティ=清水孝輔】南米チリのボリッチ大統領は21日までに、国内のリチウム産業を国有化すると表明した。チリのリチウム生産量は世界2位で、シェアは25%にのぼる。リチウムは電気自動車(EV)向け電池の製造に不可欠で、メキシコも2022年に国有化した。資源保有国の保護主義がEV供給網のリスクになってきた。
チリ政府はリチウム生産を担う国有企業を設立する。23年後半に国有企業を設立するための法案を議会に提出する。今後は国有企業がリチウム生産を主導するが、ボリッチ氏は民間企業の投資も部分的に認める方針を示した。国有企業と民間企業が合弁会社を設立する場合、国有企業が過半出資する見込みだ。
ロイター通信によると、チリのSQM社は30年、米アルベマールは43年までチリでのリチウム生産が認められている。ボリッチ氏は「チリ政府は既存の契約を尊重する」と説明している。両社は契約が切れるまでは従来通りリチウム生産を続けられる見通しだ。
左派のボリッチ氏は21年の大統領選で格差是正や環境保護を重点政策として掲げて当選した。選挙戦では鉱山会社に増税し、社会保障を強化すると主張してきた。世界でEV普及の動きが広がるなか、ボリッチ政権はリチウムの国有化で経済的な利益を囲い込みたい考えだ。
チリのアタカマ砂漠にあるリチウム鉱山=ロイター
英BPの資料によると、21年のリチウム生産の世界シェアはオーストラリアが52%と首位だった。チリはオーストラリアに次ぐ世界2位で、25%のシェアを持つ。3位の中国を合わせると、3カ国だけで世界シェアの約9割を占める。
チリは中南米で最も早く中国と外交関係を結んでおり、同国との経済関係も深い。ボリッチ氏は22年に中国の習近平国家主席と会談し、中国との経済関係を強化する意向を示した。中国のリチウム大手の天斉リチウム業は18年、SQMの発行済み株式の約24%を取得した。
希少資源の保有国では保護主義が広がっている。メキシコ議会では22年、リチウムを国有化する法改正が成立した。新たに設立した国有企業が生産を独占する。メキシコはリチウム採掘の実績がないが、米地質調査所によると埋蔵量は世界10位に入る。インドネシアも20年からニッケルの未加工鉱石の輸出を禁止している。
【関連記事】
・メキシコでリチウム国有化 賛成多数で鉱業法改正が可決
・チリ、資源国有化や反FTAが浮上 新憲法制定の委員会
・チリで左派のボリッチ政権発足、ビジネス停滞リスクも 』
[FT]チリ新大統領、景気刺激策の打ち切りで支持率が急落
https://http476386114.com/2022/05/11/ft%e3%83%81%e3%83%aa%e6%96%b0%e5%a4%a7%e7%b5%b1%e9%a0%98%e3%80%81%e6%99%af%e6%b0%97%e5%88%ba%e6%bf%80%e7%ad%96%e3%81%ae%e6%89%93%e3%81%a1%e5%88%87%e3%82%8a%e3%81%a7%e6%94%af%e6%8c%81%e7%8e%87/
(※ 5月 11, 2022)
[FT]チリの新憲法制定に暗雲 国民の支持率が過去最低に
https://http476386114.com/2022/04/15/ft%e3%83%81%e3%83%aa%e3%81%ae%e6%96%b0%e6%86%b2%e6%b3%95%e5%88%b6%e5%ae%9a%e3%81%ab%e6%9a%97%e9%9b%b2%e3%80%80%e5%9b%bd%e6%b0%91%e3%81%ae%e6%94%af%e6%8c%81%e7%8e%87%e3%81%8c%e9%81%8e%e5%8e%bb/
(※ 4月 15, 2022)
(※ 11月 27, 2021)