中東戦略の見直し必須 影響力増す中国を警戒―G7

中東戦略の見直し必須 影響力増す中国を警戒―G7
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023041700673&g=int

『長野県軽井沢町で開催中の先進7カ国(G7)外相会合では、中東情勢も主要議題の一つだ。中国の仲介によりサウジアラビアとイランが関係修復で合意するなど、西側諸国の影響力低下が露呈しており、G7として中東戦略を見直す必要性を訴える声が上がっている。

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 ロイター通信によると、フランス外交筋は「地政学的バランスの再構成など中東で重大な変動が進んでいる」と指摘した。中東情勢への中国の関与に不意を突かれ、米欧抜きで事態が進む現状に「G7は安全保障上の国益を守らなければならない」と訴えた。

 シリアを巡っても、2011年の内戦以降、近隣国と対立していたアサド政権の孤立解消に向けた動きが加速している。2月のトルコ大地震で被害を受けたシリアの被災地支援を通じ、エジプトやサウジなどアラブ主要国との関係改善が進展。シリアのアラブ連盟(22カ国・機構)復帰が現実味を増している。

 しかし米欧にとって、内戦で化学兵器を使用したアサド政権を対話や交渉の相手として認めるのは困難だ。サウジ・イラン正常化に続き、米欧抜きで中東の秩序再編が進む可能性がある。

 ウクライナを侵攻するロシアをイランが支援していることも、G7の懸念材料の一つだ。山田重夫外務審議官は今月8日、イランを訪問し、バゲリ外務次官と会談。ロシアへの兵器供与を停止するよう働き掛けたとされる。

 イランに関しては、G7会合の重要テーマである核不拡散と密接に関連する核合意再建交渉が、頓挫したままだ。米ネットメディア「アクシオス」によると、バイデン米政権は、イランが核関連活動の制限に応じれば制裁の一部解除で応じる「暫定措置」を模索する。ただ、イランは拒否しているとされ、交渉の糸口は見えていない。』