ロシア産原油の価格上限「東部港から回避か」 米財務省
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1807C0Y3A410C2000000/
『【ワシントン=高見浩輔】米財務省は17日、ロシア産原油の価格に上限を設ける主要7カ国(G7)などの制裁措置について、ロシアが東部沿岸の港を通じて回避している可能性があると発表した。寄港の事実を隠すため船舶の自動識別システム(AIS)を操作している公算が大きいという。
米財務省外国資産管理局(OFAC)が警告を発したのは、東シベリアと日本側の海岸をつなぐパイプライン(ESPO)を通じ、東部沿岸のコ…
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『米財務省外国資産管理局(OFAC)が警告を発したのは、東シベリアと日本側の海岸をつなぐパイプライン(ESPO)を通じ、東部沿岸のコズミノ港から輸出される原油の取引。「価格の上限を超えて取引されている可能性がある」と指摘した。
OFACは一部のタンカーがコズミノ港や周辺の港湾に寄った事実を隠すためにAISに「スプーフィング(なりすまし)」と呼ばれる偽装工作を実施したと疑っている。OFACは「より高度な海事情報で寄港の事実が判明する場合がある」と説明した。
ロシア産原油の価格上限措置は、G7が中心となって2022年12月に導入した。1バレル60ドルを超える取引には、海上輸送に不可欠な保険の契約をできなくして、G7以外の国でも実質的に取引を制限できる仕組みだ。
ロシアがウクライナ侵攻に投じる戦費の原資を減らす狙いがある。イエレン米財務長官は12日、米ワシントンで開いたウクライナ問題を話し合う閣僚会議で「エネルギー税によるロシアの国家収入は、上限措置の発動後、昨年と比べて40%以上減少している」と効果をアピールしていた。』