米機密文書流出、空軍州兵の21歳男逮捕 不正送信の疑い
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB13B0B0T10C23A4000000/
『【ワシントン=中村亮】ガーランド米司法長官は13日の声明で米国の機密文書が流出した問題に関し、米連邦捜査局(FBI)が空軍州兵に所属するジャック・テシェイラ容疑者を逮捕したと発表した。流出の経緯について全容解明を急ぐ。
米主要メディアによると、容疑者は東部マサチューセッツ州の空軍州兵に所属する21歳。情報部門に携わっていたとみられる。ガーランド氏は「許可を得ずに機密扱いの国防情報を移動、保持、送…
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『ガーランド氏は「許可を得ずに機密扱いの国防情報を移動、保持、送信した疑いの捜査に関連して逮捕した」と説明した。
ガーランド氏はFBIが13日午後に逮捕し、容疑者はマサチューセッツ州の地裁に近く出廷する見通しだと言及した。「この捜査は進行中だ。適切なタイミングでさらに情報を開示する」と語り、流出の規模や経緯を詳細に調べる方針を示した。
逮捕に先立ち、バイデン大統領は訪問先のアイルランドで記者団に「情報機関と司法省が全面的な調査をしている。(真相に)近づいている」と指摘。実行犯の特定が進んでいると示唆していた。
米紙ワシントン・ポストによるとテシェイラ容疑者はSNS(交流サイト)「ディスコード」の利用者で、銃や軍用品の愛好家ら趣味仲間20人超のグループで昨年から情報共有を始めたという。同容疑者は政府の機密を扱う施設にいると主張し、当初は機密文書の書き起こしのようなものを共有していた。
文章の投稿が面倒になると、途中から機密文書の写真をそのままシェアするようになった。写真は数百件に上り、北朝鮮の弾道ミサイルが米国に到達する可能性のある軌道や、ウクライナの詳細な戦況などが含まれていたという。
23年に入ってグループのメンバーが投稿された写真を別のサーバーに投稿し、一気に情報が拡散したという。同容疑者は仲間内で「OG」と呼ばれ、グループにはロシア人やウクライナ人など外国人も含まれていた。
流出した情報の中にはウクライナの反攻作戦の計画のほか、他国に関する内容もあった。韓国への情報活動や、英国、フランスの軍事情報など同盟国の機密も含まれている。各国は内容を相次いで否定しており「火消し」に追われている。
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