クリミア奪還が近い?家を売り払って逃げるロシア系住民

クリミア奪還が近い?家を売り払って逃げるロシア系住民
https://news.yahoo.co.jp/articles/7e60129e75191bcba13937c1d3c050cb9dea09e4

『<ウクライナ軍の反転攻勢を恐れたロシア系住民のクリミア脱出が加速している。ロシア人首長は「迎え撃つ」と強気だが>

クリミア議会の前で発煙筒を炊き、クリミア併合9周年とロシア軍勝利を祝うロシア系の若者(3月11日、シンフェロポリ) Alexey Pavlishak-REUTERS

ロシア・ウクライナ戦争で、近々ウクライナ軍の反転攻勢があるとの恐れから、ロシア系住民によるクリミア脱出が加速しているという。

【動画】2022年8月、露軍基地の大爆発と逃げる海水浴客

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー政権でクリミア問題を統括するタミラ・タシェワ大統領代表が、国営テレビに出演して述べた。ロシア系住民は、2014年にロシアが一方的に併合したクリミア半島をウクライナが奪還しようとすることに不安を募らせているという。

クリミア半島では、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナへの本格侵攻を開始した数週間後の2022年4月11日以降、テロ警戒レベルが上から2番目の「黄色」に引き上げられており、ロシア軍はウクライナ軍の進軍に備えてクリミア半島を要塞化している。

クリミアは「売り出し物件だらけ」

タシェワは「大勢の人が家を捨て、クリミア半島から脱出している」と発言。これに先立ち、現在クリミア半島には50万人から80万人のロシア人が違法に暮らしていると述べ、ウクライナがクリミアを奪還すれば、彼らはウクライナの法律や国際法に従って、国外退去処分となる可能性があると指摘していた。

何千人ものロシア人がクリミアから脱出しているため、クリミアの住宅市場は売り一色だ、とつけ加えた。

「どれだけの人がクリミアを去ったのかについては、統計がないから分からない。残念なことに数十万人単位とはいかないが、数千人単位だと理解している。その証拠に、クリミア大橋にも大行列ができている」と彼女は述べた。クリミア大橋は、ロシア本土とクリミア半島を結ぶ橋だ。

本誌はこの件についてロシア外務省に問い合わせたが、返答はなかった。

クリミア奪還こそ戦争の

クリミア半島の先住少数民族タタール人を支援する「Q-Hub」の代表を務めるエミール・イブラギモワは、ウクライナのNVラジオに対して、ロシア系住民はいずれウクライナ軍がクリミアを解放し、報復を受けるのを恐れている。

2022年8月にクリミアのロシア空軍基地が空爆を受けたときも、多くのロシア系住民が逃げた。生き延びるため、彼らはクリミア大橋を渡った先にあるロシア南部のクラスノダールに逃れたという。

まだクリミアに残っているロシア系住民は、「ウクライナ軍が近い将来、クリミアを奪還しそうだと見て怯え、パニックに陥っているのだ」と、イブラギモワは言う。

ゼレンスキー大統領はクリミアを奪還すると宣言しており、2022年8月29日のテレビ演説の中で、ウクライナ軍はクリミアが併合されて以降ずっと、クリミア奪還を「目標に掲げてきた」と述べた。「今回の戦争は、ロシアが我々の領土であるクリミアを奪い、(東部の)ドンバス地方をも奪おうとしたことから始まった。だからクリミアの解放によって締めくくらなければならない」

ウクライナ国家安全国防会議のアレクセイ・ダニロフ書記は先週、「クリミア解放に向けた12のステップ」を公表。この中には、クリミア大橋の解体や、「2014年2月以降にクリミア半島で暮らすようになった」全てのロシア系住民の追放などが含まれている。

2014年以降、クリミアの首長を務めているロシアの政治家セルゲイ・アクショーノフは、クリミア半島はウクライナによる反転攻勢への「備えは出来ている」としている。

イザベル・ファン・ブリューゲン』