ウクライナの反攻作戦、ハルキウやヘルソンほどの成功は見込めない
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『ワシントン・ポスト紙は11日「流出した機密文書の内容とバイデン政権の発表が大きく食い違うため、戦争終結を求める評論家を勇気づけるだろう」と報じており、ウクライナは反攻作戦の結果次第で戦争継続が困難になるかもしれない。
参考:U.S. doubts Ukraine counteroffensive will yield big gains, leaked document says
もう誰が何を言っても検証不可能なので反攻作戦の結果で判断するしかない
流出した機密文書には機密性の高いヒューマン・インテリジェンス(HUMINT)やシグナル・インテリジェンス(SIGINT)の情報に基づいた文書も含まれており、米国の諜報機関はキーウの戦略について「占領された東部地域の奪還に加え、ウクライナ南部地域の兵站ルートに使用されている陸橋(恐らくヘルソン州とクリミアが陸続きで接続される部分のこと)を遮断するため南下する」と指摘し、この地域に用意された「強固な防衛陣地」と「ウクライナ軍の欠陥」が反攻作戦の進捗を妨げ「犠牲者の数を増加させるだろう」と予想している。
出典:GoogleMap ザポリージャ周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)
つまり諜報機関は「陸橋遮断には塹壕・防衛陣地・障害物・地雷が張り巡らされたザポリージャ州の前線を突破しなければならず、訓練された兵士や弾薬の供給面でも持続性に欠けるため、ささやかな領土の奪還しかもたらさない可能性がある」と警告しており、一部の議員に提供された機密資料の中でも「ハルキウやヘルソンほどの成功は見込めない」と指摘し、ウクライナ軍も米軍が提供した卓上演習で「様々な反攻シナリオ」や「大規模な反攻作戦が引き起こす戦力密度の低下」を検証したらしい。
米政府関係者は「卓上演習を通じてウクライナ軍も補給線が伸びすぎて奪還した領土を維持できない=限られた戦力で達成できる限界を理解し始め、この結果を反映した準備を進めているという感触を得た。陸橋を物理的に遮断するのは難しそうだが、ロシア軍の兵站ルートを脅かすことが出来るかもしれないと期待している」とワシントン・ポスト紙に明かしており、恐らく陸橋にHIMARSが届く位置までの前進なら可能かもしれないという意味だろう。
出典:Генеральний штаб ЗСУ
ウクライナ政府の高官も「部分的に流出した文書の中身は事実だが、大統領も国防相も弾薬不足を公の場で認めており、次の攻勢がウクライナ南部のメリトポリやベルジャンシクになるのは誰の目にも明らかなので、流出した文書が準備している反攻作戦を損なうことはない」と述べ、別の米当局者も「前線に投入される訓練不足の兵士問題はウクライナ軍の全体像を反映しているのではなく、意図的にバフムート防衛を含む戦いから練度の高い部隊を遠ざけている可能性が高い」と主張しており、もう誰が何を言っても検証不可能なので反攻作戦の結果で判断するしかない。
因みに欧米諸国はウクライナ軍の反攻作戦に何十億ドルもの資金をつぎ込んでいるため、ワシントン・ポスト紙は「機密文書が示唆する投資額に見合わない見通しはウクライナを支援する国の決意を弱め、キーウとモスクワの停戦交渉を求める声を後押しするかもしれない」と指摘している。
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
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投稿者: 航空万能論GF管理人 米国関連 コメント: 61 』
『 月虹
2023年 4月 12日
返信 引用
流出した機密資料によるウクライナ軍の編成は以下のとおり
第32機械化旅団(新設)
マックスプロ(MRAP)×90両、T-72×10両、戦車(機種は不明)×20両、D-30×12門
第82機械化旅団(新設)
ストライカー×90両、マルダー×40両、チャレンジャー2×14両、M119×24門
第37機械化旅団(新設)
ハスキーTSV×30両、ウルフハウンド×30両、セネターAPC×30両、AMX-10RC×14両、戦車(機種は不明)×16両、D-30×12門
第33独立機械化旅団
マックスプロ(MRAP)×90両、T-72×10両、レオパルト2A6×14両、レオパルト2A4×18両、M119×12門
第47独立機械化旅団
M2ブラッドレー×99両、T-55S×28両、M109×12両、D-30×12門
第116機械化旅団
BMP-1×90両、T-64×13両、戦車(機種は不明)×17両、AS-90×17両、2S1×10両
第21機械化旅団
CVRT(FV103、ストーマ―)×20両、セネターAPC×30両、ブルドッグ(FV430)×20両、ハスキーTSV×21両、M113×10両、T-64×30両、FH-70×10門
第118機械化旅団
M113×90両、T-72×28両、M109×6両、FH-70×8門
第117機械化旅団
バイキング(Bvs10)×28両、XA-185×20両、M113×10両、セネターAPC×10両、PT-91×31両、AS-90×8両、D-30×12門
ブラッドレーとT-55Sとの組み合わせやレオパルト2は同じ旅団で使うなどウクライナなりの工夫が見られる配置。意外と目立つのがイギリスとカナダが供与した装甲車類でイギリス連合のウクライナ支援に対する力の入れ様が分かります。牽引砲はウクライナ保有のD-30とアメリカ供与のM119、イタリア供与のFH-70の3種類(M777は前線で固定配置?)のみ。
9 』
『 ため息
2023年 4月 12日
返信 引用
今回の機密情報の大量流出は、アメリカがウクライナの反攻失敗を予測し
ダメージコントロールをした、あるいは米軍の軍事備蓄を放出し続ける
バイデン政権に不満を持つ米軍上層部が、停戦を促進する為リークした
というところでしょう。バイデン政権に巣食うなんとしてでもロシアを
滅ぼしたい狂信者ブリンケン・ヌーランド(とその夫ロバートケーガン)
などのネオコンと、米軍上層部の意向が乖離している可能性があります。
バイデン政権が続く限り、かつロシアの目標であるドンバスの完全制圧と
ウクライナ軍の軍事的無力化が達成されなければ、停戦はありえません。
習近平・マクロンは停戦に動いていますが無理でしょう。
前にも書いた通り航空戦力の援護がないのに、ロシアの防御陣地突破を
できるのか?です。泥濘期が終わる5月以降にはっきりするでしょうが。
杜撰な作戦をダラダラ続け、スカスカのハルキウを大軍で攻略された
昨年とは状況が全く違います。反攻作戦が失敗すればウクライナは
後がないわけですが、、まあプロパガンダでなんとかするんでしょうね。
それでごまかしても、再来年まで持ち堪えられるか?という話です。
16
K(大文字)
2023年 4月 12日
返信 引用
情報流出の背景ですとか、反抗作戦の見通しについては色々見方があるでしょうからさておいて。
>バイデン政権に巣食うなんとしてでもロシアを
滅ぼしたい狂信者ブリンケン・ヌーランド(とその夫ロバートケーガン)などのネオコン
これは、流石に偏り過ぎでは?ロシアの言い分そのままみたいに見えますよ。
だいたい、モスクワまで攻め入ってロシアの本土を蹂躙しようなんて勢力は世界のどこにも居ませんよ。そんな事は不可能ですから。
「ウクライナを屈服させなければ、ロシアは滅亡する」というのはロシアの勝手な思い込み・被害妄想です。
ウクライナ征服とロシアの存亡を結びつける唯一それっぽい理屈としては「NATOの東方拡大」がありましたが、それとてフィンランドのNATO加入にロシアが大した対抗措置を打たなかった時点で詭弁だとバレている。
彼ら自身、自分の大義を大して信じていないのですよ。なのに日本人がロシアの存亡・生存闘争をことさら言い立ててもなぁ、って感じです。
34
ため息
2023年 4月 12日
返信 引用
もしフィンランドがアメリカの言うままに核配備を言い出せば、ロシア
の対応は変わりますよ。ロシアの対応は「核配備」に一貫してフォーカス
が当てられています。ウクライナの「軍事的無力化」も結局はそこです。
プーチンはNATO申請をクリントンに打診しましたが、無視されました。
NATOの拡大は最近はジョージア加盟?まで広がっています。モスクワまで
陸上戦力で侵略は不可能ですが、核攻撃で首都を焦土にされる可能性を
これ以上高めたくないと考えるのは、ロシアからして当然です。
ネオコンと呼ばれる集団は、そのルーツからロシア(というかソ連)に深い
憎悪を抱いています。それは論理で割り切れることではないのでしょうが
彼らの行動と発言を検証すれば、その思想が浮かびあがってきます。
6
み
2023年 4月 12日
返信 引用
ロシアがNATOに入ることで恒久的な平和が訪れるというのは錯覚です。
2つの国連が組織されても戦争が無くならないように、NATOが形骸化されるだけです。
平和は軍事的な均衡によってしか訪れないわけですからロシアのNATO入りを無視するのは至極当然です。
ルーツや憎悪に執着すると陰謀論に足を取られますよ。
13
ため息
2023年 4月 12日
返信 引用
少なくともソ連崩壊時、アメリカからすれば大敵が
消滅したわけで、この時点で戦略の変換は必要でした。
アメリカがその後とった戦略は傍若無人としか言えない
行動で、それらはグローバルサウスの「静かな離反」を
招き、今回公然とロシアがアメリカに反攻したことで、
Bricsと南米中東アフリカ諸国(東南アジアは様子見)は
アメリカ一極支配を明確に拒否しています。
大規模な地政学的変動が起きていますが、我が国でいくら
言っても理解されないのでしょう。スパイ扱いされるの
ですから。
6
STIH
2023年 4月 12日
返信 引用
>NATOの拡大は最近はジョージア加盟?まで広がっています。
そこまでNATO加盟国が広がるに至ったロシアの行動は無視ですか、そうですか。
11
コリャーク作戦
2023年 4月 12日
返信 引用
日本人ではなく、KGBの対日工作の可能性。
『コリャーク作戦』というらしいですよ。
ため息
2023年 4月 12日
返信 引用
KGBとかあなたは冷戦時代に生きているのですか?
いいかげん頭を更新しないと日本は周回遅れになるばかりです。
いくら言っても理解できない人にはしょうがない、、と
諦めつつこうやって書いてしまう自分に自問自答する日々です。
3
ため息
2023年 4月 12日
返信 引用
NATOが東方に拡大せざるを得なかった事情は合理的に説明
できますか?冷戦崩壊後、ロシアは困窮し兵士の給与も
支払えない状況でもNATOは拡大し続けていたわけですが。
ソ連崩壊時、東方にNATOは拡大しないと欧米が言及していた
(公式文書に明文化されてないからオッケー👌という意見は
アホ過ぎるので無視)にもかかわらずNATOが膨張し続けたのは
事実です。一体何の為に?
3
K(大文字)
2023年 4月 12日
返信 引用
>NATOが膨張し続けたのは事実です。一体何の為に?
何のためにと言いますか、冷たい言い方になりますが、単にロシアが嫌われているだけでは?
別にNATOが旧WTO諸国の首根っこ引っ掴んで無理矢理加盟させた訳でもないでしょうに。
それでは、なぜロシアがこうも嫌われるのか?
それは歴史的経緯もさることながら、何でもかんでもアメリカ/NATO/西側の悪巧みに回収して、相手の主体性を無視するところでしょうな。
「小国ごときに自我があるわけがない、これはNATOに唆されたに違いない」ってな具合にね。実際、今回のウクライナ侵略もこの思考の延長上でしょう。そりゃ、愛想尽かされますよ。
9
ため息
2023年 4月 12日
返信 引用
合理的な説明になっていませんよ。
「ロシアが嫌われているから」って、、、笑
それはネオコンが「私的な感情」でロシアに攻撃的な
政策をとっているというロシアの「被害妄想」も
妄想ではなく、現実である可能性がありますが?
私はアメリカが世界中で嫌われていると考えている、
あなたはロシアが世界中で嫌われていると考えている、
これはどちらも「真」として成り立ちますがそれで
いいですかね。
1
K(大文字)
2023年 4月 13日
返信 引用
>これはどちらも「真」として成り立ちますがそれでいいですかね
構いませんよ。
私には東欧における反露感情の存在ーとりわけ、宇露開戦後のポーランドやバルト三国が発するロシアの脅威を訴えるメッセージは悲壮ですらありますーを「不合理」と言下に切って捨ててみせる理路も、「アメリカだって嫌われている」と反駁することの意味も、よく分かりませんが。
まぁ双方嫌われているらしいアメリカとロシア、数年後には結果が出ているのではないですか。
ため息
2023年 4月 13日
返信 引用
あなたが納得しているなら構いません。
ただ一点、フィンランドやポーランドやバルト3国
と、ロシアとの数百年に渡る歴史は私は寡聞ながら
承知しています。
同様に、アメリカが無慈悲に破壊してきたリビア
イラク・シリア(現在進行形)他無数の国々にも
目を向けるべき歴史があるということです。
自分たちがやってきたことに対して何の反省も
せず、正義のヒーローのように振る舞う姿勢に
憤りを感じているのです。
お前たちに正義を語る資格はあるのか?あるとして
も、もっとやりようがあるのではないのか?
と思ってしまうのですよ、、、。
感情論になってきたのでこれで終わりにします。
付き合っていただきありがとうございます。
匿名さん
2023年 4月 12日
返信 引用
>いいかげん頭を更新しないと日本は周回遅れになるばかりです。
>いくら言っても理解できない人にはしょうがない、、と
>諦めつつこうやって書いてしまう自分に自問自答する日々です。
今現在もウクライナ戦争を毎日チェックするのは、
ウクライナを応援する気持ちが動機になっているでしょうから、
そりゃ反発されるのは、仕方がないでしょうね。
色々な思想があり、どういう思想を持つのも自由ですから、
私は、一部の過激な思想に傾いている人にしか、コメしないようになりました。
アメリカに変わって欲しいのは山々でしょうけど、
これがアメリカの覇権主義なことは、あなたもよく理解されていると思います。
そして、すでに後戻りできない冷戦期に入ったと感じますから、
どの道、日本の立ち位置はグローバルサウスではなく、アメリカ側になるので、
(過激でない)ウクライナ擁護の姿勢は、マイナスにはならないと割り切ってますね。
蛇足を承知で付け加えるなら、
アメリカが覇権を手に入れられたのは、WW2で欧州とアジアが荒廃したことが大きい。
そして、その覇権が危うくなってきている訳です。
もしかすると、アメリカは覇権を維持するために、ウクライナと台湾に片足を突っ込んで、
この再現をしようとしているのかもしれません。
ため息
2023年 4月 12日
返信 引用
???
私ウクライナの応援全くしてません
私の嫌いな国を端的に表すと、
アメリカ>イギリス>>>>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
ウクライナ>中国>>>EU=韓国=ロシアです
匿名さん
2023年 4月 13日
返信 引用
いや、あなたのことではなく、ここに見に来ている大多数の人のことです。
2
』