中国、米メモリメーカーのマイクロンに「サイバーセキュリティ調査」を発動……ここから見えてくるつばぜり合いとは?

中国、米メモリメーカーのマイクロンに「サイバーセキュリティ調査」を発動……ここから見えてくるつばぜり合いとは?: 楽韓Web
https://rakukan.net/article/498834206.html

『中国、米半導体メーカーミクロンサイバーセキュリティ調査に着手(ファイナンシャルニュース・朝鮮語)

中国当局が米国メモリー半導体メーカーのマイクロンテクノロジーに対するサイバーセキュリティ調査に着手した。

米中間の緊張が高まる中、中国で活動するグローバル半導体メーカーに対する中国当局の圧迫が本格化する信号弾と解釈される。 (中略)

これは先端半導体、半導体装備の対中輸出を阻止した米政府に対する対抗作戦と見られる。たとえ中国に先端半導体を輸出することはできないが、汎用半導体の輸出で中国で莫大な金を稼いでいる米国をはじめとするグローバル半導体メーカーに圧力をかけ、資金源を塞ぐ恐れもあるという警告と解釈される。

中国市場はマイクロンの中核市場だ。昨年の年間売上の11%、33億ドル(約4兆3000億ウォン)が中国から出た。 (中略)

中国のマイクロン圧迫は、米国が中国半導体掘削機を粉砕するための各種制裁を出す中で出た。

米国は昨年、中国最先端半導体メーカーを輸出禁止対象ブラックリストに載せた。ヤンツメモリーがブラックリストに上がり、このためグローバル半導体装備業者等がここに常駐していた職員を撤収させ半導体生産が一時停止したりもした。
(引用ここまで)

 ちょっと興味深い話が出てきたのでピックアップします。
 あと後年に振り返った時に重要な分岐点になっていそうな予感がするので。

 中国がアメリカのメモリメーカーのマイクロンに対して「サイバーセキュリティ調査」に着手。
 マイクロンって基本的にDRAMとフラッシュメモリ(NAND、NOR)しか作っていない。
 そんな企業の製品のどこにサイバーセキュリティ調査をするんだって話なんですが。

 たとえばインテルを「調査」すると話が大きくなりすぎる上に、中国にも影響が大きい。
 テキサスインスツルメンツなんかでも同様。
 じゃあ、マイクロンかな……ってなった感がありますね。
 もちろん、これは実質的にはアメリカのCHIPS法による対中半導体輸出規制への対抗措置でしかない。

 アメリカへの対抗措置であるのと同時に中国に大規模な工場を持つサムスン電子、SKハイニックスへの圧力ともなっている妙手。
 「おまえら、撤退だの縮小だのしようもんならどうなるか分かってんだろうな」っていう。

 サムスン電子、SKハイニックスともに、中国工場はいまひとつ「最新」とはいえない設備でしかない。
 CHIPS法による縛りで製造機器を10年間はアップデートできないので、もはやレガシーなメモリを作るしかない。
 それで採算が取れるのか、というとかなり微妙。地消地産なのでそれなりに引き合いはあるとは思いますが。

 ただまあ、韓国はなにも主体的に動けていないなぁ……という感触。
 中国とアメリカの作り出した渦に巻きこまれて、たまに浮上してどうにか呼吸しているみたいな感じ。
 日本の製造機器メーカーはまだアメリカの強い引き合いでなんとかなっている部分が大きいけど。
 もはや中国に工場持っているっていうのは本当にディスアドバンテージでしかないな……。

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