NATOは1950年代のなかばに、ソ連のT-55戦車の100ミリ砲にしてやられないためには、M48戦車の90ミリ砲のままではまずいと考えた。
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『カイル・ミゾカミ記者による『ポピュラーメカニクス』の記事。
NATOは1950年代のなかばに、ソ連のT-55戦車の100ミリ砲にしてやられないためには、M48戦車の90ミリ砲のままではまずいと考えた。実戦ではまずくないのだが(たとえばM48は主砲の俯仰をコンピュータで安定させていた上、12.7㎜対空機関銃はリモコン式だった)、平時の宣伝上、それは放置できないのである。実力とは無関係の平時宣伝で、敵の兵隊は調子に乗り、こっちの兵隊は不安になるだろう。それがよくない。
そこで105mm砲を搭載したM60戦車の採用が決まった。エンジンはコンチネンタルAVDS1790ディーゼル。
対抗してソ連は115ミリ砲を搭載したT-62を登場させたが、米軍の自信はもう揺るぎなかった。
M60は1970年代には「M60A3」に進化し、弾道コンピュータがレーザー測遠機や風向計と結合され、防御力の弱いソ連戦車との対決には何の不安もなかった。
1991湾岸戦争で米陸軍がM1A1をアラビア半島に運び入れたとき、米海兵隊はまだM60系を使っていた。そしてイラク軍の125粍砲搭載の旧ソ連製戦車をやすやすと破壊して回った。
米陸軍は1997にM60を退役させたが、現在、米陸軍も海兵隊も、古いM60戦車を、予備用のストックとして、かなりの数を砂漠で保管し続けている。
またサウジアラビアはイエメン戦線で、トルコはシリア戦線で、それぞれM60を現用中である。
※最新雑報によると、「IS-III」が無蓋貨車で輸送されているのが撮影されている。プラモデルの「スターリン重戦車」だ。1944年の設計で、122ミリ砲、46トン。車体前面が三角屋根状に中央で溶接されている。卵形砲塔側面にはタンクデサント用の「取っ手」が多数熔接されている。』