ポーランドがウクライナに戦闘機供与へ NATOで初

ポーランドがウクライナに戦闘機供与へ NATOで初
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR16EEI0W3A310C2000000/

『【ロンドン=大西康平】ポーランドのドゥダ大統領は16日、保有する戦闘機をウクライナに供与すると明らかにした。ロイター通信などが報じた。旧ソ連製のミグ29戦闘機4機を数日中に引き渡すという。北大西洋条約機構(NATO)加盟国からの戦闘機の供与の決定は初めてとなる。

ドゥダ大統領は「追加の供与も準備しており、順次引き渡す」と述べた。ポーランドはミグ29を10?20機保有しており、すでに同型機を使用しているウクライナ軍のパイロットが訓練せずに操縦できるという。ポーランドのモラウィエツキ首相は14日、提供には4~6週間かかるとの見方を示していた。

ミグ29を巡っては、スロバキアも供与を検討している。ただNATO加盟国の間ではロシアへの反発を警戒して慎重な姿勢をとる国も多いとみられる。ポーランドはドイツ製の主力戦車「レオパルト2」についてもドイツにウクライナへの供与を認める要請をするなど、軍事支援に積極的な姿勢を見せてきた。

米CNNは16日、ロシア軍が中国製の商用ドローン(無人機)を改造し、ウクライナの前線で使っている可能性があると報じた。CNNがウクライナ東部で同国軍に撃ち落とされたドローンを確認した。中国福建省のアモイ市に拠点を置く企業が、同社の製品であることを認めたという。

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

NATO加盟国からウクライナへの戦闘機供与は初めてであり、エポックメイキングな出来事ではある。さはさりながら、供与されるのは、取り沙汰されている米国製のF16ではなく、旧ソ連製のミグ29であり、ウクライナ空軍の装備がグレードアップするわけではない(F16の操縦訓練には少なくとも数か月を要するという問題点もある)。また、供与される機数も、今のところは少ない。ロシアを過度に刺激して逆切れ的な反応を招くことのないよう、慎重に考慮された範囲内での動きとみる。
2023年3月17日 7:41』