信用不安が欧州に飛び火・主要銀行株が火だるま : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/31067947.html
『 先日の記事で、シリコンバレー銀行の破綻は、一つには企業の業態特有の資本の弱さがあり、一つには債権運用で資産バランスを取っている汎用的な問題があり、両方に挟まれて行き詰まったという解説をしました。アメリカ政府も敢えて救済はしなかった事で、問題が露見してから、わずか3日で破綻するというスピード破綻をしたわけです。政策金利の上昇は、一般貸出に関して言えば、銀行の利益が増える方向に働くので、おそらくは集めた資金で、かなり投機的な運用をしていたのでしょう。だから、アメリカ政府も救済しなかったと思われます。(※ 預金者は、公的資金投入で保護したが、銀行自体は保護しなかった。欧米の銀行は、銀行業務と証券業務の分離が、厳格でない。日本で言う「証券会社(野村証券とか、大和証券みたいな)」がやっている「証券業務」を、「投資銀行」という名称で、やっている。)
つまり、債権運用で財務状況を整えるという問題に関しては、汎用的に他所の銀行でも行っている問題で、アメリカに追随して、政策金利を引き上げているEUについても、同じ問題を抱えていると言えます。昨日のさらなる株価の急落は、その信用不安が広がった結果のようです。日中は、むしろ株価は反発して戻していたのですが、欧州の市場が開く時間になると、急降下し始めて、前日の安値を超えて、さらに下落しました。
震源地は、前から経営不安が囁かれている、スイスのクレディ・スイスの破綻懸念です。何と、24.2%も下落して、史上最低の株価を付けました。これに引きずられて、欧州金銀行株は、軒並み下落しています。バークレイズは、9.1%、ドイツ銀行は7.7%、BNPパリパは10.1%の下落です。銀行というシステムの安定性が、疑われているという意味で、今回の破綻劇は根が深いですね。スイスの中央銀行は、「必要があれば、資金の流動性を確保する」というコメントを発表していますので、まぁ、潰す事は無いかも知れません。スイス銀行と並んで、同国の2大銀行の一つですから、破綻すると影響はでかいです。』