北朝鮮「潜水艦から巡航弾訓練」 米韓、軍事演習を開始

北朝鮮「潜水艦から巡航弾訓練」 米韓、軍事演習を開始
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM123950S3A310C2000000/

『【ソウル=甲原潤之介】北朝鮮の朝鮮中央通信は13日、潜水艦から巡航ミサイルを発射する訓練を12日未明に日本海で実行したと報じた。潜水艦からのミサイル攻撃を「核抑止力の重要な構成部分」と位置づけた。韓国と米国は13日、定例の大規模合同軍事演習を始めた。

北朝鮮メディアによると、巡航ミサイルは日本海上を8の字型に2時間超飛行し目標に命中したという。飛距離は1500キロメートルと主張している。朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は海中からミサイルが空に上昇する様子とみられる写真を掲載した。

韓国軍合同参謀本部は13日、北朝鮮が12日朝に東部・新浦の近くで潜水艦からミサイルを試射するのを探知したと発表した。

北朝鮮は9日にも黄海に6発の弾道ミサイルを発射した。12日の報道によると党中央軍事委員会が拡大会議で「重大な実践的措置」を決めたとしている。米韓への対抗姿勢を鮮明にする。

米韓の合同軍事演習は「自由の盾(フリーダム・シールド)」と称し、朝鮮半島有事を想定して23日まで開く。韓国紙によると11日間訓練を続けるのは過去最長。春の定例演習としては5年ぶりに野外での実動訓練を組み込む。

韓国国防省は北朝鮮の核・ミサイルの高度化を反映したシナリオで実施すると表明している。聯合ニュースによると上陸作戦や特殊作戦など20あまりの訓練を集中的に実施する。月末にかけて米軍の原子力空母や原子力潜水艦を交えた訓練も調整する。

米韓は北朝鮮に対する抑止力を示すため、3日に米軍のB1B爆撃機、6日にB52爆撃機を投入した空中訓練も相次ぎ実施した。

韓国は2017年に発足した文在寅(ムン・ジェイン)前政権下で北朝鮮との融和を優先し、米国との合同演習を縮小してきた。18年の米朝首脳会談以降、野外での砲撃や上陸作戦などの訓練を停止した。

尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が22年に発足し、米韓同盟を強化する路線に転換した。同年秋の軍事演習で野外訓練を再開し、今回はさらに大規模な訓練に踏み切る。

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