ドイツ、ノルドストリーム損傷で船捜索 男女6人で工作か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR08DFQ0Y3A300C2000000/
『【ベルリン=南毅郎】ロシアとドイツを結ぶ天然ガスの海底パイプライン「ノルドストリーム」で損傷が生じた問題を巡り、ドイツ連邦検察庁が破壊工作に使ったとみられる船を捜索していたことが8日、分かった。独メディアが一斉に報じた。船内から爆薬の痕跡が見つかったとして、国籍不明の男女6人が関与した疑いが浮上している。
問題となったのはバルト海を通るノルドストリームとノルドストリーム2。2022年9月にガス管…
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『独メディアによると、独連邦検察庁は23年1月にガス管の破損に関与したとされる船を捜索した。爆発物の搬送に使った疑いがあり、実際に船内のテーブルから爆薬の痕跡が見つかったとしている。
破壊工作に関与した疑いがあるのは男5人、女1人の計6人で、独北部の港町ロストクから22年9月上旬に船を出したもようだ。船長やダイバーなど役割を分担し、女性は医師だった。いずれも偽造したパスポートが使われており、国籍や身元は不明なままだ。
船を貸していたのはポーランドに本拠を置く会社で、ウクライナ人2人が所有しているとみられる。チャーター会社の従業員が破壊工作に関与した疑いは現時点では出ていない。』
『ノルドストリームを巡っては米ニューヨーク・タイムズが7日、米情報当局者の見方として親ウクライナの勢力による破壊の可能性を伝えていた。ウクライナのレズニコフ国防相は8日に「我々とは関係ない」と述べ、政府の関与を否定した。
今後、捜査当局は実行犯の特定を慎重に進める見通しだ。ノルドストリームの損傷が起きたのはデンマーク沖とスウェーデン沖で、これまでにロシア政府も「なんらかの破壊工作があったことは明らか」(ペスコフ大統領報道官)との見方を示している。
そもそも国家レベルの関与がなく大規模な破壊工作を着実にできるのかなど、不明な点は残ったままだ。ウクライナの関与を誤認させる偽旗作戦の可能性もあり、ドイツのピストリウス国防相は「結論を急ぐべきではない」と呼びかけた。』
『赤川省吾のアバター
赤川省吾
日本経済新聞社 欧州総局長
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分析・考察
独メディアの報道を総合すると…
①爆発の3週間前に船が出航
②乗船6人(船長/医師/潜水士2人/潜水助手2人)
③証拠隠滅の時間が足りず(意図的に残した可能性も)
④国家の直接関与は不明
ウクライナ特殊部隊なのか、愛国者の勝手な行動なのか、ロシアがウクライナの仕業に見せかけようとしたのか…様々な仮説が成り立つが真相はしばらくわからないでしょう。
真相究明が戦争の行方することはなさそう。もはやドイツがロシアからエネルギーを大量輸入するのは難しい。仮に爆発がなかったとしてもパイプラインは無用の長物。そもそも対ロシア融和策の一環で、このパイプラインを敷設しようということがドイツのミスでした。
2023年3月9日 9:52 (2023年3月9日 9:53更新)』