親ウクライナ勢力がノルドストリーム破壊か 米報道

親ウクライナ勢力がノルドストリーム破壊か 米報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR07E110X00C23A3000000/

『【イスタンブール=木寺もも子】米ニューヨーク・タイムズは7日、2022年9月に起きたロシアとドイツを結ぶ天然ガスの海底パイプライン「ノルドストリーム」の破壊について、親ウクライナの勢力が実行した可能性があるとする米情報当局者の見方を報じた。

米当局者によると、破壊にはロシアのプーチン大統領に反対する勢力が関与したことを示す情報があるが、誰が指示したかなどの詳しい背景は不明だという。ウクライナ政府が関与した証拠はないとも説明した。

ウクライナはロシア産ガスを欧州に運ぶパイプライン計画に反対してきた経緯があるが、報道を受けウクライナのポドリャク大統領府長官顧問はロイター通信の取材に対し、「ウクライナは絶対に関与していない」と否定した。

事件を巡ってはデンマーク、ドイツ、スウェーデンが捜査を続けている。

一方、2月下旬にベラルーシの首都ミンスク郊外の空軍基地で起きた爆発を巡り、同国のルカシェンコ大統領は7日、ウクライナの特殊部隊のメンバーや協力者20人以上を拘束したと明らかにした。ベラルーシの国営通信が伝えた。

空軍基地での爆発についてはベラルーシの反体制派グループが、ロシア軍のA50空中警戒管制機を破壊したとしている。ルカシェンコ氏は「米中央情報局(CIA)の指導をひそかに受けたウクライナの情報機関がベラルーシで破壊活動に従事している」と主張した。

ルカシェンコ氏は「ウクライナが米国の指示でベラルーシを戦争に引きずり込もうとしている」などと述べ、参戦する考えはないことも強調した。

ウクライナ外務省は7日、声明で「(ベラルーシが)ロシアの侵攻に協力していることを正当化するため、偽りのウクライナの脅威を演出する試みだ」として関与を否定した。

ロシアが攻勢をかけるウクライナ東部ドネツク州バフムトでは激しい戦いが続いている。ロシアのショイグ国防相は7日に開かれた国防省の会議で、ウクライナ軍の死者が「2月だけで1万1000人を超えた」として作戦の成功を強調した。1月と比べ4割増えたとしている。

【関連記事】

・国連事務総長、8日にキーウ訪問 穀物輸出延長を協議
・東部バフムト「完全な地獄」 ウクライナ軍、撤退は否定 』