中国外相「日本は新冷戦に加わるな」 歴史問題に触れつつ強硬姿勢

中国外相「日本は新冷戦に加わるな」 歴史問題に触れつつ強硬姿勢
https://www.asahi.com/articles/ASR374F01R37UHBI00W.html

『中国の秦剛外相は7日、全国人民代表大会(全人代)にあわせた内外メディアとの記者会見で、日本との関係について、歴史問題に言及しながら「(日本が)中国を抑圧しようとする新冷戦に加わるなら、両国に新たな痛みをもたらすだろう」と述べた。

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 秦氏は今年が1978年の日中平和友好条約締結から45周年であることに触れ、同条約を含む日中間の四つの政治文書が両国の「政治関係の基礎」だと強調。「とりわけ、『互いをパートナーとみなし、互いの脅威とならない』との合意を守らなければならない」と述べた。

 かつて日本が中国を侵略した、両国の歴史問題にも言及し、「歴史を忘れることは裏切りであり、罪を否定することは罪を重ねることだ」と強い言葉で牽制(けんせい)した。

 さらに、国際秩序をめぐる日中間の緊張にも言及。「日本の一部の指導者は(国際)秩序について好んで語っているが、その秩序とは何か。今日の国際秩序は反ファシズム戦争の勝利を土台とするものであり、3500万人の中国の軍人や民間人が命と引き換えに得たものだ」として、「戦後の国際秩序と国際正義に挑む歴史修正主義を中国人民は決して受け入れない」と、中国側の主張を重ねた。

 一方で、両国間の経済協力の必要も訴え、「ともにサプライチェーンを守り、世界経済の回復に注力すべきだ」とした。

 また、日本政府が進める福島第一原発の処理水の海洋放出計画にも言及し、「日本だけの問題でなく、人類の健康に関わる大きな問題だ」と指摘。「日本側が責任ある態度で対応するよう促す」として、日本の対応次第では両国間の政治問題化するとの立場を強く示唆した。(北京=林望)』