ドイツ、5G通信網でファーウェイ排除 安全保障で脱中国

ドイツ、5G通信網でファーウェイ排除 安全保障で脱中国
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR07DIE0X00C23A3000000/?type=my#AAAUAgAAMA

 ※ 経済的利益と安全保障が衝突すれば、安全保障が優先される…。

『【フランクフルト=林英樹】ドイツ政府は高速通信規格「5G」の通信網から中国の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の排除を検討している。独経済紙ハンデルスブラットなどが報じた。米国のほか、欧州では北欧や英国などがすでに中国勢の排除を進めている。約6割の通信機器を中国製に頼っているドイツもようやく安全保障から脱中国にかじを切る。

独政府は特定の企業が外国政府によって直接、間接的に管理されてい…

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『独政府は特定の企業が外国政府によって直接、間接的に管理されていると認定できた場合、同企業からの機器供給を禁止する措置の導入を検討している。企業名などは特定していないものの、実質的にファーウェイの締め出しを念頭に置いているようだ。』

『2023年夏までに手続きを改め、ドイツテレコムやボーダフォンなど通信大手に機器の供給元の切り替えなどを求めていく。デンマークの調査会社ストランド・コンサルトによると、ドイツで普及する中国製機器の比率は、通信規格「4G」の通信網で57%(2020年時点)、5G通信網では59%(22年時点)に上昇した。

独紙によると、中国勢の排除は今後の新規投資計画だけでなく、既存の通信網も対象になる可能性がある。その場合、通信大手は多額の切り替えコストを負担することになる。』
『英国では20年7月、米国に歩調をあわせ、ファーウェイ製品を27年末までに排除する方針を決定。22年10月には英国内の通信35社に対し、5G向け設備からの排除に関する指示書を送付した。スウェーデンやノルウェーなど北欧各国は先行しており、4Gで5〜8割だった中国製比率が5Gでは軒並みゼロになっている。

ドイツは機械や自動車など主要産業で中国市場への依存度が高く、同国政府はこれまでファーウェイ排除に消極的だった。』