中国、半導体企業を支援 「国家安全に影響」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM034JR0T00C23A3000000/
『【北京=多部田俊輔】中国の劉鶴(リュウ・ハァ)副首相は2日、中国の半導体企業などを集めた会合を開いた。中国受託生産最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)の北京工場を視察し、米国の禁輸措置が事業運営に与える影響などを聴取した。劉氏は半導体は国家安全に関わる国内産業の核心だと指摘し、運営上の課題解消を支援する方針を打ち出した。
中国国営の新華社が伝えた。劉氏は会合で「習近平(シー・ジンピン)総書記…
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『劉氏は会合で「習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)は半導体産業の発展を高く重視している」と述べた。米政府が中国の半導体企業を次々と禁輸対象にしていることを受け、政府として支援に乗り出す姿勢を強調した。
習指導部の下で企業や研究機関が総力を挙げて半導体産業を育成する「新型挙国体制」を構築する。政府と市場が連携して長期投資を引き出し、人材育成も支援する。外国籍の専門家にも中国国民と同等の待遇を与える。
劉氏は半導体産業を育成する利点として市場の大きさと用途の広がりを指摘。半導体サプライチェーン(供給網)もほぼ整ったと述べた。
米中対立の先鋭化により中国側の先端技術には影響が出ている。
半導体大手の長江存儲科技(YMTC)や長鑫存儲技術(CXMT)は米国の禁輸措置によって工場建設が遅れ、外国籍人材も流出した。SMICが建設中の新工場は成熟技術を用いた生産設備にとどまる。
中国の半導体業界団体は2月、米国がオランダと日本に同調を呼びかけている先端半導体の対中輸出規制について「現実になれば中国の半導体産業に深刻な被害を与える」と反対声明を出した。』