ウクライナの最前線で拾われた露軍の野戦教範マニュアルを解析した結果、露軍の最新の戦闘陣形が分かった
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『EurAsian Times Desk 記者による2023-3-3記事「Battle For Bakhmut: Russian Army’s ‘Military Manual’ To Win The Highly Contested Region ‘Seized’ By Ukraine?」。
ウクライナの最前線で拾われた露軍の野戦教範マニュアルを解析した結果、露軍の最新の戦闘陣形が分かったという。
「BTG」を捨てた代わりとして、いまや、「増強大隊」のコンセプトに回帰しつつあるようだ。
この1個大隊は、2個または3個の「突撃中隊」から成る。
それに各種の特科が付属し、全体を、大隊本部の指揮小隊が統率している。
1個突撃中隊は、2個突撃小隊および3個の火力支援小隊からなる。1個突撃小隊は12人から15人である。
大隊が抱える特科のうち、AFV小隊は、T-72×1両、BMP(またはBMD)×4両からなる。
これらBMP/BMDは、もはや、歩兵を輸送するために分属しているわけではない。それが搭載している機関砲によって火力支援することが期待されているのである。
攻撃モードでは、突撃中隊は、4~5名づつの分隊に分かれる。
そのうち小火器を持って〔おそらく並列で〕進むのが2個分隊。その2個より先を前衛分隊。少しさがったところに指揮分隊。その指揮分隊の近くに火力支援分隊。これら中隊全体が、概ね、菱形に散開する。
設保陣地を攻撃するさいには、1分間の突撃準備砲撃を為す。
ドローンは貴重品なので偵察にだけ使えと指導されている。戦闘の見物には使うな。喪失リスクが大きいから。
宇軍が放棄した塹壕には、入ってはいけない。そこにはブービートラップがあるし、宇軍砲兵がとっくに座標を標定済みであるから。
負傷兵はその場へ残置しなければならない。あとでメディヴァックが何とかするから。突撃中隊/小隊に同伴させてはならない。
フルオート発射できる擲弾銃(AGL)は、射距離600m~1700mにて、間接照準火器として運用すべし。直接照準で交戦しようと考えてはならない。
突撃小隊は、決して開濶地を前進してはならない。あくまでも樹林帯を利用すべし。
この情報をツイッター投稿している「たたりがみ_UA」という若いウクライナ軍将校によると、突撃小隊のコンセプトは最初にワグネルがバフムトで実践したものだという。
ワグネルは常に3~4名の「突撃班」となって進退する。その先頭の班は1名の斥候役が率いる。彼は、地雷の無い場所を見極める。残りの班員は、自動小銃手×2、軽機手×1である。
「突撃班」を後方の樹林線から火力支援するのは、迫撃砲班とAGL班である。AGLがないときは、やむなく、RPGで代用する。』