ウェザー・リポート

ウェザー・リポート
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88

 ※ 今日は、こんな所で…。

『ウェザー・リポート(Weather Report)は、ジョー・ザヴィヌルとウェイン・ショーターの2人が中心になり、1970年に結成されたエレクトリック系サウンドをメインとしたアメリカのジャズ、フュージョン・グループである。 

概略

結成まで

ジョー・ザヴィヌルとウェイン・ショーターは1959年のメイナード・ファーガソン・ビッグ・バンドに2人とも在籍していたことがあり、その後、ジョー・ザヴィヌルはキャノンボール・アダレイのグループに加入した。ウェイン・ショーターは第2期マイルス・デイヴィス・クインテットに加し、1963年から1970年までマイルス・デイヴィス・グループに在籍、アコースティック・サウンド時代からエレクトリック・サウンド時代まで関与していた。

一方のジョー・ザヴィヌルは1969年のアルバム『イン・ア・サイレント・ウェイ』で、マイルスがジャズに初めてエレクトリック・サウンドを導入した作品に「イン・ア・サイレント・ウェイ」という曲提供及びオルガン奏者で参加し、1970年のアルバム『ビッチェズ・ブリュー』では「ファラオズ・ダンス」という曲提供及びエレクトリック・ピアノでチック・コリアと共に参加するなど、ジャズに対して積極的にエレクトリック・サウンドが導入され始めた時期に、新しいジャズ・サウンドの構築などで貢献し、その時期にウェイン・ショーターとスタジオで再会することになった。

その2人が1970年に自分らのグループを結成する運びとなり、ドラマーにアルフォンス・ムゾーン、パーカッショニストにアイアート・モレイラとドン・ウン・ロマン、ベーシストにミロスラフ・ヴィトウスを迎えて結成された。

初期の作品はマイルス・デイヴィスの『ビッチェズ・ブリュー』の延長線上にあり、それを意識したサウンドになっていた。デビュー・アルバムの『ウェザー・リポート』はアコースティックベースと生楽器が主体でシンセサイザーはまだ使用せず、後の作品に比べるとソフトなサウンドが聴ける作品で、『ダウン・ビート』誌では1971年の「アルバム・オブ・ザ・イヤー」の栄誉を与えられるなど、注目を集めた作品になっていた。

セカンド・アルバムの『アイ・シング・ザ・ボディ・エレクトリック』からはシンセサイザーやサウンド・エフェクト類が多用されるようになった。そして、このアルバムの一部分には日本公演時のライブ演奏テイクが使われていて、後に2枚組の『ライヴ・イン・トーキョー』としても日本公演時の音源は発売されることとなった。

ファンク・グルーヴの導入

アルバム『スウィートナイター』の時期から、ウェザー・リポートのサウンドにファンク・グルーヴの要素が採り入れられるようになり、ミロスラフ・ヴィトウスもアコースティックベースに加えてエレクトリックベースも頻繁に使うようになり、曲によってはインプロヴィゼーション・セクションになると曲中でエレクトリックベースに持ち替えるなど、1曲の中でも多彩なサウンドを要求されるようになってきた。

ウェイン・ショーターは以前、自分のアルバム『ノン・ストップ・ホーム』の最後の曲で、当時チャック・マンジョーネ・グループに居てフレットレス・エレクトリックベースを弾いていたアルフォンソ・ジョンソンに参加してもらったことがあり、そのベース・サウンドをウェザー・リポートでも活かしたいと思い、彼をウェザー・リポートに呼び入れることにしたため、1974年のアルバム『ミステリアス・トラヴェラー』制作途中でベーシストがミロスラフ・ヴィトウスからアルフォンソ・ジョンソンへと交代することになり、新たなグルーヴとサウンドがもたらされた。

固定ドラマーの不在

ファースト・アルバムの『ウェザー・リポート』から『ヘヴィ・ウェザー』までの8年間、ウェザー・リポートにとっては、ほぼ1年ごとにドラマーが変わってしまうなどウェザー・リポートに定着したドラマーを探すことが困難な時期でもあった。

初代ドラマーのアルフォンス・ムゾーン、エリック・グラヴァット、グレッグ・エリコ、イシュマエル・ウィルバーン、スキップ・ハデン、ダリル・ブラウン、レオン・チャンクラー、チェスター・トンプソン、そしてアレックス・アクーニャなど、ジャコが1978年にピーター・アースキンを見つけてくるまでの間には目まぐるしくドラマーが交代する状況が続いていた。

そしてピーター・アースキンとオマー・ハキムだけが3年以上在籍したドラマーとなるなど、ウェザー・リポートにとってはドラマーとの組み合わせが難しい一面もあった。

中期のウェザー・リポート

ウェザー・リポートがブレークする切っ掛けとなった1974年の『ミステリアス・トラヴェラー』の時期、アコースティック・ベースの代わりにエレクトリックベースがほぼ全曲で使用されるようになっていたが、ジョー・ザヴィヌルによるシンセサイザーも多用されるようになってきたため、宇宙的で幻想的なサウンドも目立つようになってきた。

このアルバムではそういった新しいジャズへのアプローチが評価され、再び『ダウン・ビート』誌の「アルバム・オブ・ザ・イヤー」の栄誉を得るなどの評価を得ていた。

1975年のアルバム『テイル・スピニン (幻祭夜話)』の頃には、シンセサイザーの技術革新や新機種の登場などにより一層シンセサイザーの比重が高まっていたが、このアルバムでは他のアルバムにはないほど、ウェイン・ショーターのサックス・ソロがフィーチャーされたアルバムにもなっていて、このアルバムでも『ダウン・ビート』誌の「アルバム・オブ・ザ・イヤー」の栄誉を得ることになった。

ジャコ・パストリアス加入

ファンキーなベース・リフを弾いていたアルフォンソ・ジョンソンに代わり、1975年に自身のソロ・デビュー・アルバムを発表したばかりのジャコ・パストリアスが、翌1976年のアルバム『ブラック・マーケット』の制作後半から参加し、ジャコも「バーバリー・コースト」を提供した。

また、アルバム全体でファンク・ジャム・セッションが繰り広げられていて、よりオリエンタルなメロディー・ラインへと変わっていった。

その後、『ブラック・マーケット』ではパーカショニストとして参加していたチェスター・トンプソンに代わり、プエルトリコ出身のマノロ・バドレーナを迎え入れ、またアレックス・アクーニャがドラマーとなった。

1976年のモントルー・ジャズ・フェスティバルへの出演なども含めて、ウェザー・リポートは頂点の時期を迎え始めることとなった。

1977年のアルバム『ヘヴィ・ウェザー』ではジャコのベース・ソロとドラミングが炸裂する「ティーン・タウン」が収録され、一躍ベーシストからの注目を集めることとなり、「バードランド」ではベースによるピッキング・ハーモニクスなどの斬新な手法でリフを弾くなど、ポップなサウンドはジャズ・ファン以外にもフュージョン・ファンへも層を広げ、支持されるようになっていった。

『ヘヴィ・ウェザー』発売後、ドラマー及びパーカショニストとして在籍していた アレックス・アクーニャとパーカショニストのマノロ・バドレナがグループを離れてしまい、一時期メンバーは過去最少の3人になってしまう。

そして1978年のアルバム『ミスター・ゴーン』では、まだ正式メンバーになる前のピーター・アースキンと、トニー・ウィリアムス、スティーヴ・ガッドらの参加で、当時のフュージョン界でのトップ・ドラマー参加などでも話題を呼び、アルバム・サウンドの方はジョー・ザヴィヌル色が強いシンセ・サウンドとシークエンスが多用されたものになったが、ジャコは「パンク・ジャズ」という曲を提供し、コンポーザーとしての存在感も徐々に示すようになっていた。

ワールド・ツアー

ピーター・アースキンが正式加入して4人編成となったウェザー・リポートは、この時期になると世界各国へのツアーに出るようになり数多くのライブをこなすグループになっていた。

1979年には、アメリカ公演などから厳選されたテイクが2枚組LPとなったアルバム『8:30』に収められ、LPの4面目には最新のスタジオ録音が入っていて、ライブ盤とスタジオ盤での差が余りないアンサンブルとなっていった。

ハバナ・ジャム

1979年の3月2日から3月4日にわたってキューバで行われたハバナ・ジャム (Havana Jam) に出演することになり、この大規模なイベントにアメリカ側からは、スティーヴン・スティルス、CBS ジャズ・オールスターズ (CBS Jazz All-Stars)、トリオ・オブ・ドゥーム、ファニア・オールスターズ、ビリー・スワン (Billy Swan)、ボニー・ブラムレット (Bonnie Bramlett)、マイク・フィネガン (Mike Finnegan)、クリス・クリストファーソン、リタ・クーリッジ、ビリー・ジョエルらが参加し、キューバ側からも、イラケレ、パッチョ・アロンソ (Pacho Alonso)、タータ・ギネス (Tata Güines)、オルケスタ・アラゴン (Orquesta Aragón)などが参加していて、共産圏で行われた初の共同イベントとして歴史的な物となった。

この模様はカステラノス (Ernesto Juan Castellanos) によって『ハバナ・ジャム ’79 (Havana Jam ’79)』として記録されている。そして、ウェザー・リポートの黄金期と言われている1976年から1981年の間は世界各地の大規模なジャズ・フェスティバルへ参加することが多くなり、ウェザー・リポートが出演するとなると観客動員数も鰻登りになる人気を誇っていた。

ナイト・パッセージ

アルバム『ナイト・パッセージ』発売前年の1981年ワールド・ツアーではパーカショニストにロバート・トーマス・ジュニアが参加して再び5人編成になり、グループとしてもメンバー各々の実力が均衡してきたため、脂がのりきった状態になっていた。

1981年のツアーでは未発売の曲が大半を占めていて、それらの曲は次作アルバム収録曲のリハーサルも兼ねていた。1982年、『ナイト・パッセージ』の制作は、ロサンジェルスにあったA&Mスタジオ の体育館のように巨大なルーム・サイズを持つAスタジオで行われ、クインシー・ジョーンズなどの音楽業界人も含む沢山のオーディエンスが居る状態でスタジオ・ライブ・レコーディングされたため、1981年のツアーは未発表曲のお披露目的意味合いもあったが、「マダガスカル」だけは、大阪フェスティバル・ホールで収録されたコンサート音源がそのままアルバムにも採用されることになった。

黄金期 – 解散まで

アルバム『ウェザー・リポート’81』が発売される前年の1981年暮れには、黄金期を築いたメンバーだったジャコ・パストリアスが自己のバンド結成のために脱退することになり、それに続きピーター・アースキンもジャコのバンド加入のため脱退してしまった。

ジャコは自分のバンド以外にもジョニ・ミッチェルのアルバムやツアーをこなすなど、多方面で活躍するようにもなっていた。

そして、ウェザー・リポートは新たなリズムセクションとしてオマー・ハキムとヴィクター・ベイリーを迎えて活動を続けることになった。

そのころから世界的にはジャズ/フュージョンに対して1970年代後半のような盛り上がりを見せなくなってきており、混迷する時代へと入っていった時期でもあった。

当然、ウェザー・リポートの音楽性もそれに応じて様々に変化し、ゲスト・ミュージシャンに「バードランド」を自分たちのアルバムでもカバーしていたマンハッタン・トランスファーを招くなど、よりポップな路線も見せ始め、新たなリズム・セクションによりジャズ面よりもフュージョン面が押し出たサウンドになっていった。

そして、1986年、ジョー・ザヴィヌルとウェイン・ショーターが、新たなサウンドを求めてそれぞれのバンドを作ることとなり、ウェザー・リポートは解散することとなった。

レコーディング・メンバー

担当楽器 担当者 原語表記 所属時期 参加アルバム
キーボード ジョー・ザヴィヌル Joe Zawinul 1971年-1986年 全作品
サックス ウェイン・ショーター Wayne Shorter 1971年-1986年 全作品
ベース ミロスラフ・ヴィトウス Miroslav Vitouš 1971年-1974年 Weather Report 1971, I Sing The Body Electric, Live in Tokyo, Sweetnighter, Mysterious Traveller
アルフォンソ・ジョンソン Alphonso Johnson 1974年-1976年 Mysterious Traveller, Tale Spinnin’, Black Market
ジャコ・パストリアス Jaco Pastorius 1976年-1982年 Black Market, Heavy Weather, Mr. Gone, 8:30, Night Passage, Weather Report 1982
ヴィクター・ベイリー Victor Bailey 1983年-1986年 Procession, Domino Theory, Sportin’ Life, This is This
ドラムス アルフォンス・ムゾーン Alphonse Mouzon 1971年 Weather Report 1971
エリック・グラヴァット Eric Gravatt 1972年-1973年 I Sing The Body Electric, Live in Tokyo, Sweetnighter
イシュマエル・ウィルバーン Ishmael Wilburn 1974年 Mysterious Traveller
レオン・チャンクラー Leon ‘Ndugu’ Chancler 1975年 Tale Spinnin
チェスター・トンプソン Chester Thompson 1976年 Black Market
アレックス・アクーニャ Alex Acuña 1976年-1977年 Heavy Weather
ピーター・アースキン Peter Erskine 1978年-1982年、1986年 Mr. Gone, 8:30, Night Passage, Weather Report 1982, This Is This
オマー・ハキム Omar Hakim 1983年-1986年 Procession, Domino Theory, Sportin’ Life, This Is This
パーカッション アイアート・モレイラ Airto Moreira 1971年 Weather Report 1971
ドン・ウン・ロマン Dom Um Romão 1972年-1974年 I Sing The Body Electric, Live In Tokyo, Sweetnighter, Mysterious Traveller
アリリオ・リマ Alyrio Lima 1975年 Tale Spinnin
アレックス・アクーニャ Alex Acuña 1975年 Black Market, Heavy Weather
マノロ・バドレーナ Manolo Badrena 1976年-1978年 Heavy Weather, Mr. Gone
ロバート・トーマス・ジュニア Robert Thomas Jr. 1980年-1982年 Night Passage, Weather Report 1982
ホセ・ロッシー Jose Rossy 1983年-1984年 Procession, Domino Theory
ミノ・シネル Mino Cinelu 1985年-1986年 Sportin’ Life, This Is This

主なゲスト・ミュージシャン

アルフィー・サイラス (Alfie Silas) - ボーカル
アンドリュー・ホワイト (Andrew White III) - ベース、Eホーン
バーバラ・バートン (Barbara Burton) - パーカッション
ボビー・マクファーリン (Bobby McFerrin) - ボーカル
キャノンボール・アダレイ (Cannonball Adderley) - アルトサックス
カール・アンダーソン (Carl Anderson) - ボーカル
カルロス・キャベリーニ (Carlos "Omega" Caberini) - ボーカル
カルロス・サンタナ (Carlos Santana) - ギター
チャップマン・ロバーツ (Chapman Roberts) - ボーカル
チック・コリア (Chick Corea) - エレクトリック・ピアノ
コリーン・コイル (Colleen Coil) - ボーカル
ダリル・ブラウン (Darryl Brown) - ドラム
ダリル・フィネシー (Darryl Phinnessee) - ボーカル
デイヴ・ホランド (Dave Holland) - アコースティックベース
ディー・ディー・ベルソン (Dee Dee Bellson) - ボーカル
デニース・ウィリアムス (Deniece Williams) - ボーカル
ドン・アライアス (Don Alias) - パーカッション
エリッヒ・ザヴィヌル (Erich Zawinul) - パーカッション
グレッグ・エリコ (Greg Errico) - ドラム
ハービー・ハンコック (Herbie Hancock) - エレクトリック・ピアノ
ハーシェル・ドゥウェリンガム (Herschel Dwellingham) - ドラム
ヒューバート・ロウズ (Hubert Laws) - フルート
ジャック・ディジョネット (Jack Dejohnette) - ドラム
ジョン・マクラフリン (John McLaughlin) - ギター



ジョン・ルーシェン (Jon Lucien) - ボーカル
ジョシー・アームストロング (Joshie Armstrong) - ボーカル
マンハッタン・トランスファー (The Manhattan Transfer) - ボーカル
モーリス・ホワイト (Maurice White) - ボーカル
マルンゴ (Marungo) - Israeli Jar Drum
マーヤ・バーンズ (Marva Barnes) - ボーカル
マイルス・デイヴィス (Miles Davis) - トランペット
ムルガ・ブッカー (Muruga Booker) - パーカッション
ナラダ・マイケル・ウォルデン (Narada Michael Walden) - ドラム
ナット・アダレイ (Nat Adderley) - コルネット
ラルフ・タウナー (Ralph Towner) - 12弦ギター
レイ・バレット (Ray Barretto) - パーカッション
ロイ・マッカーディ (Roy McCurdy) - ドラム
サイーダ・ギャレット (Siedah Garrett) - ボーカル
スキップ・ハデン (Skip Hadden) - ドラム
ソニー・シャーロック (Sonny Sharrock) - ギター
スティーヴ・ガッド (Steve Gadd) - ドラム
トニー・ウィリアムス (Tony Williams) - ドラム
ウォルター・ブッカー (Walter Booker) - アコースティックベース
ウエスト・ロサンゼルス・クリスチャン・アカデミー・チルドレンズ・クワイア (West Los Angeles Christian Academy Children's Choir) - ボーカル
ウィルマー・ワイズ (Wilmer Wise) - Dトランペット、ピッコロ・トランペット
ヨーランド・バヴァン (Yolande Bavan) - ボーカル

コンサートツアー時のメンバー変遷

1981年6月11日、新宿厚生年金会館
画像左から Wayne Shorter, Peter Erskine, Robert Thomas Jr., Jaco Pastorius
年 キーボード サックス ベース ドラムス パーカッション
1971年 ジョー・ザヴィヌル ウェイン・ショーター ミロスラフ・ヴィトウス アルフォンス・ムゾーン ドン・ウン・ロマン
1972年 エリック・グラヴァット
1973年 グレッグ・エリコ
1974年 アルフォンソ・ジョンソン ダリル・ブラウン
イシュマエル・ウィルバーン
スキップ・ハデン 不在
1975年 チェスター・トンプソン アレックス・アクーニャ
1976年 ジャコ・パストリアス アレックス・アクーニャ マノロ・バドレーナ
1977年
1978年 ピーター・アースキン 不在
1979年
1980年 ロバート・トーマス・ジュニア
1981年
1982年 ヴィクター・ベイリー オマー・ハキム ホセ・ロッシー
1983年
1984年 ミノ・シネル
ディスコグラフィ
アルバム
アルバム・タイトル 原題 発売年 種類
ウェザー・リポート Weather Report 1971年 スタジオ・アルバム
アイ・シング・ザ・ボディ・エレクトリック I Sing the Body Electric 1972年 スタジオ + ライブ・アルバム
スウィートナイター Sweetnighter 1973年 スタジオ・アルバム
ミステリアス・トラヴェラー Mysterious Traveller 1974年 スタジオ・アルバム
テイル・スピニン (幻祭夜話) Tale Spinnin’ 1975年 スタジオ・アルバム
ブラック・マーケット Black Market 1976年 スタジオ・アルバム
ヘヴィ・ウェザー Heavy Weather 1977年 スタジオ・アルバム
ミスター・ゴーン Mr. Gone 1978年 スタジオ・アルバム
8:30 8:30 1979年 ライブ + スタジオ・アルバム
ナイト・パッセージ Night Passage 1980年 スタジオ + ライブ・アルバム
ウェザー・リポート’81 Weather Report 1982年 スタジオ・アルバム
プロセッション Procession 1983年 スタジオ・アルバム
ドミノ・セオリー Domino Theory 1984年 スタジオ・アルバム
スポーティン・ライフ Sportin’ Life 1985年 スタジオ・アルバム
ディス・イズ・ディス This Is This! 1986年 スタジオ・アルバム
ライブ・アルバム
アルバム・タイトル 原題 発売年 種類
ライヴ・イン・トーキョー Live in Tokyo 1972年 ライブ・アルバム
ハバナ・ジャム Havana Jam 1979年 オムニバス・ライブ・アルバム
(「Black Market」を収録)
ハバナ・ジャム II Havana Jam II 1979年 オムニバス・ライブ・アルバム
(「Teen Town」を収録)
ライヴ&アンリリースド Live and Unreleased 2002年 ライブ・コンピレーション・アルバム
レジェンダリー・ライヴ・テープス1978-1981 The Legendary Live Tapes: 1978–1981 2015年 ライブ・コンピレーション・アルバム
コンピレーション・アルバム
アルバム・タイトル 原題 発売年 種類
フォアキャスト・トゥモロウ Forecast: Tomorrow 2006年 3枚組CD+DVD
ビデオグラフィ
タイトル 原題 発売年 備考
フォアキャスト・トゥモロウ Forecast: Tomorrow DVD 2006年 1978年9月29日、オッフェンバッハ・アム・マインでのコンサートを収録
ライブ・アット・モントルー 19
76 Live at Montreaux 1976 DVD 2007年 1976年7月6日、スイスで行われた「Montreaux Pop Festival」出演時のライブ演奏を収録 』

ジャズ界の巨匠 ウェイン・ショーターさん死去 89歳

ジャズ界の巨匠 ウェイン・ショーターさん死去 89歳
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230303/k10013996941000.html

 ※ ついに、亡くなったか…。

 ※ 89歳だから、「年に不足は無く、天寿を全うした」類いだろう…。

 ※ 確か、娘さんが障碍者と聞いたことがある…。

 ※ 「ジャズ界の巨匠」とあるが、日本では、むしろ、「ネイティブ・ダンサー」が一番有名かもしれないな…。
 ミルトン・ナシメントの「MPB(Musica Popular Brasillien=直訳すれば「ブラジルのポピュラー音楽」)」がフューチャーされてるアルバムだ…。

 ※ ジョー・ザビヌエルは、2007年9月に亡くなっているから、大分長生きだったな…。

 ※ ジャコ・パストリアスは、1987年に死亡した(ヤク中だったとの、噂あり)…。


 ※ また一つ、「青春のよすが」を失くしたな…。

ロシア 日本海で巡航ミサイル発射と発表 日米けん制のねらいか | NHK |

ロシア 日本海で巡航ミサイル発射と発表 日米けん制のねらいか | NHK |
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230303/k10013997381000.html

『023年3月3日 15時12分

ロシア国防省は、潜水艦が巡航ミサイルを発射する演習を日本海で行い、成功したと、3日、発表しました。ウクライナへの軍事侵攻などをめぐり対立するアメリカや日本などをけん制するねらいもあるとみられます。

ロシア国防省は、演習の一環として、日本海で太平洋艦隊のディーゼル型の潜水艦「ペトロパブロフスク・カムチャツキー」が巡航ミサイル「カリブル」を発射したと、3日、発表しました。

公開された映像では、潜水艦は極東の中心都市ウラジオストクを出航し、合図があったあと、海上からミサイルが発射される様子が映し出されています。

ロシア国防省はミサイルは、1000キロ以上離れた極東ハバロフスク地方の演習場にある標的に命中したとしています。

ロシアは、この「カリブル」の発射演習を繰り返し行っていて、ウクライナ侵攻ではウクライナの重要インフラなどへの攻撃にも使っています。

演習は、ウクライナ侵攻などをめぐり対立し、アジア太平洋地域で軍事力を強めているとみているアメリカや、ロシアへ制裁を科す日本などを、けん制するねらいもあるものとみられます。』

米軍哨戒機に中国の戦闘機が異常接近 搭乗中のCNN記者が実況

米軍哨戒機に中国の戦闘機が異常接近 搭乗中のCNN記者が実況
https://news.yahoo.co.jp/articles/90484a7900b2cabb1901d5bc72422b80f49815c1

『テレ朝news 2/27(月) 19:41配信

南シナ海上空でCNNの記者が同乗していたアメリカ軍機に中国軍の戦闘機が異常接近する事態がありました。

 CNN記者:「中国の戦闘機は米軍機を15分ほど尾行している。驚くほど近い距離で飛行している」

 アメリカ海軍の哨戒機が24日、沖縄県の嘉手納基地を出発し、領有権争いの続くパラセル諸島から約48キロの上空を飛行していたところ、ミサイルを搭載した中国軍戦闘機が約150メートルの距離に接近してきたということです。

 アメリカ軍機に対し、人民解放軍から警告が発せられました。

 中国人民解放軍空軍の音声:「あなたは中国の領空に近付いている。安全な距離を確保しなければ迎撃する」

 中国軍戦闘機は約1時間、アメリカ軍機を追尾した後、飛び去って行ったということです。

 中国の南シナ海などへの海洋進出を巡り、米中間や領有権を主張する国の間で緊張が高まっています。

(C) CABLE NEWS NETWORK 2023 』

「存亡かけた戦い」米下院の対中国特別委が初の公聴会

「存亡かけた戦い」米下院の対中国特別委が初の公聴会…超党派で厳しい姿勢鮮明
https://news.yahoo.co.jp/articles/ad3e6849bfa92adf761438c4f2c62f33af500662

『讀賣新聞オンライン 3/1(水) 18:58配信

【ワシントン=淵上隆悠】米下院が対中政策を専門に扱うために新設した「米国と中国共産党の戦略的競争に関する特別委員会」は2月28日、初の公聴会を開いた。米政府が「唯一の競争相手」と位置づける中国に対し、議会でも超党派で厳しく対応する姿勢を鮮明にした。

 公聴会の冒頭、マイク・ギャラガー委員長(共和党)は「中国との競争は、21世紀における存亡をかけた戦いだ」と訴えた。民主党の筆頭委員も「我々は中国共産党を過小評価していた。貿易や投資が民主化につながると考えたが、逆のことが起きた」と指摘した。

 公聴会には、トランプ前政権下で国家安全保障担当大統領補佐官を務めたマクマスター氏らが出席した。米本土上空に飛来した中国の偵察用気球について、マクマスター氏は「中国が幅広い監視活動を行っていることを示している」と述べ、「旧ソ連よりも脅威だ」との認識を示した。』

中国の激烈な対米批判「米国の覇権・覇道・覇凌とその害」

中国の激烈な対米批判「米国の覇権・覇道・覇凌とその害」
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20230302-00339451

『2月20日、中国政府は「米国の覇権・覇道・覇凌とその害」という報告を発表した。中国の本気度を表しており、今後の米中覇権競争を示唆する。日本の対中政策にも参考になるかもしれない。

◆2月20日に公開された中国の対米批判

 今年2月20日、中国外交部のウェブサイトに「美国的霸権霸道霸凌及其危害」(米国の覇権・覇道・覇凌とその害)という中国政府の見解が掲載された。「覇道」は「横暴」に近く、「覇凌(はりょう)」は「いじめ」の意味である。米国に対する批判の凄さは尋常ではなく、怒りがほとばしっている。約6400字の内容は以下のような構成になっている。

   序言

   一、やりたい放題の政治的覇権

   二、好戦的な軍事覇権

   三、ペテンや力ずくで奪い取る経済覇権

   四、独占と抑圧の科学技術覇権

   五、扇動的な文化覇権

   結語

 日本語に訳すと1万字近くになるので、ざっくりと「何が言いたいか」を概括して以下に示す。

◆序言

 米国は2つの世界大戦と冷戦を経て世界一の大国となり、誰はばかることなく他国の内政に干渉し、覇権を求め、覇権を維持し、覇権を乱用し、他国政権を転覆させ、地域紛争を扇動しては、世界各地で戦争を起こしてきた。米国は自国のルールだけが世界のルールであるとして、世界の平和と秩序を乱し人類を苦しめている。

 本報告書は、政治・軍事・経済・金融・科学技術・文化の覇権を濫用する米国の悪行を見抜いて、人類が平和と安定を取り戻すことを目的としたものである。

◆やりたい放題の政治的覇権

 米国は自国の価値観と政治システムに従わすべく、「民主主義の促進」という名目を掲げて、「カラー革命」や「アラブの春」を扇動し、多くの国に混乱と災害をもたらした。キューバへの61年間にわたる敵対的な封鎖にしても「私に従う者は栄え、反対する者は滅ぶ」というやり方を貫いてきた。

 米国は私利私欲を最優先し、国際社会において国際法よりも国内法を優先している。米国は盟友関係を口実にして国際社会における派閥を形成し、アジア太平洋地域における「インド太平洋戦略」、「ファイブアイズ」、「日米豪印・クワッド」、「米英豪・オーカス」など、数多くの閉鎖的で排他的な小さなサークルを形成しては、地域諸国に選択を迫り、地域を分断し、対立を扇動している。

 米国は他国の民主主義を裁く権限が自国一国にあるという横暴さを勝手気ままに発揮している。

◆好戦的な軍事覇権

 米国の歴史は暴力と拡大に満ちている。1776年の独立以来、米国はインディアンを虐殺し、カナダに侵入し、メキシコ戦争を発動し、米西戦争(スペインとの戦争)を扇動し、ハワイなどを併合した。第二次世界大戦後は、朝鮮戦争・ベトナム戦争・湾岸戦争・コソボ戦争・アフガニスタン戦争・イラク戦争・リビア戦争・シリア戦争を引き起こし、軍事覇権を拡大した。近年、米国の年平均軍事予算は7000億ドルを超え、世界の総軍事費の40%を占め、2位から16位までの国の軍事予算の総額に匹敵する。世界に800の軍事基地を持ち、159ヵ国に17.3万人の米軍を配置している。

 国連加盟190ヵ国のうち、米国の軍事的介入を受けていない国は3ヵ国しかない。米軍の覇権は人類に非人道的な惨劇をもたらし続けている。

 2001年以来、テロ対策の名の下に米国の戦争と軍事作戦により、90万人以上が死亡し、そのうち約33.5万人が民間人で、数百万人が負傷し、数千万人が避難民と化している。2003年のイラク戦争では、20万人から25万人の民間人が殺され、100万人以上が家を失ったままだ。

 米国は世界中で3700万人の難民を生み出している。2012年以降、シリア難民だけでも10倍に増加している。アフガニスタンでの20年間におよぶ戦争はアフガニスタンを荒廃させ、合計4.7万人の民間人と、6.6万から6.9万人に及ぶ兵士や警察が、9・11と無関係であるにもかかわらず関係していたという理由で米軍によって殺され、1000万人以上の避難民を生んだ。おまけに2021年の「アフガンからの大敗走」の末、米国はアフガニスタン中央銀行の資産約95億ドルを凍結し、赤裸々な略奪を行ったままだ。

◆ペテンや力ずくで奪い取る経済覇権

 米ドルの覇権は、世界経済の不安定性と不確実性の主な原因だ。2022年、連邦準備制度理事会は超緩和的な金融政策を終了し、積極的な利上げ政策に転じたため、国際金融市場の混乱とユーロなどの多くの通貨の急激な下落が20年ぶりの安値に達し、多くの発展途上国は深刻なインフレ、現地通貨の下落、資本流出に見舞われた。

 米国は経済的脅迫手段を用いて競争相手を抑圧している。20世紀80年代、米国は日本経済の脅威を排除するために日本を利用しコントロールして、旧ソ連と対峙させ、覇権的な金融外交を行使し、日本と「プラザ協定」に署名し、円高を強制し、金融市場を開放させ、金融システムを改革させた。プラザ合意は日本経済の活力に大きな打撃を与え、その後日本は「失われた30年」を迎えた。

 米国の経済・金融覇権は地政学的な武器になっている。米国は、一方的な制裁と「ロングアーム管轄権」を精力的に駆使し、国内法を使って特定の国、組織、または個人に制裁を科す一連の大統領命令を発行した。統計によると、2000年から2021年にかけて、米国の対外制裁は93%増加した。その結果、世界人口の半数近くが影響を受けている。米国は公権力を利用して商業競争相手を抑圧し、通常の国際商取引に干渉し、自由市場経済を破壊している。

◆独占と抑圧の科学技術覇権

 米国はハイテク分野で独占抑圧と技術封鎖を行い、他国の科学技術の発展と経済発展を阻止抑制してきた。

 20世紀80年代、米国は世界一になった日本の半導体産業の発展を押さえつけるため、「301」調査など、日本を不公正な貿易国と指定すると脅迫し、報復関税を課して日本に「日米半導体協定」に署名させるなどの措置を取り、その結果、日本の半導体産業はグローバル競争からほぼ完全に撤退した。市場シェアは50%から10%に低下するに至っている。

 米国は科学技術問題を政治化し、武器化し、イデオロギー化し、中国のファーウェイなどに適用し、国際的に競争力のある中国のハイテク企業を抑圧している。

 米国はまた、中国に対する科学技術人材においても同様の手段を用いて中国人研究者を抑圧し迫害している。

 米国は民主主義の名の下に科学技術覇権を維持している。「チップ聯盟」や「グリーンネットワーク」など科学技術においても「小さなグループ」を形成し、「ハイテク」に「民主主義と人権」のラベル付けをして、科学技術を政治化・イデオロギー化し、他国に技術封鎖を課す口実としている。こうして中国の「5G製品」を駆逐するために、科学技術覇権を維持しようと手段を選ばない。

 米国は科学技術覇権を悪用し、サイバー攻撃や盗聴を無差別に実行している。その対象は競争相手国だけでなく同盟国にまで及び、元ドイツ首相のアンゲラ・メルケルや複数のフランス大統領などの同盟指導者でさえ、無差別監視の対象になっていたことは周知の事実だ。「プリズムゲート」、「Bvp47」・・・などの悪名は世界に轟いている。ウィキリークスウェブサイトの創設者であるアサンジが米国の監視プロジェクトを暴露したことは説明するまでもないだろう。

◆扇動的な文化覇権

 米国の文化覇権は「直接介入」から「メディア浸透」や「世界の拡声器」へと移行し、他国の内政に干渉する際には、米国主導の欧米メディアに頼らせることによって国際世論を扇動する。

 2022年12月27日、TwitterのCEOであるイーロン・マスクは、すべてのソーシャルメディアが米国政府と協力してコンテンツを検閲していると述べた。

 米国国防総省はソーシャルメディアを操作している。米国は報道の自由においてダブルスタンダードを持っていて、他国のメディアを暴力的に抑圧している。米国は社会主義国家を転覆させるために文化覇権を乱用し、米国の価値観で世界を染めるため主要なラジオやテレビのネットワークに巨額の政府資金を注ぎ込み、数十ヵ国の言語で報道し、昼夜を問わず社会主義国への批難を植え付ける扇動工作を行っている。

 米国は虚偽の情報を流すことによって他国を攻撃する武器としている。それによって国際世論に影響を与えることに専念している。

◆結語

 米国のこうした単独覇権主義、唯我独尊主義、倒行逆施(無理強いした)覇権的慣行は、国際社会からの批判と反対をますます強く引き起こしている。しかしそれに染まってしまった目には真実が見えない。

 各国は互いを尊重し平等に扱うべきだ。対立ではなく対話、同盟ではなくパートナーシップを通じて、国際交流の新しい道を切り開かなければならない。中国は常にあらゆる形態の覇権主義と権力政治、そして他国の内政への干渉に反対してきた。米国は傲慢と偏見を捨て、覇権といじめを放棄すべきだ。(概要紹介ここまで。)

===

 以上だ。

日本の半導体が沈没した原因や日本の失われた30年などに関しては共鳴する部分もあるが、「いや、それはあなたも同じでしょ?」と言いたい部分もある。

 もし筆者が中国に渡航しても、中国政府が筆者を逮捕することがなければ、中国の主張にも一理あると認めよう。中国政府が今も真相を認めない『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』を筆者が書いていることと、中国を批判する論考を展開しているという理由によって、中国の領土内に降り立った瞬間、逮捕するのではないか?

 筆者にしてみれば、それが、この報告の是非を判断するクライテリオンだ。
記事に関する報告
遠藤誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。日本文藝家協会会員。著書に『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』(2022年12月中旬発売。PHP新書)、『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『「中国製造2025」の衝撃』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。』

覇権国が没落する時、経済事件と共に戦争が起きる

覇権国が没落する時、経済事件と共に戦争が起きる
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/30970061.html

『 未来を確実に占う事ができない以上、歴史に学ぶ必要があります。以前の記事になりますが、基軸通貨の変遷という事で、「アメリカのドル覇権も、永遠ではない」という記事で、具体的な基軸通貨の移り変わりを解説した事があります。この記事は、歴史的な事実を、そのまま述べているだけで、今は盤石に見えるアメリカのドル覇権も、永遠には続かないという事を、エビデンスを踏まえて、予測した内容になっています。

また、別の記事になりますが、その時代の基軸通貨が終焉を迎えるタイミングで、歴史の教科書に載るような経済事件が起きている事も述べています。オランダのギルダーが基軸通貨であった時代には、「チューリップ・バブル」が起きました。チューリップの球根が、今の仮想通貨みたいな取引上のトークンとして機能して、希少な球根1ダースが、屋敷一軒と同じ値段にまで高騰した、典型的な経済バブル事案です。イギリスのポンドが基軸通貨だった時代には、「南海泡沫事件」が起きました。これは、典型的な株人気によるバブルです。そして、バブルという経済用語の語源は、この経済事件の「泡沫」から来ています。そして、恐らくアメリカのドルが基軸通貨の現代で起きた経済事件は、「リーマンショック」です。この後に、更にでかい経済事件が起きても不思議ではないですが、少なくても起きている事件の中では、筆頭候補です。

何年前の話をしているのかと思うかも知れませんが、歴史で数十年のズレなんて、「誤差」です。イギリスだって、「南海泡沫事件」が起きて、すぐに基軸通貨発行国の地位を譲ったわけではありません。それは、象徴的な出来事に過ぎず、実際に基軸通貨国が明確に移るには、さらなるイベントの発生が必要でした。

それは、戦争です。オランダからイギリスに基軸通貨発行国が移る時、イギリスとオランダの艦隊で決戦があり、最終的にはオランダの敗北を持って、ギルダーからポンドへ基軸通貨が移ったのです。この戦争と「チューリップ・バブル」は、直接の関係はありませんが、基軸通貨発行国が、没落するまでのはっきりした衰退を迎えるには、やはり戦争で次世代の新興国に破れるというイベントが必要なのです。

イギリスが衰退して、ポンドからドルへ基軸通貨が移るには、第一次世界大戦と続く第二次世界対戦が必要でした。これも、「南海泡沫事件」と戦争は、直接の関係はありませんが、共にドイツと戦って、巨額の戦費を費やした結果、「世界帝国」を築いていたイギリスは、経済的に没落し、アメリカに地位を譲る事になります。ここで、重要なのは、「戦争に勝利したか」は、基軸通貨国の変遷に、必ずしも関係無いという事です。イギリスは、戦勝国になりましたが、国が破綻する程の戦費を費やし、元々の自国の領土しか維持できなくなりました。アメリカが、国が借金できる上限を、わざわざ法律で制限しているのは、この時のイギリスの没落を見ているからです。まぁ、法律が施行されてから、70回以上も上限を上げてますので、事実上形骸化していますが、それくらい覇権国の衰亡と明確な関連性を認識していたのですね。

つまり、歴史的な事実として、基軸通貨が移り変わるには、2つのステップが存在します。

1.教科書に載るくらい歴史的な経済事件が発生して、その時代の金融システムの信用が揺らぐ。
2.基軸通貨発行国を巻き込む、戦争が起きて、勝ち負けに関係無く、国が傾く出費が発生する。

この条件が重なると、その時代の金融システムを支える信用に傷がついた状態で、基軸通貨発行国が、立ち直れない程の経済的な疲弊を、戦争による出費で抱えて、その時に比較的傍観的な立場でいられた国へ基軸通貨発行国が移るという事です。アメリカは、両方の大戦に参加していますが、第一次世界大戦は、ヨーロッパの戦争に加担するだけでしたし、イギリスに対しては巨額の貸付をした、債権国家でした。イギリスが負けると債権の回収が不可能になるので、参戦したという見方もあるくらい、イギリスはアメリカに巨額の借金をして、ドイツとの戦争を戦っていました。

第二次世界大戦では、始めは傍観していたものの、日本がアメリカと交戦状態になり、それによって、ドイツがアメリカに宣戦布告した事で、ガッツリと戦争に参戦します。しかし、アメリカ本土が戦場になった事はありません。昨今、話題になった風船爆弾が、アメリカ本土で爆発して、何名か被害者が出ましたが、それくらいです。傍観者ではなかったものの、戦争による経済に対する被害という意味では、最も傷が浅かった参戦国です。

こう考えると、アメリカが没落して、どこかに基軸通貨発行国が移るには、「リーマンショック」が、最初の要件と考えると、残るのは、アメリカが経済的に立ち直れないくらいの戦争が起きれば実現する事になります。それが、ありうるかと言えば、十分にありうると考えます。「歴史は繰り返す」からです。そして、それを阻止できるくらい「人類は賢くありません」。

ロシアがウクライナに侵攻する前までは、私も人類の進歩に多少の希望は持っていました。イギリス帝国が、世界を一周する勢いで、植民地を所有していた時代に、「イギリスは将来、没落する」なんて言っていたら、キチガイだと思われたでしょう。でも、起きたのです。結局、科学技術がいくら発達しても、情報の共有がいくら進んでも、人権意識が高まっても、国が諍いを起こす時の動機というのは、実に野蛮でクダラナイ理由から一歩も進化していません。人の意識が変わらない以上、3回目の基軸通貨の移譲は起きて、アメリカの覇権が崩れるという未来は、否定できません。恐らく金融面での信用を崩す経済事件の要件は、既に成立しています。後は、アメリカ主体の戦争が起きるかどうかだけです。そして、その勝ち負けと関係無く、アメリカは没落します。

その時に、アメリカの次に立っていられる基軸通貨発行国があれば良いのですが、もしかしたら、その時になって、始めて発行母体を持たない仮想通貨が輝くのかも知れません。こういう穿った考え方をすると、仮想通貨って、たんなる経済の徒花ではなく、存在に意味があったのかもとも思えます。歴史の必然で発明されたのかもと、ちょっとだけ思います。

残念ではありますが、私はアメリカの次は、無いんじゃないかと考えています。』

アメリカで確実に進む貧困と、資本主義の崩壊

アメリカで確実に進む貧困と、資本主義の崩壊
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/30947748.html

『私は、常々、思うのですが、恐らく資本主義が健全に発達するには、単なるシステムや思想としての要因とは別に、その国を構成する国民の資質みたいなものも大きく関係してくると考えています。アメリカはは、共産主義との抗争の中で、軍事力や謀略で他国を支配下に置き、傀儡政権を作りまくりましたが、資本主義や民主主義が根付き、国が安定した成功例の方が少ないです。

誤解されないうちに言っておきますが、これは良い悪いの話ではないです。思想は思想のみで成立しないという事を言いたいだけです。人が好きで行っている生活習慣に、客観的な評価なんか付けられるわけがありません。それが、著しく一部の人達に不利に働いていたり、虐待や差別に繋がっていない限り、優劣で決めるような事でもありません。

恐らく資本主義という言葉も無く、商業として最初に世界的な繁栄を迎えたオランダですが、他のヨーロッパ諸国と較べて、やはり際立った特徴を持つ民族でした。一つには、ケチという事です。良くオランダ人の特徴と言われています。無駄な出費をしないのですね。お金が無いとか有るとかではなく、外食は高くつくという理由で、余りしません。ホテルなどの外泊も、必要が無い限りしないですし、中にはキャンプ場に持参したテントで外泊を済ませる人もいます。これが、良くケチに見られる理由なのですが、一方で、募金や困っている人を助ける事に対する出費は惜しみません。つまり、必要の無い事に出費をするのが、嫌いなのです。質実剛健と言い換えたほうが、耳障りが無いかな。あと、産業にとって重要な、時間に厳しく、規則正しい生活を送っています。これが、面積が決して広くないオランダが、世界に君臨し、近代資本主義前の時代の経済を制した理由です。

その後に、覇権を取った、イギリス、アメリカは、プロテスタントというキリスト教宗派が社会に大きな影響を持った国です。プロテスタントの中にも、分派があるのですが、イギリスを追い出されたピューリタンが移住した土地がアメリカです。物凄く、大雑把なくくりで分けると、両国ともプロテスタントの国と言えます。プロテスタントの信条は、勤労と禁欲です。つまり、個人の利益を追求せずに、社会に還元する事を美徳とする文化です。アメリカで成功した億万長者が、物凄い額の寄付をするのは、この教えがあるからです。

つまり、資本主義社会の下で、経済的に覇権国になった国は、必ず強欲を抑制し、勤労で稼ぎ、禁欲で自分を律する社会の規律を、民族として持っている社会であるという事です。これが、資本主義というシステムや思想だけ、他国に輸出しても、なかなか、うまくいかない理由です。資本主義は、構造的に富の独占が起きやすいし、それを防ぐのが難しいです。なので、文化として、それを抑制し、自主的に分配する事が、道徳として根付いていたり、その価値観が美徳でないと、必ず富の独占が起きてしまいます。つまり、手段を問わず、儲かるなら倫理観を捨ててでも、儲けに走るという社会になりがちです。

アメリカの経済が荒れてきたのは、その価値観が崩壊してきているからです。例えば、学校の給食は、ジャンクフードに溢れていて、学校の校内にはコーラの自動販売機があります。これは、学校に援助金を出すのと引き換えに、コカコーラ社が、校内に設置して、いつでもカロリーの高い清涼飲料水が飲めるようにしているのです。また、給食にしても、食材の提供会社に買収された栄養士組合が、ピザを野菜にカウントするように法律を変えてしまいました。トッピングに野菜が入る事があるからです。大部分は、小麦ですけどね。その影響で、アメリカの小学生などで、太り過ぎで成人病になる子供が出ています。しかし、起業側からすれば、子供の健康よりも、自社の製品が売れたほうが良いわけです。

その仕組は、幼少期に味覚の嗜好を形成してしまえば、その人物は、一生涯に渡って、コーラとピザを消費し続けてくれる期待があるからです。その利益たるや、学校に出す援助金程度は、軽くペイできてしまいます。言い方は悪いですが、自社製品を消費する機械に変える絶好のチャンスなのです。実は、マクドナルドなどのファースト・フード業界も、この戦略をとっています。とにかく、子供連れを集客する為に、子供向けのオマケを配ったり、イベントを開催します。店の内装には、原色を使ったハッキリとした特色を出します。これは、将来の長い期間、消費をし続けてくれる子供に、マクドナルドの味を刷り込み、餌付けする為の演出です。楽しい体験と、食事をセットにする事で、恐らく生涯に渡ってマクドナルドを利用しますし、彼らの子供も親に習うでしょう。

今、アメリカ社会を崩壊させている薬物のフェンタニルは、年間で7万人の命を奪っています。この薬は、ヘロインの何十倍も強力で、依存性も高い物質です。麻酔・鎮痛薬として優秀だったので、手術や集中治療時など、専門家しか処方ができなかったのですが、これを、医師の処方箋があれば、服用できるようにしたのが、アメリカの製薬会社です。建前としては、医師の的確な指導があれば、鎮痛剤(オピオイド)として使用する事に問題が無いとの事でしたが、結局は社会に大量の中毒患者を発生させてしまい、今の惨状になっています。これも、結果が予想できなかったわけではなく、規制から外してしまえば、大量に売れる事が、製薬会社には判っていたから、認可をさせたわけです。一部の人間の人命と引き換えに、ビッグ・マーケットを手に入れたわけです。フィラディルフィアなどは、薬物中毒でゾンビと化した市民が、白昼から街を徘徊しています。そのまま、道端で中毒症状が悪化して、死ぬ人も多いです。

つまり、社会よりも商売。命よりも利益みたいな価値観が出てきてから、アメリカ社会は、おかしくなってきています。資本主義の制度的な欠陥もあるのですが、社会が壊れてきた理由は、こちらのほうが大きいです。明確に人の命を脅かしていないものの、社会に害が発生すると判っていて、「個人の責任」という事で、商売が成立する以上、それを妨害しないという価値観になってしまいました。ありていな言葉で言えば、道徳の低下です。これは、その社会における自身の命を守るコストを引き上げる、目に見えない大きな要素です。

先日の記事で、アメリカの消費者は、インフレで生活が厳しいのに、経済指標で数字を見ると、まったく消費を自粛していないという事を書きました。その大きな要素が飲食です。それも、いわゆるジャンク・フードです。ポテトチップスやポップコーンの消費は、むしろ増えています。これは、ストレスの解消に役立つからと言われていますが、大きな理由に生活困窮者に支給される食料引換券のフード・スタンプと交換しやすい食品だからという話もあります。小麦・トウモロコシ・ジャガイモなどの農家は、材料として大量消費されるジャンク・フードが売れると、収入が増えます。つまり、政府が支払いを保証してくれる上、高い食材が買えない、フード・スタンプ利用者が、ジャンクフードを食べてくれると、安定した売上が維持できます。その代わり、高カロリーで、栄養の偏った食事を毎日のように摂る生活困窮者は、体だけブクブクと太る事になります。体も壊すでしょう。でも、農家にとっては、安定して消費してくれるから、その方が儲かるのです。つまり、消費者には、消費してくれる事しか期待しておらず、それが一番、生産者にとって利益が出るという事です。

米国でのアルコール飲料の消費も増えるばかりです。米国の20~49歳で死亡した人のうち、5人に1人は飲み過ぎが原因でした。つまり、アメリカの今の消費が衰えないのは、経済が強いからというより、消費が止められないからです。その証拠に、カードローンの残債が、物凄い勢いで増えています。つまり、今までと同じ生活するのに、カードで借金しないと賄えないのです。もちろん、政策金利が上がっていますから、借金の金利も上がっています。次々とカード破産する人が出るのも、時間の問題です。

そして、福祉にかける予算の削減から、小さな犯罪は、取り締まるのを諦める地域も出ています。カリフォルニア州などでは、刑務所が足らないので、10万円以下の窃盗は、重罪に問わないという法律を施行しています。通報しても、直ぐに釈放です。そもそも、警察の手が足らないと、逮捕しに来ません。なので、警備員がいる眼の前で、棚にある商品を、大量にリュックに詰める万引き犯も普通に出ています。ここまで、極端でなくても、アメリカの小売店全体で、万引きは増加していて、ナイキやウォルマートなどの大手小売は、万引きが原因で、店舗の閉鎖を余儀なくされています。

つまり、資本主義という欠陥のある制度を、補っていた規律・道徳・美徳という社会の価値観が、利益の追求の前で矯正する力を失った結果、まるで、どこかの未開発国のように、市民の生活が荒れて、安全に生きる為のコストが上がっているのです。「生存する為のコスト」というのは、あらゆる意味で、消費を促進します。犯罪が多ければ、自衛の為に武装したり、防犯設備が必要です。農薬や遺伝子操作された食材を避けたければ、コストを払ってオーガニックにする必要があります。自分の命が脅かされる事は、それから守る為に、色々な消費が増える事を意味します。これは、いずれは、アメリカの社会全体を揺るがす大きな問題になると思います。資本主義は、システム的に、その中に自壊する仕組みを持っています。それを、押し留めるのは、運用する社会の価値観なのです。それが、力を失った時、その社会は崩壊します。』

米、同盟国に対中制裁の可能性打診 ロに軍事支援なら

米、同盟国に対中制裁の可能性打診 ロに軍事支援なら=情報筋
https://news.yahoo.co.jp/articles/5b697b5a9fb5d8315b79f2ba0760c09c9acff872

『[ワシントン 1日 ロイター] – 米政府は、ウクライナでの戦争で中国がロシアに軍事支援を行った場合、新たな対中制裁を科す可能性について同盟国に打診している。米政府高官や複数の情報筋が明らかにした。

【動画】FBI長官「新型コロナは武漢の研究所から流出の可能性高い」 中国反論

協議はなお予備的な段階で、主要7カ国(G7)を中心に多数の国からの支持を取り付けることが狙いという。

米政府が具体的にどのような制裁措置を提案するかは明らかになっていない。

ホワイトハウスと米財務省はコメントを控えている。』

戦時統制の準備か 中国軍、有事に刑事訴訟法運用へ

戦時統制の準備か 中国軍、有事に刑事訴訟法運用へ
https://www.epochtimes.jp/2023/03/139187.html

『中国の全国人民代表大会常務委員会は24日、軍が有事の際に刑事訴訟法を調整し運用する決定を採択した。この決定により、軍が戦時の状況に合わせて刑事手続きを調整することが可能となる。専門家は中国共産党が戦時統制の準備を進めているとの見解を示した。

中国国営メディア新華社通信によると、同決定は25日に施行され、戦時には軍が捜査や起訴、判決、執行という一連の刑事法の法執行を行うことが可能となる。その具体的な手続きは、軍の実権を握る中央軍事委員会(トップは習近平氏)の規定に基づいて行われる。』

 ※ 無料は、ここまで。

米国の対中国攻勢:Cobra Gold演習が最大規模で

米国の対中国攻勢:Cobra Gold演習が最大規模で [安全保障全般]
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2023-03-01

『タイ米国関係が微妙でも、コロナ前規模が復活
オブザーバ国含め30か国7400名規模の大演習
気球、半導体、コロナ中国起源説など米の対中国攻勢

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2月28日、タイ軍と米軍が共同開催する世界最大の軍事演習の一つで、コロナ前の規模に戻った30か国参加の「Cobra Gold」演習で開始式典が行われ、約2週間にわたる「実動演習」「指揮所演習」「人道支援演習」の主要3分野演習に計約7400名が参加する訓練がスタートしました

時あたかも、不動産バブル崩壊に端を発する中国経済低迷や共産党統治の「ほころび」が指摘され始め、米国がこの機に乗じて「気球」「半導体」「コロナ中国起源説」などの対中国攻勢を矢継ぎ早に持ち出し、中国への圧力を強めるタイミングであることから、(毎年定期開催の演習ながら)軍事面での包囲網示威活動として注目を浴びています

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演習開始式典を報じる一部の米軍事メディアには、米国が2014年のタイ軍事クーデターを厳しく非難してきたことで、タイ軍内に米軍に対する「怒り」や「恨み」が根強く残る中での微妙な開催だと指摘する論調も見られますが、米軍4000名とタイ軍3000名が中心となる7400名規模の大規模での同演習規模復活は、欧州からの参加国(英仏独スウェーデンギリシャ)も含めた対中姿勢を打ち出す役割を十分に果たしていると思います(中国も参加国との心の広い演習ですが・・・)

1982年にタイ米の海洋演習として始まった演習は、地上活動を主体とする統合演習に発展し、中国の関与が深い地域特性を反映して「軍事ゴリゴリ」演習ではなく、広く参加が得やすい人道支援や救難救助や「contingencies other than war」も大きな柱になっている演習ですが、確実に実績を上げてきた演習で、日本はフルスケール参加国5か国(他はSingapore, Indonesia, South Korea、Malaysia)として最近貢献しています

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また今回の「Cobra Gold 23」演習では、初めて宇宙ドメイン指揮所演習が組み込まれ、「太陽嵐:solar storms」などの宇宙空間現象が、通信や衛星にインパクトを与え軍事活動に影響が出るシナリオを共有体験&対処する想定が含まれているようです

開始式典の挨拶や訓示では

●タイ駐在米国大使が「本演習は未来に焦点を当てている。どの国も単独では成し得ない複雑な問題を解決すべく、世界中から30か国もの国が集まった」、「このような協力を持ってのみ、我々はこのような課題に対処でき、それぞれの国民の安寧を維持できる」と挨拶し、
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●John Aquilino太平洋軍司令官は「本演習を通じ、自由で開かれたインド太平洋地域を維持し、全ての国家が平和で安定的に反映できるような環境を、共に守っていくとの決意を示す」と抱負を述べています

28日付Military.com記事から演習概要ご紹介

●「実同演習:Field training」では、着上陸、戦略的空挺訓練、非戦闘員避難、実弾射撃を実施

●「人道支援演習」では、6か所での学校建設工事を含む活動実施

●「指揮所演習」では、宇宙現象対処、自然災害対処、救難救助、緊急事態対処、患者後方輸送、化学物質流出対処、火災対処を実施

参加30か国の内訳は・・・

●共同主催国2か国 :タイと米国

●フルスケール参加国5か国
Singapore, Japan, Indonesia, South Korea and Malaysia

●人道支援演習のみ3か国
中国、インド、豪州

●小規模緊急事態対処訓練のみ10か国
Bangladesh, Canada, France, Mongolia, Nepal, New Zealand, the Philippines, Fiji, the United Kingdom and Brunei

●オブザーバー参加10か国
Cambodia, Laos, Brazil, Pakistan, Vietnam, Germany, Sweden, Greece, Kuwait, and Sri Lanka

米国防省の特設Cobra Gold演習広報webページ
→https://www.dvidshub.net/feature/CobraGold
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US China2.jfif

米国は中国国内情勢の混乱を察知し、タイミングを合わせたように「気球」「半導体」「コロナ中国起源説」などを持ち出し、国際包囲網で中国締め付けに乗り出したような気がします。

中国報道官の米国やその同盟国への最近の厳しい発言も、なんとなく中国国内の困難振りを暗示しているような気もします。中国に進出中の日本企業は、早めに退却した方が良いと思います・・・

タイと米国関係の関連
「対中国で分散作戦演習JPMRC」→https://holylandtokyo.com/2022/11/14/3900/
「タイが中国戦車追加購入へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-04-05
「タイが中国潜水艦購入へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2015-07-13

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holylandtokyo.com/2020/04/15/727/

タグ:米国 Cobra Gold Cobra Gold 23 John Aquilino タイ 』

米国前駐ロシア大使が戦争を諦めないプーチン氏の心中語る

北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:米国前駐ロシア大使が戦争を諦めないプーチン氏の心中語る
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5415043.html

『プーチン氏は2023年2月21日の年次教書演説で、「西側諸国が戦争を始めた」、「西側がロシアに『戦略的敗北』をもたらそうとウクライナを利用した」、「存在そのもののために戦っているのは、ウクライナではなくロシアだ」という見解を繰り返した。

ロシア政府と交渉するのはどのような感じなのか。ウラジーミル・プーチン大統領はなぜウクライナを簡単には諦めないのか。アメリカの前駐ロシア大使がBBCに説明した。

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ジョン・サリヴァン氏The former US ambassador to Russia John Sullivan:左 は、ロシアによるウクライナ侵攻の前まで、アメリカ大使としてモスクワにいた。戦争を防ごうとロシア当局と話をした人物だが、「向こうは本気でやりとりしてこなかった」と言う。
「ロシアは自国の安全保障を要求したが、ウクライナの安全保障については建設的に話そうとしなかった。決定済みの論点以上のことは決して言わなかった。見せかけだけだった」アメリカは紛争を終わらせるため、対話を続ける努力をもっとすべきか。そう尋ねると、サリヴァン氏はプーチン氏について「開戦前、交渉に関心がなかったし、今も交渉には関心がない」と述べた。

ロシアは「特別軍事作戦」の失敗にもかかわらず、当初宣言した目標(ウクライナの「脱ナチス化」と「非軍事化」)は変えていないと、サリバン氏は言う。

ロシアが掲げるそうした目標は、つまり「キーウKyivにある政府の排除と、ウクライナ国民の服従」を意味すると、前大使は解釈する。これは、ソヴィエト連邦の崩壊でばらばれになったロシア民族を再集結させるという、プーチン氏が描いている構想の一部でもある。

「民主的に選ばれた政府が、とりわけゼレンスキー大統領が率いる政府が、キーウに存在することを、(プーチン氏は)認めるわけにいかない」とサリヴァン氏は言う。

「その政府が存在する限り、彼は決して満足しない。なぜなら、その政府はロシアにとって、そして彼が作ろうとしている大ロシア国家構想にとって、脅威だと考えているからだ」。

では、プーチン氏はどうなれば戦争をやめるのか。、、「勝つことはできないと、彼が確信する必要がある」とサリヴァン氏は言う。

「勝利は到底不可能だと確信するまで、彼は攻撃を強めるだろう。戦場でどれほど重大な敗退をすれば、その確信に至るのかはわからない。ただ、現時点ではその状態に全く近づいていない」。

サリヴァン氏はまた、プーチン氏は長期的な展望の持ち主だと話す。「達成したいビジョンがあり、それを簡単には諦めない」はずだと。

一方で、ウクライナ人も簡単にはあきらめないはずだと、サリヴァン氏は考えている。

そして、ウクライナを構成する4400万人のスラヴ民族に自分への拒否感を植え付けたことが、プーチン氏による戦争の戦略的失敗のひとつだと、前大使は言う。

「ウクライナ人は許さないし、忘れない」とサリヴァン氏は言う。「仮にゼレンスキー大統領が戦争を終わらせようと、領土で譲歩し、基本的に降伏したいと思っても、ウクライナ国民がそれを許さないだろう」。

このような軍事的、政治的、イデオロギー的な対立がある以上、アメリカは長期戦に備えなければならない。

サリヴァン氏は、今年中にこの紛争が終わるとはみていない。「その先のことは分からない」とサリヴァン氏は言う。「ただ、プーチン氏は出口を求めていない。この特別軍事作戦の目標は達成されると、常に繰り返している」参照記事 英文記事

 K10013498911_220https _imgix-proxy.n8s.jp_DSXZQO1639661025022022000000-1、、、
狂信的な独裁者相手では、どんな交渉も成立しない。2022年2月24日の開戦当初から言われていた事でもある。

「特別軍事作戦」と言いながら、多数のスパイをゼレンスキー氏や主要高官暗殺の為にキエフに送り込んだが、事前に発覚して一網打尽にされ混乱を演出できなかった。

幾人も暗殺してきた、彼の自信過剰が招いたと筆者は思っている。ウクライナ情報部を教育したのはソビエトで、見下していたのだろう、、、。

バイデン大統領は、開戦前からいち早くロシアの侵攻を明言していたが、恐らく上記の様なサリヴァン氏らの報告が基になっていたのだろう。過去ブログ:2023年3月旧ソ連構成国、ロシアの足元中央アジア5カ国歴訪の米国務長官:2023年2月プーチンは中国を蚊帳(かや)の外扱い :2月中国が2023年2月24日にウクライナ戦争和平案を提示:』

ウクライナの今後の戦況の見方と東部で戦力を消耗するロシア軍

北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:ウクライナの今後の戦況の見方と東部で戦力を消耗するロシア軍
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5415203.html

『ウクライナ当局者はロシア連邦が解体する可能性があると主張している。写真はロシア軍陣地を砲撃するウクライナ軍戦車(Photo by ANATOLII STEPANOV/AFP via Getty Images)

すでに1年以上続くウクライナ戦争では、10万を数えるロシアの若者が犠牲となった。

いっぽう、プーチン大統領は数万人規模の花火大会でナショナリズムを煽り、人類を滅ぼしかねない核の脅威を鼓吹することで、侵略戦争を正当化しようとしている。戦争の残酷さは、ロシアの熱狂的なナショナリズムに覆い隠され、埋もれている。

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2022年2月24日の夜明け前、戦争は突如として起こった。キーウ側は当初、防戦に徹していたが、勝利への道筋はすでに見えていた。ウクライナ軍情報部のヴァディム・スキビツキー(バディム・スキビツキー:Vadum Skibitsky)副部長:左 はメディアの取材に対し、侵攻開始当初からウクライナは自国を防衛する手筈を整え、自信を持って敵軍を迎撃することができたと語った。対照的に、大きな過ちを犯したのはロシア連邦軍であり、ウクライナ軍の戦力を過小評価していたとスキビツキー氏は指摘した。

ロシア軍がウクライナ領に侵攻した当日、ロシアの寡占資本家(オリガルヒRussian olygarchs)たちはクレムリンに集められた。プーチン氏は彼らに対し、ウクライナ侵攻を支持する以外に選択肢はないと告げた。

いっぽう、西側諸国による前例のない制裁は彼らの富を破壊し、ロシア経済も多大な損失を被った。軍需産業や金融企業など、100以上の事業体や個人が制裁対象となった。

一方、ウクライナはロシア以上の犠牲を払っていた。8,000人以上の民間人が殺害されたばかりか、国中のインフラが破壊され、都市は荒廃した。

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しかし、最終的により大きな代償を支払うのはロシアだろう。ウクライナの国家安全保障・国防会議長官オレクセイ・ダニロフ(Oleksiy Danilov)氏:右 は、ロシア連邦の解体はすでに進行しており、いかなる交渉でもその流れを止めることはできないと語った。大地震を止めることができないのと同じ理屈で、ロシアの「地震」を止めるのは不可能だという。

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ロシア内部の混乱はすでに戦闘部隊で表面化し始めた。民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏は2月22日、弾薬不足が原因で戦死したとされる戦闘員の遺体の画像を公開し、ロシア軍への批判を強めた。ショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長が弾薬や物資の補給を差し止めたと非難した。

ワグネル社とロシア軍上層部の緊迫した関係はさまざまな憶測を呼んでいる。ロシア軍がワグネル社の影響力を抑えるべく、国営メディアに関連報道を行わないよう要請しているという。

さらに、ワグネル社が刑務所から囚人兵を募集することが禁止され、戦闘で消耗した人員の補充が困難となっている。このまま消耗が続けば、犯罪を働いた囚人による傭兵部隊は地上から消滅するかもしれない。

戦争犯罪の責任をワグネルに押し付けることこそ、プーチン氏をはじめとするロシア指導部の思惑なのだろうか。

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内外から圧力を受けるプリゴジン氏(Yevgeny Prigozhin)に同情する者がいるとすれば、それはチェチェン共和国の指導者カディロフ氏だろう。同氏はワグネル社を高く評価し、自身の私兵を養成することを考えている。

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プリゴジン氏とカディロフ氏(Ramzan Kadyrov)は、いずれもプーチン氏の個人的な盟友だが、公の場ではロシア軍指導部を非難してきた。

両氏は、ロシア連邦への忠誠心はほとんどなく、歴史的な理由や個人的な恨みから深い敵意さえ持っている。戦争がどのような形で終結しようとも、両氏はロシア連邦にとって潜在的な脅威となるだろう。(筆者:いづれも、私兵を傭兵としてウクライナへ投入し、ロシアから莫大な資金や武器を手にしていると見ていいだろう)

ロシア連邦は89(国際的には83)の連邦構成主体からなり、そのおよそ4分の1は非スラブ系住民が多数派だ(特に南部、シベリア)。

国民に占める非スラブ系のタタール人やバシキール人、チュヴァシ人、チェチェン人などの割合は年々増加している。これらの民族の忠誠心は政権から得られる福祉の厚さと比例しているため、彼らの子息が徴兵され戦死までする状況では、プーチン政権への忠誠心を期待することは容易ではない。

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ウクライナの政府関係者は戦争の勝利を堅く信じており、ロシア連邦が崩壊するという彼らの「予言」も実現する可能性がある。

しかし、ロシアでは、少なくとも表面的にはプーチン氏と戦争への支持が根強いようだ。それを裏付けるかのように、モスクワで開催されたのは犠牲者を悼む祈祷集会ではなく、勝ち目のない戦争をもてはやす花火の祭典だった。FireShot Webpage Scre参照記事 過去ブログ:2023年2月ロシアの民間軍事会社ワグナー・グループの収入源とその額:1月ウクライナ戦争後の復興財源や戦争裁判に関する関心高まる:1月プーチン後の人物は? ある考察:2022年10月ウクライナ兵士の「戦場のダンス」と戦況:映像:東部の街マリンカMarinkaを破壊し続けるロシア軍戦車 

3月1日の記事によれば、ロシア軍は最近のブFireShot Webpage Screenshot #667 – ‘Special KhersonフレダルVuhledarへの戦闘で、ウクライナ軍の待ち伏せ、砲撃、地雷などの攻撃で、少なくとも130台の戦車と装甲兵員輸送車を失ったという。

ニューヨークタイムズ紙は、ロシア軍がVuhledarで経験豊富な戦車隊長の不足に苦しみ、戦闘員の多くはウクライナの待ち伏せ戦術の訓練を受けていない新兵だったと伝えている。参照記事 記録映像 記録映像 記録映像 記録映像 ウクライナの攻撃総集編 』

台湾有事 国、自治体は常に備えを

台湾有事 国、自治体は常に備えを
https://www.worldtimes.co.jp/security-and-okinawa/20230208-168881/

『(※「世界日報」2023年2月8日の記事だ)

安保セミナー 元陸将補・矢野義昭氏が講演

沖縄の保守系シンクタンク日本沖縄政策研究フォーラム(仲村覚理事長)は1月21日、豊見城市内で新春安全保障セミナーを開催した。元陸将補で日本安全保障フォーラム会長の矢野義昭氏が「台湾有事、直面する危機どう備えるか―いま求められる沖縄の声―」として講演し、有事への備えの重要性を訴えた。(沖縄支局・川瀬裕也、写真も)

急がれる台湾「国家承認」

核保有含めタブーなき議論を

中国は近年、覇権拡大の動きを強めており、多くの専門家らが、習近平政権下で台湾有事が起こる可能性が高いと指摘。昨年、銃撃事件で亡くなった故安倍晋三元首相はかつて「台湾有事は日本有事である」と述べている。

矢野氏はこの発言などに触れ、「中国が台湾本島を包囲するためには台湾東側の尖閣諸島を占有する」こと、さらに「台湾からの避難民が沖縄本島や在沖米軍基地に避難した場合、人民解放軍が攻撃してくる」可能性があることを分析。台湾有事に備え、政府や自治体は「住民の安全を確保することを常に考えなければならない」と強調した。

矢野氏は現在進行中のウクライナ戦争について、ロシアは2015年ごろから砲弾、ミサイル、最新装備の研究開発や生産など戦争準備を始めていたと指摘。その上で「将来の脅威は何かという共通認識を持たなければならない」と語り、日本政府が安保3文書などで未(いま)だに中国を明確な「脅威」と断言していないことを問題視した。

一方で自衛隊の戦力については、「人口に対する(自衛隊員の)比率は世界的に見ても最低水準だ」とし、特に予備自衛官が約4万8000人しかいないと強調した上で、「ウクライナは(予備役軍人が)90万人いたから戦えている」と準備の大切さを改めて強調した。

矢野氏は、中国が台湾に本格的に軍事侵攻した場合、

①台湾が全力で戦い抜く意思を持つ
②米国が即時に介入し軍事的支援を開始する
③日本は南西諸島や本土に攻撃を受けることを覚悟して、米軍に基地を使わせる
④台湾軍が豊富な対艦対空ミサイルを保有していて戦場で即導入できる――

という前提がないと勝ち抜くことは難しいと主張。

日本が戦争に巻き込まれることを覚悟で、時の政権や国民がこれを支持するかどうかは不確定だと述べた上で、台湾を国家として正式に認める「台湾国家承認」が急がれると語った。

最後に矢野氏は、日本がもし台湾有事に軍事介入しようとした場合、中国は核による恫喝(どうかつ)も視野に入れていると指摘し、「唯一日本が生き残れる道」として、核保有の重要性を訴えた。

原子力潜水艦の製造から弾道ミサイルに至るまで、タブーなき議論をすべきだと持論を述べた。

核を保有する米国と同盟関係にあっても核恫喝を受けるのかとの参加者からの質問に対しては、中露が連携している限り米国は核戦力において劣勢であると指摘し、「米国としては、瞬時に数千万人の損害が出るような中露との核の応酬は考えていない」とした上で、「核の傘は機能しない」と断言した。』

『抑止力向上の声は沖縄から

日本沖縄政策研究フォーラム・仲村覚理事長

日本沖縄政策研究フォーラムの仲村覚理事長が1月21日、新春安全保障セミナーで「沖縄を決して戦場にしない!緊急を要する抑止力整備」と題して講演した。以下は講演要旨。

台湾有事の時、沖縄の人たちを避難させるため、沖縄県に図上演習をするように陳情書を提出し、実際に訓練が行われた。有事のときに県民の命を守るのは自衛隊ではなく県の仕事だ。

政府が安保行政を大きく変えた時、しわ寄せが真っ先に来るのが沖縄だ。下地島空港を米軍が使わせてくれという申請をしたら宮古島は反対しなかったが、沖縄県が反対をしたため、米軍が訓練を取りやめた。抑止力を強くしていくことに関して、ブレーキを踏むのは実は沖縄県だ。

日本の抑止力を低下させる最大の敵は日中友好(中国)だ。尖閣諸島の衝突事件直後に中国で流れたテレビ番組で「琉球独立運動をした琉球人を日本政府が大虐殺をした」とのプロパガンダが放送された。これらの琉球独立工作と戦っていかなければならない。

安全保障戦略で日本は軍事的増強の道が示されたが、沖縄県自身が最大の障害となっている。その背後には中国による沖縄琉球独立工作がある。最悪の場合、中国は「琉球の主権を放棄しないと核を東京にぶち込むぞ」と恫喝(どうかつ)するかもしれない。
(※ ありそうな話しだ…。)

沖縄から声を上げれば、日本政府は何百億円何千億円かけてでも沖縄を守るように動いてくれる。今後も声を上げ、世論をつくっていかなければならない。』

ウクライナ侵攻372日の戦況、ロシア軍がバフムートのアクセスルート遮断に王手

ウクライナ侵攻372日の戦況、ロシア軍がバフムートのアクセスルート遮断に王手
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/372-days-after-the-invasion-of-ukraine-russian-forces-cut-off-bakhmuts-access-route/

『ウクライナ侵攻372日の戦況はロシア軍がバフムートのアクセスルート(00506)遮断に王手をかけている状況で、市内の戦いもバフムトフカ川東区域の大半をロシア軍が支配している状況だ。
ゼレンスキー大統領が「ますます困難になっている」と表現するバフムートの状況

ゼレンスキー大統領は先月27日に「バフムートの状況がますます困難になっている」と言及していたが、ウクライナ参謀本部が1日午後~2日午前に発表した戦況報告、OSINTやロシア側情報源を戦況マップに落とし込むと以下の通りになる。

出典:GoogleMap バフムート周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

ウクライナ軍参謀本部の発表からベルヒルカやヤヒドネに対する記述は消え、オリホヴォ・ヴァシリフカ、クロモヴェ、イワニフスキーで敵の攻撃を撃退(青で囲んだ拠点)したと明かしており、特に注目すべきはバフムートに残された最後のアクセスルート「00506」が経由するクロモヴェへの地上部隊による攻撃だ。

ここを落とされるとウクライナ軍は車輌でバフムート市内にアクセスするのが困難になり、軍用トラックや商用車での物資輸送や相当厳しくなるだろう。

出典:GoogleMap バフムート周辺の道路事情/管理人加工(クリックで拡大可能)

一応、00506からイワニフスキーの裏に繋がる未舗装の農道的なものは幾つか存在し、不整地を踏破できる車輌ならチャシブ・ヤール方面に移動することも可能だが、天候や気温によっては泥の海と化す可能性があるため、クロモヴェを失うと安定的なバフムートへのアクセスはもう望めないだろう。

他にもOSINTやロシア側情報源はボタニフカへのロシア軍接近を報告しており、バフムート市内の東部と南部でロシア軍は前進を見せており、もうバフムトフカ川の東側区域はロシア軍が大半を支配している状況だ。
バフムートと比較すればアウディーイウカの状況は安定しているもののロシア軍は包囲に向けた試みを諦めていない

アウディーイウカ方面にも動きがあり、ウクライナ軍参謀本部はカムヤンカ、トネネキー、ペルヴォマイスキー、ネーベルズキーで敵の攻撃を撃退(青で囲んだ拠点)したと明かしている。

出典:GoogleMap アウディーイウカ周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

さらにウクライナ軍はオプトネからアウディーイウカに向かうロシア軍の撃退した動画を公開しており、ヴォーダイン~オプトネの突出部が北に向かってじわじわ拡大していることを示唆、さらにロシア側情報源はクラスノホリフカへの前進も報告している。

まだバフムートと比較すればアウディーイウカの状況は安定しているものの、ロシア軍は包囲に向けた試みを諦めていない。

ウクライナ軍は反撃準備を整えるため「あと1ヶ月~2ヶ月ほど時間が必要」を言われており、どこかの戦線でロシア軍の戦力を拘束しなければならず、バフムートを守るウクライナ軍部隊がその矢面に立たされているのだが、流石に反撃準備が整うまでバフムートを維持するのは難しいだろう。

出典:Anita Anand レオパルト2の訓練を受けるウクライナ兵士

最近はロシア軍(ワグナー)の攻勢に押されるウクライナ軍というニュースが多いため、日本でも「ウクライナ軍はまもなく大敗北喫し戦争終結」などというよく分からない記事が登場しているが、仮にバフムートを失っても戦争全体から見れば小さな勝利の1つ過ぎず、バフムートの戦い、ロシア軍の攻勢、ウクライナ軍の攻勢の結果に関わらず「戦争は何年も続く=どちらも1回の攻勢で戦略レベルの決定的勝利を収めるのが難しい」というのが一般的な評価だ。

もしウクライナの戦争継続が難しくなるとしたら春攻勢が大失敗に終わり、この結果を受けて西側諸国が交渉による戦争終結に傾いたときだけだろう。

出典:U.S. Air Force photo by Senior Master Sgt. Glen Flanagan

そのためウクライナ軍はもう暫く我慢の時間を過ごすしかなく、春攻勢で何らかの結果を西側諸国に示して新たな支援獲得に繋げる必要がある。

関連記事:ロシアがバフムート北地区の制圧を主張、同地区を闊歩する様子も公開
関連記事:噂レベルの話、ウクライナ軍がバフムートでロシア軍の突出部を挟撃?
関連記事:ウクライナ侵攻367日目の戦況、バフムートはロシア軍の大釜に捉えられる寸前

※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
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投稿者: 航空万能論GF管理人 ウクライナ戦況 コメント: 44  』

『 2023年 3月 02日

返信 引用 

今回の戦争でロシアや中国が侵攻してもNATOは直接介入はほぼしてこないとわかってしまったから台湾侵攻は早まったのではないだろうかと勘繰ってしまう。
13

    名無し太郎
    2023年 3月 02日
    返信 引用 

ここまでバイデンが弱腰な態度を取る理由が、本当に分からない。この期に及んで、まだプーチンが話しの通じる人間だと思っているのだろうか?
プーチンは狂人だから、放置しておくのは危険すぎるし、交渉の成り立つ相手ではない。プーチンは見せしめのために、絶対に戦争犯罪人として裁かなければならない。秩序と平和は、所詮は見せしめの上にしか成り立たない。

別にウクライナは国際正義のために戦っている訳じゃないし、結果論でしかないのだけど、それでも狂人が率いる軍隊と戦い、民主主義の防波堤となっている。平和な国の人間の代わりに、血を流している。
そしてロシアが勝ったら、世界中の危険な独裁者が、自分の狂った大義を実現するために暴走を始めるかもしれない。それを防ぐためにも、ウクライナに勝たせなければならない。
それなのに旧式の兵器しか送らないのは、どうにも理解に苦しむ。アメリカや軍事産業も、新型兵器のデータが欲しいだろうに。
14
        ActivePresent
        2023年 3月 02日
        返信 引用 

    バイデン大統領がそうかはわかりませんが、ロシアが自らの国力をボロボロにしながらもウクライナに勝利するというシナリオを望んでる層は幾らか居そうな気がします。というのは、そうすると戦後のアメリカ主導の国際政治がやりやすいだろうということと、そう仮定するとこれまでのアメリカのよくわからないウクライナ支援の動きがが却って逆に実に見事な政治運びに見えてくるということからです。あくまで私個人の憶見にすぎないことですが。
    5
            な
            2023年 3月 02日
            返信 引用 

        私もアメリカは支援を手加減しているとおもいます。

        仮に侵攻初期にイラク戦争みたいにワンサイドでロシア軍が壊滅して
        終戦したら削れるロシア軍は、高々15万人とその装備だけになってしまいます。
        そうなると超大国のロシアが残ってしまいます。
        シーソーゲームだからこそ極東からも
        過去の備蓄からも軍備をかき集めているのです。

        穿った見方をするとアメリカはハルキウ反攻でウクライナが勝ちすぎて
        まずい失敗したと、考えたのではないかと思います。
        ウクライナ圧勝でなくジリジリロシア軍をウクライナ領に
        引き込んで破壊するのが最重要目標なんだと思います。

        最終的にウクライナが勝利した方が良いのでしょうが
        アメリカがこだわるのはそこではないのかもしれません。
        2 』

『 くらうん
2023年 3月 02日

返信 引用 

理由は主に3つで、ひとつは最新兵器は機密の塊のため。
ウクライナが民主主義の防波堤といえど米軍はもちろんNATOですら無いため、おいそれと新型兵器を渡すことは機密漏洩のリスクが高まります。過去のウクライナと中国や北朝鮮との軍事的繋がりもあり、今その繋がりが完全に消えたとは言い切れない。それが無かったとしても、鹵獲されてロシアに機密が漏れる可能性がある。

2つ目はアメリカ自体の軍事力の強化維持のため。これはここのサイトでも散々書かれているので言うまでもないでしょう。

そして最大の理由がロシアが核大国のため。仰るようにプーチンとその取り巻きは狂人のため、大敗の可能性が高まるほど戦術核使用のリスクが正比例します。使い方にもよりますが、それをウクライナでやられた場合は米国やNATO諸国は嫌でも何かしら強いアクションを取らなければならない。そしてロシアは核使用のハードルが(自分の中で)下がっているので、更なる使用をする可能性がある。そうなったら最早どこまでいくかはわかりません。

残念ですが、相手が狂人であるがゆえに、やりたい支援が簡単にできないのが現実です。
11 』

『 幽霊
2023年 3月 02日

返信 引用 

ロシアとの核戦争の危険性を受け入れてまでウクライナを守る理由はNATO加盟国やアメリカにありませんからね。
台湾に関しても同じでしょう
ただ台湾はアメリカが中国に渡したくない技術があるのでウクライナよりは介入の可能性は高いと思います。
18

    名無し太郎
    2023年 3月 02日
    返信 引用 

>ロシアとの核戦争の危険性を受け入れてまで

アメリカの軍事技術ならロシアの核攻撃は防げるし、仮にロシアが核を撃ったら通常兵器だけでロシアを無力化できる。だから核戦争には至らないはず。
もしロシアの核に屈したと世界が解釈すれば、核軍縮は停滞する。それに、ますます世界は不安定化し、紛争が多発するようになる。

それに別に軍を送る訳じゃなく、せめて最新の兵器を送るべきだ。制空権がない以上は、戦車は使いこなせないと思うが。
戦闘機が無理なら、せめて偵察用ドローンや長距離ミサイルを送るべきだ。この二つがあれば、戦車を使った機動戦がやりやすくなる。
1
        Hk
        2023年 3月 02日
        返信 引用 

    これは相互確証破壊、核抑止が最早成立していないとゆう記述ですが、管理人さんそうなのでしょうか?
    極超音速ミサイルや、SLBMを含めてもアメリカは全て防ぐことができるのですか?
    11
        伊怜
        2023年 3月 02日
        返信 引用 

    >アメリカの軍事技術ならロシアの核攻撃は防げるし、仮にロシアが核を撃ったら通常兵器だけでロシアを無力化できる。だから核戦争には至らないはず。

    今のところ100%核攻撃を防ぐ方法はありません。
    そして1%でも核攻撃を食らう可能性があるなら、ウクライナよりも自国の安全を優先するのが世界の選択です。(ちなみに弾道ミサイルの迎撃率は迎撃方法によって異なるが概ね85%程度)
    更に言えば、通常戦力でのロシア制圧は未だかつて無いほど危険なミッションであり、米軍にも多大な損害を出すでしょう。ロシアウクライナ戦争以上の泥沼になるかもしれません。
    そうなれば中国の一人勝ちもあり得ます。無傷の中国軍がアジアで戦争を起こしたら、もう誰も止められませんね。
    21
            名無し太郎
            2023年 3月 02日
            返信 引用 

        >通常戦力でのロシア制圧

        別に今の状態でロシアに宣戦布告する訳じゃない。仮にロシアが核を使っても、報復としてアメリカは核を使ったりしないし、その必要もないってこと。
        報復でロシアの海上と航空戦力を叩けば、ロシアは虎の子の軍事力を失う。報復としてはそれで十分なはずだから、アメリカが核で報復するってのは飛躍しすぎじゃないかな?
        別にロシア本土を制圧する訳じゃない。ロシア本土に軍を送って制圧なら泥沼だけど、ロシアの軍事力を削ぐだけなら泥沼にはならないはず。
        仮に核攻撃されたら、アメリカが核で報復するってことが既成事実のようになっていることが、前から不思議に思っていた。あれだけの軍事力があるのだから、非人道的兵器を選ぶのは、国益に反する非合理的な判断だと思う。
        1
                ななし
                2023年 3月 03日
                返信 引用 

            あたおかで草
            認知が歪んでいるにも程があるだろ 』


G
2023年 3月 02日

返信 引用 

ロシアは6000近くもの核弾頭を持っており、この半分でも使用されようものならアメリカの全戦力を割り当てても防ぎきることは不可能かと
12

    匿名
    2023年 3月 02日
    返信 引用 

核戦争になったら核弾頭をロシアは3000発も打てない。ロシアの広い国土でも、核ミサイル百発落とされたら、核分裂により産み出される電波と放射線で、数日間核ミサイル含めた電子機器が使用不可能になる。
そのあとで核ミサイルをアメリカが世界に貸し出した核ミサイルで世界中から被害うけていない所から一方的にうたれるでしょうからね。
アメリカが核減らしたのは、核ミサイルを沢山所有していても大量の核ミサイル撃つ時間はない。数百発の核ミサイルの撃ち合いで終わり全世界で5億人ほどの被害で終わる。
1
        a
        2023年 3月 02日
        返信 引用 

    核関連は必ず電磁パルス防御を行っていますので、どの国でも報復攻撃は迅速に行われますよ。
    また冷戦時代には自国の上で数百発の核を爆発させ続けて放射能の雲で相手の核弾頭を無力化しようという計画も米国であったようですが当然計画中止になりました。
    5 』

『 トーリスガーリン
2023年 3月 02日

返信 引用 

台湾有事がどうなるかは微妙内ラインですよね

仮に中国が台湾全土占領による併合を目指すなら相当な準備行動がみられると思います

ウクライナ戦争では威圧してるだけでまさかマジで侵攻せんやろと(一部専門家除いて)思ってましたが、前例が出来てしまった以上中国が大規模な準備行動を開始したら実際に侵攻する可能性が否定できず、その時点で米国(+NATO)が動き始めることが出来るかどうかにかかってるかと

即座に追加の空母打撃軍とグアム・在日米軍への部隊増派を決断して実行できるなら、損害を恐れて中国も踏み留まる可能性があると思います

バイデンさんはどうかな、そこまでやれますかね…
4 』

『 花束
2023年 3月 02日

返信 引用 

米国はともかくNATOが台湾有事に直接介入することはあり得ません。
4 』

『 TKT
2023年 3月 02日

返信 引用 

まずロシア軍としては、クロモヴェを制圧して、00506号線道路を完全に遮断し、バフムト市街に残るウクライナ軍を完全包囲し、全員降伏させるか、壊滅させるかするのが先決、最優先でしょう。

クロモヴェが制圧されてしまえば、バフムト市街に残るウクライナ軍はもはや徒歩で退却するのも非常に困難と思われます。南北から激しい十字砲火や、爆撃を受けるのは当然です。

現時点で、バフムト市街に残るウクライナ軍がどのくらいの人数なのかは不明ですが、それらが全部降伏するか、壊滅すれば、ロシア軍は浮いたバフムト包囲軍を他に回すことができます。

すでにM03号線道路に近いオリホヴォ・ヴァシリフカがロシア軍に攻撃されていますが、バフムト包囲戦、市街の掃討戦が完了すれば、さらにミンキフカやザリズニャンスキーに、戦車旅団や空挺師団、ワグネル社の部隊を回して、スラビヤンスクを目指して一気に北上することも考えられます。チャシブ・ヤールは迂回もできます。

ウクライナ軍による損害の発表はないので、果たしてウクライナ軍がバフムトでどのくらいの人数、装備の兵力、部隊を失ったのかは、またこれから失うのかは全然わかりませんが、いずれにしてもそれによって、ウクライナ軍の春の攻勢だとかの規模や、行われる地域も大きく左右されるでしょう。NATO各国も自国が保有する戦車の台数や状態をはっきりと把握していないのです。あるいは結局、ウクライナ軍による春の攻勢などは全く行われずに終わる可能性もありますし、仮に攻勢を行ってもすぐにロシア軍に阻止されて終わる可能性もあります。供与されるレオパルト2戦車なども、春の攻勢の前に各地の防戦のために分散されて投入されるかもしれません。
10

     
    2023年 3月 02日
    返信 引用 

うーん、『可能性もある』し、『考えられる』し、『かもしれません』ね。
8
        あ
        2023年 3月 02日
        返信 引用 

    面白い言い回しですね。
    でも確率論で言うと
    極端に寄ったケースの
    期待値は0に近くなりそうです。
    3 』

『 な
2023年 3月 02日

返信 引用 

ウクライナ軍はもはや徒歩で退却するのも非常に困難
道路の両隣に広く畑が広がっています。
車輪ならぬかるみに足を取られるだろうけど
徒歩なら困難はないと思います。
悪く見積もっても泥濘で田んぼ様を横切る程度で
人間なら楽々抜けられるでしょう。
行軍が遅くなるのはウクライナ軍だけではなく
ロシア軍も同じですし。

装軌車は微妙な感じがします。
やはり、ぬかるみに足を取られるかもしれない。

だから管理人氏も装輪車の言及をしたのだと思います。

あとウクライナ軍も馬鹿ではないから
市内に装甲車を残しているとも思えません。
数日前までM03号線でウクライナ軍戦車が頑張っていた
動画がありましたね。
1

    らっく
    2023年 3月 03日
    返信 引用 

敵の火制範囲下、草原での徒歩行軍など、足下がどんな状態でも楽ではない。
3
        な
        2023年 3月 03日
        返信 引用 

    軍事なので楽ではないのは当たり前だと思います。
    言いたいのは徒歩の移動自体は難しくないことです。

    >徒歩で退却するのも非常に困難

    これだと道路でないと徒歩での移動は無理と聞こえます。
    徒歩で移動は可能です。
    徒歩はかなり悪条件でも移動できます。
    動力車の移動に比べて遅いだけです。
    沢伝いの移動や、何もない山やジャングルの移動すら可能です。

    ベトコンあたりはそのような
    厳しい条件で奇襲を行っていたと思います。
    戦争は相手のあることだから簡単ではないでしょう。
    ただ移動自体は不可能ではないでしょう。

    なんども言いますが道路がなければ
    装輪車は通行不可能に近くなるかもしれませんが
    人は違います。

    装輪車についてのみ上の記事で管理人氏が指摘しています。』

『 ななし
2023年 3月 02日

返信 引用 

今まではロシアは郊外で高台に攻める場合が多く不利だったものが、クロモヴェに対しては高知からの攻撃となるためややロシア有利というのがウクライナには厳しそう。
仮に道路やクロモヴェを確保できなくても、近くまで接近できれば輸送や撤退に影響が出ると考えると…

これからの泥濘は基本的に防衛のウクライナ有利ですが撤退に関してだけはウクライナ不利になりうるので、増援でロシアを弾き返してルート確保できるかどうか。
特に春の攻勢を行うのにバフムートで戦い抜いた精鋭は大きな役割を果たすと思うので、できるだけ多くの兵士を早めに無事撤退させて今のうちに休ませて欲しい。
これだけ時間を稼げば後方に防御陣地も組まれているでしょう。
4 』

『 K(大文字)
2023年 3月 02日

返信 引用 

>もしウクライナの戦争継続が難しくなるとしたら春攻勢が大失敗に終わり、この結果を受けて西側諸国が交渉による戦争終結に傾いたときだけだろう

これはどうでしょう。
西側諸国から飛び交うコメントを見るに、一つ二つの敗戦で交渉に傾くようには思えないんですよね。
ロシア側の「戦争犯罪」「虐殺」を糾弾し(この二つは相当重たいワードです)、また最近ではNATO高官から「(ロシアと)元の関係には戻ることはない」と言った発言がありました。
それと「ウクライナの自由と独立を守る」という名分からすると、ウクライナ自身の戦意が失われない限り西側諸国は支援を継続するのではないでしょうか。その内容は時々の情勢に左右されるでしょうが。
8

    TKT
    2023年 3月 02日
    返信 引用 

そのへんを考えると、このサイトの記事でも、レズ二コフ国防相が解任されて、ウクライナ国防省のブダノフ准将が後継の国防省になるという話が流れたり、内務大臣がヘリコプターに乗ってる最中に墜死したり、最近でも東部ドンバス地区の作戦司令官が解任されたりと、どう見ても非常に大きな混乱が、キーウの政府にあります。

オデッサでの強制徴兵の話や、ウクライナ軍兵士の敵前逃亡や、脱走兵の話、さらには誇張とは思われますが、バフムトに来てからのウクライナ兵の平均寿命が4時間とか、そんな話も増えてきています。

また中国がロシアに兵器の供給を始めるとか、北朝鮮はすでにワグネル社に兵器を供給しているとか、ベラルーシを通して中国がロシアに兵器を供給するとか、
「並行輸入」
するとかいう話もあります。イギリスのウォレス国防相も最近は思い通りにいかないためか、かなり投げやりというか、ヤケクソな言動が目立ちます。

ノルドストリームをアメリカ軍の指示で、ノルウェイ海軍の対潜哨戒機が爆破したというようなピューリッツァー賞受賞記者の話もあり、ドイツでも反発が強まっています。

はたしてこんな状態のウクライナ軍や、それを支援するNATOに、長期戦が本当に可能なのでしょうか?
6
        たら
        2023年 3月 03日
        返信 引用 

    ロシア軍にも長期戦が可能なのかと思わせる事情は多数ありますね。』

『 ななし
2023年 3月 02日

返信 引用 

ひとつふたつの局所的な敗戦ならば言うとおりでしょう。例えばバフムートを失陥したとしてもほぼ影響はないと思います。

しかし、準備された戦略的な攻勢そのものが失敗したとなれば話が異なります。

現状でも「ウクライナ軍が負けることは支援さえ続けばほぼないだろう、だが占領された領土を奪還し勝利で終われるのか?」という疑問符がつきまとっており、もし春攻勢で成果が出なかった場合、「ウクライナは負けはしないが勝てもしない、泥沼の戦争が続く」と判断される可能性があります。

もちろんウクライナを負けさせないために、もしくは再攻勢のための支援は続くでしょう。しかし支援量は増産体制が整うまで限りがあります。

しかし戦争が長引き多額の支援が長期間続くとなれば物価高や税金の使い方などで反発する勢力が増えてきます。

欧州は可能なら早めに戦争状態を終わらせて欲しいものの――もちろん可能ならウクライナの勝利で、しかしそれが長い間達成できなさそうならば――必要ならば交渉による停戦という手段も選択肢に入るのは仕方なく、これはウクライナの戦意とは関係なく判断されることです。

もちろん交渉による停戦案を受け入れないのもウクライナの自由ですが。

ですのでバイデン大統領が言うように、出来るなら早期の反撃で成功し結果を見せつけて世界に希望を持たせないといけないのですね。

5 』

『 山田さん
2023年 3月 02日

返信 引用 

管理人さんが、元陸将補の矢野を批判してて草
陸自はこんなアホを将官にしたこと、まじで反省してほしい
5

    言いたい事はわかる
    2023年 3月 02日
    返信 引用 

批判は承知していますが、腐っても元将官。陸軍中野学校の後継機関である小平学校の元副校長で実務者。何かしらの分析に基づいた個人的な意見の表明なのですから、書かせてあげていいと思います。
信じるか否定するかは思想信条の自由。
13

    な
    2023年 3月 03日
    返信 引用 

元米海兵隊のスコット・リッターとかマグレガー退役大佐が
でてくるだけでも読む価値無しの記事ですね。
彼らはオーム心理教に洗脳された元自衛官みたいなもので
なにかに取り憑かれちゃった人たちです。
元陸将補の矢野氏はそれを信じちゃっただけかも。
1 』

『 もへもへ
2023年 3月 02日

返信 引用 

ウクライナ発表とか親宇の人の情報ばかり見てると連戦連勝で今にも勝利しそうに言ってるし、同じようにロシアや親露の人も相手はすぐ崩壊すると言ってる。

戦争にプロパガンダはつきものとは言えリアルタイムで見てると本当に頭ばぐりそう。
6

    あ
    2023年 3月 02日
    返信 引用 

>ウクライナ発表

揚げ足取りになってしまうかもしれませんが
ヘルソン反攻あたりから
ウクライナは細かいことはなにも
発表しなくなった気がする。
発表するのは
「どこそこでウクライナ軍がロシア軍を撃退した」
という話だけ偶にロシア軍に大損害を与えたと言うくらい。
印象としてウクライナ軍発表が一番情報量が少ない。
ヘルソン反攻はバンバン情報を流していたのに。。。

ロシア発表も幼稚園児でも分かるような嘘を
多量に入れてくるので情報としての価値が少ない。
3
        もへもへ
        2023年 3月 03日
        返信 引用 

    >揚げ足取りになってしまうかもしれませんが
    いえこちらも表現が足りなかったと思います。申し訳ない。

    あまりどっちもどっち論は使いたくないですが、ウクライナと西側の発表もロシア発表もある程度裏付けられない限り信じられなくなってます。
    とくにこの前のバフムートの幻の大反撃とか、日頃は親露派のプロパガンダを徹底的に糾弾してた人が喜々として大騒ぎしてたのに、ガセネタだとわかったあとも特に悪びれる様子もなく引き続き同じくことやってるのを見ると、結局西側も頭Zの人たちと同じレベルの人間なんじゃないかと思えてきました。
    13 』

ロシアとの和平を拒否し、核戦争へ向かうバイデン政権を動かしている好戦派

ロシアとの和平を拒否し、核戦争へ向かうバイデン政権を動かしている好戦派 | 《櫻井ジャーナル》 – 楽天ブログ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202303020000/

『アメリカの​ロニー・ジャクソン下院議員は2月26日、ジョー・バイデン大統領の認知機能が低下しているとツイート​した。ジャクソンは海軍の退役准将で、2013年7月から18年3月にかけて大統領医務官を、また2019年2月から19年12月にかけて大統領首席医療顧問を務めている。ちなみに2009年1月から17年1月までの大統領はバラク・オバマ、17年1月から21年1月まではドナルド・トランプだ。

 バイデンの認知能力は大統領選挙中から疑問視されていたので、ジャクソン議員の書き込みは驚きでないが、現在の世界情勢を考えると深刻である。

 バイデンは大統領に就任して間もない2021年3月16日、ABCニュースの番組でインタビュアーからウラジミル・プーチン露大統領は人殺しだと考えるかと問われ、バイデンは「その通り」と答えている。どの国が相手でも大統領として口にしてはならないことだが、ロシアはアメリカに核兵器で対抗できる国である。

 その発言だけでなく、バイデン政権はロシアや中国に対して経済戦争を仕掛け、軍事的な緊張を高めてきた。そうした中、オバマ政権から続くウクライナの軍事力増強政策を続け、反クーデター派が支配するドンバス(ドネツクやルガンスク)への攻撃が近いと言われるようになる。ウクライナ軍がドンバス周辺に集結、砲撃が激しくなったからだ。

 それに対してプーチン大統領は2月21日にドンバスの独立を承認、2月24日にウクライナの軍事基地や生物化学兵器の研究開発施設などを巡航ミサイル「カリブル」などで攻撃しはじめた。ウクライナ軍が先手をとったならドンバスへ地上部隊が入り、民族浄化作戦が展開された可能性が高い。その段階でロシア軍が介入しても手遅れで、住民の殺戮も西側の有力メディアはロシア軍のせいにしただろう。

 2月24日以降もロシア軍は現時点まで本格的な軍事介入をしていないが、ウクライナ軍は壊滅状態。キエフ政権を操るアメリカ/NATOはウクライナ軍に対して「玉砕戦法」を強要、戦死者は15万人程度に達していると見られている。ロシア側はその約1割と言われている。

 ウクライナ政府は早い段階に18歳から60歳の男子が出国することを禁止、動員の対象にし、45歳以上の男性だけでなく少年兵も前線へ送り込んだと言われていた。最近では60歳程度の男性が街角で拘束され、前線へ送り込まれているという。その様子を撮影した複数の映像がある。

 アメリカやイギリスなどは自国の特殊部隊を投入しているが、それでも兵士は足りず、傭兵を集めてきた。その傭兵の多くはポーランド人やイスラエル人だということが携帯電話のやりとりから判明しているが、それだけでなく、シリアのアル・タンフにあるアメリカ軍の基地で訓練しているダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)の兵士を投入する可能性もあるようだ。

 そうした戦況ではあるが、アメリカ/NATOによる軍事支援を受けたウクライナ軍と戦うロシア軍は不十分で、軍の内部からもクレムリンに対する不満が高まる。そこでロシア政府は昨年9月21日に部分的動員を発表した。30万人から40万人が集まった。

 しかし、大半は訓練が必要で、準備が整うまでに半年は必要だと言われていた。つまり3月に訓練は終わると見られているが、実際に投入されるのは中国の習近平国家主席がロシアを訪問した後だと推測されている。

 そうした中、昨年9月26日にロシアからドイツへ天然ガスを運ぶために建設されたパイプライン、「ノード・ストリーム(NS1)とノード・ストリーム2(NS2)が爆破された。状況からアメリカ/NATOが実行したと見られていた。​今年2月8日には調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュがノード・ストリーム爆破に関する記事を発表​、その中でアメリカ海軍のダイバーがノルウェーを拠点として実行したとしている。

 ノルウェーはイェンス・ストルテンベルグNATO事務総長の母国だ。ハーシュによると、3月にはサリバンのチームに属すメンバーがノルウェーの情報機関に接触、爆弾を仕掛けるために最適な場所を聞き、ボルンホルム島の近くに決まった。

 バイデン大統領の下、ジェイク・サリバン国家安全保障補佐官、アントニー・ブリンケン国務長官、ビクトリア・ヌランド国務次官が中心になり、統合参謀本部、CIA、そして財務省の代表が参加したという。

 CIAがパイプラインの爆破計画を提出したのは2022年の初頭。ノルウェーは爆破地点の選定や工作の拠点作りに協力し、スウェーデンやデンマークも関係したという。ウクライナで戦っているのはロシア軍とアメリカ/NATO軍だとすでに指摘されているが、ハーシュの記事はその分析と合致する。

 プラスチック爆弾のC4が使われたが、仕掛けるためにはロシアを欺くためにカムフラージュが必要。そこで利用されたのがNATO軍の軍事演習「​BALTOPS22​」だ。その際にボーンホルム島の近くで無人の機雷処理用の潜航艇を使った訓練が行われた。

 バイデン政権を核戦争へと導いているのはネオコンだが、中でもサリバン国家安全保障補佐官、ブリンケン国務長官、ヌランド国務次官が重要な役割を果たしている。

 サリバンはエール大学時代、ローズ奨学生としてイギリスのオックスフォード大学へ留学している。ちなみに、2011年12月から2014年までロシア駐在アメリカ大使としてプーチン政権の転覆を目論んだマイケル・マクフォールもローズ奨学生としてオックスフォード大学に留学している。この奨学制度に資金を出しているローズ・トラストは1902年にセシル・ローズの意志に基づいて創設された。

 ローズは優生学を信奉していた。彼は1877年6月にフリーメーソンへ入会、その直後に『信仰告白』を書くが、その中で彼はアングロ・サクソンこそが最も優秀な人種であり、その居住地が広がれば広がるほど人類にとって良いと主張している。領土を拡大して大英帝国を繁栄させることは自分たちの義務だという。(Cecil Rhodes, “Confession of Faith,” 1877)

 ローズは帝国主義者であり、その人脈にはウィンストン・チャーチルも含まれている。チャーチル家にカネを出していたのはローズのスポンサーだ。ネオコンの中心グループに属しているダグラス・フェイスが国防総省のオフィスにチャーチルの胸像を飾っていたのは必然だと言える。チャーチルを「最初のネオコン」と呼ぶ人がいる理由もそこにある。

 ブリンケンは父方の祖父がウクライナ出身、ヌランドは父方の祖父母がウクライナからの移民。こうした出自が彼らの行動に影響しているのかもしれない。なおズビグネフ・ブレジンスキーはポーランド生まれ、マデリーン・オルブライトはチェコスロバキア生まれだ。

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最終更新日 2023.03.02 11:42:21 』

コソボを併合して大アルバニアを実現しようとする動きにも米国の世界制覇戦略

コソボを併合して大アルバニアを実現しようとする動きにも米国の世界制覇戦略 | 《櫻井ジャーナル》 – 楽天ブログ
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『 ​アルバニアのエディ・ラマ首相が2月21日に来日、翌22日には岸田文雄首相と総理大臣官邸で会談​、「ロシアのウクライナ侵略」を強く非難することで一致したというが、アルバニアはコソボを併合して「大アルバニア」を実現しようと目論んでいる。その構想をアメリカは支援しているが、その理由は大アルバニアをアメリカの軍事拠点にすることにあると見られている。

 現在、セルビアのアレクサンドル・ブチッチ大統領はコソボの独立を認めるようにアメリカから強い圧力を受けているのだが、昨年5月に議会で「コソボとメトヒヤを含むセルビアの主権と領土全体をその不可欠な部分として維持する」と誓っているが、フランスとドイツが作成したコソボ独立の計画が今年1月20日に公開された。キエフのクーデター体制の軍事力を増強する時間稼ぎをするためにロシアと「ミンスク合意」を結んでみせたコンビだ。

 言うまでもなく、セルビアはユーゴスラビアの一部だった。そのユーゴスラビアを解体する工作をアメリカが始めたのは1984年のことだ。当時のアメリカ大統領、ロナルド・レーガンは「NSDD133(ユーゴスラビアに対する米国の政策)」に署名したのである。

 この地域にはカトリック、ギリシャ正教、イスラムなどの宗教を信じる人びとが生活していたが、内戦が行われるようなことはなかった。すでにポーランドではレーガン大統領とローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が手を組み、秘密工作を始めている。その一端はバチカン銀行の不正融資という形で発覚していた。

 ソ連が自壊し始めた1991年にはユーゴスラビアも壊れ始める。その年の6月にスロベニアとクロアチアが独立を宣言、9月にはマケドニア、翌年の3月にはボスニア・ヘルツェゴビナが続いた。4月になるとセルビア・モンテネグロがユーゴスラビア連邦共和国を結成、社会主義連邦人民共和国は解体される。

 そしてコソボではアルバニア系住民が連邦共和国から分離してアルバニアと合体しようと計画、それをNATOが支援しはじめた。この間、西側の有力メディアはセルビア人による「人権侵害」を口実にしてユーゴスラビアを攻撃するよう求めているが、後にこの人権侵害話は嘘だったことが明らかになっている。

 当初、コソボの分離独立運動を主導していた組織はイブラヒム・ルゴバの率いるLDK(コソボ民主化連盟)。この組織は非暴力で、セルビア側も事態の悪化を懸念して運動を許していた。

 ソ連消滅後の1992年2月にはフランスのランブイエで和平交渉が始まり、セルビア側はコソボの自治権を認め、弾圧もやめることで合意、交渉はまとまりかけるのだが、それをNATOは嫌う。そこでNATOはセルビア側が受け入れられない条件、つまり車両、艦船、航空機、そして装備を伴ってNATOの人間がセルビアを自由に移動できるという項目が付け加えたのだ。せいルビアをNATOが占領するということにほかならない。(David N. Gibbs, “First Do No Harm”, Vanderbilt University Press, 2009)

 これについて日本の外務省は「セルビアがNATO軍のコソボ展開を受け入れず決裂」したと説明している。1992年3月にはユーゴスラビア駐在アメリカ大使だったウォーレン・ジンマーマンはサラエボでボスニアのイスラム指導者だったアリヤ・イザドベゴビッチと会談したが、この人物は第2次世界大戦中、「青年ムスリム」に参加していた。この組織はナチスと行動を共にし、セルビア人やユダヤ人の虐殺に加担したと言われている。(F. William Engdahl, “Whom The Gods Would Destroy,” mine,Books, 2016)

 この当時、西側の有力メディアは軍事介入を煽る「報道」を続けていた。例えば、1992年8月にボスニアで16歳の女性3人がセルビア兵にレイプされたとニューズデーのロイ・ガットマンは報道しているが、別のジャーナリスト、アレクサンドラ・スティグルマイアーやマーティン・レットマイアーらの取材によってガットマンの話が嘘だということが判明している。

 当時、ガットマンはドイツのボンで支局長を務めていた人物で、自分で取材したわけではない。ヤドランカ・シゲリなる人物から得た情報をそのまま書いたのだが、このシゲリはクロアチアの与党で民族主義の政党、HDZ(クロアチア民主団)の副党首を務め、クロアチアの亡命者が創設したプロパガンダ組織CIC(クロアチア情報センター)のザグレブ事務所の責任者でもあった。1996年にはジョージ・ソロスの人権擁護団体HRWがシゲリを主役にしたドキュメント映画を発表、ガットマンは1993年にピューリッツァー賞を贈られている。

 ボスニアでの状況について、ICRC(赤十字国際委員会)は全ての勢力が「不適切な行為」を行ったとしている。セルビア人による組織的なレイプが行われた証拠はない。(Diana Johnstone, “Fools’ Crusade,” Monthly Review Press, 2002)

 アメリカなどNATO加盟国の情報機関はジハード傭兵をボスニア・ヘルツェゴビナへ送り込み、破壊と殺戮を拡大していた。戦闘員が運ばれた主なルートはクロアチア経由だったとされている。

 ジハード傭兵の仕組みは1970年代にズビグネフ・ブレジンスキーが作った。サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心に戦闘員を集めてCIAが訓練、訓練を受けた戦闘員をデータ・ベースに記録するというものだ。

 1997年5月から2001年6月までイギリスの外務大臣を務めた​ロビン・クックが2005年7月にガーディアン紙で説明したように、このデータ・ベースが「アル・カイダ」​にほかならない。アラビア語でアル・カイダはベースを意味、データベースの訳語としても使われる。戦闘員の募集活動をしていたのがオサマ・ビン・ラディンだ。なお、クックは2005年8月6日に休暇先のスコットランドで散歩中に心臓発作で急死した。

 ジャーナリストのレナテ・フロットーによると、サラエボにあるイザドベゴビッチのオフィスで1993年から94年にかけてオサマ・ビン・ラディンを何度か見かけたという。(F. William Engdahl, “Manifest Destiny,” mine.Books, 2018)

 ビン・ラディンはセルビアに対する戦闘の準備を進め、その一環として1994年7月にロンドンでARC(助言改革委員会)を設立する。ビン・ラディンは1996年にスーダンを追放されてアフガニスタンへ移動、そこから98年までの期間にロンドンの仲間へ電話連絡している。その回数は238回に達するという。(T. J. Coles, “Manufacturing Terrorism,” Clairview, 2018)

 ビル・クリントン政権は1995年11月に関係勢力の代表をアメリカのオハイオ州デイトン近くにあるライト・パターソン空軍基地へ集めて合意を成立させた。アメリカはコソボを分離させ、そこへアメリカ軍の基地を建設して居座ることを考えていたと言われている。

 この頃、アメリカ政府はセルビアと協調関係ないったLDKを排除し、麻薬業者のKLA(コソボ解放軍、UCKとも表記)に置き換える。KLAの活動は1996年2月にコソボ北部にいたセルビア人難民を襲撃することからスタートさせた。(Gregory Elich, ‘The CIA’s Covert War,’CovertAction Quarterly, April-June 2001)

 クリントン政権は1997年1月に国務長官をクリストファー・ウォーレンから反ロシア感情の強い好戦派で、ブレジンスキーの教え子でもあるマデリーン・オルブライトへ交代させる。オルブライトは1998年秋にユーゴスラビア空爆を支持すると表明した。

 この空爆の地ならしとして有力メディアはセルビア人を悪魔化する偽情報を流す。そうした偽情報を流したひとりがウィリアム・ウォーカーなる人物。コソボにあるユーゴスラビアの警察署で45名が虐殺されたと主張したのだが、警察側とKLAとの戦闘で死亡したのだ。その様子をAPのテレビ・クルーが撮影していたことから嘘はすぐに露見した。

 このウォーカーは1988年から92年までエル・サルバドル駐在の大使を務めていた。1989年にエル・サルバドル軍の部隊がカトリックの指導的立場にあった司祭6名とハウスキーパーやその娘を殺害した際、事件に関する調査を彼は妨害している。

 ユーゴスラビアのスロボダン・ミロシェビッチ大統領は1998年10月の終わりにコソボからの撤退計画を発表するが、KLAは和平を受け入れない。軍事的な緊張を高めてNATO軍を戦争へ引き入れるため、KLAはセルビアに対して挑発的な行動に出た。これはアメリカ側の意向を受けたものだ。決して親セルビアとは言えないヘンリー・キッシンジャーでさえ、1998年10月から99年2月までの期間で、停戦違反の80%はKLAによるものだと語っている。(David N. Gibbs, “First Do No Harm”, Vanderbilt University Press, 2009)

 そして1999年3月から6月にかけてNATO軍はユーゴスラビアへの空爆を実施、4月にはスロボダン・ミロシェビッチの自宅が、また5月には中国大使館も爆撃されている。勿論、この攻撃で多くの市民が殺され、建造物が破壊された。

 この空爆を司令部はアメリカ大使館にあったと考えられている。その中心にいたのはアメリカ外交団のトップだったリチャード・マイルズ。体制転覆の専門家と言われている。6月3日にロシア政府はセルビアのスロボダン・ミロセビッチ大統領に対して降伏するように勧告、コソボをめぐる戦争は終了するが、セルビアもロシアもコソボの独立を認めていない。

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最終更新日 2023.03.03 02:50:02 』

同盟不在のウクライナ、命綱は装備 長期戦の懸念

同盟不在のウクライナ、命綱は装備 長期戦の懸念
防衛・大転換 激動の世界④
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN20D5O0Q3A120C2000000/

 ※ 「同盟(≒軍事同盟)」の神髄は、「自国民の兵士を、犠牲を厭わず差し出すことと、見つけたり!」だな…。

 ※ そういう「本質」を、分かっている人間が、何割いることやら…。

『バイデン米大統領は2月20日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を電撃的に訪問した。ゼレンスキー大統領は会談後の記者会見で「この訪問の成果は必ず戦場や領土の解放に反映される」と話した。

重要だったのは米国からの武器支援を継続するとの約束だ。主な対象は事前に表明済みのものにとどまったものの、バイデン氏は「ウクライナが今後も勝利を続けると確信している」と強調した。

ロシアが侵攻してからの1年間、米国は…

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『ロシアが侵攻してからの1年間、米国は支援の質を徐々に高めてきた。当初は携行型対戦車ミサイル「ジャベリン」が効果を発揮した。その後は高機動ロケット砲システム「ハイマース」や防衛用の長距離地対空ミサイル「パトリオット」も提供を決めた。

ウクライナはかねて戦車や戦闘機を求めていたが、主力戦車の供与が決まったのは2023年1月になってからだ。戦車を使いこなす訓練は途上にある。

「ウクライナが国境を越えて(ロシアを)攻撃できるようにはしない」。バイデン氏は説く。ゼレンスキー氏が欲しい戦闘機や長射程ミサイルの提供に慎重なのはそのためだ。

ウクライナが米国製兵器を使ってロシア領土を攻撃すれば、米国も巻き込まれかねない。第3次世界大戦や核攻撃のシナリオが現実味を帯びてくる。』

『一方で、強力な装備がないままならウクライナは決め手を欠く。戦線は膠着し、ウクライナだけでなく米欧にも「支援疲れ」が出てくる。米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は「(紛争は)少なくとも数年単位」と語る。

ウクライナはなぜ苦境を強いられるのか。米欧など30カ国は北大西洋条約機構(NATO)がある。一国が攻撃されれば他の加盟国が結束して反撃する。

世界最大の軍事同盟に入る国はロシアも簡単に手を出せないが非加盟のウクライナは違う。同盟国もない。米欧は武器・弾薬を支援しても一緒には戦わない。』

『同盟不在の危険性を実感したフィンランドとスウェーデンは22年、NATOに加盟を申請した。ウクライナも参加を求めるが、いまの危機には間に合わない。』

『侵攻の長期化は遠方の安全保障も揺るがす。ウクライナに武器を渡すため、米国はイスラエルと韓国に置く米軍の装備をまわす。駐留米軍の戦力が落ちれば、両国に近いイランと北朝鮮への抑止力は低下する。

元米海兵隊大佐で武器調達に詳しいマーク・カンシアン氏は米軍の武器の在庫を問題視する。ウクライナに大量に提供した155㍉りゅう弾砲の弾薬を侵攻前の水準に戻すなら最短5年かかり、ジャベリンも5〜6年必要だと試算した。』

『日本も影響は受ける。侵攻が長く続けば東アジアの軍事バランスも崩れかねない。世界的に米軍の武器・弾薬の在庫が減るだけでなく、米国製の装備を購入する日本や台湾の防衛力の整備も遅れる心配がある。脅威は連鎖し、世界に広がる。』