米高官、ロシアに武器供与なら中国制裁 欧州と断念迫る
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『【ワシントン=坂口幸裕】米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は26日、中国がウクライナ侵攻を続けるロシアに武器を供与すれば制裁に踏み切る意向を示した。「まだ最終決定していない」との認識を示し、欧州の同盟国と協力して中国に断念を迫っていると明かした。
米CNNテレビなどのインタビューで語った。米国は中国が殺傷力のある武器支援を検討していると分析する。中国がロシアへの軍事支援に傾けば戦況がロシアに優位になりかねないと懸念するためだ。
サリバン氏は「(武器供与する)道に進めば中国に代償を強いることになる。中国の指導者はその点をよく考慮していると思う」と話した。
2022年2月にロシアがウクライナに侵攻した直後、バイデン米大統領は中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と協議した際にロシアを軍事支援すれば経済的な打撃を被る可能性があると伝達。ブリンケン米国務長官も24日に「可能な制裁措置はいくつもある」と警告した。
米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は米CBSテレビのインタビューで「中国には米国と欧州との関係に深刻な影響をおよぼすと明確に伝えた。それは非常に危険で、賢明な賭けではないからだ」と述べた。「中国は結果がどうなるか見極め、どの時点で深刻な事態に陥るかを慎重に判断しているのだろう」との見方を示した。
バーンズ氏は2月上旬に習氏が2027年までに台湾侵攻を成功させるための準備を中国人民解放軍に指示したとの情報を把握していると明言した。CBSテレビのインタビューでは「軍事衝突が避けられないとは考えていない。習氏が27年や他の年に侵略すると決めたわけでもない」と強調した。
「我々の判断では習氏や軍指導部は台湾侵攻をなし遂げられるかどうか疑問を持っている。ウクライナ侵攻で(苦戦する)プーチン(ロシア大統領)の経験を踏まえて疑念を強めたのだろう」とも指摘した。
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