人民のお金の流れを監視し始めた中国政府 : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/30933754.html
『2月24日に、全ての電子決済において、決済の上限が中国で定められました。5000元(約10万円)を上限とするそうです。アリペイやWechatペイのようなアプリ決済だけではなく、ネットバンキング、ATM、クレジットカードでも、同様です。つまり、10万円以上の買い物をする時は、必ず窓口に身分証明証と銀行のカードを持って、手続きをしなければならなくなりました。つまり、銀行口座にある自分のお金でも、自由に使えなくなるという事です。
この理由を、「詐欺防止の為」と説明していますが、恐らく人民の金の流れを把握する為に、制度を変えたと思われます。この役割は、いずれデジタル人民元を普及させて、自動的に把握できるようにする予定になっています。この手続は、許認可を銀行側の判断に任せる形にしているので、必ず許可されるわけではなく、自分のお金であるにも関わらず、使えない可能性もあります。
少し前の記事で、「中国人は、自国通貨の人民元を信用していない」という事を書きましたが、こういう事をするからなんですね。いくら人民元で蓄財しても、ある日、何かの罪をきせられて、没収されるかも知れないし、今回みたいに、いちいち使い道を説明しないと、自分のお金でも使えなくなる可能性があるのです。最大の目的は、元の流出を止めたいという事でしょう。ついでに、人民のお金の使い道を監視する事で、国内の不穏な動きを早期に把握する為と思われます。
中国政府の人民元に対する介入は、他の国が為替レートの調整の為に、市場に介入するという程度のものではなく、レートを安定させる為ならば、全ての手段で操作するというレベルです。なので、中国政府が必死に宣伝して、人民元を基軸通貨の一つにしようとしていますが、それで支払いを受けるほうは、嫌厭するのですね。中国政府の都合で、どういう変動があるか判らないからです。マーケットの摂理に任せる事無く、国の都合で操作しようとする人民元は、今のままでは、どうあっても、外国の信用を得る事ができません。借金漬けにして、経済的に支配している国に対して、無理矢理に人民元決済を迫る事はできるでしょうが、そんな決済額が、いくら膨らんだところで、その通貨が信用された事にはなりません。
日本も決済のデジタル化は、推奨されていますが、これは税金を正確に徴収する為です。貨幣で決済している限り、脱税というのは、比較的カンタンにできます。履歴が改竄できない形で残らないからです。デジタル決済が一般的になると、その誤魔化しが難しくなりますし、税金の算出が正確になります。
しかし、中国政府の目的は、人民元の流出の停止と、人民のお金の流れを把握する事で、社会不安の要素の早期の排除なんですよね。例えば、具体的に本格的な反乱を起こそうとしたら、必ず不自然なお金の流れが発生します。また、外貨に替えて、国外逃亡しようとする共産党の幹部なんかも、クビ根っこを捕まえる事ができます。不正蓄財で貯めた財産を、外貨に替えて、逃亡されたら、国富の流出になるので、これを確実に防止したいというのが、本音のところです。こういうところに神経を尖らせないと、いけないのが、人民元という通貨です。』