コロナ起源、米当局が「中国研究所の流出説」支持 報道

コロナ起源、米当局が「中国研究所の流出説」支持 報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2644T0W3A220C2000000/

『【シリコンバレー=佐藤浩実】新型コロナウイルスの発生源をめぐり、米エネルギー省が中国のウイルス研究所から流出した可能性が高いと判断したことが26日わかった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が、機密情報扱いの報告書の内容を報じた。動物からの自然感染説を支持する情報機関もあり、米国内でも見解が分かれている。

エネルギー省は米国の国立研究所を統括している。WSJによると、同省はこれまでコロナの発生源に関する見解を留保していたが、新たな情報にもとづいて確信度は低いながらも判断したという。他の機関では、米連邦捜査局(FBI)が2021年に「中程度の確信」をもって研究所流出説を支持し、現在も同じ見解を維持している。

一方で、米大統領の諮問機関である国家情報会議(NIC)と未特定の4機関は動物からの自然感染の可能性が高いとみている。米中央情報局(CIA)など2つの機関はどちらの立場を取るか決めかねているという。

米国はかねて、コロナの発生源を調査してきた。21年の報告書では、ウイルスが生物兵器として開発されたものではないとの見解で各情報機関がおおむね一致する一方で、①中国・武漢のウイルス研究所からの流出②動物から人間への自然感染――のどちらが発生源なのかを結論づける決定的な証拠を得られなかったと説明していた。

WSJはホワイトハウスや議会の一部に提供された当時の報告書の更新版の内容をもとに、エネルギー省の判断の変化を報じた。更新された内容が広く公開されるかどうかは明らかになっていない。

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