安保理議長声明、イスラエル入植に「失望」 米国も同調
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『【ニューヨーク=白岩ひおな】国連安全保障理事会は20日、イスラエルが占領するヨルダン川西岸でのユダヤ人入植地の拡大に「深い懸念と失望」を表明する議長声明を全会一致で採択した。安保理によるイスラエルへの非難に米国が同調するのは約6年ぶり。イスラエルは「一方的な声明」だとして反発している。
安保理の声明は、イスラエルの入植活動の継続が、パレスチナ国家の樹立を認める「2国家共存の可能性を危険なほど脅かしている」と指摘した。「平和を阻害するあらゆる一方的な措置に強く反対する」と非難し、パレスチナにはテロ行為の自制を求めた。
米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は20日の安保理会合で「緊張を悪化させ、当事者間の信頼を損なう」として、イスラエルに入植地の拡大をやめるよう求めた。イスラエル首相府は採択を受けた声明で「決して出されるべきではなかったし、米国は決して参加すべきではなかった」と不満をあらわにした。
米国が拒否権を行使せず、安保理によるイスラエル非難に同調したのは2016年12月以来。当時のオバマ政権は、安保理がイスラエルによる入植地建設を違法と非難し、建設停止を求める決議案の採決を棄権し、成立を容認した。
イスラエルのネタニヤフ首相が22年12月に樹立した連立政権は、同氏が党首を務める右派「リクード」のほか、極右・宗教政党が参画。史上最も右寄りの政権として、発足当初からユダヤ人入植地を拡大する方針を打ち出すなど強硬な政策を推し進めている。
12日にはヨルダン川西岸に無許可で建設されたユダヤ人入植地9カ所を「合法化」し、既存の入植地に住宅を建設する計画を発表した。14日には米国、英国、フランス、ドイツ、イタリアの5カ国の外相が入植地の承認を非難する共同声明を出した。
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