総人口8300万人のドイツには今、500万人以上ものムスリムが暮らしている。

総人口8300万人のドイツには今、500万人以上ものムスリムが暮らしている。
https://st2019.site/?p=20882

『Christoph Strack 記者による2023-2-12記事「Germany sees shortage of graves for Muslim immigrants」。

   総人口8300万人のドイツには今、500万人以上ものムスリムが暮らしている。とうぜん、毎日、死者も出るわけだが、土葬ができる墓地を見つけ難いため、難渋するという。

 ドイツには墓苑は3万箇所以上ある。三分の一はキリスト教会の所有地。のこりは市営墓地だ。

 連邦を構成する16州すべてにそれぞれの「埋葬法令」がある。

 ユダヤ教とムスリムは、棺は使わず、屍衣にくるんで土葬する。火葬は宗教的に禁止されている。集合墓への改葬も認めない。ドイツ当局はそれに妥協してきた。

 数週間前、ベルリン市は、市営の墓地はもはや満杯になりつつあると警告した。

 テンペルホフのトルコ系モスクでは、ほぼ毎日、葬送の儀がある。ここでは信者の遺体を棺桶に入れてトルコまで空輸するのである。

 戦後の経済成長期に「ゲスト・ワーカー」として旧西ドイツに招き入れられた多くのトルコ系労働者1世は、死んだら生地に葬られたいと願っているのである。

 トルコイスラム宗教問題ユニオン(DITIB)というドイツ国内の団体が「葬式保険」を運営している。団体は、加入者が死んだらその遺骸をトルコへ空輸し、埋葬してやる。

 ベルリンのトルコ人墓地の歴史は古く、ドイツが1871年に統一されるより前の1866年から存在する。

 だからトルコ人の埋葬問題は大きな課題にはなっていないのだが、今、浮上している問題は、2015年~2016年に大量にやってきたシリア人難民たち。彼らがドイツ国内で死亡した場合は、遺体を出身地へ空輸することなど、事実上、不可能だ。

 ※トルコももっか、場所によっては作法にしたがった埋葬が不可能になっているであろう。ところでタイムリーな本が出た。鈴木貫太郎氏著『ルポ 日本の土葬』(23年1月pub.)。版元は、小川寛大さんの「合同会社宗教問題」だ。同書によれば、日本のイスラム教徒は23万人。うち日本人は6万人弱という。認識をあらたにさせられたのは、大分のトラピスト修道院などではカトリックの土葬が今でも実施されているという話。しかるに「ムスリム墓地」を新設しようとすれば、過疎村であっても必ず近隣市町村から反対されるそうだ。これは命名が下手じゃないかと思った。「一神教信者墓苑」等を標榜するなら、住民をいたずらに刺激することもないであろう。』