ロシア、3月に日量50万バレル減産 日米欧制裁に対抗
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB10C9F0Q3A210C2000000/
『【ヒューストン=花房良祐】ロシアのノバク副首相は10日、同国の原油生産を3月から日量50万バレル減らすとの方針を示した。インタファクス通信などが伝えた。日米欧がロシア産原油に上限価格を設定したのに対抗する狙いで、供給を絞ることで揺さぶりをかける。
世界有数の産油国ロシアの生産量の5%程度に相当する。ロシアはすでに上限価格を設定する西側諸国に石油を販売しない方針を示している。ノバク副首相は同日の声…
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『ノバク副首相は同日の声明で上限価格について「市場への不当な介入」だと批判した。3月以降の生産量を巡る対応については市場の状況を見て決めるという。
北海ブレント先物相場は10日、一時2%以上の1バレル87ドル近くまで上昇する場面もあった。ブルームバーグ通信によると、石油輸出国機構(OPEC)プラスの関係者は同日、ロシアの減産を穴埋めする考えはないことを明らかにした。
OPECプラスは2022年10月、原油需要の先行きが不透明だとして日量200万バレルの減産を決定した。今回のロシアの減産方針は、この枠組みとは別の独自方針だ。
OPECとロシアなどの非加盟産油国で構成するOPECプラスが設立で合意したのは16年。以降、OPECプラスは生産方針を緊密に擦り合わせてきた。ロシアがOPECプラスの方針と別の独自路線を歩むのは珍しい。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、23年1月のロシアの石油生産は日量約1090万バレルで、過去最高だった22年2月(同約1100万バレル)に迫る。
一方、販売では苦戦し、ロシアのウラル原油の1月の平均価格は1バレル50ドルを下回り、国際相場より大幅に安い水準での取引を余儀なくされている。
ロシア政府の歳入のうち、石油・天然ガス収入は1月、前年同月比46%減少した。軍事費の支出も増加しており、22年12月から2カ月連続で財政赤字となった。
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