SpaceXは無人機制御へのスターリンク使用を制限、ウクライナ側は問題ないと主張
https://grandfleet.info/european-region/spacex-restricts-use-of-starlink-for-drone-control-ukrainian-side-claims-there-is-no-problem/
『米SpaceXは「無人機制御にスターリンクを使用する行為は契約の範囲を越えているので制限を実施した」と明かしたが、ウクライナのフェドロフ副首相兼デジタル化担当相は「今のところスターリンクの運用に問題はない」と述べた。
参考:SpaceX’s Shotwell says Ukraine ‘weaponized’ Starlink network
参考:SpaceX forms ‘Starshield’ business unit to focus on national security
参考:Федоров о нововведении SpaceX: Проблем с работой Starlink не наблюдается
安全保障分野におけるスターリンクの使用を明確に禁止し、この分野の需要をスターシールドに誘導するのが狙いではないかと予想されている
SpaceXのショットウェル社長は8日「ウクライナ政府と締結した契約は侵攻で影響を受けた病院、銀行、民間人に高速通信を提供することを目的にしており、ロシアとの戦争に使用される無人機制御にスターリンクを使用する行為は契約の範囲を超えている。我々はスターリンクを兵器化する意図はなかったがウクライナは想定外の方法で、合意の一部ではない方法で無人機制御に使用した」と説明し、スターリンクを無人機制御に使用できないよう制限を実施したと明かした。
出典:Public Domain
SpaceXは国家の安全保障をビジネスターゲットにした新しい衛星通信サービス構想「スターシールド(サービス内容の詳細や開始時期などは不明)」を昨年12月に発表、最も厳しい政府の要求要件を満たすため高度な暗号化通信機能の追加提供や、軍事衛星と統合運用できるようシステムの相互運用性を確保すると説明しており、今回の措置は「安全保障分野におけるスターリンクの使用を明確に禁止し、この分野の需要をスターシールドに誘導するのが狙いではないか」と予想されている。
因みにウクライナのフェドロフ副首相兼デジタル化担当相はSpaceXの制限について「数ヶ月前にジオフェンシングの機能に変化があったが、今のところウクライナのスターリンク運用に問題はない。イーロン・マスクは我々の勝利に貢献する最大の民間寄附者の一人だ。スターリンクは何千人もの命を救い、エネルギーインフラを稼働させ、複雑な手術を行う医師を助け、多くの一般市民にインターネットへの接続ポイントを提供している。SpaceXの貢献度は1億ドル以上で今後もスターリンクの安定した運用を期待している」と述べている。
出典:Public Domain
ウクライナ軍が戦いに使用するスターリンクの状況は不明だが、現在もウクライナ軍がスターリンクを使用して無人機を飛ばしているという報告もあるため、SpaceXの発表は表向きなものである可能性が高い。
関連記事:スターリンクに対するロシア軍の妨害、SpaceXが直ぐに対応して無効化
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
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投稿者: 航空万能論GF管理人 欧州関連 コメント: 2 』