米国、中国気球の情報共有開始 国務長官「数十カ国と」

米国、中国気球の情報共有開始 国務長官「数十カ国と」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN090780Z00C23A2000000/

『【ワシントン=中村亮】ブリンケン米国務長官は8日の記者会見で、中国の偵察気球に関する情報を数十カ国と共有したと明らかにした。「この広範に及ぶ(偵察)計画の標的は米国だけではない」と述べ、同盟国と連携して中国の脅威に対処する立場を強調した。

ブリンケン氏は米国大使館などを通じて各国政府に情報を伝えていると説明した。中国の気球をめぐり「五大陸の国々の主権を侵害した」と批判した。

米国防総省のライダー報道官は8日の記者会見で中国が偵察気球を運用する地域として北東アジアや東南アジア、欧州、中南米をあげた。「気球の問題は国防総省が中国を刻々と深刻になる挑戦と位置づける理由を明確に示す。(中国問題に)これからも重点的に取り組む必要がある」と話した。

米紙ワシントン・ポストは複数の米政府当局者の話として、中国は過去に偵察気球を使って日本やインド、ベトナム、フィリピン、台湾などの軍事関連の情報を集めていたと報じた。気球は中国の海南省を拠点としているという。
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川島真
東京大学大学院総合文化研究科 教授
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ひとこと解説

中国は、数多くの衛星を打ち上げ地上、海上の様子を把握、また海面にも多くのブイを世界の公海上などに設置、各地に観測船を派遣、海流、海底地形、地磁気の観測を進め、空中には多くの気球を送って気流、気象観測を進める。従来先進国が有していた世界の基礎データを把握し、民間、軍事面の活動に転用していくのが中国の「打算」だろう。さまざまな国際公共財はパワーの源泉であり、そのための基礎データである。その中国の活動を、アメリカや有志国、関係国が協力して把握することには大きな意味がある。中国が行っていること、その意図などを、国際的なネットワークを作って把握し、情報共有すること、それは中国が最も忌み嫌うところである。
2023年2月9日 7:50

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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分析・考察

バイデン大統領は昨日の演説で中国とconflict(衝突)ではなく、competition(競争)だと述べた。しかし、その競争のルールは中国が認めるかどうかがポイント。今、米中の間で起きていることは明らかに競争ではなく、conflictである。北京が考えているのは、協力か衝突かである。だからこそ、気球という小さなことはリスク管理に失敗して、どんどん大事になっている。北京はこの気球が民間の気象気球と主張しているが、事実であれば、その民間企業または研究機関は記者会見して、事情を説明すべきだ。
2023年2月9日 8:16 (2023年2月9日 8:20更新)

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