「テレグラム」は当局によるトラッキングは回避できるソフトとされているのに、なぜ、バレるのか?
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『Zeyi Yang 記者による2023-2-8記事「How Telegram groups can be used by police to find protesters」。
昨年から北京では若い世代がストリートに出て、新コロ戒厳令に抗議する「白紙かざしデモ」をゲリラ的に展開している。このよびかけは、チャットアプリの「テレグラム」を使ってなされているのだが、なぜか中共警察は、その企画人をつきとめて逮捕することができている模様である。
「テレグラム」は当局によるトラッキングは回避できるソフトとされているのに、なぜ、バレるのか?
記者はその謎に迫るため、電話インタビューを重ねた。
密議段階ではともかく、じっさいに顔をさらしてストリートに出たら、当局は、その参加者の顔をビデオ撮影できる。人相のビデオがビッグデータとして蓄積されて行けば、時間とともに、誰が常連かを絞り込むことができる。
「テレグラム」のテキストをスクリーンショットに取って、それを「WeChat」にポストする者が一部居り、それも当局にとっては有力な手がかりになる。
※「テレグラム」のグループチャットの書き込みは、短時間のうちに次々と自動的に消えて行く仕様なのだが、その機能が、意味なくなるわけ。
※おそらくその「スクショ作業」をボットにさせる全自動ソフトも当局は実装済みなのだろう。
とうぜん当局は、テレグラムの中に「潜入捜査官」をふだんから割り込ませようと計る。これは絶対に防ぐことはできない。
潜入捜査も人海戦術である。フェミニズム運動、LGBTQの権利運動、環境保護運動……すべてに首を突っ込んでおくことが、反政府系街頭集会の事前探知に結びつくので。
具体的には、テレグラムのチャットの中で、運動幹部に接近し、その運動幹部が内輪で利用している「ウィーチャット」に入れてもらうようにするのである。
中共の公安には、対外的・全国的なセクションと、国内ローカル割りのセクションがある。後者の公安は、特定市の外の話になるとまったく関心を示さないので、すぐに「怪しい」とバレる。
中国国内の人々が「テレグラム」が良いと気付きはじめるのは2014~2015年だった。それまでは「ウィーチャット」しかなかった。それは暗号化されないので、警察が裁判の証拠にする。
テレグラムは今、中共当局によってブロックされている。
しかし人々は、テレグラムの「使い味」を覚えてしまった。だから類似の他のソフトをいろいろと探しては、暗号チャットアプリとして、使うようになっている。
しかし大衆運動を組織しようとするのに、部外の新人が気楽にどんどん参入して来られないようでは、困るのである。だから知名度が高くて参入障壁の低い「テレグラム」は良かったのである。
デジタル通信に詳しくなると、中国にいながらにして「グレートファイアウォール」の外にアクセスすることができるようになる。そうなったら、通信/チャットアプリとしては「Signal」や「WhatsApp」を選ぶ。
ただし遺憾ながらほとんどの中国人は「ワッツアップ」とは何か、ぜんぜん知らぬ。そういう段階である。
「Damus」という新しいSNSプラットフォームが中共内のアップルの「App Store」で売り出されたのだが、わずか5分にして当局はそれを販売禁止(根拠は「サイバーセキュリティ法」)。アップル社は商品を撤去した。』