AIが書き換えていく世界

AIが書き換えていく世界 : 机上空間
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 ※ 『このAIの何が凄いかと言うと、文章をそのままデータとして扱うのではなく、文章の要旨を解析して、推論する為のデータとして加工して蓄積できる能力を持っている点です。

例えば、100行を超えるような、ニュースサイトの記事を、そのままデータとして捉えるのではなく、記事として論旨を整える為に構成の中に入っている余計な枝葉を削除して、5行程度に純粋な文章の論点と結論の要約を行って、推論するデータとして蓄積します。

また、同時に解析した文章構造に対して、その結論を得るに至った質問を逆解析する事も行えます。この機能によって、このデータが、どういう質問に対する回答として、的確性があるかを判断する材料にしています。

結果として、質問者に対して、とても的確に見える回答を、瞬時に返す事ができるのです。』…。

 ※ 『この「的確に見える」という点が、現代のAI技術の肝です。

どんなにAI技術が発達しても、例えば囲碁や将棋のような、例外の無い厳格なルールの定まったゲームのような特殊な環境を除けば、人間の思いつかなかった新たな解答を、導き出す事はできないのです。

逆に言うと、今のAI囲碁やAI将棋の世界では、ディープラーニングによって、人間の棋士が、まったく思いつかなかった手筋を新たに提示しています。

それは、ルールという厳格な縛りがある中で、人間の棋士では不可能な試行錯誤を、短時間に繰り返して、勝利という明確な目標に向かって解を見つけるからです。

実際、囲碁も将棋もチェスも、その世界の人間のトップ棋士が、既に敗北しています。』…。

 ※ ここら辺が、キモか…。

 ※ しかし、世の中のこと全てには、「両面」がある…。「長所と短所」「メリットとデメリット」「陰と陽」…。

 ※ そして、「智(ち)に働けば角が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」なんだ…。

『この度、ChatGPTという新たなAIが、世界中で注目されています。人間の問いかけに対して、違和感の無い自然な言葉を生成する「自然言語AI」と言われる分野の一種ですが、その高機能っぷりが、相手が人間かAIか区別するのが難しい程に進化していると話題になっています。

この分野のAIというのは、インターネット上の膨大な文献や資料を、予めAIのデータベースとして準備しておき、例えば論文などの特定の様式の定まった文章形式で、与えられたテーマに沿って、「それっぽく」自動生成するというものです。あくまでも、「人真似」の範疇を超えるものではなく、AI自体が新たに思考して、新しい価値を想像するものではありません。言ってしまえば、極めて巧妙に、形式の定まった特定分野に限定して、それっぽいモノを作る技術と言い換える事ができます。

しかし、その精度というのは、日々進化していて、例えば、大学の卒業論文を、AIに書かせて、担当教授が見破れない程の品質にまで達しています。これは、昨今の大学教育において、このイカサマを、どう取り扱うべきか、実際に取り組むべき課題として真剣に協議されています。新しい価値は生み出せなくても、卒論という試験をクリアーする程度の、まとまった論理的な文書を生成する技術は、既に存在しています。

このChatGPTも、ディープラーニングという、超巨大データ(ビッグデータ)を、繰り返し学習させるさせる事により、人が論理で結論を導き出す過程を、真似しているだけで、実際に思考しているわけではありません。そういう意味では、従来の技術の延長線上にある技術なのですが、その推論する手順の学習能力が異常に優れている為、いわゆる識者と言われる人間と会話しているような錯覚に陥る程の精度に達しています。

このChatGPTの脅威の能力は、世界中の物好きの関心を大いに集めて、公開された無料版の会員登録には、5日間で100万人が集まりました。この数字が、いかに凄いかと言うと、インスタグラムで2.5ヶ月、フェィスブックで10ヶ月、100万人の会員を集めるのに時間が、かかっています。

このChatGPTの何が凄いのかと言うと、かなり曖昧な設問に対しても、的確な返答を返す点です。具体的な例を、一つ挙げます。

Q. 日本の少子化を止めるには、どうすればよいか?

A.(AIが実際に返した返答)

日本の少子化を止める為には、複数の方法があります。

・女性の就業環境の改善 女性が家庭と仕事の両立をする為に、必要な支援を提供する事で、出産と育児と仕事を両立するよりも楽になり、子育てや家事を担当する男性の参加を促す事ができる。

・子育て支援の強化 子育てにかかる費用や、子育て中の女性のキャリアアップ支援を行う事で、子育てと仕事を両立する事ができるようになる。

・カップルに対する経済的な支援 夫婦間の負担分担を促す為に、出産や育児に関する経済的な支援を行う事で、子育てをするために必要な費用を軽減する事ができる。

・社会の意識改革 女性が子育てや家事をする事が当たり前だという社会イメージを変え、男女の平等を実現する事で、女性が子育てに取り組むことが楽になり、子育てをする事が普及する。

・外国人の参加 外国人の参加を促し、人口問題を解決する。

少子化の問題を解決する為には、これらの方法を組み合わせる事が望ましい。

以上のように、設問が曖昧で、決まった答えが確定していない場合でも、構文解析をして、その意図を的確に汲み取り、意味の通る論理的な文章で、具体的な回答を示します。この返事を返すまでに、かかった時間は、2分程です。例えば、この答えを、どこかの識者の懇談会をまとめた議事報告として、提出したとしても、受け取った側は信じてしまうでしょうねぇ。

ただし、返答の内容を読んで貰えれば判るように、どこかで読んだり、聞いたりしたような事が、並んでいます。つまり、今まで、人類が到達した事の無い新しい解を、導き出す力は無いのです。どんなに自然で、人間と会話しているような文章が示されたとしても、その内容は、過去に人類が思いついたアイデアを、簡潔にまとめた文章になります。

このAIの何が凄いかと言うと、文章をそのままデータとして扱うのではなく、文章の要旨を解析して、推論する為のデータとして加工して蓄積できる能力を持っている点です。例えば、100行を超えるような、ニュースサイトの記事を、そのままデータとして捉えるのではなく、記事として論旨を整える為に構成の中に入っている余計な枝葉を削除して、5行程度に純粋な文章の論点と結論の要約を行って、推論するデータとして蓄積します。また、同時に解析した文章構造に対して、その結論を得るに至った質問を逆解析する事も行えます。この機能によって、このデータが、どういう質問に対する回答として、的確性があるかを判断する材料にしています。結果として、質問者に対して、とても的確に見える回答を、瞬時に返す事ができるのです。

この「的確に見える」という点が、現代のAI技術の肝です。どんなにAI技術が発達しても、例えば囲碁や将棋のような、例外の無い厳格なルールの定まったゲームのような特殊な環境を除けば、人間の思いつかなかった新たな解答を、導き出す事はできないのです。逆に言うと、今のAI囲碁やAI将棋の世界では、ディープラーニングによって、人間の棋士が、まったく思いつかなかった手筋を新たに提示しています。それは、ルールという厳格な縛りがある中で、人間の棋士では不可能な試行錯誤を、短時間に繰り返して、勝利という明確な目標に向かって解を見つけるからです。実際、囲碁も将棋もチェスも、その世界の人間のトップ棋士が、既に敗北しています。

これは、昨今、「絵師の仕事を奪う」として話題になった、AIによるイラストや絵画の自動生成についても同じです。こちらは、指示されたキーワードに即した画題のイラストを、AIが自動生成するのですが、こちらも真似するという意味では、素性を隠して一般の絵画コンテストに、AIで自動生成した絵画で応募したら、優勝してしまったくらい、自然な作品を生み出します。しかし、これも、既に過去に存在した、無数のイラストレーターが描いた、ネット上に存在するイラストや絵画のタッチを、データとして解析し、蓄積する事で、指示に即した「オリジナルっぽい」作品を自動生成しているだけです。AIが、過去に存在しなかった、まったく新しい絵画の概念を作り出す事は、ありません。その為、画風を無断で真似られる事が、著作権の侵害にあたらないか議論になっています。

また、このブログでも過去に記事にした、動画で首から上だけ他人とすげ替えるAIも存在します。人間の感情と連動した表情や動作のクセを、データとして解析・蓄積しておいて、特定の人間の正面・側面から写した画像さえあれば、動画の中の首から上だけ、その人間にすげ替える事ができます。デモンストレーションとして、オバマ大統領とトランプ大統領が、座談会をするというフェィク動画が示されました。動画に登場する両者は、AIが生成した首から上のデータを、体格の似た役者が演じる座談会の動画で、すげ替えたものです。表情の不自然さで、良く見ればフェイクと判りますが、画質の荒いネット上の動画として配信したら、普通に騙されるクォリティーは確保できています。

まぁ、これで良く商売で利用されるのが、偽の有名人のポルノ動画です。「あの○○のプライベート動画が流出」とか言って、有名な女優の首から上だけを、適当なポルノ女優の動画と差し替えて、あたかも、流出したエロ動画のように装って配信動画として儲けるという商売です。これも、画質をワザと落として、不自然さを目立たせないのがコツです。また、画質が悪いほうが、妙に生々しくて、本物に見えるというのもアリます。

政治がらみだと、ロシアのウクライナ侵攻が始まった時、停戦を訴えるゼレンスキー大統領のフェイク動画が、このAI技術で作られて、プロパガンダに利用されています。これも、見る人が見れば、偽と判断できるのですが、「動画に嘘は無い」と信じ切っている人が見たら、そのまま普通に信じるくらいのクォリティーは持っています。

このように、あくまでも、人間の真似ではありますが、見かけだけなら、学会に提出する研究論文程度の文章を自動生成するAIは、既に存在しています。既知の研究をまとめるという意味であれば、そこいらの要領の悪い学士の書いた悪文の論文より、質が高いかも知れません。これから、私達の生きる情報社会は、こういう技術が当たり前に存在する社会です。 』