米政府、ブリンケン国務長官の訪中を延期-偵察気球の問題で
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『(ブルームバーグ): バイデン米政権は、予定していたブリンケン国務長官の中国訪問を延期した。モンタナ州の核関連施設上空を中国の偵察気球が長時間飛行したことを踏まえた措置だと、当局者2人が明らかにした。
中国の気球は米国の主権を明らかに侵害しており、このような状況下の訪中は適切でないと判断したと、国務省高官が3日、記者団に説明した。ブリンケン長官は適切な時期に中国を訪問するとも述べた。
ブリンケン長官は来週前半、北京で会談が予定されていた。実現していれば米外交トップによる5年ぶりの訪中だったが、偵察気球の飛行で米当局者は現段階での訪中は誤ったシグナルを発することになるとの決定に至った。部外秘の情報だとして匿名を条件に関係者が明らかにした。偵察気球について米国防総省は撃ち落とさない判断を下したという。
気球問題を巡って中国は異例の融和的な姿勢をとり、中国外務省は3日、気球が不可抗力により誤って米国上空に達したことを「遺憾に思う」と表明。気球は民生用で気候調査が目的だと釈明した。
米当局者によると、中国の遺憾に米国は留意し、ブリンケン氏は中国の外交トップである王毅氏に訪問延期を3日朝伝えた。気球飛行は受け入れられず、無責任だとも表明したという。
気球は今週発見され、大陸間弾道ミサイルの基地があるモンタナ州の上空を航行していると、国防総省の高官1人は述べていた。この高官によると、機密情報への脅威はなく、気球侵入は以前にも発生していた。
気球は東に向かって飛行を続け、現在は米中部上空にあると、国防総省のライダー報道官は3日、記者団に説明。気球の操作は可能で進路は変わったとしつつ、現在も中国が操作しているかについて断定は控えた。地上の民間人に危険はなく、航空機が使用する空域よりも上空を飛行しているとし、撃墜すればその破片が危害を及ぼす恐れがあると語った。
同報道官によると、気球はあと「数日」米領空にとどまる見通し。国際法を侵害しているとも、同報道官は明言した。』
『国防総省が気球について2日に初めて発表すると、共和党議員から抗議の声が上がった。対中政策を監視する新たな下院特別委員会のギャラガー委員長は、中国の脅威を浮き彫りにしていると述べ、気球の存在は「中国共産党の最近の外交提案は政策を根本的に変更したわけではないことを明白にする」と主張した。
米当局者は正確な監視目的やサイズ、仕様など気球を巡るいくつかの質問には回答を控えた。
原題:US Postpones Blinken’s Visit to China in Uproar Over Spy Balloon(抜粋)
US Postpones Blinken China Visit in Uproar Over Spy Balloon (1)(抜粋)
–取材協力:Josh Wingrove、Philip Glamann.
(c)2023 Bloomberg L.P. 』