※ 過去の大雪画像(たぶん、関東地方…)を、ネットで拾った…。
※ 今日は、こんな所で…。







※ これは、京都府か…。
世界のでき事について、あれこれ考える。
※ 過去の大雪画像(たぶん、関東地方…)を、ネットで拾った…。
※ 今日は、こんな所で…。
※ これは、京都府か…。
『日本海寒帯気団収束帯(にほんかいかんたいきだんしゅうそくたい、Japan sea Polar air mass Convergence Zone:JPCZ)とは、冬季に日本海で形成される、長さ1,000 km程度にわたる気団の収束帯のことである。また、名称そのものが難しいため、一部のメディアにおいて線状降雪帯(せんじょうこうせつたい)と通称で言い換える[1]こともある。
概要
冬の日本海では、暖流である対馬海流などの影響で比較的暖かい海水の上を、寒気団の冷たい風が通り抜けることで、背の低い雪雲(乱層雲)ができる。本来であれば、雲の高さは2,000 mから3,000 m程度である。また、気象衛星の雲画像でも分かるように、雪雲は筋状に何十本も平行に並ぶ(筋状収束雲)。しかし時に、この筋が平行ではなく、一定のラインで衝突することがある。これが日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)である。
原因としては、朝鮮半島北部にそびえる白頭山やその周囲の長白山脈の影響が指摘されている[2]。最高で2,700 mを超える高い山により、寒気の気流が強制的に二分され、再び合流するときに収束する。雲の高さと山の高さがほぼ同じであるため、上空の雲で見えなくなるようなことがなく、人工衛星からの雲画像でもはっきりと写る。実際、JPCZは白頭山付近から南東に伸びるように位置することが多い。
JPCZのライン上では、しばしば小さな台風のような渦(カルマン渦、擾乱)が発生する。これに伴って小さな低気圧が発生し、その中心では積乱雲が発達して雷や雹といった激しい天候になることがある。また、JPCZは主に日本海側の雪に影響を及ぼすが、日本列島を越えて太平洋側にまで伸びることもある。
影響を受けやすい地域
福井県嶺南?嶺北地方や岐阜県西部山沿い、滋賀県北部、兵庫県北部、京都府北部、鳥取県全域、島根県東部、山口県北部、長野県北部山沿い、福島県会津地方、山形県全域がこれに該当するが、偏西風の蛇行次第によっては稀に秋田県内陸中央?南部や群馬県北部、長野県北部、愛知県北部、広島県北部、福岡県北部もJPCZの影響を受けることがある。
JPCZの上陸地点は気圧配置に対応して東西に移動するため決まった位置というものは無く、東北南部から山陰までの広い範囲に影響を及ぼしうる[3]。特に福井県嶺南(若狭湾周辺)への上陸頻度が最も高く、次いで兵庫県北部から京都府北部(丹後半島周辺)、福井県嶺北地方も頻度が高い。
寒気が非常に強く、偏西風が南方へ大きく蛇行した場合は岐阜県西部平野部、愛知県西部・三重県北部・京都府南部等の太平洋側にも風上の山地を超えてJPCZが流入することがあり、名古屋市や岐阜市、四日市市、京都市等で大雪が降る際の典型的な気象条件として挙げられる。
大雪をもたらした事例
日本海寒帯気団収束帯は過去に北陸西部、山陰に加え、東海地方や近畿地方の都市部に何度も大雪をもたらしており、これらの地域での主要な大雪の原因となっている(特に断りが無い場合、地名の後の数字は積雪を示す(単位:cm)。太字は観測史上最大、太字&斜字は最大積雪の世界記録)。
1930年代以前
1916年12月28日:名古屋17 岐阜30 津14 京都22 大阪6 神戸9 広島13 松山1
1918年1月(大正7年豪雪):伏木148(7日) 金沢133 境61(8日) 彦根93 福井170 新潟66(9日)
1922年1月21日:名古屋25 岐阜47 彦根80 八丈島3
1923年1月3日:名古屋24 彦根71 浜松1 八丈島2
1926年12月25日 - 26日:京都20 神戸1 彦根47 広島11 浜田25 境60
1927年2月(昭和2年豪雪):高田375(9日) 金沢167 福井209 境65(12日) 伏木159 敦賀127(13日) 伊吹山1182(14日)
1934年1月26日 - 27日:福井162 境88 豊岡157
1936年
1月31日 - 2月1日:岐阜58 八丈島2 大阪10 豊岡162
2月3日 - 5日:豊岡186 京都32 彦根83 敦賀124 輪島54
1940年代
1940年1月:輪島71(25日) 境56 米子45(26日) 金沢180 福井191(27日) 敦賀127 西郷88(28日) 高田261 富山208 彦根59 豊岡88(30日) 伏木182(31日)
1945年
1月 - 2月:輪島110 相川52 新潟103(1月18日 - 19日) 浜田38(2月4日) 豊岡159 伏木140(2月5日) 彦根65(2月6日) 高田377 富山165 金沢130(2月26日)
12月19日:名古屋49 岐阜53 浜松3 御前崎0 彦根57 豊岡65 鳥取60。釧路で12月18日に最低海面気圧 957.7hPa(観測史上2位)を記録している
1947年2月:名古屋23 岐阜27(3日) 富山110(17日) 松江58(18日) 西郷52(19日) 金沢143 豊岡117(20日) 敦賀138 境70 米子53(21日) 輪島60 福井149 鳥取129(22日)
1950年代
1954年1月26日:京都41 奈良5 松江35 米子58
1957年3月14日 - 15日:京都18 神戸1 浜田14 萩7
1960年代
1962年1月:京都15 広島10 呉2(23日) 西郷107(27日)
1963年1月 - 2月(昭和38年1月豪雪)
金沢:1月22日 - 23日の2日間で降雪量96、1月27日に積雪181
伏木:1月24日 - 25日の2日間で降雪量132、1月27日に積雪225
福井:1月24日 - 26日の3日間で降雪量144、1月31日に積雪213
境:74(1月27日) 94(2月2日)
松江:62(1月26日) 83(2月3日)
米子:72(1月16日) 80(2月4日)
西郷:77(1月31日) 93(2月1日)
1965年12月17日:名古屋20 岐阜19 彦根35 舞鶴30 浜松0
1970年代
1971年2月4日:松江100 浜田20 境63 米子63
1977年2月17日 - 18日:金沢126 福井147 敦賀138 境55 八丈島2 三宅島0 伏木121 富山136 彦根45 舞鶴55 豊岡140 西郷68 米子51 鳥取105 宇和島20
1980年代
1981年1月(五六豪雪):伏木154 富山160 金沢125 豊岡102 鳥取80(13日) 舞鶴48(14日) 敦賀196 福井196(15日) 西郷46(16日)
1982年1月17日:浜田53 松江36 広島11 呉4 松山2 萩17
1984年2月8日 - 10日(五九豪雪):名古屋19 豊岡131 西郷36 敦賀113 富山122 彦根73 舞鶴83
1988年2月3日 - 4日:名古屋19 岐阜28
1990年代
1995年12月25日 - 26日:四日市53 京都14 など
1996年1月10日:岐阜48
1997年1月22日:宇都宮11 前橋2 熊谷1 四日市24 伊良湖5 八丈島2 京都15 大阪5 姫路6 津山23 岡山3 福山1 呉5 高知1 山口12
2000年代
2000年2月16日:名古屋16 岐阜22 浜松1 御前崎0 彦根43 舞鶴78 鳥取67
2002年1月3日:名古屋17 岐阜29 浜松0 八丈島0 呉1
2005年(平成18年豪雪)
12月18日 - 19日:この時は瀬戸内海に流れ出た雲が四国山地で再発達し、太平洋側の高知市でも9cmの記録的大雪となっている。岐阜25 名古屋23 広島17 など
12月22日 - 23日:岐阜32 名古屋13 広島12 など
2010年代
2010年2月4日 - 6日:新潟市付近で記録的大雪。新潟81(26年ぶり)
2010年12月 - 2011年(平成23年豪雪)
12月31日 - 1月1日:山陰西部で記録的大雪。米子89 境72 松江56(40年ぶり) 鳥取53 京都9 など
1月30日 - 31日:福井県で記録的大雪。福井119(25年ぶり) 大野187 今庄244
2012年2月2日(平成24年豪雪):舞鶴87 彦根47 名古屋15 など
2014年12月17日 - 18日:名古屋23 広島8 など
2015年1月1日 - 2日:京都府南部では記録的大雪となった。京都22(61年ぶり) 福井56 豊岡42 など
2016年1月24日 - 25日(平成28年の大雪):長岡95 伏木80
2017年
1月14日 - 15日:三重県北部や西日本の広い範囲で大雪。三重県四日市市で1995年12月以来の記録的大雪。広島19 京都14
1月23日 - 24日:山陰・北近畿・滋賀県湖東中心に記録的大雪。鳥取県智頭108 彦根60 鳥取57 米子45 松江39
2月10日 - 12日:山陰・北近畿で再び記録的大雪。鳥取91 豊岡80
2018年(平成30年の大雪)
1月10日 - 12日:北陸平野部、特に新潟県下越地方で記録的大雪。新潟80 伏木87
2月5日 - 8日:北陸西部や山陰西部で記録的大雪。福井147(37年ぶり) 金沢87 境64 松江49
2020年代
2021年1月7日 - 10日(令和3年の大雪):北陸平野部の広範囲で記録的大雪。高田249(35年ぶり) 富山128(35年ぶり) 福井107
2022年12月18日 - 20日(令和5年の大雪):主に北陸平野部や山形、福島、秋田内陸南部を中心に記録的な大雪。新潟68 長岡101 柏崎88 下関93 肘折224 大井沢143 金山104 湯沢90 横手79 など
2023年1月24日 - 25日(令和5年の大雪):主に西日本を中心に記録的な大雪。真庭93 』
大雪もたらした「JPCZ」 記録的な降雪、数年に1度の寒気も影響
https://www.asahi.com/articles/ASPDW53M2PDWUTIL030.html
『「数年に1度」の寒気が25日から日本列島を覆い、各地で大雪となった。特に今回は、西日本の日本海側では記録的な大雪となった。その原因は何だったのか。
兵庫県朝来市で71センチ、滋賀県彦根市で68センチ――。27日明け方までの24時間降雪量をみると、統計開始以降、過去最多を更新したのはいずれも近畿だった。名古屋市でも27日午前に2センチの積雪を観測。太平洋側の都市部にも影響は及んだ。
気象庁によると、今回の大雪をもたらしたのは「日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)」と呼ばれる現象とみられるという。
メカニズムはこうだ。大陸からの北風が、朝鮮半島北部の高い山脈で二つに分かれる。日本海へ抜けた風は海上で再び合流すると、海上から水蒸気を取り込むことで帯状の雪雲を発達させる。福井県内の国道で車両の立ち往生が発生した2018年2月の大雪でも発生したという。
今回も、25日からこうした雲が断続的に発生し、山陰や近畿、東海に流れ込み続けたことで、まとまった雪をもたらしたとされる。
鳥取地方気象台は26日夜遅く、「顕著な大雪に関する気象情報」を発表した。災害が発生する可能性が高まり、今後さらに短時間の大雪が降ると見込まれる場合に出される情報だ。
すでに雪害が発生しやすい北陸や東北の気象台で運用され、今年1~2月には新潟、富山、金沢、福井の4地方気象台から計10回出された。今月から近畿、中国でも発表されるようになった矢先だった。
今回は、JPCZに加え、1…
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1月の寒波 上空と海の温度差60度近く 雪雲の発達強まり大雪に
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230204/k10013970281000.html
『この冬一番の寒気が流れ込んだ1月の大雪の際、日本海では上空と海面の温度の差が60度近くもあったことが海上の観測でわかりました。研究グループは、比較的暖かい海の上空に、非常に強い寒気が流れ込んだことなどで雪雲の発達が強まったと分析しています。
1月24日から25日にかけて、日本の上空にこの冬一番の非常に強い寒気が流れ込んで各地で大雪となり、JR京都線などが立往生したほか、道路での車の立往生も相次ぎました。
このとき、三重大学などの研究グループは兵庫県沖の日本海に船を出して観測を行い、気球なども使って上空の気温や風向き、海面水温などを調べました。
当時、日本海にはJPCZ=「日本海寒帯気団収束帯」による発達した雪雲が次々と流れ込んでいましたが、▽上空5000メートル付近の気温がマイナス45度だった一方、▽海面水温は14度となっていて温度の差が最大で59度もあったことがわかりました。
周辺では、比較的暖かい水面から蒸発した水蒸気が冷たい空気で冷やされて発生する「蒸気霧」という現象も確認されました。
研究グループは、比較的暖かい海の上空に非常に強い寒気が流れ込んだことで海面から大量の水蒸気が発生して雪雲の発達が強まり、大雪につながったと分析しています。
海面水温が比較的高かったのは、対馬海峡から日本海に流れ込む「対馬暖流」の影響のほか、地球温暖化の影響も考えられるということで、研究グループは、今後も水温の上昇が続くと寒気が南下した際の雪の量が増える可能性もあると指摘しています。
観測を行った三重大学の立花義裕教授は「“線状降雪帯”とも言える現象に海が及ぼす影響について貴重なデータが得られていて、今後も観測を行って気象予測の精度の向上につなげたい。まだ今シーズンは強い寒波が来る可能性があり、安心しないでほしい」と話しています。』
米国務長官 気球飛行の中国非難も外交的関与の継続を強調
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230204/k10013970551000.html
『中国の気球がアメリカ本土の上空を飛行しているのを受けて、中国への訪問を延期したアメリカのブリンケン国務長官が記者会見し、中国側を強く非難する一方、外交的な関与を続けていく考えを強調しました。
中国の気球がアメリカ本土の上空を飛行しているのを受けて、中国外務省は3日夜、気象などを研究する民間の飛行船だとしたうえで「不可抗力によってアメリカに迷い込んだことを遺憾に思う」と発表しました。
これについて、アメリカ国防総省のライダー報道官は3日、記者会見で、気球は偵察用のものだという認識を改めて示し、中国側の発表に反論しました。
国防総省によりますと、気球は進路を変更し、現在、アメリカの中央部の上空を東に移動しているということです。
この問題を受けて、予定していた中国への訪問を急きょ延期したアメリカのブリンケン国務長官が記者会見し、「中国が偵察用の気球を飛ばしたことは容認できないし無責任だ」と述べて、中国側を強く非難しました。
一方で「開かれた意思疎通が引き続き重要だ。状況が整えば中国に行くつもりだ」と述べ、外交的な関与を続けていく考えを強調しました。
バイデン政権としては、両国の意図しない衝突を避けるため、対話を継続したい考えで、中国側の反応が注目されています。
気球の扱いをめぐっては、ブリンケン長官が「領空から追い出すことが第1の課題だ」と述べる一方、野党・共和党などからは撃墜すべきだという声も出ています。
米国防総省 “別の中国の偵察用の気球 中南米を飛行”
アメリカ国防総省のライダー報道官は3日、声明を発表し、アメリカ本土の上空を飛行しているものとは別の中国の偵察用の気球が中南米を飛行していると明らかにしました。
中国外務省「不可抗力が引き起こした不測事態」
アメリカのブリンケン国務長官が中国への訪問を延期したことについて、中国共産党で外交を統括する王毅氏は、ブリンケン長官と電話会談し「われわれは根拠のない臆測や大げさな宣伝は受け付けない。不測の事態に直面して双方は冷静さを保ち適切にコミュニケーションをとることで判断の誤りを避けて意見の相違をコントロールすべきだ」と述べたということです。
また、中国外務省は4日、報道官の談話を発表し「不可抗力が引き起こした不測の事態で、中国は一貫して国際法を順守し故意に主権国家の領土や領空を侵犯したことはない。アメリカの一部の政治家やメディアがこの問題を利用して中国を攻撃し中傷することに断固として反対する」としています。
そのうえで「訪問は米中双方が正式に発表したものではなく、アメリカが関連した情報を発表するのはみずからの事情によるもので、われわれはそれを尊重する」としました。』
CIA長官「2027年までに中国は戦争準備完了」
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和五年(2023)2月4日(土曜日)弐
通巻第7620号
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現役空軍大将「2025年に米中戦争がおこる」
CIA長官「2027年までに中国は戦争準備完了」
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この認識のずれは何から生じているのだろう?
戦場の現場感覚から「台湾ではなく、米中間の戦争が近い」と感知する兵隊のトップと、いまや「情報サロン」と化した机上の空論組との誤差なのか?
米空軍航空機軌道団のマイク・ミニハン大将は「直感」としてメモを認めたのである。
「2025年に米中戦争がおこる」という根拠は「2024年に台湾とアメリカで選挙が行われ、米国の関心事は新政権への移行期となって外交が弛緩することに隙間ができる」という予測からである。
このメモに対して下院外交委員会のマイク・マコール委員長は「彼が間違っていること願うが、残念ながら彼は正しい」と述べ、中国軍の軍事威嚇の拡充ぶりを指摘した。
中国軍はペロシ下院議長の台湾訪問(22年8月)直後に大がかりな軍事演習をなし、日本のEEZにも弾道ミサイルを五発撃ち込んだ。
23年1月8日からは軍用機57機、艦艇四隻を投入して大々的な軍事演習を展開してきた。
これまでに米国から発せられた中国の台湾侵攻シミュレーションのなかで、もっとも早い時期を予測したのはマイケル・ギルディ海軍大将で「23年の可能性もある」とし、多くの軍事関係者の「2025年以後」という予測より早い時期を挙げた。
CSISのシミュレーションは2026年を予測した。なぜなら2027年が中国人民解放軍の創立百周年を迎えることと、習近平が三期目の任期を満了するため、派手な「成果」を見せつける必要があるとする。
「2027年説」はディビッドソン米インド太平洋司令官である。すでに21年三月の時点で「侵攻の脅威は27年までに顕在化する」と予測していた。
一方、CIAのバーンズ長官は2月2日にジョージタウン大学の行事に参加して「CIAの評価は習近平主席の台湾に対する野心を過小評価していない。27年までに台湾侵攻を成功させるための準備をなすよう解放軍に指示したことをCIAは掴んでいる」と述べた。
バーンズCIA長官は秘密裏にクレムリンを訪問し、またイスタンブールでもロシアの情報機関トップと会合をもっていることが確認されている。
CIAのもっぱらの情報収集はウクライナ戦争の分析で、「向こう半年が重要だろう」と述べるとともに、「中露関係は完全に無限の関係ではなく、中国はロシアへの武器供与を抑制している」とも分析した。
こうした一連の発言から推測できることは第一に軍の予算獲得にあり、ウクライナへの武器供与で在庫を減らした米軍の装備充填にも置かれているのではないか。
◎☆□☆み□☆☆□や☆□☆□ざ☆□☆□き☆□☆□ 』
日本から見た米国選挙の“分かりにくさ”:「文化戦争」と「予備選」そして「党内対立」
https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00879/
『 2023.01.18
渡辺 将人 【Profile】
人口妊娠中絶が主要な争点となった米中間選挙。キリスト教と政治の関わりや「草の根政治」の構造、二大政党制における党内対立など、日本人には分かりにくい米国特有の政治文化を解説しながら現状を分析する。
米国で第118議会が始まった。民主党は上院では多数派を維持したが、下院では少数派に転落した。それにもかかわらず民主党内の空気が明るいのは、大統領政党の敗北が常の中間選挙で「赤い波」(共和党大勝)を阻止したからだ。これは決してサプライズではない。中間選挙の緒戦段階から筆者の耳に入る民主党内部の声を聞く限り想定内だった。民主党の内部の目標は、上院で2増めどの多数派維持、下院で一桁台の僅差持ち込みだったが、これをほぼ実現している。
ニューヨークタイムズ紙が最も正確な予測と評した民主党戦略家のサイモン・ローゼンバーグ氏も赤い波は来ず、僅差であることを当初から繰り返してきた。そもそも2022年は民主党に有利な改選条件が揃っていた。連邦上院では民主党の改選数が共和党20に対して14と少なく、現職引退数も共和党5に比して民主党1だった。しかも共和党引退州のうち3つが接戦州で、現にペンシルバニア州で民主党は勝利した。下院も国勢調査に基づく選挙区改正で、民主党優勢区が増したとの分析が世論調査サイト「ファイブサーティエイト」などで注目を集めていた。ただ、今回の中間選挙は、日本から観察する上で、見えない日米差が浮き彫りになった選挙でもあった。
「中絶の権利」が主要争点となる理由
第1に、米国における文化戦争や価値問題の分かり難さだ。象徴的だったのは、人工妊娠中絶が主要争点になったことだ。中間選挙では政権政党に「奪われた」被害者意識の強調が王道で、2010年の共和党は、オバマケアで市民の自由な医療が「奪われる」恐怖を有権者に訴えた。22年の民主党は人工妊娠中絶を選ぶ権利が「奪われた」と唱えた。
狭義の女性争点を超え、人工妊娠中絶の権利を米国人の自由への防衛と位置づけて、民主党支持層の男性、LGBTQ、無党派層にも共感を拡大した。中絶の権利防衛が州政治に移行する中、5州で住民投票が同時に行われたことも州知事選、州議会選の善戦に寄与した。米国の州議会で大統領側の政党の多数派が一つも覆らない1934年以来初めての中間選挙となった。
これだけインフレが激しくバイデン大統領の支持率も低迷している中、人工妊娠中絶をめぐる連邦最高裁のドブス判決への反発で民主党が善戦することには、米国外からはある種の違和感もあっただろう。日本も歴史的にキリスト教は浸透しているが、進化論教育に異論を持つような原理的キリスト教にはなじみが薄いし、中絶は政治を分断するような争点になっていない。日本では昨年来、統一教会と政治家の深い関係性が国会でもメディアでも大きく取り沙汰されているが、日本における政教分離の感覚からは、米国におけるキリスト教と政治の密接な関係性は想像を超えている。
特定の宗教や宗派が国教として信仰を国民に押し付けないという米国の政教分離の概念は、日本の政教分離の感覚からは相当に緩い。しかも、宗教と関係があるのはキリスト右派が支持する共和党だけではなく、リベラルなカトリック信徒や黒人教会など民主党側でも信仰基盤の票田が根強い。そもそも公民権運動やリベラルな政治変革の指導者は牧師など聖職者だった。
さらに日米差があるとすれば、フェミニズムやLGBTQの解放運動の対立軸の違いだ。ジェンダーやセクシュアリティの多様性をめぐる解放運動は日本にも定着し活性化しているが、その背景には家父長制や男性優位社会の打破があり、同性婚にしても中絶にしても、それらに対するキリスト教からの反発が政治的な争点になる米国社会とは異質だ。
同じ共和党大統領でもトランプ前大統領は、ジョージ・W・ブッシュ元大統領のように本人が敬虔なボーンアゲイン・クリスチャン(※1)というわけではない。しかし、連邦判事に保守的な判事を指名する約束を実現し、キリスト教保守派から極めて強い支持を受けた。銃所持の権利、人種や移民を巡る問題は米国政治特有の経緯があるが、最高裁の中絶をめぐる判決がトランプ政権の成果として社会保守を喜ばせ、他方で民主党支持層を活性化した構造を米国の外から把握するには、米国の「文化戦争」理解が欠かせないことを今回の選挙は鮮明にしたと言えよう。
予備選が象徴する「草の根政治」
第2に、予備選挙と本選挙の質的な違いである。これは候補者を誰が決めるかという比較制度論的な問題に帰着する。日本には予備選挙がない。これは党幹部の権力の大小と関係している。米国では政党は有権者がローカルで運営するもので、候補者を予備選挙で決めるのは当たり前のことだが、日本では公示日に特設掲示板に貼られるポスターを見て候補者を初めて知る。選挙期間は極めて短く支持政党が決まっている人は候補者個人の資質ではなく政党で選ぶので、選挙区でも比例代表的な投票行動が混入する。選挙区で敗北しても比例復活という制度もある。
こうした日本の政治に関心がある外国人にお薦めできる日本の政治ドキュメンタリーは少なくないが、映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』(2020年)は政党幹部の力の強さを知る上で大いに参考になる。バラク・オバマの選挙戦に密着したHBOドキュメンタリー『By The People:The Election of Barack Obama』(2009年)あたりと比較して視聴するとキャンペーンの力点の日米差が一目瞭然である。
『By The People』は08年のオバマの選挙戦の記録だが全体の大半が予備選過程、しかも初戦のアイオワ州での党員集会に絞られている。いかに若者の政治参加の情熱の注ぎ口の受け皿が党内抗争や党内改革にあるかが分かる。米国外での大統領選挙報道は2党競馬競争の本選挙が主だが、米国特有の草の根政治の真骨頂は、次期政権や議会の政党内勢力図を定義する予備選にある。
他方、映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』は民進党(当時)の小川淳也衆院議員が、17年衆院選において党内事情で希望の党からの出馬を余儀なくされ、選挙区で惨敗する実録である。希望の党への合流は小川氏としても本意ではなく、政策面でも香川1区の地元支持者への説明がつかない様子が赤裸々に描かれている。
永田町で政党がトップダウンで次々と生まれては消え、党幹部が候補者を決めていく過程では、党内力学に有権者はほとんど関与できない。突然、自分が支援している候補者が別の新しい党から出ることになり、選挙カーや駅頭の連呼で再び支援を頼まれる。比例復活議員でも辞職の義務がないように、当選してしまうと離党に有権者の許可は要らない。
予備選と本選で異なる政治の力学
予備選挙に馴染みがない日本では、米国の予備選は「予選」のようなものと思われがちだが、党の候補者を決める党のまつりごとであり、そこでの支持の獲得は本選での勝利とは力学が違う。米国でも中道や超党派の政治の時代には、予備選での勝利と本選の勝利の乖離(かいり)幅は小さかった。しかし、今日の激しい分極化のなかでは、党内を納得させる選挙戦と、無党派を含む本選での競り勝ちは、違うセオリーの方程式になる。逆に言えば、予備選で勝てる候補と、本選で勝てる候補の乖離がますます激しくなっているわけで、米政党の選挙戦略家には難儀な時代になりつつある。
2022年中間選挙の本選でトランプ派候補が圧勝できなかったことは、トランプ流の政治を無党派を含む米国のマジョリティが拒絶した証拠ではあるが、これ自体は共和党内でトランプが完全否定された証拠を意味しない。予備選ではトランプが支持表明をした候補のほとんどが共和党内では候補に選ばれ、チェイニー元副大統領の娘の下院議員まで落選した。本選での共和党の苦戦を経て日和見派はトランプ個人からは離れつつあっても、主流派の安泰と同義ではない。トランプ的な反エスタブリッシュメントのマグマは消えない。マッカーシー下院議長の選出に最後まで抵抗したフリーダム・コーカスを中心とした議員はトランプ個人に忠誠を誓っているのではなく、草の根主義を貫き、党幹部に抵抗することを美学としている。
下院議長が決まらない事態を民主主義の敗北と考える理解も米国外にはあったが、投票や説得に要した一連の過程が政策とりわけ外交を停滞させるほどの甚大な実害を生んだわけでもなく、むしろ政党内に多様な意見があることを可視化したと言える。ものごとを拙速に決めないことを民主主義と考えるか、効率を重視するか、政府の役割や民主主義の定義に国際的な感覚差がある以上、海外からの米民主主義評価は揺れる。政党の規律や幹部の制度的な違いも忘れてはいけない。米国には日本的な意味での党本部もなければ党首も存在しない。分極化時代に党をまとめるのはよほどの強力な仮想敵が必要になる。
民主、共和ともに抱える党内抗争
そこで第3に重要なのが、2大政党の内部の分裂だ。特に水面下で深刻化する党内抗争とその質的変化は米国外からは見えにくい。議会で大規模に議席を持つ本格的な第三政党が生まれにくい米国では、二大政党の内部の微妙な路線対立がむしろ重要だ。かつて民主党内の派閥争いの軸は中道派とリベラル派だったが、現在は新世代の左派勢力が活性化している。運動としてはBLM、選挙戦としてはバーニー・サンダース支援の活動家から派生しているグループだ。
彼らは政党への帰属意識が薄いが、安易に第3政党化しない。民主党の内部改革が現実的だと考えている。実際、中間選挙2週間前、ロシアとの早期停戦への踏み込んだ役割を政権に要求する「書簡」が、進歩派議連の一部から大統領宛てに提出された。ウクライナ支援に関してはバイデン政権の方針通りで民主党は一致しているはずだったが、内部には異論が存在している。それが中間選挙期間に噴出したのは民主党には「事件」だった。それでも彼らを民主党連合につなぎとめているのは、皮肉にもトランプの存在だ。
中間選挙後、2024年大統領選挙にトランプ前大統領が早々に出馬を表明したが、これを受けてさっそく、アル・フランケン元民主党上院議員はMSNBCでこう語った。「バイデン再選にとっては最高の展開だが、国にとっては悪いこと」。アンカーはこれに対して「それではあまりに悲しい。(米政治は)病んでいる」と吐露した(2022年11月16日、MSNBC “11th Hour”)。このシニカルなやりとりほど今の米民主党の現在地を象徴しているものはない。
たしかに「反トランプ」の接着剤と起爆剤は強力で、中間選挙での善戦も人工妊娠中絶の争点化もトランプの存在が原因だ。極めて皮肉なことにトランプが継続的に政治的な存在感を示すことは、民主党の党内抗争の抑止力でもある。
一方、これまで共和党の団結の仮想敵だったペローシ前下院議長が交代した今、バイデン大統領への憎悪だけでは団結には弱い。16年大統領選挙の反ヒラリー・クリントンのような共通の仮想敵のわら人形を作り出せなければ、共和党は分裂の火種を抱えたままの運営が続くことになろう。他方で、あまりに民主党への憎悪を増せば、超党派運営を困難にさせる。共和党は多数派とはいえ僅差に過ぎず、抵抗勢力まで抱える中、マッカーシー議長のジレンマは続く。
バナー写真:米中間選挙の開票作業が進む中、ワシントンでの集会で話をするバイデン大統領=2022年11月10日(ゲッティ=共同)
(※1) ^ 精神的な生まれ変わり(新生)体験をしたキリスト教徒のことで、ブッシュ元大統領のボーン・アゲイン体験を宗教保守派は高く評価し、マイケル・ガーソンらホワイトハウスのスピーチライターは巧妙に宗教的なレトリックを大統領演説に盛り込んだ。しかし、宗教保守派はブッシュ政権に幻滅し、大統領本人の敬虔さよりも、行動が大切なのだと認識し後にトランプ前大統領を評価した。Gerson, Michael J., Heroic Conservatism: Why Republicans Need to Embrace America’s Ideals (And Why They Deserve to Fail If They Don’t), New York: HarerCollins, 2007.
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渡辺 将人WATANABE Masahito経歴・執筆一覧を見る
北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院准教授。専門は米国政治外交。1975年生まれ。シカゴ大学大学院国際関係論修士課程修了。早稲田大学大学院政治学研究科にて博士(政治学)取得。コロンビア大学、ジョージワシントン大学、台湾国立政治大学、ハーバード大学にて客員研究員を歴任。主著に『現代アメリカ選挙の変貌』(名古屋大学出版会、2016年)=大平正芳記念賞受賞、『大統領の条件』(集英社文庫)など多数。
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opinion 3/11
DIGIMARC 』
米韓、対北朝鮮で抑止力強化 台湾安定の重要性確認
https://nordot.app/994418949942886400?c=302675738515047521
『【ワシントン共同】ブリンケン米国務長官は3日、韓国の朴振外相と国務省で会談し、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対する抑止力を強化する方針で一致した。台湾海峡の平和と安定が重要との認識も確認した。
ブリンケン氏は「米韓同盟はインド太平洋地域の平和と安定の核心軸であり、力強く成長し続ける」と述べ、日米韓3カ国の連携強化への意欲も示した。ロシアが侵攻するウクライナへの韓国の支援を称賛した。
朴氏は北朝鮮による国連安全保障理事会の制裁逃れを防止する取り組みを強化することで合意したと明らかにし、北朝鮮と関係が近い中国には「影響力を行使する能力と責任がある」と語った。
c 一般社団法人共同通信社 』
ウクライナ侵攻:AIが戦争の道具化、かつてないサイバー戦争…AI人格が偽投稿も
https://biz-journal.jp/2022/03/post_283843.html
『2022.03.11 05:50
ロシアのウクライナ侵攻が始まって12日ちょっとの時点で執筆しています。まずはじめに、国連発表の死者数の公式数値の数倍、数千人に達すると思われる民間人犠牲者に心から哀悼の意を表します。ならびに、いくら覚悟をし、命令で赴いたとはいえ、死亡した両側の兵士にも哀悼の意を表します。公開時点、お読みいただく時点で、傀儡政権、亡命政権ができてしまっているか、停戦が成立しているか、はたまたロシアのプーチン大統領が失脚または(この世から)姿を消しているか、予断を許しません。
2020年1月の連載で、AI兵器、特に無人ドローンについて書きました。同年に米国がイランの革命防衛隊司令官ソレイマニを殺害した際に使ったものよりは小型のようですが、トルコ製の無人戦闘ドローンをウクライナが入手し、実戦投入を準備していたのは紛れもない事実です。対戦車砲のジャベリンは、肩に担いで戦車のいる方向へ向けて発射すれば、目標を正確にとらえ、装甲の分厚い側面ではなく、一旦上空に舞い上がり戦車上部の弱いところに落下して爆発するとのこと。ほぼAI兵器といえるほど自動化されているといって良いのではないでしょうか。このような代物が400万円と、戦闘機や戦車に比べてはるかに安価で、多数導入され、ウクライナ軍や民間志願兵に大量に供給されています。
情報戦、心理戦、サイバー攻撃
双方のサイバー攻撃もし烈さを増しています。聞くところによると、侵攻前の2月、ロシアのハッカーがウクライナの原発にハッキングして、オペレーションに障害を与えようとしていたとのこと。おそらくは旧ソ連時代のコンピュータが古すぎて、また、肝心な部分がネットワークにつながっていなかったりして失敗し、ミサイル攻撃に切り替えたのではないでしょうか。なんとしてもウクライナの民衆の生活インフラ(病院や公共サービス)を破壊、コントロールしたかったからと考えられます。
対するウクライナ側を、国際匿名ハッカー集団、その名もアノニマス(Anonymous=姓名不詳)が全面支援しています。ロシア軍のデータベースに侵入し、ロシア軍人・兵士10万人分の個人情報を暴いたり、ロシア国営放送をハッキングして西側諸国発のウクライナでの戦闘シーンを流したりするなど、瞠目すべき成果を上げています。かつて、ここまでのサイバー戦争、情報戦があったでしょうか。
いわゆるプロパガンダ合戦も過熱、進化しています。ドネツク人民共和国に侵入を試みたウクライナ兵との銃撃戦とされる親ロ派が流した映像は、日本経済新聞調べで日付が10日前のものとわかり、ファクトチェック団体ベリングキャットは10年にユーチューブに投稿されていた動画の「爆発音」と酷似した爆発音であることを突き止めました。
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『今後はAIがフェイクに多用されてしまう悪い予感
今回はまだ使われたとの情報も確証もありませんが、米国のオバマ元大統領にでたらめな演説をしゃべらせても本物と見分けがつかなかったり、女優の首から上を挿げ替えてもなかなか気づかれない水準の人工知能、DeepFakeが使われていく可能性も大いにあると思います。このあたり、匿名による投稿、とくに緊急投稿は数時間以内のネットからの削除など不可能であり、今後とも、相手の心を折ったり、挑発したりする情報戦、心理戦はエスカレートせざるを得ないでしょう。好むと好まざるとにかかわらず、フェイクのためのAIや、それを見破るAIが使われていくことになるでしょう。
いつの時代も戦争は技術開発を急加速させてきましたが、今回はせいぜい汎用のAI技術が応用されるだけで、AI自身が戦争によって進化を加速させたりはしないとは思いますが。
SNS上にAIによる偽人格が登場
プーチン大統領はツイッターなどのSNSをしていないようですが、ウクライナ首脳はもちろん、ロシア幹部にもSNSへの投稿を行う人がいます。外交で、諸外国首脳との緊急会談などにおける仮合意の内容を相手国が持ち帰って承認する前にツイッターに流されて既成事実にされちゃったり、それを追認したり、という出来事が起きるのも、今日的な外交、戦争の風景といえるでしょう。それほど恐ろしい影響をおよぼすSNSや外国のインターネット発信源へのアクセス遮断(自国側も相手国側も)、そして、正義の騎士イーロン・マスクによる衛星インターネット接続の復活、提供なども話題になりました。
3月初めの「Gigazine」記事『反ウクライナの主張を繰り返すSNSアカウントは偽物でプロフィール画像もAI製、さらにそのフォロワーもニセのAI製だったことが明らかに』は衝撃的でした。GPT-3が、チューリングテストの基準、30分どころか3カ月もの間、自然な記事投稿とコメントでの他人とのやり取りで、対話相手、読者に人間だと信じられ続けていましたが、今度は、実在しない人物画像入りです。GAN(敵対的生成ネットワーク)などのAI技術を駆使して作られたこれら自然な画像がFacebook上で友人ネットワークを作っていたけれども、それらもAI製のフェイクだったと気づいたメタ社が、反ウクライナの発言群をアカウントごと削除しました。
SNS上のAI人格によるフェイク投稿で反ウクライナ・プロパガンダが行われていた。これを知っただけで、自然言語処理や画像生成という、兵器には直接応用されそうにないAIをも戦争の道具に使うのかと知って、暗鬱たる気持ちになりました。
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『ひとつの救いは、無料の架空人物生成サービスの開発者や運営者の良心です。彼らは悪用を戒めるため、わざとフェイク顔画像独特の特徴を残してくれていたようです:
「架空のプロフィール画像がAI製のものであると見破るための根拠は複数ありますが、そのひとつとしてコリンズ記者は『特徴的な耳』を挙げています。この耳はThis Person Does Not Existという架空の人物の画像を作成するサービスを使用した際に出てくる特徴のひとつだそうです」(「Gigazine」記事より)
すべての業者がこのように良心を核に活動しているか、まったく心もとないながら、ならず者プーチン氏相手と違って、IT業界には法規制も効きます。巨大SNSやメタバースの事業者自身、高度なAI開発企業なので、小規模な犯罪グループのAI悪用に、より高度なAIを迅速に開発して、対抗していくことも十分可能でしょう。
長くなったので、予定していた「■B級メディアの現地情報発信力が機械翻訳の進化で劇的に向上?」については、次回以降に回したいと思います。劇的に向上した機械翻訳の能力、精度のおかげで、B級メディアが、マイナー言語の一次情報を素早く正確に翻訳すると、ファクトチェック、裏取りに時間をかけるメジャーメディアが有事には太刀打ちできなくなりつつあるのでは? という指摘です。こんなところにも、AIによる時代の変化がみてとれるようになりました。
(文=野村直之/AI開発・研究者、メタデータ株式会社社長、東京大学大学院医学系研究科研究員)
●野村直之
AI開発・研究者、メタデータ株式会社社長、東京大学大学院医学系研究科研究員。
1962年生まれ。1984年、東京大学工学部卒業、2002年、理学博士号取得(九州大学)。NECC&C研究所、ジャストシステム、法政大学、リコー勤務をへて、法政大学大学院客員教授。2005年、メタデータ(株)を創業。ビッグデータ分析、ソーシャル活用、各種人工知能応用ソリューションを提供。この間、米マサチューセッツ工科大学(MIT)人工知能研究所客員研究員。MITでは、「人工知能の父」マービン・ミンスキーと一時期同室。同じくMITの言語学者、ノーム・チョムスキーとも議論。ディープラーニングを支えるイメージネット(ImageNet)の基礎となったワードネット(WordNet)の活用研究に携わり、日本の第5世代コンピュータ開発機構ICOTからスピン・オフした知識ベース開発にも参加。日々、様々なソフトウェア開発に従事するとともに、産業、生活、行政、教育など、幅広く社会にAIを活用する問題に深い関心を持つ。 著作など:WordNet: An Electronic Lexical Database,edited by Christiane D. Fellbaum, MIT Press, 1998.(共著)他
野村直之/AI開発・研究者、メタデータ株式会社社長、東京大学大学院医学系研究科研究員):外部執筆者
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インド企業のアダニ・グループ、不正会計疑惑で13兆円が吹っ飛ぶ。 : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/30760705.html
『インドの財閥で、アダニ・グループというコングロマリットがあります。創業者で現会長のゴータム・アダニ氏が、1988年に創業した会社で、当初は貿易会社でした。その後、事業の多角化を積極的に進めて、現在の主力事業は、港湾管理・運営、発電・送配電などの電力事業、太陽光発電などの再生可能エネルギー事業、天然ガス、不動産等、インドのインフラ事業を押さえています。アメリカの経済誌フォーブスの世界長者番付では、2022年に一時、世界二位まで昇りつめています。
直近の5年間で、2500%も株価が上昇していて、一気に事業を成長させていました。現在、アダニは、タタ財閥、リライアンス・インダストリーズと並んで、インドの三大財閥の一つに数えられています。この背景には、インドの首相であるモディ政権が進める政策と、二人三脚で事業を請け負ってきた関係があります。悪い言い方をすれば、モディ首相の政商として機能して、インドのインフラ発展に合わせて政府からの受注を受けてきた結果です。
今回、アダニ・グループに巻き起こった不正会計疑惑は、アメリカにあるヒンデンブルク・リサーチという投資会社のリサーチによるリポートが告発した内容によります。この会社は、10名程の小さい会社で、いわゆるヘッジファンドのように顧客の資産を預かって、投資・運用しているわけではありません。あくまでも、空売り投資家グループとして、会社の資産を運用しています。
その告発によりますと、アダニ・グループは、モーリシャスなどのタックスヘイブンに、ペーパーカンパニーを持っていて、汚職やマネーロンダリングを行っているとしています。2年に及ぶ調査の結果は、100ページに及ぶ報告書になっていて、88の問題提起が行われています。この結果、アダニ・グループの株価は急落し、時価総額で13兆円が吹き飛びました。このまま、信頼が回復しないと、資金繰りが悪化する可能性があります。アダニ・グループの負債は、2兆ルピー(245億ドル)で、国内銀行が40%、海外投資家からの調達資金が60%になります。これが不良債権化すると、少なからず世界経済に影響が出るはずです。
この告発を行ったヒンデンブルク・リサーチという会社は、空売り投資を専業とする集団で、その性格から企業スキャンダルや不正をリサーチするのが業務になります。
その結果、何がしかの問題が明るみになると、予め空売りを仕掛けておけば、株価の暴落で、大儲けができます。それゆえ、ハゲタカと呼ばれているのですが、ある意味、企業の不正行為を公に晒す自警団的な役割も担っています。
創業者は、ネーサン・アンダーソン氏という人物で、アメリカの電気自動車メーカーが自動車の性能を偽っているというリポートを出し、証券取引等監視委員会が調査に乗り出した事で、名前が知られるようになりました。つまり、こうしたリサーチに大きな実績を持つ会社なので、リポートが出た時点で、これだけの影響が市場に出たわけです。
ちなみに、社名のヒンデンブルクは、火災事故を起こしたドイツの大型飛行船・ヒンデンブルク号に、ちなんで名付けられていて、空売り投資家には、なかなか皮肉の入った名前になっています。』
AIが書き換えていく世界 : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/30756440.html
※ 『このAIの何が凄いかと言うと、文章をそのままデータとして扱うのではなく、文章の要旨を解析して、推論する為のデータとして加工して蓄積できる能力を持っている点です。
例えば、100行を超えるような、ニュースサイトの記事を、そのままデータとして捉えるのではなく、記事として論旨を整える為に構成の中に入っている余計な枝葉を削除して、5行程度に純粋な文章の論点と結論の要約を行って、推論するデータとして蓄積します。
また、同時に解析した文章構造に対して、その結論を得るに至った質問を逆解析する事も行えます。この機能によって、このデータが、どういう質問に対する回答として、的確性があるかを判断する材料にしています。
結果として、質問者に対して、とても的確に見える回答を、瞬時に返す事ができるのです。』…。
※ 『この「的確に見える」という点が、現代のAI技術の肝です。
どんなにAI技術が発達しても、例えば囲碁や将棋のような、例外の無い厳格なルールの定まったゲームのような特殊な環境を除けば、人間の思いつかなかった新たな解答を、導き出す事はできないのです。
逆に言うと、今のAI囲碁やAI将棋の世界では、ディープラーニングによって、人間の棋士が、まったく思いつかなかった手筋を新たに提示しています。
それは、ルールという厳格な縛りがある中で、人間の棋士では不可能な試行錯誤を、短時間に繰り返して、勝利という明確な目標に向かって解を見つけるからです。
実際、囲碁も将棋もチェスも、その世界の人間のトップ棋士が、既に敗北しています。』…。
※ ここら辺が、キモか…。
※ しかし、世の中のこと全てには、「両面」がある…。「長所と短所」「メリットとデメリット」「陰と陽」…。
※ そして、「智(ち)に働けば角が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」なんだ…。
『この度、ChatGPTという新たなAIが、世界中で注目されています。人間の問いかけに対して、違和感の無い自然な言葉を生成する「自然言語AI」と言われる分野の一種ですが、その高機能っぷりが、相手が人間かAIか区別するのが難しい程に進化していると話題になっています。
この分野のAIというのは、インターネット上の膨大な文献や資料を、予めAIのデータベースとして準備しておき、例えば論文などの特定の様式の定まった文章形式で、与えられたテーマに沿って、「それっぽく」自動生成するというものです。あくまでも、「人真似」の範疇を超えるものではなく、AI自体が新たに思考して、新しい価値を想像するものではありません。言ってしまえば、極めて巧妙に、形式の定まった特定分野に限定して、それっぽいモノを作る技術と言い換える事ができます。
しかし、その精度というのは、日々進化していて、例えば、大学の卒業論文を、AIに書かせて、担当教授が見破れない程の品質にまで達しています。これは、昨今の大学教育において、このイカサマを、どう取り扱うべきか、実際に取り組むべき課題として真剣に協議されています。新しい価値は生み出せなくても、卒論という試験をクリアーする程度の、まとまった論理的な文書を生成する技術は、既に存在しています。
このChatGPTも、ディープラーニングという、超巨大データ(ビッグデータ)を、繰り返し学習させるさせる事により、人が論理で結論を導き出す過程を、真似しているだけで、実際に思考しているわけではありません。そういう意味では、従来の技術の延長線上にある技術なのですが、その推論する手順の学習能力が異常に優れている為、いわゆる識者と言われる人間と会話しているような錯覚に陥る程の精度に達しています。
このChatGPTの脅威の能力は、世界中の物好きの関心を大いに集めて、公開された無料版の会員登録には、5日間で100万人が集まりました。この数字が、いかに凄いかと言うと、インスタグラムで2.5ヶ月、フェィスブックで10ヶ月、100万人の会員を集めるのに時間が、かかっています。
このChatGPTの何が凄いのかと言うと、かなり曖昧な設問に対しても、的確な返答を返す点です。具体的な例を、一つ挙げます。
Q. 日本の少子化を止めるには、どうすればよいか?
A.(AIが実際に返した返答)
日本の少子化を止める為には、複数の方法があります。
・女性の就業環境の改善 女性が家庭と仕事の両立をする為に、必要な支援を提供する事で、出産と育児と仕事を両立するよりも楽になり、子育てや家事を担当する男性の参加を促す事ができる。
・子育て支援の強化 子育てにかかる費用や、子育て中の女性のキャリアアップ支援を行う事で、子育てと仕事を両立する事ができるようになる。
・カップルに対する経済的な支援 夫婦間の負担分担を促す為に、出産や育児に関する経済的な支援を行う事で、子育てをするために必要な費用を軽減する事ができる。
・社会の意識改革 女性が子育てや家事をする事が当たり前だという社会イメージを変え、男女の平等を実現する事で、女性が子育てに取り組むことが楽になり、子育てをする事が普及する。
・外国人の参加 外国人の参加を促し、人口問題を解決する。
少子化の問題を解決する為には、これらの方法を組み合わせる事が望ましい。
以上のように、設問が曖昧で、決まった答えが確定していない場合でも、構文解析をして、その意図を的確に汲み取り、意味の通る論理的な文章で、具体的な回答を示します。この返事を返すまでに、かかった時間は、2分程です。例えば、この答えを、どこかの識者の懇談会をまとめた議事報告として、提出したとしても、受け取った側は信じてしまうでしょうねぇ。
ただし、返答の内容を読んで貰えれば判るように、どこかで読んだり、聞いたりしたような事が、並んでいます。つまり、今まで、人類が到達した事の無い新しい解を、導き出す力は無いのです。どんなに自然で、人間と会話しているような文章が示されたとしても、その内容は、過去に人類が思いついたアイデアを、簡潔にまとめた文章になります。
このAIの何が凄いかと言うと、文章をそのままデータとして扱うのではなく、文章の要旨を解析して、推論する為のデータとして加工して蓄積できる能力を持っている点です。例えば、100行を超えるような、ニュースサイトの記事を、そのままデータとして捉えるのではなく、記事として論旨を整える為に構成の中に入っている余計な枝葉を削除して、5行程度に純粋な文章の論点と結論の要約を行って、推論するデータとして蓄積します。また、同時に解析した文章構造に対して、その結論を得るに至った質問を逆解析する事も行えます。この機能によって、このデータが、どういう質問に対する回答として、的確性があるかを判断する材料にしています。結果として、質問者に対して、とても的確に見える回答を、瞬時に返す事ができるのです。
この「的確に見える」という点が、現代のAI技術の肝です。どんなにAI技術が発達しても、例えば囲碁や将棋のような、例外の無い厳格なルールの定まったゲームのような特殊な環境を除けば、人間の思いつかなかった新たな解答を、導き出す事はできないのです。逆に言うと、今のAI囲碁やAI将棋の世界では、ディープラーニングによって、人間の棋士が、まったく思いつかなかった手筋を新たに提示しています。それは、ルールという厳格な縛りがある中で、人間の棋士では不可能な試行錯誤を、短時間に繰り返して、勝利という明確な目標に向かって解を見つけるからです。実際、囲碁も将棋もチェスも、その世界の人間のトップ棋士が、既に敗北しています。
これは、昨今、「絵師の仕事を奪う」として話題になった、AIによるイラストや絵画の自動生成についても同じです。こちらは、指示されたキーワードに即した画題のイラストを、AIが自動生成するのですが、こちらも真似するという意味では、素性を隠して一般の絵画コンテストに、AIで自動生成した絵画で応募したら、優勝してしまったくらい、自然な作品を生み出します。しかし、これも、既に過去に存在した、無数のイラストレーターが描いた、ネット上に存在するイラストや絵画のタッチを、データとして解析し、蓄積する事で、指示に即した「オリジナルっぽい」作品を自動生成しているだけです。AIが、過去に存在しなかった、まったく新しい絵画の概念を作り出す事は、ありません。その為、画風を無断で真似られる事が、著作権の侵害にあたらないか議論になっています。
また、このブログでも過去に記事にした、動画で首から上だけ他人とすげ替えるAIも存在します。人間の感情と連動した表情や動作のクセを、データとして解析・蓄積しておいて、特定の人間の正面・側面から写した画像さえあれば、動画の中の首から上だけ、その人間にすげ替える事ができます。デモンストレーションとして、オバマ大統領とトランプ大統領が、座談会をするというフェィク動画が示されました。動画に登場する両者は、AIが生成した首から上のデータを、体格の似た役者が演じる座談会の動画で、すげ替えたものです。表情の不自然さで、良く見ればフェイクと判りますが、画質の荒いネット上の動画として配信したら、普通に騙されるクォリティーは確保できています。
まぁ、これで良く商売で利用されるのが、偽の有名人のポルノ動画です。「あの○○のプライベート動画が流出」とか言って、有名な女優の首から上だけを、適当なポルノ女優の動画と差し替えて、あたかも、流出したエロ動画のように装って配信動画として儲けるという商売です。これも、画質をワザと落として、不自然さを目立たせないのがコツです。また、画質が悪いほうが、妙に生々しくて、本物に見えるというのもアリます。
政治がらみだと、ロシアのウクライナ侵攻が始まった時、停戦を訴えるゼレンスキー大統領のフェイク動画が、このAI技術で作られて、プロパガンダに利用されています。これも、見る人が見れば、偽と判断できるのですが、「動画に嘘は無い」と信じ切っている人が見たら、そのまま普通に信じるくらいのクォリティーは持っています。
このように、あくまでも、人間の真似ではありますが、見かけだけなら、学会に提出する研究論文程度の文章を自動生成するAIは、既に存在しています。既知の研究をまとめるという意味であれば、そこいらの要領の悪い学士の書いた悪文の論文より、質が高いかも知れません。これから、私達の生きる情報社会は、こういう技術が当たり前に存在する社会です。 』
制裁でSWIFTから排除されたロシア経済は、貿易決裁のいろいろな抜け道を模索した
『Alexandra Prokopenko 記者による2023-2-2記事「The Risks of Russia’s Growing Dependence on the Yuan」。
制裁でSWIFTから排除されたロシア経済は、貿易決裁のいろいろな抜け道を模索したものの、けっきょくクリプトカレンシーと「元」に頼るしかなくなっている。中国依存だ。
ロシアはドルの威信を弱めたいと欲しているが、「元」に頼れば頼るほど、ドルは逆に強くなる。なぜかというと、中共政府には国際決裁通貨としての「元」の価値を維持する責任が生ずる。具体的には、人民銀行が大量にドルを買って保有しなくてはならぬ。
今は世界の国際決済に使われる「元」の比率は3%でしかないが、ロシアが「元」を使うことによってこの比率が増してくれば、とうぜん、人民銀行にもドルを買い増す必要が生ずるのだ。ロシアと中共が結託しても、ドルを弱めることはできないのである。
ロシア中央銀行は今年、「デジタル・ルーブル」の実験にも踏み込むつもりだ。』
平常時と非常時、限りある電波空間をどう使う
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/config/1475748.html
※ かく言うオレも、ガラケーとの2回線契約だ…。
※ ガラケーの方は、いろんな業者さんとの、業務連絡中心に使用している…。
※ まだまだ、ネット中心、メール中心とはいかない…。
相手先の方で、そういうネット環境には、なっていないんだ…。
※ いずれ、2026年には「停波する」んで、そうなればイヤでもTEL番号移行したりしないといけなくなる…。
※ 気の重い話しだ…。
『電波は有限の資源だ。目に見えないので実感しにくいが、一定の空間に張り巡らすことのできる電波は限られている。だから、本当は、空間を電波が占有する時間を最小限に抑える努力をするべきだ。5G、6Gと、どんどん高帯域化するモバイルネットワークだが、電波を使う用事を素早く済ませることを担う役割もある。だが、非常時の備えを廉価なコストで実現することも大事だ。
32kbpsでできることはなさそうだが
MVNOのmineoが、新料金プランを発表した。いくつかのコースが発表されているが、なかでも興味深かったのは「マイそく スーパーライト」だ。2月22日から提供開始されるもので、250円/月で利用することができる。
驚きの価格設定だが、その秘密は最大通信速度だ。実に32kbpsだという。現行で「マイそく」コースには、300kbpsのライト、1.5Mbpsのスタンダード、3Mbpsのプレミアムがあるが、今回はスーパーライトとして32kbpsが追加されたかたちだ。
32kbpsというスピードについて、意味があるのかどうか不安にもなる。同社としては、メールやテキストによるメッセージサービスがギリギリで、IP電話やQR決済、音楽ストリーミング、SNS、動画視聴、ビデオ会議は不可といっている。
なにしろこのスピードは、かつてのPHSが1997年に提供していた帯域幅だ。それさえ翌98年末には2回線分を束ねて64kbpsに増速する試験運用が開始され、99年にはそれが正式サービスとなった。1998年頃といえば、NTTによるISDNのCMで当時SMAPの中居正広が「ろくよんろくよんいちにっぱ」と、そのスピードをアピールしていた。この「ろくよん」は「64kbps」を意味する。つまり、2023年の新サービスとしてmineoが提供する32kbpsの倍速だ。いにしえのアナログモデムの時代でさえ、最終段階では56kbpsに達していた。
32kbpsというのは四半世紀前の感覚のスピードで、話にならないというような気もする。5G、6Gと高速大容量を追求しているテレコムの世界でこれはどうかとも思う。遅いスピードで有限の資源としての電波を無駄使いしないかという懸念もある。確かにけしからんサービスなのかもしれない。
ただ、同社がここまで低速の回線を提供するのは、一部の消費者の間でガラケー人気が根強いからだという。20~60代の個人用端末として約280万人が使っているらしい。同年代の人口は7,700万人程度なので、3.7%がガラケーを使い続けていることになるそうだ。つまり、データ回線のことはどうでもいいのだ。
もちろんすでにガラケーは絶滅危惧種だ。一般的にはガラホが使われている。興味深いことに、同社のメッセージとして「各キャリアでガラホ端末をご購入のうえ、mineoにお乗り換えください」としている。端末販売と回線契約の分離が、こんなところで強調されている。
つまり、このプランは、データ通信をすることはほとんどなく、音声通話さえできればそれでいいというユーザーのためのものだ。役にたつデータ通信は想定されていない。だからこそ、仮に大量にデータ通信してしまっても、青天井で高額請求の心配がないから安心だ。でも、別の使い道がある。
ローミングより現実的なデュアルSIMによる予備回線対応
一方、KDDIとソフトバンクが災害時の備えとして、他社網を利用可能な通信サービスを提供すべく、デュアルSIMで予備回線設定した別サービスを利用できるようにする。3月下旬以降にサービスインの予定で、具体的なサービス内容や提供料金については別途発表されるようだ。
2月2日には同社の「2023年3月期第3四半期決算会見」が開催され、その中で、代表取締役社長の高橋誠氏(高橋の「高」について、正しくは新字)がコメントしている。今回のサービスについては各社に声をかけたそうだが、ソフトバンクが即応で素早い進捗ができたのだとのことだ。
高橋社長はこうもいっている。
「日本はすべての通信会社が自分たちだけでなんとかなると考えているのが当たり前だった。でも、これからは違う。協力していけるところは協力していく。競争と協調が重要で、例えば障害対応、基地局整備などで協調しながら、よりよいサービスで競争していく。そして今回は、協調領域だということで、数百円の基本料金で、誰でも使える体系にしたい。昔のように公衆電話などがほとんどない今、代替手段が少ない中で、ぜひやりたいと考えていた」(高橋氏)。
こうしたサービスを使えば、仮に、何らかの障害が起こり、メインで使っている通信事業者のサービスが停止してしまっても、予備に設定している通信事業者のネットワークが正常であれば、そちらを利用することができる。自然災害などで、地域の通信網が壊滅的に根こそぎ停止してしまうようなケースでは難しそうだが、1事業者に閉じたネットワーク障害などでは役にたちそうだ。今回のKDDIとソフトバンクの協業では契約形態は回線卸しで、互いに回線サービスを相手に卸すカタチになる。
同様のことは、2つのキャリアのサービスを契約しておけば、すぐにでもできるわけだが、コスト的にきつかったりもする。今回発表されたKDDIとソフトバンクのサービスでも、データ通信の容量や速度、料金についてどうなるかも気になるところだ。
片方をMVNO回線にするといったことは生活の知恵でもある。前述のmineoの「マイそく スーパーライト」であれば250円/月で予備回線が確保できる。MNOとの契約ではこの価格は難しそうだ。mineoは、au/ドコモ/ソフトバンクのトリプルキャリア対応なので、今、自分がメインに使っているキャリアと異なるキャリアを選べばいい。
万が一の場合に、データ通信が先の32kbpsというのは心許ないが、24時間データ使い放題が330円で提供されている。この金額なら障害が3日間続いても1,000円以内で済む。本当にまずい状況の時にはそれを使えばいい。
ただ、これをWebでオンにするというのは、いくら簡易なUIであったとしても、通信速度が遅くてたいへんだろう。特番などを設定し、そこにSMSでなんらかのキーワードを送信することで、24時間使い放題を購入することができるようになっているなどすれば、使いやすいサービスになりそうだ。転送電話サービスなどと組み合わせて、サービス障害でつながらないメイン回線への着信を予備回線に転送するというのもスマートな使い方だ。
そんなわけで、とにかく音声通話のできる回線で、非常時にフルスピードのデータ通信を有効にできるサービスとして、mineoの新サービスは、かなりコストパフォーマンスが高いものだといえる。220円で得られる安心としてはかなり大きい。月末の3日間のギガ不足を補うような使い方にも有効だ。
こんな具合に、物理SIMとeSIMのデュアルスロット端末が、新しい当たり前となりつつあるなかで、その空きスロットを争奪する各社の戦いが本格化しているようだ。KDDIとソフトバンクの予備回線サービスも、デュアルSIMスロットの運用で、物理SIM×2や、物理SIMとeSIMの組み合わせを前提としている。mineoサービスとメイン回線の組み合わせはワンストップとはいかないが、かなり現実的なものといえる。 』
ウクライナ国防省「ロシアが3月の制圧指示」 東部2州
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR038RB0T00C23A2000000/
『【ロンドン=中島裕介】ウクライナ国防省の情報総局は2日、ロシアのプーチン大統領が3月中にウクライナ東部のドネツク、ルガンスク両州の全域を制圧するよう軍に指示を出したとの見解を明らかにした。ロシア側に、新たな大規模攻撃や2州の完全な占領に向けた準備をしている兆候があるとしている。
情報総局の高官がウクライナメディアのインタビューで語った発言を伝えた。高官は「ロシアの占領軍が(2州制圧に向けた)追加…
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『高官は「ロシアの占領軍が(2州制圧に向けた)追加の部隊、装備を再配備していることを注視している」と警告した。
ロシア軍の兵士が隣国ベラルーシの領土内で訓練を受けているとも指摘した。一方で数週間以内にベラルーシ方面から大規模な攻撃が始まる戦力は整っていないとも分析。「現段階ではベラルーシがウクライナへの全面的な侵略に関与する脅威はないが、考慮に入れるべきリスクでもある」との見方を示した。
ウクライナでは軍事侵攻1年となる2月24日にあわせてロシアが大規模な攻撃をしかけるとの警戒感が強まっている。
レズニコフ国防相は1日、フランスのテレビ局のインタビューでロシアが侵攻1年の節目に「何かを試みる可能性がある」と述べた。ロシアが動員した予備役は公式には30万人とされているが、実際には50万人にのぼる可能性があるとの見解も示した。
ロシアは軍事会社ワグネルとともにドネツク州ソレダルを制圧したが、それ以降は支配地域は広がらず戦況は膠着している。ロシア軍の攻撃は続いており、ウクライナ軍参謀本部の2日夜の発表によると、ウクライナ東部と南部でロシア軍による5回の空爆を受け、学校などの民間施設に被害が出た。
欧州連合(EU)とウクライナは3日に同国の首都キーウで首脳会談を開く。EUのミシェル大統領らとウクライナのゼレンスキー大統領との会談では、同国のEU加盟問題も議題になるとみられる。これに先立ちEUのフォンデアライエン欧州委員長は2日、キーウでゼレンスキー氏と会談し、新たな追加制裁パッケージでロシアに打撃を与えると約束した。制裁の対象や詳細は明らかにしなかった。
EUのフォンデアライエン欧州委員長(右)を出迎えるウクライナのゼレンスキー大統領(2日、キーウ)=AP
プーチン大統領は2日、ロシア南部ボルゴグラードでの演説で「ナチズムが現代的な装いで現れ、ロシアの安全保障に直接的な脅威を再び生み出している」と述べ、ウクライナ侵攻の正当性を改めて訴えた。ボルゴグラードは第2次世界大戦の独ソ戦の激戦地。ロシアによる今回の侵略をかつての祖国防衛にすり替えて、欧米のウクライナへの軍事支援を非難した。』
米国、ウクライナに長距離兵器供与へ クリミアが射程に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN040320U3A200C2000000/
『【ワシントン=芦塚智子】米政府は3日、ウクライナに約21億7500万ドル(約2850億円)相当の武器を追加供与すると発表した。国防総省は地上発射型小直径弾(GLSDB)と呼ばれる長射程のロケット弾が含まれると明らかにした。米メディアによるとGLSDBは射程が約150キロメートルとこれまでに供与した兵器の約2倍で、ロシアが併合したウクライナ南部クリミア半島が射程範囲に入る。
米国がウクライナに長距離兵器を供与するのは初めて。国防総省のライダー報道官は3日の記者会見でGLSDBの供与について「ウクライナが自国を防衛する作戦を実行し、ロシア占領地域の主権領土を取り返すための、より長距離の発射能力を提供する」と説明。クリミア攻撃を支援する意図があるのかとの質問に対しては「ウクライナの作戦計画は彼らの決断だ」と回答を避けた。
GLSDBは高機動ロケット砲システム「ハイマース」などから発射する兵器。ウクライナ側は射程が約300キロメートルとさらに長い地対地ミサイル「ATACMS」などの供与を求めていた。米政府は長射程の兵器供与について、ロシア領土内の攻撃に使用されれば事態をエスカレートさせかねないと慎重な姿勢を取ってきた。
米政治サイトのポリティコは、米軍は現在GLSDBを保有しておらず、本来は空中発射型で改造には最高で9カ月かかると報じている。ウクライナ軍が計画しているとされる春から夏にかけての大規模な反攻作戦には間に合わない可能性がある。
供与を発表した武器にはこのほか、ハイマース用の追加の砲弾や、携帯型対戦車ミサイル「ジャベリン」250基、路上爆弾への耐性を強化した新型装甲車「MRAP」181台が含まれる。
バイデン米大統領は1月25日に主力戦車「エイブラムス」31両をウクライナに供与すると発表。戦車の提供に慎重だった姿勢を転換した。ウクライナが求めている米戦闘機「F16」の供与については否定している。ウクライナ支援の姿勢を強調しつつ、緊張の激化を防ぐための難しいかじ取りを迫られている。
【関連記事】
・米、ウクライナに主力戦車「エイブラムス」31両を供与
・ドイツが主力戦車を供与決定 米国も提供、欧州安保強化
・日米欧防衛費2ケタ増 ウクライナ侵攻後、中ロ脅威に備え
ニューズレター 』
米政府、ブリンケン国務長官の訪中を延期-偵察気球の問題で
https://news.yahoo.co.jp/articles/c7256aef9242eff001b57b2f3167bf9baf5e030c?page=1
『(ブルームバーグ): バイデン米政権は、予定していたブリンケン国務長官の中国訪問を延期した。モンタナ州の核関連施設上空を中国の偵察気球が長時間飛行したことを踏まえた措置だと、当局者2人が明らかにした。
中国の気球は米国の主権を明らかに侵害しており、このような状況下の訪中は適切でないと判断したと、国務省高官が3日、記者団に説明した。ブリンケン長官は適切な時期に中国を訪問するとも述べた。
ブリンケン長官は来週前半、北京で会談が予定されていた。実現していれば米外交トップによる5年ぶりの訪中だったが、偵察気球の飛行で米当局者は現段階での訪中は誤ったシグナルを発することになるとの決定に至った。部外秘の情報だとして匿名を条件に関係者が明らかにした。偵察気球について米国防総省は撃ち落とさない判断を下したという。
気球問題を巡って中国は異例の融和的な姿勢をとり、中国外務省は3日、気球が不可抗力により誤って米国上空に達したことを「遺憾に思う」と表明。気球は民生用で気候調査が目的だと釈明した。
米当局者によると、中国の遺憾に米国は留意し、ブリンケン氏は中国の外交トップである王毅氏に訪問延期を3日朝伝えた。気球飛行は受け入れられず、無責任だとも表明したという。
気球は今週発見され、大陸間弾道ミサイルの基地があるモンタナ州の上空を航行していると、国防総省の高官1人は述べていた。この高官によると、機密情報への脅威はなく、気球侵入は以前にも発生していた。
気球は東に向かって飛行を続け、現在は米中部上空にあると、国防総省のライダー報道官は3日、記者団に説明。気球の操作は可能で進路は変わったとしつつ、現在も中国が操作しているかについて断定は控えた。地上の民間人に危険はなく、航空機が使用する空域よりも上空を飛行しているとし、撃墜すればその破片が危害を及ぼす恐れがあると語った。
同報道官によると、気球はあと「数日」米領空にとどまる見通し。国際法を侵害しているとも、同報道官は明言した。』
『国防総省が気球について2日に初めて発表すると、共和党議員から抗議の声が上がった。対中政策を監視する新たな下院特別委員会のギャラガー委員長は、中国の脅威を浮き彫りにしていると述べ、気球の存在は「中国共産党の最近の外交提案は政策を根本的に変更したわけではないことを明白にする」と主張した。
米当局者は正確な監視目的やサイズ、仕様など気球を巡るいくつかの質問には回答を控えた。
原題:US Postpones Blinken’s Visit to China in Uproar Over Spy Balloon(抜粋)
US Postpones Blinken China Visit in Uproar Over Spy Balloon (1)(抜粋)
–取材協力:Josh Wingrove、Philip Glamann.
(c)2023 Bloomberg L.P. 』
米政府、気球に偵察機器搭載との見方 中国の「民間」説明に反論
https://news.yahoo.co.jp/articles/7b415bc1c943836045ca3f7e28d6fabb8bd62c47
『米国の領空内に中国の大型気球が侵入した問題で、米国防総省のライダー報道官は3日の記者会見で「中国による偵察を目的としたものであり、米領空への侵入は国際法違反だ」と指摘した。気球本体にぶら下がっている部分に偵察用の機器が搭載されているとの見方を示し、中国外務省による「気象研究などが目的の民間の無人飛行船」との説明に反論した。米政府は、気球がさらに数日間、米領空にとどまるとみている。
【写真:米領空内を飛ぶ気球】
国防総省によると、気球は3日午後(日本時間4日未明)時点で、米本土中央部の上空約1万8000メートルを東進している。ライダー氏は「中国政府の(民間飛行船との)声明は認識しているが、我々は偵察気球だと知っている」と強調。気球は「操縦可能で、途中で飛行ルートを変更した」とも指摘した。北米航空宇宙防衛司令部が引き続き、気球の動向を監視している。
また、ライダー氏は「この種の気球の活動は、過去に他の場所でも確認されている。しかし、今回は米領空にとどまっている期間が長い点が異なる」と説明した。日本でも2020年に宮城県上空で同様の形状の気球が確認され、河野太郎防衛相(当時)が「24時間、警戒監視を続けている」と述べたことがあった。21年にも東北地方で同様の気球の目撃情報があった。今回確認された気球とこれらが同種かどうかについて、ライダー氏は言及を避けた。
1日に気球の飛行が確認された西部モンタナ州には、核弾頭搭載の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を運用するマルムストロム空軍基地などがある。米CBSニュースによると、バイデン大統領はモンタナ州上空に気球が飛行した際、当初は撃墜すべきだと考えていたという。しかし、地上に落下した際の人的・物的被害を懸念する国防総省や米軍幹部らの助言に従い、撃墜は見送った。国防総省は「地上への軍事的、物理的な脅威はない」としている。【ワシントン秋山信一】』
中国、自国の気球と認める 「気象研究用」遺憾表明
https://www.47news.jp/world/8899274.html
『【北京共同】中国外務省の報道官は3日夜、米本土上空に飛来した気球について、自国の民生の気象研究用飛行船だと認め「不可抗力により米国に迷い込んだことを遺憾に思う」と表明した。米中間で新たな火種を抱えないよう事態収拾を急いだ格好だ。
報道官は、記者の質問への回答として外務省ホームページに文書を掲載。気球に関し「偏西風の影響を受け、操縦能力が限界に達し、予定した航路から大きく外れてしまった」と説明。「引き続き米国と意思疎通し、不測の事態に適切に対処していく」と強調した。
これに先立ち中国外務省は、「臆測や宣伝は問題の適切な解決につながらない」と反発していた。』
ロシア、大学で「軍事作戦」教育 政権史観を浸透
https://www.47news.jp/world/8899385.html
『ロシア科学高等教育省は3日、今年9月から国内の大学で必修科目となる歴史の授業で、ウクライナでの「特別軍事作戦」も指導対象になると発表した。ロシアのプーチン政権の史観に沿った内容を国民に浸透させる狙いとみられる。
144時間以上が割かれる歴史の講義では、古代ロシアからウクライナ侵攻開始までが対象の期間となり「軍事作戦の目的や西側諸国による制裁圧力」を学ぶという。ロシア独立系メディアによると、2014年にウクライナで親欧米派が親ロ政権を崩壊させた政変について「憲法違反の転覆」と指導。ウクライナは「反ロシア」に変貌したと教育する。』
「私たちが生まれ育った国はもう存在しない」
露メディアの痛烈な皮肉 「ロシアを破壊するというプーチンの“目的”は果たされた」
https://courrier.jp/news/archives/315278/
『2023.2.3
ウラジーミル・プーチン大統領は、米国に勝ち、ロシアがリーダーとなる新たな世界秩序を確立することが自分の使命だと考えているのだろう。
しかし、彼は間違っている。彼の使命はロシアを壊滅することだったのだ。そして彼はそれをやってのけた。これで、彼は安心して引退できるはずだと独立系メディア「ノーバヤ・ガゼータ欧州」は書いている。
あの戦争絵画を連想させる所業
ウラジーミル・プーチン大統領はロシアを壊すことしかやっておらず、それ以上のことは何もできていない。
落ち込み続ける経済、減り続ける人口、技術開発の遅れの深刻化、徹底的な偽善──これはすべて彼の統治の結果だ。戦争も、ヴァシーリー・ヴェレシチャーギンの絵画『戦争の結末』を思わせるような大量虐殺もそうだ。
ヴァシーリー・ヴェレシチャーギンの絵画作品『戦争の結末』
ヴァシーリー・ヴェレシチャーギン 『戦争の結末』(モスクワ・トレチャコフ美術館蔵)
私たちが生まれ育った国はもうない。国は土ではなく、それ以上のものだ。土地はどこへも消えたりしないし、人びとも基本的にはそこに留まるだろう。今もロシアから出る人は多数派ではない。
国とは、文化であり、生活様式であり、自意識であり、世界における在り方である。国とは、現在と過去との関係。つまり継承するものだ。
かつての雷帝のような暴君
我が国ロシアは、過去に一度消滅しかけたことがある。ボルシェヴィキ(註:ウラジーミル・レーニンが率いた左派グループ)に破壊されたときだ。
彼らが十月革命を起こした後には、ある種の無分別なことがまかり通る国になってしまった。しかしそれは、イヴァン雷帝の治世のときのようなロシア史のもっとも病的な時期をのぞけば、ロシアという国家や文化、歴史にはもう何の関係もない。
『自ら殺した息子の遺骸の傍に座るイヴァン4世』(ヴャチェスラフ・シュワルツ画)の画像
「イヴァン雷帝」と恐れられたイヴァン4世。「ノヴゴロド虐殺」など残忍な作戦を指示した。作品は『自ら殺した息子の遺骸の傍に座るイヴァン4世』(ヴャチェスラフ・シュワルツ画)
イヴァン雷帝の暴政は、ロシアの歴史も文化も否定し、かつての国を象徴する人たちを殺害し、追放した。それは、1917年以前に亡くなった人々の記憶を忘却へと追いやり、歪曲した。
文化までが失われていく
今、それとよく似たことが起きている。つい最近までは、「ロシア」という語には良いイメージも悪いイメージも含まれていた。独裁、スターリン、収容所を思わせるけれども、ロシア文化、宇宙飛行、勝利も連想させた。しかし、それもすべて過去のことだ。
かつて「ドイツ」や「ドイツ人」という語が、ゲーテや偉大なドイツの学者たちでなく、ナチスの親衛隊や狂気の総統、アウシュヴィッツやトレブリンカ強制収容所の窯を連想させたように、今日「ロシアの」という形容詞にふさわしいのは、死、破壊、侵略、嘘だけだ。しかも、それが長く続いているのだ。
国がなくなった。それだけではない、80年代後半から築いてきたものすべてが破壊されてしまった。ロシア文化はなくなった。
Il tempio della lirica, l’evento musicale dell’anno, l’emozione del grande spettacolo. Dal Teatro alla Scala di Milano, Ildar Abdrazakov è #BorisGodunov
Mercoledì 7 dicembre ore 17.45 su @RaiUno e @Radio3tweet pic.twitter.com/HncpLvF1NK
— raicultura (@RaiCultura) November 30, 2022
ウクライナ政府の批判はあったものの、スカラ座は文化と政治を切り離す方針をもとに、ロシア音楽の作品を使用した
伊ミラノのスカラ座はモデスト・ムソルグスキーで幕を開け、アントン・チェーホフは世界のありとあらゆる劇場で上演されている。
かつて、彼らの名の背後には偉大なるロシア文化と呼ばれたものが想起されていたかもしれない。だが今は、詩人のアレクサンドル・プーシキンや作曲家のピョートル・チャイコフスキーは、何かしらの文化的な土壌とは無関係に、彼らの名だけで存在しているかのようだ。彼らは存在するが、その背後には何もない。
ロシアという言葉で思い浮かべるのは…
ロシア軍も、もはや存在しない。あるのは、ウクライナに死をもたらしている危険な武装集団だ。
軍隊は自国を守るものであって、漠然とした自分の幻想を叶えることのほかに何の目的もないのに、隣国で悪事を働くものではない。現代的な軍隊というのは統一されているものであり、私兵で成ってはいない。
現代的な軍隊には規律がある、行き過ぎた行為もあるが、強姦や略奪をした兵士は罰せられる。ほしいままに略奪させ、犯罪者の部隊に近衛の称号を与えて鼓舞するなどしない。
ロシアという語は、ピョートル大帝時代から巨大な軍事力を想像させてきた。いまプーチンは、全世界に向けて、巨大な力など何もないことを見せつけた。
これは、ロシアの安全保障の観点からしても危険なことだ。旧ソ連の最高指導者であったヨシフ・スターリンが冬戦争(フィンランドへの侵攻)で失敗し、ヒトラーのソ連侵攻を促したように。
側近でさえ声をかけない
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