北大西洋条約機構/NATO(世界史の窓)
https://www.y-history.net/appendix/wh1601-071.html#wh1702-109
※ 『2002年にロシアは準加盟国となった』…。
※ ここは、知らんかった…。
『(4)NATOの変質
冷戦終結後、対共産圏軍事同盟としての目的は消滅。東欧革命、ソ連の解体、ユーゴスラヴィアの解体に伴い、東欧に加盟国を拡大させ、全ヨーロッパの集団安全保障機構へと性質を転換させた。
NATO(北大西洋条約機構)は第二次世界大戦後、冷戦期の1948年に創設され、その目的は時期とともに変化しながら、柱は共産圏に対する防衛を目的とする軍事同盟であった。従って冷戦の終了とともに東側のワルシャワ条約機構の解散と同じく消滅してしかるべきであったが、前者が解散されたのに対して、NATOは存続を続け、さらに加盟国を増大させている。その反面、アメリカ軍の占める割合は減少し、米軍主体の核で重装備した軍事同盟という性格は薄らいでいる。その変質をまとめると次のようになる。
冷戦終結後のNATO
1990年にNATO加盟諸国は「ロンドン宣言」を発表し、ワルシャワ条約機構を敵視することを放棄すると宣言、目的を一変させた。結成当時のNATOの目的は大きく変化したので、現在のものを「ニューNATO]という。東欧民主化によって成立した東欧諸国、ソ連解体に伴って成立したバルト三国などが相次いでNATO加盟を申請するようになると、ロシアはNATOが新たにロシアを敵視するのではないかと反発したが、97年にNATO諸国首脳がロシアのエリツィン大統領との間で「ロシアを敵視しない」という「基本文書」に署名、その結果東欧諸国のNATO加盟が実現した。
→ NATOの東方拡大
現在のNATO
「北大西洋」地域の安全保障にとどまらず、国際連合とOSCE(全欧安全保障協力機構)のもとで、民族紛争や人権抑圧、テロに対して、平和維持に必要な軍事行動を行うこととなった。その最初の行動が1999年のコソヴォ紛争でのNATO空軍のセルビア軍に対する空爆であり、アフガニスタンへの治安出動である。
対ロシア軍事同盟への傾斜
2002年にロシアは準加盟国となったが、2014年のウクライナ危機がおこり、ウクライナ反政府軍への軍事支援の疑いが生じたため、ロシアの準加盟国は撤回された。
NATOは集団安全保障機構という理念からはずれ、かつてのソ連に対抗する軍事同盟という性格を復活させ、対ロシアの軍事行動に対する集団的自衛権の行使へと進む気配を見せており、憂慮されている。』