「国父」一族の動向に注目 インドネシア大統領選まで1年

「国父」一族の動向に注目 インドネシア大統領選まで1年
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023013100673&g=int

『【ジャカルタ時事】2024年2月に予定されるインドネシア大統領選まで1年余りとなった。2期目を終えるジョコ大統領の後任は誰になるのか。最大与党の擁立候補が決まらない中、「建国の父」といわれるスカルノ初代大統領一族の言動や動向に注目が集まっている。

 これまでに立候補を正式に表明したのは、アニス前ジャカルタ特別州知事(53)=無所属=のみ。与党連合の一角を占めるナスデム党が昨年10月、擁立を発表した。大統領選で2度の敗北を喫したプラボウォ国防相(71)=グリンドラ党党首=も、出馬の意向を示している。

 世論調査ではガンジャル中ジャワ州知事(54)がトップを走ってきたが、所属する最大与党・闘争民主党は、いまだ候補者を明らかにしていない。1月10日に開かれた同党の設立50周年記念式典で擁立候補が発表されるとみられていたが、党首のメガワティ元大統領(76)は約2時間に及ぶ演説でも明言しなかった。

 闘争民主党でガンジャル氏と並んで立候補が取り沙汰されているのが、メガワティ氏の娘プアン国会議長(49)だ。スカルノ初代大統領の娘がメガワティ氏で、プアン氏は孫に当たる。

 ある政治評論家は、メガワティ氏が演説で「わが党の女性幹部は、男女同権という考え方の下、戦う準備をする必要がある」と発言したことに注目。「プアン氏擁立を示唆している」と指摘する。

 公立大学の専門家も、メガワティ氏の演説の同じ部分を取り上げ「闘争民主党をスカルノ一家から切り離すことはできない。もしガンジャル氏が大統領になったら、党内にプアン氏の居場所がなくなってしまう」と語った。

 国内政治に詳しいインドネシア人女性記者は「闘争民主党がガンジャル氏を選べば、彼が大統領になるだろう」と予想。「世論調査で支持率が低迷するプアン氏を擁立した場合は、混戦が避けられないのでは」と話している。 』