2015年に、ベルギー軍は、保有していた戦車のすべてを、Versluis氏に売却してしまった…。
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『Boyko Nikolov 記者による2023-1-27記事「Belgium wants to send tanks to Ukraine but sold them to a dealer」。
いま、ベルギー軍には、1両の戦車もない。
そしてベルギーでは、民間の武器商人が、廃車の「レオパルト戦車」を保有しているという特異な事情がある。
2015年に、ベルギー軍は、保有していた戦車のすべてを、Versluis氏に売却してしまったのだ。1両1万5000ユーロで。
その後、持ち主は変わったが、廃車群は、Tournai市の同じガレージにずっと保管されている。
ベルギー政府は、これを買い戻して、あらためてウクライナに送ることを検討しはじめた。
しかしVerslius氏が手放したときの価格はぜんぶまとめて50万ユーロだったから、それ以上のカネが必要だ。
その上、アップデートの再整備も必要だ。
Verslius氏にいわせると、50万ユーロは安い買い物だと思うが、コンディションはボロボロなので、このままウクライナへ贈ろうとは考えない方がいい。高額な粗大ゴミ輸出になってしまう。
同じような酷いコンディションなのがスペイン保有のレオ2。2022夏に、これを有料でウクライナに委譲しようかという話があったが、ボロボロなのを実見してウクライナ政府側で断った。必要な修理費はEUが出してくれるとしても、ウクライナ国内では整備のしようがないレベルだったのだ。
ベルギー軍はべつに「戦車無用論」を唱えているわけではない。だが戦車というものは、もしそれを保有しようとするならば、IFVもSPも戦車回収車も工兵車も架橋車もすべて「セット」として必要になる。すなわち氷山の頂点のようなもので、少数の戦車戦力を整えるにも、多額の軍事費が毎年、かかるようになる。その負担にベルギー財政は耐えかねた。それで、むしろ他の兵器を整備することにしたのである。
※雑報によるとベルギーの軍需企業が試算値を出した。レオ1A5BEを改修してウクライナに援助するには、履帯の修理に12万ユーロ、エンジン修理に18万5000ユーロ、ショックアブソーバーの交換に36000ユーロ、FCSの更新に50万ユーロかかりますよ、と。
※ベルギーはAMRAAMをウクライナへ寄贈する。これはSAMとして用いてもらうためのものである。
※複数の報道。米国がF-16の供与を検討しはじめたので、フランスはラファールかミラージュを寄贈して先手を打つのではないかと。』