ドイツ、外堀埋まり戦車供与 国内外の批判受け

ドイツ、外堀埋まり戦車供与 国内外の批判受け
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR250800V20C23A1000000/

『【ベルリン=南毅郎】ウクライナへの主力戦車の供与問題が決着した。ドイツはロシアとの全面衝突を避けるために供与に慎重だったが、国内外の批判を受けて外堀が埋まった。第2次世界大戦でナチスの台頭を許した教訓から紛争地への供与を控えてきたドイツが再び歴史的な決断を迫られた。

「他国と連携して戦車をウクライナに送る」。隣国ポーランドのモラウィエツキ首相はドイツに主力戦車「レオパルト2」の供与を認めるよう圧…

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『「他国と連携して戦車をウクライナに送る」。隣国ポーランドのモラウィエツキ首相はドイツに主力戦車「レオパルト2」の供与を認めるよう圧力をかけ続けた。侵攻を受けた歴史を持つポーランドなどがドイツの背中を押した。

ショルツ政権は当初、重火器の提供はあくまでも他国を経由した間接的な支援を想定していた。レオパルト2の供与決断を迫られたのは、民主主義国としての責務の重みが過去の教訓を大きく上回ったためだ。

ドイツがこのような形で決断したのは初めてではない。

ショルツ首相はロシアによる侵攻直後の昨年2月27日に独連邦議会で演説し、国防費を国内総生産(GDP)比で2%以上に引き上げる方針を表明した。独国防費は過去20年間、GDP比で1%台前半にとどまり、米国などから批判を受けてきた。

次に殺傷能力のある重火器の直接供与。ドイツはロシアの侵攻直後まで武器供与に慎重で、代わりにヘルメット5000個を送ったことで猛烈な批判を招いた。4月下旬には、自走式対空砲「ゲパルト対空戦車」などの本格的な供与に動いた。

いずれも共通するのは、ショルツ氏がドイツの独断専行を明確に避けてきた点だ。「ウクライナの戦争」に本格的に関与を深めることでロシアと北大西洋条約機構(NATO)の戦争になるのを避けると訴えてきた。

国内に目を向ければショルツ政権の不協和音も大きい。ショルツ氏が率いてきたドイツ社会民主党(SPD)と環境政党の緑の党、自由民主党(FDP)の3党連立だが、緑の党とFDPは戦車供与に前向きな発言を繰り返した。

優柔不断との批判を浴びながらも、結果的に米国を巻き込んで西側諸国が歩調をあわせる。ウクライナ危機が長引くほど、ドイツ流の意思決定と付き合う必要がある。』